迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

ケロちゃんちのレンズ固定式レンズシャッター一眼レフ Kowa SE

2023-09-23 13:46:22 | Classic Camera

薬局のカエルのケロちゃんやフィールドスコープなどでおなじみの興和ですが、1960年代から70年代にかけて35ミリ判レンズシャッター式の一眼レフを販売していました。その中からKowa SE を紹介します。

  型式     :135判(24×36mm)レンズシャッター一眼レフカメラ
  レンズ    :KOWA 50mm F1.9(4群6枚)※1
  焦点調整   :0.7m~無限
  フィルター径 :49mm
  シャッター  :レンズシャッター SEIKOSHA-SLV
  シャッタースピード:B, 1-1/500秒 シンクロM,X,V
  ファインダー :ペンタプリズム式(固定)
  フォーカシングスクリーン:スプリットイメージ、マット
  露出計    :cds外部測光、指針表示
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  バッテリー  :1.3V HD水銀電池
  重量     :880g(実測)
  発売日    :1964年

ある中古店のジャンクコーナーにひっそりと置かれていたのを見つけました。てっきりレンズ交換できる機種だと思い込んで購入したところ、店を出て確認すると残念ながらレンズ固定の機種でした。
1960年代には、カメラメーカー各社からレンズシャッター一眼レフが発売されていました。その中でも力を入れていたのが、東京光学(現トプコン)と興和です。トプコンのレンズシャッター一眼レフとしては、レンズ固定式のPRとレンズ交換式のUNIREXを以前に紹介しました。

興和の一眼レフ機は本ブログでは初めての紹介となります。興和の35mmレンズシャッター一眼レフの歴史は、まずはレンズ固定のKowaflex、Kowaflex-E、Kowa SE、Kowa SETと進みました。レンズ交換式一眼レフとしては1965年からKowa SERシリーズが発売されます。 改造レンズとして紹介したSER 50mm F2は、このSERシリーズ用の交換レンズです。(※1)
このKowa SEは、正面から見てペンタプリズムの左側にcds露出計のセンサー窓があります。

軍艦部の上には余計なダイヤルもなく、かなりシンプルな配置になっています。

裏ブタ開けてみると、レンズシャッター一眼レフの特徴である、ミラー裏側に遮光板がついているのが見えます。


入手したKowa SE のシャッターは故障していました。そのうち分解して修理に挑戦してみようかと思っています。

<参考文献>
※1:谷村吉彦「35mmレンズシャッター一眼レフへの道(完結編)」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 22』朝日ソノラマ、1992年9月25日発行、pp.117-127


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2 コメント

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Unknown (shiburou2000)
2023-09-23 15:45:15
初めまして。紫と申します。宜しくお願い致します。
小学生の時に、77年のカメラショーのパンフレットを見て、コーワと言うメーカーの交換用レンズが載って居たのは覚えていますが、コルゲンのあの興和だったんですね! 知りませんでした。
更にカメラ本体も作って居たのですか。知りませんでした。コルゲンの興和のロゴですね❗️大変勉強になります。
コメントありがとうございます (oban3)
2023-09-23 22:51:41
紫さま、コメントありがとうございます。
文献によると、コーワのレンズ交換式カメラは、35mm判一眼レフが1970年発売のコーワSET-R2、中判一眼レフが1974年発売のコーワ・スーパー66まで作られていました。1979年2月発行のカメラ雑誌『カメラレビュー No.6』にもスーパー66の記事が出ているので、少なくともその頃までは販売されていたようです。1977年ですと中判一眼レフ用のレンズだったのでしょうか。なおコーワ(興和オプトロニクス)のHPを見ると、今でも産業用カメラが商品ラインナップに載っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

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