キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

ホソハンミョウ

2008年08月24日 | ハンミョウ科
昨日23日は予定通りホソハンミョウを探しに行ってきました。

某氏の話によると裸地や公園周辺など、開放的な環境に居るとの事。

とあるポイントを教えてもらったので、まずはそこから探してみました。






しかしながら、歩いても歩いてもホソハンミョウらしい虫は現われず・・・。

オッ?と思っても、アリだったりハチだったり、黒っぽい別の虫だったり。

気温は低く18℃くらい。そんでもって風もあるので半袖では寒いのです。

こんな日は見つけられるのだろうか?




マルガタナガゴミムシ


地面には様々な昆虫の死骸が沢山あり、もしやハンミョウの仕業か?

などと初めは思っていたのですが、コガネムシ、カメムシ、カミキリムシ、バッタ類など、

ハンミョウより大きい死骸ばかり。

誰の仕業だろう?と思っていたら・・・




・・・

硬そうなキマワリ君でも、エゾアカヤマアリの集団に襲われたらひとたまりもありません。

無数の昆虫の残骸はどうもこのアリの仕業のようです。

ここはアリが多すぎて、ハンミョウが居座る場所も無いのだろうと思い、

公園の芝の上なども探してみました。

しかし、やっぱりハンミョウは現われず、時間ばかりが過ぎていく・・・。

空はドンヨリ、すっかり秋風。目的の虫に会えない焦燥感






「はぁ、今日はダメかぁ~」と探すのを諦め、

帰り際に何気なく見た側溝の中に・・・





おや?!







ホソハンミョウ[Cicindela gracilis]
体長10~12㎜。国内では北海道、本州、四国、九州の草原に生息。



やっと見つけました!

体色は光沢のない黒色。歩いている姿は大型のアリか小型のベッコウバチのようです。
 
最終的には、この側溝で3頭のみ。

生態も詳しく下調べしていなかったので、今回は見られただけでも満足です。



その後、自分なりに裸地や草原を歩いてみましたが、こちらはダメでした。




このハンミョウも局所的で非常に狭いエリアに分布する種なのでしょうか?

ハンミョウ探しって難しいなぁ。


カワラハンミョウ

2008年08月19日 | ハンミョウ科

カワラハンミョウ[Cicindela laetescripta]
2008.8.18 北海道の太平洋側

体長14~17mm。国内では北海道、本州、四国、九州に分布するが局地的で、
全国的に生息数は減少傾向。
道内に生息する本種は西日本で見られるような白班が発達した綺麗な体色ではなく、
若干くすんだ緑色である。上翅の黄白紋は翅の周囲にのみ認められる。







道内唯一の産地でも個体数は減少傾向。
先日、発生地を訪れた際、ブルドーザーが嵐で浸食された海浜を埋め戻すなどの工事を行っていた。
まとまった砂地がないと生き残っていけない種であり、今後の生息が危ぶまれる。



カワラハンミョウ生息環境


コフキゾウムシ

2008年08月18日 | ゾウムシ科など

コフキゾウムシ[Eugnathus distinctus]
2008.8.12 渡島半島南部


体長5㎜前後。不確実だが北海道に記録はないと思う。
奥尻島には記録がある。[利尻研究24(2005)堀・的場]
マメ科のクズなどで見られるといい、今回も沿岸のクズの葉上で多数観察できた。




コフキゾウムシのレスリング。
1ポイント!




クスベニカミキリ

2008年08月17日 | カミキリムシ科
お盆休みで実家に帰省中、少しだけ採集する時間を作ってみました。

地元(道南)の山では札幌近郊で見られない、クロカミキリ、ハスオビヒゲナガ、
ブドウトラ、ニイジマトラ、コブスジサビなどの本州要素の強いカミキリが生息しているのが大きな魅力です。
しかし、なかなかお目当てのカミキリ達は現われず、札幌付近では少ないゴマダラ、
ニンフホソハナ、セミスジコブヒゲくらいしか採れませんでした。

天気も良く、ノリウツギなどの花も咲いていたのですが、どこでも普通なアカハナ、
フタスジハナなども少なく、ちょっと期待外れ・・・


こういう厳しい状況の中で、唯一おめでたいカミキリだったのはこの子でした!



クスベニカミキリ[Pyrestes nipponicus]
2008.8.12 渡島半島南部


体長15~19㎜。北海道、本州、九州、四国に分布し、
道内では渡島半島の南端(松前半島)にのみ記録がある。

過去に道内での記録は数例という超レアで超赤いカミキリ!
ブナ帯下のミズナラ、ハルニレ林内を通過する林道斜面の日当たりの良い場所の、
ノリウツギのてっぺんの花に真っ赤な虫がうごめいていた事でわかりました。
といっても肉眼ではハッキリとカミキリとは判らず、双眼鏡で確認して網を出しました。
網には10m竿をつけ、フルに伸ばしてゆっくりスウィープ!
久しぶりにカミキリで興奮しましたよ


しかし、生態写真は撮れずやむなくティッシュの上に置いて撮影。
それでも、体の赤さは十分伝わっているかと思います。















今年は赤いカミキリに縁があるようです

ネキダリス・ギガンテア

2008年08月11日 | カミキリムシ科
オニホソコバネカミキリ[Necydalis gigantea gigantea]
体長16.5~34㎜。北海道、本州、四国、九州に分布。
屋久島には[N.g.akiyamai]という亜種がいる。

発生時期は7~8月で関東・東北地方では主にクワ畑周辺で得られているようだ。
北海道では主に天然林に生息し、ホストとしてアズキナシ、イタヤカエデ、
ダケカンバなどが記録されている。

そんな希少なカミキリを3年前から狙っていたのですが、今年も見事にフラれました。
しかし、カミキリ仲間のえさる氏から貴重な札幌産の♀を撮影用に頂き、
室内であらゆる角度から撮影してみました。
えさるさん、ありがとうございます


今回は特別企画!?として、一部を掲載しちゃいます




背面



胸部



胸部側面





後脚







腹部



腹部側面




いかがでしたでしょうか?
来年こそは自分で採らなくては・・・。


さてさて、本日より暫く帰省致しますので、ブログ再開は数日後となります。
よろしくお願いいたします。