迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

ケロちゃんちのカメラから摘出したレンズ KOWA 50mm F1.9 撮影編

2024-01-13 20:55:57 | 改造レンズ、マウント改造
レンズ固定式レンズシャッター式一眼レフKowa SEから抽出したレンズKOWA 50mm F1.9をフルサイズ機につけて撮影しました。


絞り開放で撮ると、ちょっと癖のあるボケになります。


アウトフォーカス部分は面白い二線ボケです。


後ろボケがざわざわしています。


M42ヘリコイドリングを使って、このレンズの最短撮影距離0.7mよりも近距離にして撮影すると、少しボケは柔らかくなります。

  SONY α7+KOWA 50mm F1.9(from Kowa SE)

Kowaのケロちゃんちのレンズは、なかなか強い個性をもつじゃじゃ馬レンズでした。こういう写りをするレンズ、けっこう好きなんです。
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ケロちゃんちのカメラから摘出したレンズ KOWA 50mm F1.9 改造編

2024-01-06 23:39:04 | 改造レンズ、マウント改造
昨年、レンズ固定式レンズシャッター式一眼レフKowa SEを紹介しましたが、入手したSEはシャッターが故障していて不動な状態でした。分解して修理にトライしましたが、どうしても故障原因がわからず、結局は修理を断念しました。


以前にレンズ交換可能な一眼レフKowa SER用のレンズKOWA SER 50mm F2を紹介しましたが、レンズの明るさが違うので別のレンズ構成の可能性があります。こちらのKOWA 50mm F1.9の写りも見てみたいと思い、レンズを摘出して、マウントを付与してミラーレス機で使うという方針に変更しました。
まずはレンズの鏡胴の距離リングと絞りリングの間にある3か所のネジを緩めます(写真の赤丸部分)。


そうするとレンズがすっぽり外れます。


Kowa SEはビハインドシャッターなので摘出したレンズにはシャッターが内蔵されていません。そのままレンズを使うことができます。今回はレンズ内に少しカビがあったので、前と後ろから分解してレンズの内側を清掃しました。
次にミラーレス機で撮影できるようにするため、マウントを付けます。49/55ステップアップリングが鏡胴にピッタリはまりましたので、それを活用することにしました。ステップアップリングの後ろ側が49mmのオスになるので、先日紹介した49mmメス/メスリングとM42リバースリングを付けることで、マウントがM42になりました。

あとはM42ヘリコイドリングとM42/ソニーEの薄型アダプターを使えば、ソニーEマウントのミラーレス機で使うことができます。

摘出したレンズでの撮影は後日報告したいと思います。

※カメラ/レンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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ぐるぐるな夏景色

2023-08-26 22:46:24 | 改造レンズ、マウント改造

米国製小型カメラBOLSEY に付いていた小さなレンズWOLLENSAK ANASTIGMAT 44mmF3.2にマウントをつけたレンズを持って、夏の公園に行きました。さあ、ぐるぐるボケレンズに活躍していただきましょう。

光が廻っています。

背後の木々が円弧を描くように廻っています。

疲れたので切り株に腰を下ろそうとすると、森が廻っていますよ。


  いずれも SONY α7+WOLLENSAK ANASTIGMAT 44mmF3.2

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暑さのせいか廻っています 

2023-08-19 13:32:38 | 改造レンズ、マウント改造

酷暑の中、ロシアスメナ8Mから取り出したレンズLOMO T-43 40mm F4を持って公園に行くと、百日紅の花が咲いていました。カメラを向けると、なんか廻っています。これぞ迷レンズ。


 SONY α7+LOMO T-43 40mm F4

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ライカのヘリコイドに入った謎のソフトフォーカスレンズの正体は?

