迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

今はなきフィルムを使う四角いファミリーカメラ AGFA OPTIMA RAPID 250V

2024-07-26 22:48:24 | Classic Camera
今回取り上げるカメラは、アグファが1966年に発売した、ラピッドフィルムを使うドイツのAGFA OPTIMA RAPID 250Vです。

 型式     :ラピッドフィルム(24×24mm)レンズシャッターカメラ
 レンズ    :COLOR-APOTAR 35mm F2.8
 焦点調整   :目測式 0.9m~無限
 ファインダー :採光式ブライトフレーム
 露出計    :セレン測光自動露出、マニュアル露出も可
 シャッター  :Agfa Paratic V  B.1/30 - 1/250秒
 発売:1966年

フィルム送りは、底面にあるレバーで巻き上げる方式です。


ラピッドフィルムは、コダックのフィルム簡易装填「インスタマチック126」に対抗して、1964年にアグファ社が出したダブルマガジン方式の「ラピッドシステム」用のフィルムです。
マガジンには35mm(135判)フィルムが収納され、撮影済みフィルムは巻取り側にセットされた同型のマガジンに収められ、それをカメラから取り出して現像所に持ち込んで現像します。空になったマガジンは巻取り側に移して次のフィルム収納用として再利用するという方式です。フィルムの巻き癖を利用した方式なので、あまり長尺にすることはできなかったようです。(*1) 撮影枚数は、画面サイズ24×24mmで16枚、24×36mmで12枚、24×18mmのハーフサイズで24枚撮りでした(ちなみにコダックのインスタマチックは1サイズのみ)。


ラピッドシステムを提唱したアグファ社がフィルムとカメラを製造していました。日本では、小西六写真工業と富士写真フィルムの2社がラピッドフィルムを製造し、ラピッドカメラはこの2社以外にオリンパス、キャノン、ミノルタ、リコーなどが発売していました。
ラピッドシステムは、画面サイズにバリエーションがあったり、カメラが小型化できるなどのメリットはあったものの、インスタマチックに比べるとほとんど普及せずに、わずか数年でシステムは縮小していき、本家のアグファも70年代前半にはラピッドカメラの製造をやめてしまっているようです。
アグファ、小西六、富士フィルムがラピッドフィルムの生産を中止したのちも、愛光商会(東京・港区)がネガカラーフィルム「ライトパンカラーIIラピッド」の供給を続けていましたが、1983年には生産を中止したようです。(*2)
空のマガジンがあれば、暗室で35mmフィルムを詰め替えることで、現在でも使用できるようです。

参考文献
(*1):「取枠・フィルムマガジンの変遷2」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 55』朝日ソノラマ、2000年6月25日発行、pp.120
(*2):「現在、手に入る特殊、クラシックカメラ用フィルム一覧」『季刊カメラレビュー No.31 1983年10月号』朝日ソノラマ、1983年10月1日発行、pp.55


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今年もよろしくお願いいたします オリンパスPEN-S、PEN-EES

2024-01-03 17:44:57 | Classic Camera
2024年最初の写真は、ボディ正面の赤字の筆記体のSが印象的な2台のカメラ。オリンパスのハーフ判レンズシャッターカメラ、PEN-S(左)とPEN-EES(右)です。

今年も、あまり陽の目をみないレンズやカメラにスポットを当てていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
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美しきレンジファインダー機 フォクトレンダーVITOMATIC IIa

2023-12-29 23:55:16 | Classic Camera
今日のカメラは、1960年発売の独フォクトレンダー社のレンズ固定式レンジファインダー機VITOMATIC IIaです。VITOMATICは初代が1958年から発売されました。距離計なしのI型と距離計連動のII型で、追針式の露出計が内蔵されています。今日紹介するIIaは距離計連動タイプの2代目のバージョンで、露出計の針がファインダー内でも表示されシャッター速度が1/500秒まで(初代は1/300秒まで)になったことが初代からの変更点です。レンズは定評のあるCOLOR-SKOPAR 50mm F2.8が搭載されています。(Vittesa T用のCOLOR-SKOPAR 50mm F2.8の記事はこちら

