迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

今はなきフィルムを使う四角いファミリーカメラ AGFA OPTIMA RAPID 250V

2024-07-26 22:48:24 | Classic Camera
今回取り上げるカメラは、アグファが1966年に発売した、ラピッドフィルムを使うドイツのAGFA OPTIMA RAPID 250Vです。

 型式     :ラピッドフィルム(24×24mm)レンズシャッターカメラ
 レンズ    :COLOR-APOTAR 35mm F2.8
 焦点調整   :目測式 0.9m~無限
 ファインダー :採光式ブライトフレーム
 露出計    :セレン測光自動露出、マニュアル露出も可
 シャッター  :Agfa Paratic V  B.1/30 - 1/250秒
 発売:1966年

フィルム送りは、底面にあるレバーで巻き上げる方式です。


ラピッドフィルムは、コダックのフィルム簡易装填「インスタマチック126」に対抗して、1964年にアグファ社が出したダブルマガジン方式の「ラピッドシステム」用のフィルムです。
マガジンには35mm(135判)フィルムが収納され、撮影済みフィルムは巻取り側にセットされた同型のマガジンに収められ、それをカメラから取り出して現像所に持ち込んで現像します。空になったマガジンは巻取り側に移して次のフィルム収納用として再利用するという方式です。フィルムの巻き癖を利用した方式なので、あまり長尺にすることはできなかったようです。(*1) 撮影枚数は、画面サイズ24×24mmで16枚、24×36mmで12枚、24×18mmのハーフサイズで24枚撮りでした(ちなみにコダックのインスタマチックは1サイズのみ)。


ラピッドシステムを提唱したアグファ社がフィルムとカメラを製造していました。日本では、小西六写真工業と富士写真フィルムの2社がラピッドフィルムを製造し、ラピッドカメラはこの2社以外にオリンパス、キャノン、ミノルタ、リコーなどが発売していました。
ラピッドシステムは、画面サイズにバリエーションがあったり、カメラが小型化できるなどのメリットはあったものの、インスタマチックに比べるとほとんど普及せずに、わずか数年でシステムは縮小していき、本家のアグファも70年代前半にはラピッドカメラの製造をやめてしまっているようです。
アグファ、小西六、富士フィルムがラピッドフィルムの生産を中止したのちも、愛光商会(東京・港区)がネガカラーフィルム「ライトパンカラーIIラピッド」の供給を続けていましたが、1983年には生産を中止したようです。(*2)
空のマガジンがあれば、暗室で35mmフィルムを詰め替えることで、現在でも使用できるようです。

参考文献
(*1):「取枠・フィルムマガジンの変遷2」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 55』朝日ソノラマ、2000年6月25日発行、pp.120
(*2):「現在、手に入る特殊、クラシックカメラ用フィルム一覧」『季刊カメラレビュー No.31 1983年10月号』朝日ソノラマ、1983年10月1日発行、pp.55


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の花 NEEWER 35mm F1.7

2024-07-19 23:25:17 | Lens made in RUSSIA, CHINA
関東地方でも梅雨が明けました。この季節になると、咲いている花はほんの数種類になってしまいます。久しぶりに持ち出したEマウントの中華レンズNEEWER 35mm F1.7で、夏の花をパシリ。


森の中のベンチでもパシリ
 NEX-3N+NEEWER 35mm F1.7
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四十数年前のカナディアンロッキーの風景

2024-07-07 22:56:54 | フィルム時代
昔の写真のデジタル化を進めています。今回の写真は、カナダ・アルバータ州ジャスパーの周辺で撮影した1980年夏の景色です。MFの一眼レフに28mm,55mm,135mmの3本のレンズを持って行った記憶があります。フィルムは、コダックのリバーサルフィルム、エクタクローム 64(EPR)。現像後はスライド専用のアルバムで保管していましたが、退色はかなり少ないような気がします。そのスライドを、Nikon Slide Copying Adapter ES-1を使ってデジタル化しました。

 Minolta SRT101+MC Rokkor PF 55mm F1.7  Ektachrome64  撮影地:Peyto Lake

はるか昔の撮影ですので、どこで撮影したのか、だいぶ記憶が曖昧になっています。山の名前、湖の名前などの地名が思い出せません。でも最近は、Google MapとGoogle Earthのおかげで、撮影地がわかるようになりました。地図上をクリックすると、ストリートビューやそこで撮影した写真(動画も)が出てきます。自分が撮影した写真と見比べていると、同じような景色が映っている写真が見つかり、「ここで撮影したんだ」というのガわかり、うれしくなってしまいます。場所が特定されると、その前後の記憶も少し戻ってきました。

 Minolta SRT101+MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5   Ektachrome64  撮影地:Pyramid Mountain at Patricia Lake


 Minolta SRT101+MC Rokkor PF 55mm F1.7  Ektachrome64  撮影地:Maligne Lake

それにしても、ここ四十数年で、氷河がかなり後退しているのがよく分かります。温暖化は確実に進んでいますね。あらためて実感しました。

 Minolta SRT101+MC Rokkor PF 55mm F1.7  Ektachrome64  撮影地:Mount Edith Cavell
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする