先日、我が国の保険診療に関わる医療費が40兆円を超えたことが報道されていました。
医療制度改革に取組むものの、毎年ほぼ1兆円の増。天井知らずの医療費高騰です。
負担にあえぐ国は、重荷を減らしたいと躍起になって手を変え品を変えです。
先日の宇沢弘文記念フォーラムで、神野直彦東大名誉教授の「宇沢弘文の理論と実践に学ぶこと」との講演に非常に印象的なお話がありました。
医療改革の目的は、社会の構成員で「悲しみを分かち合う」制度を作り出すことであって、医療費抑制は結果であっても目的ではないと。しかし、わが国では、、、
北欧では、自分で食事ができなくなったら生命維持装置は外す。だから胃瘻はしない。かの国々では、生死の問題から胃瘻を考えるが、日本はカネで考える。
わが国でも、アンケート調査ではパイプにつながれて生きながらえる終末期医療を望む人は少数派ですが、それでも大多数の人は繋がれてしまう。望んでもいないのに。
わが国でも、終末期医療や尊厳死などをリビングウィル(事前指示書)として書き残しておくことも提案されていますが、多くの皆さんが知るところとはなっていません。
終末期医療が変わると、医療費は劇的に減少するだろうと思いますが、政治の側から国民に対してそうしたアプローチはありません。もちろん、選択肢としてですが。
もう一つ、食。ブログに何度か書いてきましたが、このままではろくな死に方はしないなあと思い、4年前に体質を変えようと一念発起、食を変えました。
体を作るのは食べ物。これは自分の体験から言えることですが、体質が大きく変わり、以前と比べると特に生活習慣病などになりにくい体になったと確信できます。
予防医学と栄養学、そして生命を支える農業のコラボレーションを強く推進すべきではないでしょうか。
出口でしか医療改革を考えていないのではと思えます。しかし、恐らく一番の障壁はカネ。経済が大切か国民の生命が大切か、踏み込むときじゃないかと思います。