 型式    :135判(35mmフィルム)レンズシャッターカメラ
 レンズ   :COLOR-SKOPAR 50mm F2.8 (3群4枚)
 焦点調整  :距離計連動式、直進ヘリコイド 1m~無限
 ファインダー :逆ガリレイ透視式 ブリリアントフレーム
         二重像合致型連動距離計
 シャッター :プロンターSLK-V B.1 -1/500 秒 シンクロM,X,V セルフタイマー
 フィルム送り :レバー巻き上げ、ポップアップノブ巻戻し
 露出計    :セレン光電池、連動追針式(ファインダー内表示)
 バッテリー  :不要
 重量    :760g

このVITOMATIC IIaは、優美な曲線で覆われた光り輝く梨地クロームのボディで、大きくて見やすいレンジファインダー、距離計窓と一体化したセレン光露出計の端正な形の受光部、先端にいくにしたがって細くなるレンズ形状、レンズの距離リングの花型形状、が目につきます。なんと美しいフォルムなんでしょうか。比較的小さなボディですが、持ってみると、みっしり詰まっている感じがして、なかなかの重量感がある精密機械です。


このカメラ、美しさだけでなく、あちらこちらにギミックが隠されています。
巻き上げレバーは裏蓋と軍幹部の隙間に配置されて余計なでっぱりを無くしています。


普段は軍艦部上面はでっぱりが少なくなっていますが、側面曲線部にあるギザギザをスライドさせると、巻き戻しノブがポップアップします。時計回りに回すとフィルムの巻き戻しができます。



さらに底面の爪を起こして回転させるとロックが外れ、裏蓋が開くことでフィルムの出し入れができます。



軍艦部上面のVITOMATIC IIaの文字が浮彫で彫刻されています。セレン光受光部上面のVoigtlanderの文字もお洒落です。
VITOMATICはこのIIaの後、1964年に後継機のIIbになりますが、残念ながら軍艦部上面のVITOMATICの文字は印刷になり、シャッターボタンはフロント部に移動して押し下げ式になってしまい、美しさは失われてしまいます。VITOMATIC IIaは古豪フォクトレンダーの最後の輝きを持ったカメラだったのかもしれません。
私が所有しているVITOMATIC IIaはシャッターが故障しています。いつか修理はしてみたいと思いますが、いつになることやら。

<参考文献>
1)「ぼくらクラシックカメラ探検隊 フォクトレンダー」オフィスヘリア、1996年11月1日発行
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ケロちゃんちのレンズ固定式レンズシャッター一眼レフ Kowa SE

2023-09-23 13:46:22 | Classic Camera

薬局のカエルのケロちゃんやフィールドスコープなどでおなじみの興和ですが、1960年代から70年代にかけて35ミリ判レンズシャッター式の一眼レフを販売していました。その中からKowa SE を紹介します。

  型式     :135判(24×36mm)レンズシャッター一眼レフカメラ
  レンズ    :KOWA 50mm F1.9(4群6枚)※1
  焦点調整   :0.7m~無限
  フィルター径 :49mm
  シャッター  :レンズシャッター SEIKOSHA-SLV
  シャッタースピード:B, 1-1/500秒 シンクロM,X,V
  ファインダー :ペンタプリズム式(固定)
  フォーカシングスクリーン:スプリットイメージ、マット
  露出計    :cds外部測光、指針表示
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  バッテリー  :1.3V HD水銀電池
  重量     :880g(実測)
  発売日    :1964年

ある中古店のジャンクコーナーにひっそりと置かれていたのを見つけました。てっきりレンズ交換できる機種だと思い込んで購入したところ、店を出て確認すると残念ながらレンズ固定の機種でした。
1960年代には、カメラメーカー各社からレンズシャッター一眼レフが発売されていました。その中でも力を入れていたのが、東京光学(現トプコン)と興和です。トプコンのレンズシャッター一眼レフとしては、レンズ固定式のPRとレンズ交換式のUNIREXを以前に紹介しました。