2023-04-30 16:43:14 | 改造レンズ、マウント改造

以前にライカのライカのビゾフレックスシステムのヘリコイドに入った謎のレンズを紹介しました。その時に実写結果から、焦点距離は7cm位で開放F値が6.3程度のソフトフォーカスレンズであることを書きました。

このレンズの正体は何者だろうかと気になっていましたが、先日、興味深い記事(*1)を見つけました。
1912年に米国コダックから発売されたベスト・ポケット・コダックというカメラの単玉(2枚貼り合わせのセミアクロマテッィク)レンズの絞り付きレンズフードを外して絞り羽根をより広げて撮影することで、ソフトフォーカス効果が得られるという撮影法が、かつて日本で流行っていたそうです。この撮影技法を「ベス単フード外し」と呼んでいました。この記事では、レンズユニットをカメラから摘出して35mm一眼レフで使えるようにする、という記事です。
そこに書かれていたレンズ構成図に、焦点距離72.2mm、バックフォーカス74.3mm、フード外した最大口径時のF値が6.8と書かれていました。ちなみに謎のレンズのレンズ後端からセンサー面までの距離を測定してみると、約7.5cmでした。

そうなんです、自分でざっくり実測した値に近いのです。
改めてWebに出ているベス単レンズの写真を見ると、何となくソフトフォーカスの具合が似ているようにも思えてきました。

ということで、私が入手したライカのヘリコイドに入った謎のソフトレンズは、「ベス単レンズ」ではないかと推定しました。このレンズのことを勝手に「ベス単(仮)」と表記しようかと思います。

ソフトフォーカスとは言え、ピント合ったところはそれなりにしっかり描写がされていて、けっこう優秀なソフトフォーカスレンズだと思っていましたが、あの名高い「ベス単」とすれば、なるほど納得できそうです。

ベス単とすれば100年以上前のレンズです。こんな素晴らしいレンズが今でもデジタルで撮影できるとは、よい時代です。

 いずれもLumix DMC-G2+ベス単(仮)レンズ

(*1):萩谷剛「ベス単レンズを35mm一眼レフで使う」『写真工業 2000年6月号(第58巻第7号,通巻615号)』写真工業出版社、2000年7月1日発行、pp.42

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ライカのヘリコイドに入った謎のレンズ

2022-09-25 23:20:30 | 改造レンズ、マウント改造

今日は、とあるカメラ店で見つけた謎のレンズを紹介します。外観は、フィート表示の距離環がついた古いリングで、「Germany」の表示があります。そして中を見ると、何かレンズらしきものが嵌っています。改めてタグを見ると「自作レンズ」と書かれています。「Germany」の表示に惹かれて、なんだかよく分からないまま持ち帰ることにしました。

家に帰りじっくり見ると、ヘリコイド付きリングの中に、きれいに小さなレンズが嵌っています。市販品と言ってもおかしくないような出来です。

このヘリコイド付きリングですが、調べてみると、ライカのビゾフレックスシステムの「ショートヘリコイドZOOAN 16495」※のようです。カメラ側のマウントはL39になっています。もともとは Hektor 13.5cm F4.5などのヘッドをこのヘリコイドに装着してビゾフレックスに取り付けて使うもののようです。またこのアダプターを経由して一眼レフでも使えたようです。

そして内蔵されているレンズですが、中間リングやM42ヘリコイドリングなどと組み合わせて、撮影することができました。写真の組み合わせは、本レンズ+L39/M42アダプター+M42中間リング+M42ヘリコイドリング+M42/ソニーEアダプターとして、SONY NEX-3Nに装着した写真です。

実際にカメラに付属して撮影した結果から推定すると、焦点距離約70mm F6.3程度のソフトフォーカスレンズであることが分かりました。

光が当たっているところの滲み具合がなかなか素敵です。

近距離撮影時には前ボケがバブルボケ形状になります。


  いずれもLumix DMC-G2+ソフトフォーカスレンズ


なかなか面白いレンズが手に入りました。こんなことがたまにあるので、カメラ店巡りは止められませんね。

※参考文献
林輝昭 「ビゾフレックス」を楽しむ 『カメラレビュー クラシックカメラ専科No.37 ライカブック’96』朝日ソノラマ、pp.60-67、1996年3月25日発行

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森の中で Highkor 4cm F3.5

2022-09-24 23:15:40 | 改造レンズ、マウント改造

岡谷光学機械のレンジファインダーカメラLord ⅣAから取り出したHighkor 4cm F3.5を持ち出して、公園で撮影をしました。

近距離の撮影では、背後の景色が気持ちよく廻っています。

 

