分娩室に入り、GBSの点滴をする前に一度トイレ行っておこうかと言われ、
トイレに座るも、出る気配なく・・・・。
そうこうしてたら、また波が襲ってきた><
Nさんっ・・出ないですっっ・・・っつ、、あーーー!はあ!はあ!!
そのまま布団に倒れ込み、いきみ逃し。
分娩室と言っても、ここは助産院。
和室に布団が敷いてあるだけで、分娩台などはもちろんありません。
過去2回のお産は普通の総合病院だったので、分娩台で仰向けになってのお産でした。
ここでは、母親が楽な姿勢であればどんな体勢でもOKなフリースタイル分娩。
そして最後まで
いきまない!
母親がリラックスできていたら、赤ちゃんは自然に降りてくる。
とにかく自然に。いきまずに。
が基本だと妊婦健診でも何度も何度も聞いていた。
楽な姿勢??って??
もはやこの時点では、そんなこと考える余裕はなし!
でも、入院部屋でずっといきみ逃ししてた体勢→側臥位で丸くなる体勢になって自然と倒れこんでた。
ようやく波が過ぎ去り、GBSの点滴スタート。
・・・
・・・・
・・・・・そこへ、旦那さんが子供達を連れて分娩室へ入ってきた!!!
あおいもアキラも、こんな時間にも関わらず(深夜2時半!)しっかり起きていて、
2人とも緊張して顔が固まっている。
それを察して私が、
「みんな来てくれたんやあ。ありがとう。」
「お母さん、大丈夫やからね」「もうすぐ赤ちゃん出てくるからね」
と笑顔で声をかけると、2人の表情がふっとゆるむ。
・・・・・・が、陣痛の波が襲ってくると、そんな余裕全くなし
あーーーーきた!!><
ふ~ふ~ふ~はあ~はあ~は~!!
この段階では、こんなもんじゃ波は去ってくれず。。
居ても立っても居られず、傍に座ってくれた旦那さんの手やら足やらにしがみついてひたすら耐える。
「上手にいきみ逃せてるから、このままがんばろうね。
子宮の入り口、だいぶ柔らかくなってるんだけど、まだ完全に緩んでないから
キズ少しでも少なく済むように、いきまずね。がんばろう。」
と院長。
はいいいい・・・・と返事するものの、波が来たら正気ではいられず
ぐ~~~っはあ!はあ!はー!はー!はー!!!と旦那さんにしがみ付くっ
「すぎはらさん、反り返っちゃだめ。丸くなって。その方が赤ちゃんが降りてきやすいから。」とNさん。
そう。。頭では分かってるんです・・っっっが、
とにかく痛くて・・・痛くて、
痛いーーーー!!!
丸くなるって言われても、ただただ旦那さんにつかまって波をやり過ごすだけで精一杯。。
力が入って、自然に体が・・・反っちゃうんです><
ひいいいい~~~~っっっ
とは言え、波が過ぎ去ってくれたら嘘のように痛みはなくなるので、
「GBSの点滴って終わりました?」と確認したり、子供達に声をかけたり。
あおいが私に水を持ってきてくれたり、カメラやビデオを部屋に運んでくれたりと
よく動いてくれました。
でもそんな陣痛と陣痛の合間は徐々に少なくなってくる。
あっという間に次の波がやってきて、必死の形相に・・・
旦那さんの腕に爪痕が残らんばかりの力でつかまって、しがみ付いて、波をやり過ごす。
何かつかんでないと耐えられなかった
どうしても反り返ってしまうので、枕の位置を変えてもらったり、頭や肩を押さえてもらって
なんとか丸くなりながらいきみ逃しができ始めた。
するとそのうち、ぐぐ~~~~っと赤ちゃんが下に降りる感覚があった直後、
ぱーーーん!!と破水!
予想通り、次からの波はもうそれは半端ない痛み
「赤ちゃんの頭が見えてきましたよ!触れたら触ってみますか??」
えー!もう!?
破水してからそんなに時間がたってなかったので、頭が見えたと言われてびっくり。
そして、そうそう。妊婦健診でも聞かれてたんだった。
赤ちゃんの頭を触ってみることもできると!
健診では「へー!ぜひ触ってみたいです
」と笑顔で答えていたが、
この土壇場では、もはや考える余裕など皆無。
でも、とりあえず触れるんなら触る!!
「はい・・・触ります。。。
」となんとか回答。
じゃあ、これで手拭いてね。と消毒綿を渡されるも、まともに拭けたかどうだかくらいにまた次の波が
「今が一番大変なところやからね。痛いけど、がんばろうね」と院長。
両足の間にクッションを入れてくれ、
「赤ちゃんに酸素送ってあげて。はい!丸くなって!!はーはーだよ!はー!はー!」とNさんも一緒に応援してくれている。
「頭見えた!!すぎはらさん、手かして!!ほら、分かりますか??」
股の間から触れた赤ちゃんの頭はヌルヌルとしていて。
正直痛みと戦うので必死だったけれど、確かに赤ちゃんはすぐそこまで来てる!!あと少しなんだ!!と思えた。
そこからも何回波を乗り越えただろう・・
院長が、
「すぎはらさん、次の波で赤ちゃんの頭が出てきます。
頭が出てくるときは、ハッハッハッハッといきみ逃ししましょうね。
みんなも一緒に手伝ってあげようね。」
といつもの落ち着いた声で、私の手をぎゅっと握ってくれた。
ああ。。やっと。。。
やっとなんだ!!