興和の一眼レフ機は本ブログでは初めての紹介となります。興和の35mmレンズシャッター一眼レフの歴史は、まずはレンズ固定のKowaflex、Kowaflex-E、Kowa SE、Kowa SETと進みました。レンズ交換式一眼レフとしては1965年からKowa SERシリーズが発売されます。 改造レンズとして紹介したSER 50mm F2は、このSERシリーズ用の交換レンズです。(※1)
このKowa SEは、正面から見てペンタプリズムの左側にcds露出計のセンサー窓があります。

軍艦部の上には余計なダイヤルもなく、かなりシンプルな配置になっています。

裏ブタ開けてみると、レンズシャッター一眼レフの特徴である、ミラー裏側に遮光板がついているのが見えます。


入手したKowa SE のシャッターは故障していました。そのうち分解して修理に挑戦してみようかと思っています。

<参考文献>
※1:谷村吉彦「35mmレンズシャッター一眼レフへの道(完結編)」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 22』朝日ソノラマ、1992年9月25日発行、pp.117-127

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レンズ交換できる小さな精密カメラ BRAUN PAXETTE II M

2023-07-22 23:43:12 | Classic Camera

今日のカメラは、旧西ドイツ製のレンジファインダーカメラBRAUN PAXETTE II Mです。1950年代のレンズ交換可能なレンズシャッターカメラです。ドイツのニュールンベルグのBRAUN社(Carl Braun Camerawerk)が発売したカメラです。あのシェーバーのBraunとは別の会社です。

  フォーマット :135判 24×36mm
  マウント   :パクセッテマウント(39mm径のスクリューマウント※)
  シャッター  :レンズシャッター PRONTOR-SVS
  シャッタースピード:B, 1-1/300秒
  ファインダー :50mmフレーム、二重像合致式(独立距離計用)
  フォーカシング:手動、独立距離計で測距可能
  露出計    :なし
  フィルム送り :レバー2回巻き上げ、ノブ巻戻し
  重量              :436g(実測値)
  発売年    :1953年頃

※パクセッテマウントのフランジバックは44.0mm。ライカL39マウントとネジ口径は同じですが、ライカとはフランジバックが異なるため、互換性はありません。

BRAUN PAXETTEシリーズは、1950年から1960年代前半頃までのレンズシャッター式の35mm判レンジファインダーカメラです。様々なタイプのカメラがありました。
ざっくり分類すると、3タイプになります。
 I型:レンズ固定式 (例:Paxette
 II型:M39スクリューマウント(通称パクセッテマウント)レンズ交換式
 III型:バヨネットマウントレンズ交換式
さらにII型には、
 a)距離計非連動式 ・・例:今回紹介のBRAUN PAXETTE II M
 b)距離計連動式  ・・例:Super IISuper PAXETTE IIBL

PAXETTE II Mには、アクセサリーシューの右側にノブ(赤で囲んだ部分)がついています。これが独立距離計を動かす部分です。このノブを回転させるとファインダー内の二重像が動きます。合致したところでノブの上に表示された距離を読み取り、それをレンズの距離環で表示させることで、ピント合わせを行います。

PAXETTE II M(左)とSuper II(右)を並べてみました。正面にBRAUNと書かれているのがSuper IIです。大きさはほぼ同じで、前面のデザインもロゴ以外はほとんど同じに見えます。

軍艦部を上から見てもほぼ同じデザインです。異なるのは距離計の小さなノブだけのようにみえます。

底面の大きなノブリングを回すと、裏蓋ごと外れます。

バルナックライカなどと比べればフィルム交換は楽です。フィルムを入れて蓋を閉めるとしっかり嵌めこめます。この時代の旧西ドイツ製品は、遊びが少ないのにかかわらず、精度よく嵌めこめるのが良いですね。改めてカメラは精密機器だということを認識できます。ドイツ製品の良いところですね。

パクセッテマウントのレンズは、Zeiss、Schneider、Steinheil、Roeschlein、Enna、 Staebleなど、様々なメーカーから供給されていました。さらにその中に、距離計連動するものと、距離計には連動しないものが存在しました。ちなみにBURAUNパクセットのレンズとしては、M39スクリューマウントのものがポピュラーです。中古レンズの市場でもバヨネットマウントはあまり見かける機会がないレンズなようです。

