リオ五輪は終わったけど・・・

　日本時間の２２日午前、南米初の第３１回リオ五輪が、すべての競技を終え幕を閉じた。日本は史上最多の計４１個のメダルを獲得。さらに、競技史上初のメダルや数十年ぶりのメダル獲得、また日本新記録更新などなど、日本選手は華々しい活躍を見せてくれた。テレビは、連日五輪関係の番組ばかりで少々うんざりしていたが、終わってみればすばらしい大会だったと思う。選手の皆さん、お疲れさまでした。たくさんの感動をありがとう。 

　閉会式で４年先の東京五輪を紹介する８分間のプレゼンテーションが実施されたが、文句なしのすばらしい演出だった。とは思うが、観客誘致のデモンストレーションとはいえ、莫大な費用を要してあれほど派手にやる必要があるのか、とも思った。
　今から５２年前の東京五輪は、時代が時代だからすべてにおいてシンプルだった。エンブレムもまことにシンプルなものだったが、日本を象徴するにふさわしいエンブレムだったと思っている。当時、私は２３歳、まだうら若い乙女？ だった。わが家にはまだテレビがなかったが、幸い勤め先が岡山市内の繁華街近くだったので、お昼休みなどに街角に設置された街頭テレビの前で熱くなって応援したものである。
　閉会式は夜だったので、多分、翌日のニュースか何かで見たのだろう。不思議と、真っ暗なスタンドの上にある電光掲示板に「ＳＡＹＯＮＡＲＡ」の文字が浮かび上がったのだけを覚えている。

　当時の記録をネットで検索したみたら、『１９６４年（昭和３９年）１０月２４日、第１８回オリンピック東京大会の閉会式が東京・国立競技場で行われた。午後５時、「オリンピックマーチ」が鳴り響く中、旗手の入場が始まり、最後に入場した日本の福井誠旗手の後ろから参加各国選手たちが国別ではなく一団となって行進。日本選手団は整列して最後に行進した。ブランデージＩＯＣ会長が閉会を宣言、聖火が消え、オリンピック旗が降ろされた。最後に、スタンドの観衆らに手や帽子を振って退場する日本選手団。電光掲示板には「ＷＥ　ＭＥＥＴ　ＡＧＡＩＮ　ＩＮ　ＭＥＸＩＣＯ　１９６８」の文字が表示された。』とあった。

　２０２０年の東京五輪は、当初からゴタゴタ続きで、メイン会場建設費を巡る問題や、エンブレム盗用疑惑などで、すでに多額の費用をドブに捨てているのに、それでもだれも責任を取らないから腹立たしい。
　東京五輪の開催総費用はおよそ２兆円だとか。また、経済効果は３兆円だとも５兆円だとも言われている。しかし、果たして開催費用を上回るような経済効果があるかどうかは疑問だという経済学者もいる。小池知事は五輪開催費用を見直す方針だそうだが、最終的にどれだけの費用を要するのだろうか。いっそのこと、これまでのような大金を掛けた派手派手しいものでなく、品良くシンプルなものにして、世界をアッと言わせたらどうだろう。 

　余談だが、五輪組織委員会の事務所は虎ノ門ヒルズにあるそうだが、その賃料は月額４,３００万円、年間で５億１,６００万円。２０２０年までに賃料だけで３０億超だというからびっくり！　
　「どうして年間で５億円を超す賃料を払う必要があるのか。どうして新しい虎の門ヒルズに事務所を設置しなければならないのか。直ちに、その必要性につき透明化し、合理的な説明の責任を果たしてもらいたい。」という意見がネットにあった。ごもっとも！　小池さん、先ずはこれから手をつけてもらえませんか