政府が耕作放棄地の固定資産税を現行の一・八倍に引き上げる方向で検討していることが十一日、分かった。農地全般に適用している軽減措置の対象から外す。環太平洋連携協定(TPP)の発効に備えて農業の競争力強化を図るため、使われていない優良な農地の譲渡や貸し出しを促し、集約を進めるのが狙いだ。政府は近く与党の税制調査会に案を提示する。来月に取りまとめる二〇一六年度の税制改正大綱に盛り込み、早ければ一七年にも実施したい考えだ。ただ、所有者側の反発が見込まれることから、政府や与党の中には来年に参院選を控えて慎重意見もある。