このように、カメラのタイプ、それに応じたレンズのタイプ、さらにマウント違いまで、かなり複雑なシステムになっています。この辺りは趣味的には、なかなか興味深いシステムです。
約70年前のカメラですが、頑丈な旧西ドイツ製ですので、今でも可動なものも多く残っているようです。私の個体もシャッター全速動いています。頑丈な精密カメラというところでしょうか。

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中途半端なシャッター速度を持つコンパクト一眼レフ FUJICA ST605

2023-04-23 21:10:55 | Classic Camera

富士写真光機(現富士フィルム)から発売された普及型一眼レフカメラFUJICA ST605です。フジカは1970年にST701で一眼レフ市場に参入し、開放測光で2000/1秒シャッターを持つST801、絞り優先自動露出のST901と続いたのちに、1976年に普及型としてST605を発売しました。

  フォーマット :135判 24×36mm
  マウント   :M42 (プラクチカスクリューマウント)
  シャッター  :機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード:B, 1/2-1/700秒
  ファインダー :ペンタプリズム式(固定)、倍率0.96 視野率92%
  フォーカシングスクリーン:スプリットマイクロプリズム
  露出計    :TTL中央重点絞り込み測光、指針表示
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  バッテリー  :SR44またはLR44 2個
  外形寸法   :133×86×49mm
  重量     :565g(ボディ)
  発売日    :1976年7月

見た目はかなりコンパクトな金属製の一眼レフです。性能的には、絞り込み測光、そしてシャッター速度が1秒と1/1000秒を省いて、1/2秒から1/700秒になったことです。特に1/700秒ですが、1/500秒との差はわずかですが、1/500秒止まりの機種よりは少しだけ優れているということを強調したかったのでしょうか。

 

背面のファインダー左横にボタン電池を入れ、露出計を動かします。露出合わせはファインダー内の指針で確認します。 

ちょうど同じ年にはキヤノンのベストセラー一眼レフAE-1が発売されています。時代はAE-1に代表されるようにな開放測光AE方式が主流になっていきます。その中で何か時が停まったようなカメラでした。ただし、現代においては、AE方式のカメラは故障しているものも多いようです。このST605のような機械式カメラは、メンテナンスさえしていけば、かなり長生きできるカメラです。私のST605も、発売されてから半世紀近くたっても、露出計もシャッターも動きます。

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一味違うライカマウントRF機 minolta-35IIB

2023-04-09 16:10:15 | Classic Camera

1958年に発売されたレンズ交換式レンジファインダー(RF)カメラminolta-35IIBです。レンズマウントはライカLマウント(L39)です。このミノルタ35シリーズは、最初のモデルのI型が1948年に発売され、その後、E型、F型、II型(前期)、II型(後期)と続きました。(*1) そして最終モデルとなるIIB型が1958年に発売されました。

  フォーマット :135判 24×34.5m (注)
  マウント   :L39 (ライカスクリューマウント)
  シャッター  :機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード:B, 1-1/500秒 3段時間調節セルフタイマー
  ファインダー :距離計内蔵(距離計基線長40mm)、倍率0.8
  フォーカシング:二重像合致式
  露出計    :なし
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  重量     :596g
  発売年    :1958年

ミノルタ35は、ライカマウントRF機ではありますが、どうせ作るならできるだけ独自の発想を取り入れようということで、独自性の強いカメラに仕上がっています。その中でも、裏ぶた開閉式の採用により、フィルムの装填はライカより格段にやりやすくなっています。

他にも一眼式の連動距離計、シンクロ接点搭載、セルフタイマー搭載など、当時のライカIIIcよりも進んだ機能を有していました。このあたりが他の国産ライカコピーカメラとは一線を画していたようです。

そしてこのminolta-35IIBになると、レバー式巻き上げがレバー式になり、ファインダー倍率も0.8倍まで引き上げられ、かなり使いやすいRF機となっていました。

このminolta-35IIBを入手したのは、ミノルタ(千代田光学)のライカLマウントレンズであるSUPER ROKKOR 1:2.8 f=45mmを装着してミノルタ(千代田光学)同士の組み合わせの姿を楽しんでみたいと思ったからなんです。
なかなか美しい組み合わせだな、と一人で感心しています。

