キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

カミキリ狙いのはずが・・・

2006年06月24日 | 採集記・撮影記
昨年7月に半日でカミキリ20種以上を確認した林道がある。
確認種の中でも、クロサワヘリグロハナカミキリが最も印象に残っている。
クロサワヘリグロハナは、日陰に咲いている白い花に止まっていた。
とても綺麗なハナカミキリだったのに撮影せずに即、瓶に入れてしまったのが悔やまれる・・・。
あと一週間で早くも7月である。もうクロサワさんが発生していてもおかしくないであろう。
今日はマイフィールドの中でもカミキリ的にHOTな林道へ向かった・・・



まずは、林道に沿って流れている川の河川敷。
ミヤマカラスアゲハが乱舞している。
河原を歩くと・・・



集団給水中!



その内の1頭。う~ん、綺麗!
普通種だが目の保養になります

ミヤマカラスアゲハ[Papilio maackii]★
(チョウ目アゲハチョウ科)
大発生の年は市街地でも見られる。


河原にある流木を注視するが、カミキリはいない。
いたのは・・・



モンシロサシガメ[Rhynocoris leucospilus]★★
(カメムシ目サシガメ科)
土場や花でよく見かける。


次に花を注視するが、これまたカミキリはいない。
いたのは・・・



ハナダカハナアブ[Rhingia laevigata]★★
(ハエ目ハナアブ科)
山地の花に普通。天狗みたいです。



アオハナムグリ[Eucetonia roelofsi]★
(コウチュウ目コガネムシ科)
最もよく見かけるハナムグリ。



コアオハナムグリ[Oxycetonia jucunda]★★
(コウチュウ目コガネムシ科)
北海道に産する個体は黒色が多い。


ここんとこ、日照不足と低温で花の開花も遅れている。
草木の花に群がるカミキリを期待したのだが、全くダメダメである。

車に乗り込み移動しようとした時、目の前を飛翔するやや大きめの甲虫・・・
慌ててネットイン!



モモブトハナカミキリ[Oedecnema dubia]★★
(コウチュウ目カミキリムシ科)
多くはないが、山地で見られる。♂の後脚腿節が太くなる。


なんとか今日初のカミキリ。
移動だ移動だ!車を奥地に進める。



標高を上げると、トドマツ、エゾマツ、ハルニレ、ミズナラ、カツラなどの針広混交林が広がり、崩れ落ちそうな林道が続く。
曇り空で気温も下がり14℃。6月下旬の気温としては低く、昆虫には厳しい条件。

目ぼしい物としては・・・



ツマグロツツシンクイ[Hylecoetus dermestoides cossis]★★★
(コウチュウ目ツツシンクイ科)
広葉樹の伐採木に集まる。山地性。


さらに奥に進むと・・・





ハイ、終了。


移動・移動・移動


-某・森林公園到着-

初めて来た場所だが標高を下げたことで気温が上がり、昆虫の活性が良い。
先週、出たばかりという熊の活性も高そうだが、管理人がいる公園である。
少々不安はあるが、数台の車が来ており、人も居るので大丈夫そうだ。


何気なくアスレチック広場の脇をルッキング。
エゾハルゼミの脱け殻とアリはたくさん見かけるが、他の昆虫は見られない

と、思ったが、よく見てみると・・・



マダラクワガタ[Aesalus asiaticus asiaticus]★★★
(コウチュウ目クワガタムシ科)
エゾヤマザクラやカツラの赤枯材に発生。日本最小のクワガタムシ。

材割り以外で見たのは初めてである。
この木はアオダモであるが、たまたま居ただけであろう。


続けてルッキング。
目線を幹から枝へと移すと・・・



クチキクシヒゲムシ[Sandalus segnis]★★★
(コウチュウ目クシヒゲムシ科)
生態不明らしい。外国の近似種はセミに寄生するとのこと。


本種は、自身2度目の確認である。
この個体は♀であるが、♂は名前の通り「クシヒゲ(触角が櫛歯状)」になる。
意外と大きい体だが、滅多に見る機会がない。
う~む、♂を見てみたい・・・。他の木の幹を捜す。

間もなくトドマツの幹に、らしき個体・・・



やはり居たが♀。
しかし、産卵しているぞ!



同じ木にもう一匹、これまた産卵中!



更に高いところでも・・・

生態不明の割には沢山いたのだ。
じっくり観察していると、トドマツの幹の表面に生えている地衣類と樹皮の間に産卵しているようである。
最終的には5♀を確認し、うち4♀は産卵中でいずれもトドマツの地衣類の裏に産卵していた。

本種の生態についてご存知の方、是非、情報をお寄せください。
よろしくお願いします。




にほんブログ村 写真ブログへ