少し逆光気味のシーンでは、よい具合にフレアが出ます。クラシックレンズの楽しさが味わえるレンズです。

 いずれもSONY α7+Highkor 4cm F3.5

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ちょっとだけ廻ります Highkor 4cm F3.5

2021-12-17 22:50:22 | 改造レンズ、マウント改造

岡谷光学機械Lord ⅣAのレンズHighkor 4cm F3.5を持ち出して、イルミネーションの撮影をしました。ボケの径は小さいのですが、玉ボケがきれいです。

 

よく見ると、少しだけ廻っています。

 いずれもNEX-3N+Highkor 4cm F3.5

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暑さでグルグルまわっています

2020-08-14 17:06:27 | 改造レンズ、マウント改造

米国製おむすび型カメラBOLSEYのレンズWOLLENSAK ANASTIGMAT 44mmF3.2を持ち出して撮影に行きました。公園の中でファインダーを覗いたら、暑さで目まいがしてきました。と思ったら、なんかグルグルまわっています。

思い切り、暴れています。面白いレンズです。

 いずれも SONY α7+WOLLENSAK ANASTIGMAT 44mmF3.2

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近寄って写すとボケがきれい Konitor50mm F4.5

2020-05-25 17:02:11 | 改造レンズ、マウント改造

小西六写真工業のスプリングカメラのコニレットに付いていたレンズKonitor50mm F4.5です。以前にご紹介した時はミノルタSRマウントをつけて撮影しました。ただしその状態ではレンズ本体についている前玉回転ヘリコイドで1.0mまでしか近づけませんでしたが、もっと近寄って近接撮影がしたいと思い、このほどM42マウントに変えてみました。使ったパーツはLord ⅣAのレンズHighkor 4cm F3.5の時に使った樹脂製M42ボディキャップに穴をあけたものが、たまたま径がピッタリだったので流用しました。締め付け環で着脱する必要はありますが、いわばマウントアダプター的に使うことができます。一粒で二度おいしい気分です。

     


さて今回は、M42ヘリコイドアダプターを介してフルサイズで撮影です。最短撮影距離は35cm位まで近寄れます。


いかがでしょうか。きれいなボケですね。では、背後に点光源を入れると、これもなかなか美しいです。

 

適度な距離の場合は、条件がそろうと後ろがグルグル回ります。面白いですね。コニレットのKonitor50mm F4.5は美味しいレンズでした。


いずれもSONY α7+Konitor50mm F4.5


※カメラ/レンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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諏訪湖のほとりで生まれたHighkor 4cm F3.5

2020-04-05 16:55:47 | 改造レンズ、マウント改造

岡谷光学機械Lord ⅣAのレンズHighkor 4cm F3.5です。岡谷光学機械という会社は、戦前に東京光学(現トプコン)の関連会社として設立され、戦後にロード(Lord)という名の35mmカメラを作っていました。ロードは精工舎が販売していたそうです。Load ⅣAは1956年頃に発売された35mm判カメラです。入手した時にはすでに分解され、レンズユニットが外されている状態でした。


レンズユニットからシャッターを外して樹脂製のM42ボディキャップに穴をあけてレンズ後ろに取り付けました。これをM42マウントヘリコイドリングにつけてソニーEマウントで使えるようにしてあります。無限遠から0.4m程度まで近接できます。

 

古いレンズですのでそれなりの性能かと思っていましたが、どうしてなかなかな描写をするレンズでした。フルサイズで撮影しても四隅が流れるということもありません。やや周辺光量が落ち気味ですが、落ち方も結構スムースです。

Load ⅣAで使うよりは大幅に近距離での撮影になりますが、ボケもけっこう素直な感じです。

なかなか良いレンズのように思えます。40mmで使いやすい画角ですので、もっと持ち出して使い込んでみたいと思います。

いずれもSONY α7+Highkor 4cm F3.5

※カメラ/レンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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オールドKodakレンズで撮る紅葉 Ektanon 50mm F3.9