ただ、実際には、SUPER ROKKOR 1:2.8 f=45mmはminolta-35 I型の標準レンズで、minolta-35IIBの標準レンズとしてとしてはSUPER ROKKOR 50mm F1.8が用意されていました(*2)。 でも美しいので良しとしませんか。
minolta-35IIBを入手当時は動いていたのですが、何度もシャッター切るうちにシャッターが閉まらなくなるという状態になってしまいました。そのうち分解してでも直そうかと思っていますが、どうなることやら。

(注) 一部のHPや書籍では、minolta-35IIBを、minolta35シリーズで初めてライカ判(24×36mm)になった機種として紹介していますが、実際には画面サイズは24×34.5mmです。24×36mmにできなかったのはカメラ内の「スペースの関係」とのことです。(*2)

参考文献
(*1):「ミノルタ35のすべて」『ミノルタカメラのすべて エイムック735』枻出版社、2003年9月30日発行、pp151-153
(*2):小倉敏布「ミノルタ35用ロッコールレンズとそのころの舞台裏」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 58』朝日ソノラマ、2001年3月25日発行、pp.56-61

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大口径レンズ搭載ハーフ判フラッグシップカメラ OLYMPUS PEN-D

2023-01-09 17:59:32 | Classic Camera

オリンパスのハーフ判レンズシャッターカメラPEN-Dです。

最高級のペンを目指して、1962年発売開始されました。コンパクトなボディーの中に、F1.9の高性能大口径レンズ、高速1/500秒シャッター、LV値直読式内蔵露出計などを詰め込んだ「プロ仕様のペン」でした。(オリンパス株式会社のHP※の記載による)。
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/pen/pen-d/(2023/01/08アクセス)

 型式    :135判(35mmフィルム)レンズシャッターカメラ
 レンズ   :F. Zuiko 3.2cm F1.9 (4群6枚)
 焦点調整  :目測式、直進 Helicoid 0.8m~無限 ダブルクリックストップ付き(3m,1.2m)
 ファインダー :アルバダ式ブライトフレーム 0.5倍
 シャッター :コパル#000 B. 1/8 -1/500 秒 X接点 ドイツ型シンクロソケット
 フィルム送り :リヤー・ワインディング・システム
          セルフコッキング、自動巻止、二重露出防止、二重巻上防止
 露出計    :セレン光電池、単独LV値 直読式
 フィルム感度:ASA 10~ASA400
 裏蓋開閉  :裏蓋取外し式
 重量    :約420g

フィルム装填は、底部の大型ノブを立てて回して下に引くと、裏ブタと本体が分離するという、クラシカルなスタイルです。以前にも取り上げたPEN-SPEN-EESと同様の機構です。

大きなレンズと黒枠のファインダー部が、できるカメラの雰囲気を醸し出しています。風格がありますね。

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今年もよろしくお願いいたします

2023-01-05 16:48:57 | Classic Camera

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2023年最初の写真は、シルバーの造りがまばゆい2組のドイツ製Braun社のカメラです。
<左側>
BRAUN Super IISteinheil Cassarit 45mm F2.8
<右側>
BRAUN Super PAXETTE IIBLSTAEBLE-LINEOGON 35mm F3.5

今年も、あまり陽の目をみないレンズやカメラにスポットを当てていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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カラフルなコニレット 小西六 コニレットI

2022-09-18 15:45:29 | Classic Camera

小西六(その後コニカ→現コニカミノルタ)のスプリングカメラのコニレット、以前にトップカバーが金属製のコニレットIIをご紹介しましたが、今回は1953年に発売された初代のコニレット「コニレットI」を取りあげます。


コニレットI
 フィルム      :30×36(35ミリ幅孔なしパトローネフィルム使用)
 ファインダーカバー:積水化学製プラスチック素材(*1)
 本体カバー    :松下電工製ベークライト素材(*1)
 フィルム給送   :手巻
 シャッター     :KONIX B・1/25~1/200秒
 焦点調節      :前玉回転目測式
 レンズ       :Konitor50mm F4.5 (3群3枚)
 フィルター径   :19mm
 最短撮影距離    :1.0m

