そうだよなあ、公共図書館も学校教育、わけて学校図書館活用教育も「人の自立」を支援することこそが、最も求められるんだよなあ。
01年から05年まで、日本図書館協会理事長を務められた竹内サトル先生の講演会が本の学校で開催されました。88歳とのことですが、矍鑠たるものですし、話が深い。
演題は「図書館のめざすもの~としょかんがつくるひと・地域・未来~」。
先生の講演で一番心に響いたのは、米子出身の宇沢弘文先生とインドの図書館学の父と呼ばれ、「図書館学の五法則」を著した世界的に著名な学者ランガナタンとの共通点。
自ら考える力と方法を養う
お二人は、共に数学者なんですね。そして、一人一人の学生を対象にした授業実践をした。
宇沢先生の授業は「日本の教育を考える」に詳しいようですが、学生一人一人はそれぞれ違った蓄積を持ち、問題意識も多様だから、こうした教え方でないと効果的ではないと。
ランガナタンは、学生の数学に対する関心と能力差が大きく、同じ教科書を使っていては何の効果もないことがわかり、能力に応じた教科書で学習させた。
竹内先生の恩師でもあるルイス・ショアーズは「ライブラリー・カレッジ構想」で、学生の自主的な学びの意欲を育てて、「自ら考える力と方法を養う」ことを目的とした手法を提唱。
レファレンス・ライブラリアンが自主的な学びをサポートし、学生は知識と情報の世界に入り、自分の考えを育てる。
1970年代には米国の400の大学が何らかの形でこの考えを取り入れたと。
人が育つことでその地域が育つ
これらの事例は、教育は何を目指すのかということをよく表しているのではないかと思います。
竹内先生は、教え込むことが中心になりつつあるのではないかと危惧している。「育」とは待つこと。集団学習と「ひとり」。それぞれの長所を本人が融合させる、ことだと。
さてさて、全国学力テストの結果を受け、教育委員会も学校現場も親も、待つことができるのか?教委と学校は一人をしっかり見ながら支援できるのか?
人が育つことでその地域が育つ。当たり前なことが当たり前に取り組めるのか?
G20でも未来への確かな展望が開けない時代にあって、教育現場も図書館も、そんなことが求められているのではないでしょうか。
ランガナタンの「図書館学の五法則」はどのように昇華されていくのでしょうか。
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