2019-12-14 23:21:44 | 改造レンズ、マウント改造

Ektanon 50mm F3.9を持ち出して、ようやく色づいた公園の紅葉をフルサイズで撮影しました。


フルサイズで撮ると、結構ぐるぐる回るのがよくわかります。


ぐるぐるレンズ発見!の巻でした。

   いずれもα7+Kodak Ektanon 50mm F3.9


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Kodakのバブルボケレンズ  Ektanon 50mm F3.9

2019-10-27 17:18:05 | 改造レンズ、マウント改造

バンタム(828)判のフィルムを使うKodak Bantam RFのレンズ、Ektanon 50mm F3.9です。フィルムはすでに製造中止、シャッター故障のジャンク品からレンズを摘出しました。M42マウントカメラのボディキャップを利用したマウントアダプターにヘリコイドをつけて使っています。


今回はマイクロフォーサーズ機での撮影ですので、35ミリフィルム換算で100mmの画角になります。
レンズ構成は3枚玉のトリプレット構成と思われ、絞り開放で近接撮影時に盛大なバブルボケを作ります。


こんなシーンでもバブルボケが出ます。


かなりくっきりとしたバブルボケです。


一方で遠景ではしっかり解像しており、こってりとした色も出ています。

  いずれもLumix G2+Kodak Ektanon 50mm F3.9

なかなか侮れないレンズのようです。

※カメラやレンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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意外にも写るトイレンズ HOLGA OPTICAL LENS 60mm

2019-08-14 22:57:09 | 改造レンズ、マウント改造

シャッターが故障しているジャンクのHOLGA 120GCFNを入手しました。このホルガについているチープなつくりのレンズをデジタルで使ってみようと思い、レンズを摘出しました。裏ブタを開けてフィルム室側のネジを外し、表側からレンズを捻ると外れました。あまりにも簡単にレンズが摘出できました。
さらに、レンズ後ろに付いていた円形絞りもドライバーを差し込んではがしました。レンズにはOPTICAL LENS 60mm F8と書いてありますが、絞りを外したことで60mm F6.3程度になったようです。
このレンズの後端に昔のテレプラスから摘出したM42マウントをマスキングテープで固定しました。これでM42ヘリコイドを使ってピント合わせが可能になります。今回は、そこにM42/マイクロフォーサーズ薄型アダプターを組み合わせてLumix G2で使ってみました。35mmフィルム換算で120mmの画角になります。


遠景を撮影すると、やや若干滲みがあるものの中心部分は解像しています。周辺は少し流れるような味のある描写です。


近距離撮影では、中心部はしっかり解像しています。


ボケもなかなかきれいな感じです。


玉ボケも出ます。どうも近距離のほうが優秀なようです。

  いずれもLumix G2+HOLGA OPTICAL LENS 60mm

意外にもしっかり写るトイレンズでした。次はフルサイズで撮影して、画面四隅の暴れ具合を楽しんでみたいとみたいと思います。

※カメラやレンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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BRAUN Paxetteから取り出したSTAEBLE-KATA 45mm F2.8

2019-07-21 17:49:21 | 改造レンズ、マウント改造

2019年最初の写真で紹介したBRAUN PaxetteについていたSTAEBLE-KATA 45mm F2.8です。



レンズ固定タイプですが、裏からネジやカシメを外すと絞り調整機構がついた状態でレンズが外れました。無銘のM42中間リングにレンズ鏡体がすっぽり嵌ったので、強力両面テープで固定をしてM42マウント化が完成しました。そこにヘリコイド代用としてM42ヘリコイドチューブを付け、約0.6mから無限遠までピント合わせが可能となりました。改造作業中の写真を撮り忘れたので、完成した姿だけになります。


レンズの傷や汚れの影響もあると思いますが、絞り開放では少し滲むようなふわっとした写りとなります。


3枚玉ですので、絞り開放では見事なバブルボケが出ます。




なかなか面白いボケ方をします。

  いずれもSONY α7+STAEBLE-KATA 45mm F2.8

また、面白いおもちゃが増えました。
カメラやレンズの分解や改造は自己責任でお願いします。

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