何と言っても目につくのが、ファインダーカバーの淡緑色のカラフルさです。ボディの濃茶色に映えて、なかなかお洒落です。なおコニレットIも形態的には5種のタイプが存在するようです。(*2) その分類でいうと、私の所有機はタイプI-2)にあたるようです。

付いているレンズはKonitor50mm F4.5。以前にも紹介しましたが、なかなか良い写りをします。

参考文献
*1:岡野芳太「コニレット同好会」『毎日ムック ’95カメラこだわり読本』毎日新聞社、pp.132-137、1995年8月25日発行
*2:正木正佳「コニレットI型は5種類あるのか?」『カメラコレクターズニュース』カメラコレクターズニュース社、1985年8月号、pp.1-10

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世界初プログラムEEシャッター搭載カメラ OLYMPUS PEN-EES

2022-09-06 18:12:17 | Classic Camera

オリンパスのハーフ判レンズシャッターカメラPEN-EESです。1962年発売開始で、当時の価格は11,800円だったそうです。世界初プログラムEEシャッターを搭載したカメラです(オリンパス株式会社のHP※の記載による)。
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/pen/pen-ees/ (2022/09/06アクセス)

 型式    :135判(35mmフィルム)レンズシャッターカメラ
 レンズ   :Dズイコー 30mm F2.8
 焦点調整  :ゾーンフォーカス(3点調節式)
 ファインダー :ブライトフレームファインダー
 シャッター :1/30秒、1/250秒、X接点
 フィルム送り :リヤー・ワインディング・システム
          セルフコッキング、自動巻止、二重露出防止、二重巻上防止
 露出調節  :露出計による自動調節(EE)
 フィルム感度:ASA10~ASA200
 フラッシュ撮影用手動絞り:F2.8~F22
 裏蓋開閉  :裏蓋取外し式

ボディカラーも明るいグレー色で、軽快で華やかな感じがします。

フィルム装填は、底部の大型ノブを立てて回して下に引くと、裏ブタと本体が分離するという、クラシカルなスタイルです。以前に取り上げたPEN-Sと同様の機構です。

なかなか、お洒落なカメラです。「かわいいカメラ」として人気があるのも良くわかります。

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スタイリッシュなコンパクト機 Minolta HI-MATIC F

2022-08-21 16:32:04 | Classic Camera

1972年に発売開始された、プログラムオート露出の距離計連動式カメラ、ミノルタ HI-MATIC Fです。小さくても、35mmフィルムのフルサイズコンパクト機です

 レンズ:ROKKOR 38mm F2.7(3群4枚)
 最短撮影距離:0.8m
 露出:プログラムAE
 ピント:二重像合致式
 サイズ:113×73×54mm
 重量:約350g
 電池:HM-N水銀電池 ×2

距離環の左の数字はストロボのガイドナンバー設定ダイヤル、右側にはセルフタイマーが付いています。プログラムAEですので、絞りとシャッターの羽根は共通になっています。シャッター横には赤いボタン状のものがありますが、これはバッテリーチェッカー兼低照度でのシャッター速度低下警告ランプです。ファインダー内でも警告ランプが点灯します。

同時代にはコニカC35など持ち運びに便利な軽量コンパクト機が各社から多数出現しました。その中でも、最もスタイリッシュなコンパクトフィルムカメラのうちの一つでした。

 

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フルメカニカルなハーフ判カメラ OLYMPUS PEN-S

2022-06-25 22:55:37 | Classic Camera

オリンパスのハーフ判レンズシャッターカメラPEN-Sです。1960年発売開始で、当時の価格はケース付8,800円だったそうです。電池不要のフルメカニカル機です。シャッターさえ故障しなければ、ずっと使い続けることができます。

 型式     :ハーフ判レンズシャッターカメラ
 レンズ    :D.Zuiko 30mm F2.8
 焦点調整   :目測式 0.6m~無限
 ファインダー  :採光式ブライトフレーム
 露出計    :なし 
 シャッター  :コパル#000プロンター型B.1/8~1/250秒
 シンクロ接点 :X接点
 フィルム送り :リア-ワインデイング式
 大きさ   約108x68x44mm、約400g


