ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ファンガレイへ

2008-05-25 | 家族&夫婦
目標は朝7時出発でした。
けれど、糖尿病のチャッチャが低血糖を起こさないよう、念には念を入れた用意をしているうちに、けっきょく7時半の出発に。

(途中、谷に立ち込める霧が幻想的でした↑)

(どこまでも続く牧草地↓)
日曜日の早朝、しかも寒く、おまけに今週に入ってガソリンがリッター2ドル台に突入したこともあり、高速はガラガラ。お天気にも恵まれ、3時間は覚悟していたところ2時間半で北の最大の街ファンガレイへ。


友人が入ったノース・ヘブン・ホスピス
目の前に原生林が広がる絶景の立地です。彼女はベッドからにこやかに迎えてくれました。固く抱き合っても涙の再会にならなかったのは幸いでした。

「楽しい1日にしよう。彼女のためにも、自分たちのためにも。」
と誓ってきたので、とにかく涙はナシと決めていました。お互いどんなに涙を流してきたか、十分わかり合っているわけですから、一緒のときにまで泣く必要はないでしょう。少なくとも今は・・・。

友人は思った以上に元気そうでした。しかし、右腕は足のようにむくみ、その痛みが何よりも彼女を苦しめていました。痛みは強い痛み止めでなんとかしのいでいるものの、右手はリンパ液が滞留してパンパンで、指も曲がらず感覚もなく、指先はほとんど紫色でした。

←手を下ろしていると痛みが増すので起きている間は腕を釣っています。善(11歳)と夫がカメラマンになって、彼女の腕をどうするかで騒いでいる私たちをパチパチ。


彼女のお気に入りのベンチ→

ニュージーランドの原木ばかりを配した庭はいかにもノースらしく。
病室に戻り、専門家に電話でやり方を指導してもらい、ぶっつけ本番で腕をマッサージしてみました。リンパマッサージの要領で滞留しているリンパ液を誘導していくのです。おしゃべりをしながらひたすら優しくなで続けること約1時間。


←風船のようにパンパンだった彼女の指にうっすらとシワが!2人で
「シワよ!シワよ!」
と大喜び。

本来なら美容の大敵ですが、今や夢と憧れのシワ♥♥♥


指が軽く曲がるようになり、わすかながら感覚が戻り、自力で親指と人差し指で輪が作れるようになりました。

彼女は風光明媚ながら辺鄙な場所で独り暮らしをしており、右手がほとんど使えなくなった上にあまりの痛みで、とうとうホスピスに入ってしまいました。しかし、時間はかかっても、こんなに単純なマッサージで痛みを和らげることができるのです。このままでは右手はまったく使えません。腕がむくめばむくむほど、がまんできないほど痛みが激しくなるという悪循環・・・

「でも、家に帰ろうと思うの。」
彼女は思いがけないことを言い出しました。(つづく)