見習い百姓のつぶやき

宮仕えも一段落、半農半Ⅹを本格化。農的暮らしとさまざまなⅩを悩んで、楽しんで一歩づつ。

人麻呂没後1300年と本の文化

2023-08-22 19:41:39 | 本や図書館

そういえば、10年ほど前だったかなあ?古事記1300年で列島が随分盛り上がりましたね。

今日の地元紙に、「人麻呂没後1300年でイベント」というローカル記事が掲載されていました。
人麻呂、島根県の益田が生んだ不世出の歌人、“歌聖”とも言われている柿本人麻呂、島根県人でも僕を含めて余り意識したことないですよね。
新聞には、持統天皇に重用されたが、権力闘争に巻き込まれて宮廷を去り、最後は益田で亡くなったと言われているとありました。

その人麻呂、ほぼそういう角度で言われていることはないと思いますが、天武天皇のご落胤で、古事記の実質上の作者と言うか、編者と言うか、、、
出雲に伝わる口伝をベースに、人麻呂の歌を読み解き、人麻呂の生涯も書いた本では、歌の才が認められて持統天皇に重用されたが、古事記編纂の全容を知っていることと、ついつい本音を歌にしてしまう率直さが災いしてか、左遷や遠流の憂き目に遭い、愛する女性たちとも断腸の別れを重ねたという人麻呂像が語られています。
どうあれ、郷土が生んだ歴史に名を刻む偉人、鎮魂の祈りを捧げたいものです。

本を読もうと思っても読めない
という記事を読み、今読んでいる本に書かれていることがやけにリンク。
それは、言語学者の大野晋氏の「戦後の教育漢字改革で教える漢字を881字と決めた。それしか基礎を持たないと、大学に行って本を読もうと思っても読めないのです」との言葉。
そりゃあ、万葉集や記紀の歌を理解することや、敷衍して人麻呂の生涯を知ろうとすることってあり得ないよなあ、、、

一昨日、ブログに「本屋は文化?」と書きましたが、ネットの利便性や語学力からも面倒な本は手に取らなくなるよなあ(><)
本屋って、まさに文化の象徴のように感じていて、後退感の否めない今の本屋業界の姿は、日本の庶民文化の行く末を暗示しているように感じられます。
本が売れなくなると、図書館機能だって先細り、本好きにはちょっぴり寂しい。

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