トランプ米次期大統領は4日、自身のツイッターで「(中国は)南シナ海で巨大な軍事施設を建設しても良いかと我々に尋ねたか? 私はそうは思わない」と書き込んだ。トランプ氏が大統領選後、南シナ海について言及するのは初めて。中国による南シナ海の軍事拠点化に対し、反対を表明する意図があるようだ。トランプ氏は2日に台湾の蔡英文総統と電話で会談し、中国が反発した。トランプ氏のツイートは、中国をさらに牽制するもので、トランプ政権と中国の対立が鮮明化する恐れもある。
自民党はカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案について、6日に衆院を通過させる方針で、早ければ9日に参院本会議で成立させたい考えだ。民進、共産両党など野党は審議が拙速な上、ギャンブル依存症増加などの懸念が解消されていないとして、安倍政権の対応を追及し、批判を強める。慎重審議を求めていた公明党は意見集約できず、自主投票で臨む。自民党は衆院通過後、参院内閣委員会の定例日である8日に審議入りさせる構え。衆院と同程度の約6時間の審議時間を確保し、9日の参院本会議での採決へ向けた環境を整えたい意向だ。
トランプ次期米大統領は2日、台湾の蔡英文総統と電話で会談した。政権移行チームと台湾総統府が発表した。米メディアによると、米大統領、次期米大統領が台湾総統と直接対話するのは、1979年に米国が中国との国交樹立に伴って台湾と断交して以来、初めて。中国は会談に強く反発するとみられる。総統府によると、会談は十数分間、行われた。トランプ次期政権発足後の米台関係について協議し、経済発展を促し、台湾の防衛を強化していく方策を議論した。アジア情勢についても意見交換したほか、蔡氏は台湾が国際的な課題に関する議論に参加する機会を持てるよう、米国の支持を求めた。総統府は電話会談に臨む蔡氏の写真も公表した。
政府は2日、北朝鮮による拉致問題に関する関係閣僚会合を首相官邸で開き、5回目の核実験を強行した北朝鮮に対して新たな独自制裁を科す方針を確認した。安倍晋三首相は「拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、米国、韓国と協調の上、さらなる独自の措置を行う方針を固めた」と述べた。人と船舶の往来規制や資産凍結の対象を広げて制裁を強化する。先月30日に採択された国連安全保障理事会による新たな制裁決議とタイミングを合わせた。首相は拉致問題に関し「対話の窓口を閉ざすことはない。拉致被害者の一日も早い帰国に向けて全力を尽くす」と述べた。
今年の世相を反映した言葉に贈られる「2016ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に、プロ野球広島・鈴木誠也選手(22)の活躍ぶりを表した「神ってる」が選ばれた。セ・リーグを25年ぶりに制した広島の緒方孝市監督が、2試合連続サヨナラ本塁打を放った鈴木選手の活躍を表現した言葉。鈴木選手は東京都内での表彰式で「この言葉のおかげで多くのファンに名前を覚えてもらえた」と語った。昨年の「トリプルスリー」に続き、2年連続でプロ野球界から年間大賞が選ばれた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は十一月三十日(日本時間十二月一日未明)、エチオピアのアディスアベバで開いた会合で「秩父祭の屋台行事と神楽」(埼玉)など十八府県三十三件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」を無形文化遺産に登録することを決めた。最終日の二日、遺産のリストに記載する。能楽や歌舞伎、和食、和紙などに続く登録で、日本の無形文化遺産は計二十一件になる。山や鉾、屋台は神のより代と見なされる造形物で、山車(だし)と呼ぶ地域もある。木工や金工、漆塗り、染織などの技術を駆使して華やかに飾ったものが多く、祭りの際は住民らが引いたり担いだりして練り歩く。登録対象の行事の中では「京都祇園祭の山鉾行事」(京都)が最も古く、平安時代に起源があるとされる。
理化学研究所の研究グループが合成に成功した原子番号113番の新元素の名称について、化学者の国際組織「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」は30日、グループが提案した通りの「ニホニウム」に決めたと発表した。元素記号も提案通りの「Nh」とした。新元素を合成した理研仁科加速器研究センターの森田浩介・グループディレクター(59)らが今年3月、名称などをIUPACに提案していた。新元素は、理研グループが2004~12年に計3回、合成に成功。IUPACが昨年12月に日本人研究者として初めて森田さんらに命名権を与えた。