前から見るとファインダーが黒枠で覆われており、なかなか精悍な顔つきです。

当たり前ですが、フィルムカウンターは72枚まで表示があります。

フィルム装填は、底部の大型ノブを立てて回して下に引くと、裏ブタと本体が分離します。こういう構造もクラシックカメラならではです。見かけは小さいのですが、ずっしりと感じます。

 

なかなかしっかりしたつくりの堂々としたカメラでした。

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今年もよろしくお願いいたします  TOPCON UNIREX

2022-01-04 17:00:47 | Classic Camera

2022年最初の写真は、レンズ交換式レンズシャッター一眼レフのTOPCON UNIREXとレアなシルバー鏡胴のUV TOPCOR 28mm F4との組み合わせです。

 

 UNIREXはトプコンのレンズシャッター一眼レフです。なかなか洗練されたデザインでして、シャッター作動音とショック低減やと平均測光/スポット測光の切替えなどの機能を搭載し、トプコンのレンズシャッター一眼レフの集大成と言ってもよいカメラではないでしょうか。(※1)
 35ミリフィルムのレンズシャッター一眼レフは、普及版の一眼レフとして1960年代に各社が競って販売していました。その中でも、国産では全群レンズ交換式一眼レフとしては、トプコン、コーワ、マミヤ、リコーが発売していました。(※2) その他の各社は、前群交換式としてはミノルタとフジカ、フロントコンバージョンレンズ付がニコンとアイレスが一眼レフを出していました。(※2)
 しかしながら1970年代に入るとトプコンとコーワを除き、レンズシャッター一眼レフから撤退し、最終的には一眼レフ用シャッター「セイコーシャSLV」の製造が終了し、終焉を迎えました。トプコンUNIREXは、1969年の発売から1973年頃まで生産された、トプコンの最後のレンズシャッター一眼レフとなります。(※1) 
 レンズシャッター一眼レフは機構が複雑(※1、※3)なので、製造から50年以上経た現在ではかなり故障しているものも多いようです。この個体は15年ほど前に入手しましたが、外観は比較的きれいにもかかわらずシャッターはすでに故障していて不動でした。

参考文献
※1:「特集 トプコン35mmレンズシャッター一眼レフの系譜」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 No.23』朝日ソノラマ、1992年12月25日発行、pp.72-97
※2:谷村吉彦「35mmレンズシャッター一眼レフへの道(完結編)」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 No.22』朝日ソノラマ、1992年9月25日発行、pp.117-127
※3:脇田久仁博「トプコン・レンズシャッター一眼レフ物語」『毎日カメラムック 2002-2003カメラこだわり読本』毎日新聞社、20022年11月1日発行、pp.116-123

 

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楕円形の個性派機械式カメラ Minolta A-2

2021-02-23 17:16:50 | Classic Camera

千代田光学精工(のちのミノルタカメラ、現コニカミノルタ)の距離計連動レンズシャッター機Minolta A-2です。1955年に発売されたカメラですので、今から65年前のカメラということになります。距離環のところには、OSAKA JAPANという銘が入っています。

 サイズ   135判(35mmフィルム)
 レンズ   CHIYOKO ROKKOR 45mm F3.5(3群4枚)
 シャッター Citizen MXV B,1-1/400
 焦点調節  距離計連動式
 フィルム供給 一操作レバー式セルフコッキング巻止

上から見ると楕円形に見えます。なかなか個性的な姿です。


レンズは、CHIYOKO ROKKOR 45mm F3.5、文献によると3群4枚とのことです。絞りがF8の時に星型の形になります。

 

Minolta A-2には45mm F2.8のレンズ付きもあるとのこと。そちらは何とレンズ交換できる機種で、100mmの交換レンズが用意されていたそうです。今回紹介した機種はレンズ交換ができない機種のようですが、実はレンズを捻ると、レンズが外れます。Minolta A-2はビハインドシャッターですので、レンズが全群そのまま外れました。そのうち、このレンズを使ってデジタルで撮影してみたいと考えています。はたしてどんな写りをするのでしょうか。

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