キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

気になる土場へもう一度

2007年09月16日 | カミキリムシ科
本日、天気が少し回復したので空知のヒメオオ探索に。
そのついでに、9月3日に見つけた土場にも寄ってみました。




すでに3分の2以上の材が運び出されていました。
残っていたのはトドマツとカラマツのみ。
ということは、まだいるかも・・・





いました!







ヒゲナガカミキリの雌ばかり8頭。
他にはハンノアオが1頭。これは撮影前に飛んでいってしまった。


彼女らは一生懸命産卵していたので、採集する気になれませんでしたが、
この材も雪が降る前に運ばれることでしょう・・・



で、目的のヒメオオは姿こそ見つけられませんでしたが、古い食痕は確認しました。
もう一度、挑戦した方が良さそうな林道でした。

仕事の方が段々と忙しくなってきましたが、後一回くらいヒメ探しに出れたらいいなぁ・・・。


ラスカル一家?

2007年09月15日 | 動物

アライグマ[Procyon lotor]
2007.8.14 支笏湖周辺


3連休だというのに、今日、明日は雨模様。
明後日は幼稚園の運動会。
本当は空知でヒメオオでも探したいところだが・・・


虫ネタも尽きてきたところで、今日は、今年見られた動物を一枚。

気合の入っていない写真で申し訳ないです。



ニホンザリガニ

2007年09月12日 | 動物

ザリガニ(ニホンザリガニ)[Cambaroides japonicus]★★★

国内では北海道、青森県、秋田県、岩手県にのみ生息する在来ザリガニ。
落葉広葉樹に囲まれ、冷たくて綺麗な水が緩やかに流れる沢や池に生息している。
特に砂礫と泥が混じる様な底質の環境を好み、餌は主に落葉や小動物。
日中は石や倒木の下に掘った巣穴に潜んでいる。


以外にも市街地のすぐそばでも生息している。
しかし、水質の汚染や樹林伐採の影響を受けやすく、
チョッとした改変でもそこの個体群は居なくなってしまう。
非常にデリケートな生き物である。




最近は外来種「ウチダザリガニ」の分布拡大によって、
ニホンザリガニの分布域が徐々に狭められてきた。
特に早くからウチダザリガニが見られる摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖、釧路川などでは、
ニホンザリガニは見られなくなってきているという。
ウチダザリガニはニホンザリガニの約2倍の大きさまで成長し、頭から尾ひれまでは15cm程になる。
もともと主な生息環境は異なるが、ウチダザリガニがニホンザリガニの生息域に入り込めばたちまち追いやられてしまう。
ウチダザリガニが持っている伝染病による感染被害も大きいと思われる。
外来種の拡散を防止しないとニホンザリガニの未来はない。

人の手がほとんど加わっていない山地の沢では、
ニホンザリガニの楽園と呼べるような場所が時々見つかる。
小さななんでもない沢なのに、時には3桁ぐらいの数が見られる。
石を引っくり返すと、「いたいた!オッここも!あれ?こっちも!」てな具合で。
そんな楽園には写真のような1000に1つと言われる青いザリガニも少なからず生きている。


北海道産ナナフシ 2

2007年09月10日 | その他分類群
8月9日の記事で恐らくシラキトビナナフシでしょう・・・としていたナナフシ幼虫。
申し遅れましたが、その後の経過をお知らせします。

あの幼虫、捕まえてきて1週間で成虫になりました。
ただ、羽化不全してしまったので、綺麗な成虫を探しに幼虫を採集した場所へと8月下旬に行って来ました。
すると、多くのナナフシ成虫が目線レベルにペタペタと・・・。



(この中に3頭います。わかりますか?)



シラキトビナナフシ[Micadina sp.]★★★

きちんとした学名はまだ付いていないようですが、シラキトビナナフシの特徴は以下の通りです。



①胸部中央に赤褐色の帯。前脚腿節基部が黄褐色。



②前翅側面の黒色部と白色部が等長。



③第7腹板に突起がある。



④卵は和太鼓型で細かい網目。


といった点でしょうか。


もともと、北海道にはヤスマツトビナナフシ[Micadina yasumatsui]という種が分布していることになっています。また、北海道RDBにも希少種として選定されています。

ヤスマツトビナナフシの特徴は以下の通りです。

①頭部、胸部は緑色。前脚腿節基部も緑色。
②前翅側面の黒色部は小さい。
③第7腹板に突起はない。
④卵は和太鼓型で太く大きい網目。

ヤスマツトビナナフシの方は、近年は確認された話はききません。
ヤスマツで報告されている記録を見ると、同定が困難な幼虫の記録のようです。
もし、本当に分布しているのなら、シラキと同じように毎年、見つかっているはずですが・・・。


ヤスマツの特徴を持ったナナフシを北海道で見つけた際は、是非ご一報下さい。


台風一過

2007年09月09日 | トンボ目
首都圏で猛威を振るった今回の台風は、北海道に再上陸したが勢力は弱まり、
函館→札幌→オホーツク海へと急ぎ早に駆け抜けた。ほっと一安心。
札幌では昨日の午前中から晴れ間が広まり、いわゆる台風一過の晴天に恵まれた。

この貴重な晴れ間を狙って、昨年、エゾアカネを確認した札幌周辺の河川敷地へ行って来た。




結論から言うと、エゾアカネを再確認することはできなかったが、
顔まで赤く染まったナツアカネにはたくさん出会った。
前日までの雨で河川は増水気味であったが、非常に穏やかで気持ちの良い空であった。






札幌市も含まれる石狩平野は北部は日本海、南部は太平洋に面する国内でも珍しい土地。
夏場、天気が安定する日本海側は稲、麦、馬鈴薯などの栽培が盛んな穀倉地帯。
逆に太平洋側は海霧が発生し、非常に涼しい気候で酪農や競走馬の育成が盛んな土地。
こんな二つの特色を持つ石狩平野が徐々に秋らしさを増してきた。



稲刈り直前の田園



牧草ロール乾燥中


北海道の農作物の収穫はこれからが本番。
家の畑のトウモロコシもそろそろである。
今年も甘いのできるかな?