次で。。次で出てきてくれるーーーーっ
波がきたっ
旦那さんも子供達もみんな一緒にハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
と部屋中で大合唱。
痛いっ痛いっ・・・・ハッハッハッハッハッ
まだ??ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・まだなん??
まだ出ないん??
ハッハッハッハッ
ハア!!ハア!!!ハー!!!だあああああ!!!
「すぎはらさん、赤ちゃんの頭出たよーー!!
あと、次の波で赤ちゃんの肩が出るからね。もう一回みんなでハッハッハッて応援しようね」
え。。まだ肩出てないの!?
病院では最後は頭も肩も一気に出てたので、頭だけ出てとめるんだとびっくり。
たぶんこれも自然にゆっくり産むということなんだろう。
院長とNさんが、赤ちゃんが出てきやすいように手で旋回してくれている様子。(すごい技術!)
そんなこと思ってたら波がっっ
旦那さんにしがみ付く
あーーー!!はー!はー!はー!!
「すぎはらさん、もっと短く!!ハッハッハッハッハッ」
再びみんなで、
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・
まだ??
ハア!!ハア!!!ハア!!!ハア!!!
痛いっ・・・痛いっ・・・早く終わって!!!><
ハア!!ハア!!!ハア!!!ハア!!!ハア!ハア!ハア!ハア!!!
早くーー!!もう、、無理!!!早く出てきて!!
ハア!!ハア!!!ハア!!!ハア!!!
長いっ・・・まだなん?!・・早く!早くーーっ
ハア!!ハア!!!ハア!!!ハア!!!
にゅる・・・・
どばああーーーー!!
出たああああーーーっという感覚と同時に
「産まれましたよ!!すぎはらさん!!」という院長の声。
終わった・・・・・
やっと終わった・・・・・
産まれたああああ。。。
安堵感と感動と。色んな感情が押し寄せて涙があふれた。
まだへその緒がついたまま、カンガルーケアをさせてもらって、
産まれたての赤ちゃんの体温を感じて、また涙。
びっくりしたー!と声を出したのはアキラ。
赤ちゃんが最後に出るときに、勢いよく旦那さんのすぐ横に飛び出たようで、
旦那さんの隣にいたアキラがそれを見ていたらしい。
旦那さんも予想してなかった自分の方向に赤ちゃんが出てきてびっくりだった模様。
「赤ちゃん、かわいい!!!!」
「あきら、お兄ちゃんになった!!!」とアキラ。
あおいは緊張ぎみの顔で事の運びをじ~~~っと見つめている様子。
私が「2人ともえらかったなあ。もう終わったからな。あおい、またお姉ちゃんになったで。」というと、
にっこり頷いた。
「へその緒は誰が切るんでしたっけ?」とNさん。
そうです!!!
今回の一大イベント、へその緒カット!!
あおいが切りたいと言ってたので、バースプランにもしっかり入れてました^^
Nさんフォローのもと、
旦那さんがあおいを抱っこして、私のお腹の上で仰向けになった赤ちゃんのへその緒を
あおいがチョキ!チョキ!
あおい、全く臆することなく、落ち着いてカットできました♪
それから、赤ちゃんの後から出てきた胎盤、卵膜、へその緒をNさんがトレイに入れて見せてくれました。
(これも見てみたいとバースプランに入れてたのです。今までちゃんと見たことなかったので。)
お腹の中でどうやって赤ちゃんが育ってきたのか説明しながら、
一つ一つ丁寧に見せてくれたのですが、これまた興味津々で聞き入っていたあおい。
胎盤や卵膜、へその緒をじっくり見ていました。
そして最後は、家族みんなで笑顔の写真撮影
3度目にして初めての助産院でのお産は、こんな風に幕を下ろしました。
新しい命の誕生を、家族みんなで体験できたこと、これは一生の宝物。
家族みんなでお産という願いが叶って、
そして、無事に響を産み終えることができて、、
ほんとによかった。。。
やっぱりお産は痛くて、痛くて、痛いんだけど、
1人の命を、人生を、、産みだすお産は、何にも変えることのできない素晴らしい経験だと。
そんな風に思えたのは、助産院ならではの自然なお産ができたからかな。
私が産もうとする力と、赤ちゃんが産まれようとする力、それから家族みんなの産まれてほしいという願い、
全部が一緒になって、長い長い痛みを乗り越えて、産まれてきてくれた。
そんなお産でした。
あおいとアキラがこのお産で見たこと感じたことが、
どのくらい2人の記憶に残るのかは分からない。
でも、お母さんが必死でがんばって赤ちゃんを産むんだなってこと。
みんなが産まれてほしい、産まれておいで、出ておいでと願って、命が誕生するんだってこと。
あおいもアキラも、こうして産まれてきたということ。
・・・
少しでも感じてくれたらいいな。
日に日に大きくなる響。
抱っこするたびに、命の重みを感じつつ・・・
ようこそ我が家へ。
産まれてきてくれて、ありがとう。