野山に行って、思うように結果が得られない時、または息抜きしたい時、「用水路」があれば、それを覗いてみるのも面白いかもしれない。
先日、林道を走っている時に見つけた「用水路」での出来事。
「用水路」は田畑に水を引く為の構造物であるが、草地の脇や林縁部など、意外と昆虫類が集まる環境に施工されている場合が多い。
そうすると、不幸にも用水路に落ちてしまう昆虫類も多い。
虫にとっては「三途の川」、虫屋にとっては「流しソーメン?」みたいな場所。
お好みの昆虫をテイクアウトすることが出来る。
ここの用水路は低山地の中腹に設けられ、ミズナラ、オヒョウニレ、ドロノキ、ケヤマハンノキ、イヌエンジュ、ヤナギ類などの豊かな広葉樹林の縁を延々と流れている。
しばらく水路の内部を覗いていると、ハムシ、ゴミムシ、コガネムシが流下して行く。
水が流れてくる方向をみると、水路は行き止まり・・・。
この先には沢があり、沢向こうの水路と分断されている。
こういう構造物を見るのは初めてであったが、「逆サイホンの原理」を利用した水路であり、地下に水路を通しているのだ。水が再度、地表面に現われる箇所では、流れが渦巻いている。そんな場所にゴミが溜まっていた。
ゴミの内容は2~3週間前に落ちたであろう、ヤナギの花である。
分厚く堆積し、腐った匂いにつられてかカタツムリが多数集まっている。
近づいてみると・・・
OH!ルリオサムシである。横にはカナヘビもいる。
オオルリ君は自分が大変な事に巻き込まれているのに、悠長にお食事中である。
持っていたタモ網でゴミごと回収・・・
オオルリオサムシ[Damaster gehinii]★★★(特)
(コウチュウ目オサムシ科)
カタツムリ食で主に下草の豊富な広葉樹林帯に生息する。海岸付近の草原やササ草原に生息しているものもいる。北海道特産種で幾つかの亜種に分類されている。
他にゴミの中から出て来たのは・・・
セアカオサムシ
ミヤマクワガタ
他にはキクビアオハムシ、ヒメビロウドコガネ、ハイイロビロウドコガネ、ミヤマオオハナムグリ、アオハナムグリ、ヒラタシデムシ、センチコガネ、エゾカタビロオサムシ、オオキンナガゴミムシ・・・
そして、最後にエサキキンヘリタマムシ。
恥ずかしながらキンヘリタマは初採集である。
虫以外にはカナヘビ、アマガエル、トガリネズミ類が混じっていたが、死んでいるものが多かった。
腐った植物にカタツムリが集まり、それらを食べにオサムシ、ゴミムシが集まる。オサムシ、ゴミムシを食べにカエル・カナヘビ・ネズミが集まり、水路から這い出せなくて死んでしまう。
そこにシデムシ・センチコガネが集まる。
生態系の縮図がこの渦の中に形成されていたのだ。
チョッと興味深かったので紹介しました。
先日、林道を走っている時に見つけた「用水路」での出来事。
「用水路」は田畑に水を引く為の構造物であるが、草地の脇や林縁部など、意外と昆虫類が集まる環境に施工されている場合が多い。
そうすると、不幸にも用水路に落ちてしまう昆虫類も多い。
虫にとっては「三途の川」、虫屋にとっては「流しソーメン?」みたいな場所。
お好みの昆虫をテイクアウトすることが出来る。
ここの用水路は低山地の中腹に設けられ、ミズナラ、オヒョウニレ、ドロノキ、ケヤマハンノキ、イヌエンジュ、ヤナギ類などの豊かな広葉樹林の縁を延々と流れている。
しばらく水路の内部を覗いていると、ハムシ、ゴミムシ、コガネムシが流下して行く。
水が流れてくる方向をみると、水路は行き止まり・・・。
この先には沢があり、沢向こうの水路と分断されている。
こういう構造物を見るのは初めてであったが、「逆サイホンの原理」を利用した水路であり、地下に水路を通しているのだ。水が再度、地表面に現われる箇所では、流れが渦巻いている。そんな場所にゴミが溜まっていた。
ゴミの内容は2~3週間前に落ちたであろう、ヤナギの花である。
分厚く堆積し、腐った匂いにつられてかカタツムリが多数集まっている。
近づいてみると・・・
OH!ルリオサムシである。横にはカナヘビもいる。
オオルリ君は自分が大変な事に巻き込まれているのに、悠長にお食事中である。
持っていたタモ網でゴミごと回収・・・
オオルリオサムシ[Damaster gehinii]★★★(特)
(コウチュウ目オサムシ科)
カタツムリ食で主に下草の豊富な広葉樹林帯に生息する。海岸付近の草原やササ草原に生息しているものもいる。北海道特産種で幾つかの亜種に分類されている。
他にゴミの中から出て来たのは・・・
セアカオサムシ
ミヤマクワガタ
他にはキクビアオハムシ、ヒメビロウドコガネ、ハイイロビロウドコガネ、ミヤマオオハナムグリ、アオハナムグリ、ヒラタシデムシ、センチコガネ、エゾカタビロオサムシ、オオキンナガゴミムシ・・・
そして、最後にエサキキンヘリタマムシ。
恥ずかしながらキンヘリタマは初採集である。
虫以外にはカナヘビ、アマガエル、トガリネズミ類が混じっていたが、死んでいるものが多かった。
腐った植物にカタツムリが集まり、それらを食べにオサムシ、ゴミムシが集まる。オサムシ、ゴミムシを食べにカエル・カナヘビ・ネズミが集まり、水路から這い出せなくて死んでしまう。
そこにシデムシ・センチコガネが集まる。
生態系の縮図がこの渦の中に形成されていたのだ。
チョッと興味深かったので紹介しました。