国連安全保障理事会は29日、北朝鮮による新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡り緊急の公開会合を開いた。演説した米国のヘイリー国連大使は全加盟国に対し「貿易を含め全ての関係を断つよう求める」と述べ、北朝鮮との関係断絶を要求。今回の発射で戦争に一歩近づいたとした上で、仮に戦争になれば北朝鮮の金正恩政権が完全に破壊されると警告した。トランプ米大統領が中国の習近平国家主席に対し、北朝鮮への石油供給を断つよう求めたことも明らかにした。
北朝鮮は29日午前3時18分頃、同国西部平城付近から大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を発射した。ミサイルは53分間、約1000キロ・メートル飛行し、同4時11分頃に青森県西方の沖合約250キロ・メートルの日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した。通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、高度は過去最高となる4000キロ・メートル超に達したと推定される。北朝鮮は同日、新型のICBM「火星15」の試験発射に成功したと発表した。通常軌道で発射した場合、米本土全域に届く可能性があることから、米国は危機感を強めており、朝鮮半島情勢は緊迫の度を増しそうだ。