キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

ニホンザリガニ

2007年09月12日 | 動物

ザリガニ(ニホンザリガニ)[Cambaroides japonicus]★★★

国内では北海道、青森県、秋田県、岩手県にのみ生息する在来ザリガニ。
落葉広葉樹に囲まれ、冷たくて綺麗な水が緩やかに流れる沢や池に生息している。
特に砂礫と泥が混じる様な底質の環境を好み、餌は主に落葉や小動物。
日中は石や倒木の下に掘った巣穴に潜んでいる。


以外にも市街地のすぐそばでも生息している。
しかし、水質の汚染や樹林伐採の影響を受けやすく、
チョッとした改変でもそこの個体群は居なくなってしまう。
非常にデリケートな生き物である。




最近は外来種「ウチダザリガニ」の分布拡大によって、
ニホンザリガニの分布域が徐々に狭められてきた。
特に早くからウチダザリガニが見られる摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖、釧路川などでは、
ニホンザリガニは見られなくなってきているという。
ウチダザリガニはニホンザリガニの約2倍の大きさまで成長し、頭から尾ひれまでは15cm程になる。
もともと主な生息環境は異なるが、ウチダザリガニがニホンザリガニの生息域に入り込めばたちまち追いやられてしまう。
ウチダザリガニが持っている伝染病による感染被害も大きいと思われる。
外来種の拡散を防止しないとニホンザリガニの未来はない。

人の手がほとんど加わっていない山地の沢では、
ニホンザリガニの楽園と呼べるような場所が時々見つかる。
小さななんでもない沢なのに、時には3桁ぐらいの数が見られる。
石を引っくり返すと、「いたいた!オッここも!あれ?こっちも!」てな具合で。
そんな楽園には写真のような1000に1つと言われる青いザリガニも少なからず生きている。