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風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

推敲はプリントアウトを出して(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第239話)

2014年06月03日 20時10分34秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』
 
 小説を書く時は、何度かプリントアウトを出して推敲するようにしている。
 上手な人なら画面上で書き直しただけでOKなのだろうけど、僕にはそんな技がない。
 プリントアウトを出して赤ペンを走らせると、いつも紙が真っ赤になる。何度か書き直してプリントアウトを出し直しているうちにだんだん赤色が減って、朱筆がほとんどなくなれば作品は完成になる。
 パソコンに文章を打ちこむ時とプリントアウトに朱を入れる時では、脳味噌の使い方が違うようだ。画面上ではうまく書けたつもりでいても、紙に印刷した文章を眺めてみるとどうもおかしいなと感じることが多々ある。パソコンで文章を書く時は、原稿用紙に手書きで書く時と違って先に文章の構成をしっかり考えずに思いつくままに書いてしまうからどうしても雑な文章を書いてしまうのだろうか? 思考のスピードで文章を書けるのがワープロのいいところではあるのだけど。
 気分の問題もある。
 パソコンに文章を打ち込んだだけではなんだか味気ない。
 思えば、僕が子供の頃は紙に文章を書くのが当たり前だった。ワープロ専用機(なつかしい!)を買ったのは二十歳を過ぎてからだ。子供の頃に手書きしていた習慣が僕の体にしみついているのだろう。いまさらすべて手書きで小説を書くだなんてとてもむりだけど、推敲くらいは手書きしないと書いた気がしないんだろうな。

 


(2013年5月30日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第239話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/

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