5月の始め頃に録画した、NHKのBS映画劇場『昼下がりの情事』を観た。この映画の日本公開は1957年8月、今から52年前で私が16歳のときである。私は、映画好きの両親の影響で、早くから洋画に興味を持っており、この頃の名作はほとんど観ている。特に、1950年~1960年代には傑作が多く、最も洋画に夢中になった時代である。
この映画は題名からすると大人向けのエッチな映画かと勘違いしそうだが、とんでもない。コミカルタッチのおしゃれなラブロマンスで、2人の洗練された会話がすてきだ。そして、観終わったあともしばらくロマンチックな余韻に浸っていたい気分にさせるような映画である。この年代はすでにカラーは珍しくない時代だが、不思議なことにこの映画はモノクロである。だが、モノクロであることが、この映画のよさを引き出しているようにも思う。
この動画サイトで名場面を見ていただければお分かりのように、フラナガンが愛人と逢瀬を楽しむ時には、必ず4人のジプシー楽団が現れ、ロマンチックな曲を演奏する。それが「魅惑のワルツ(FASCINATION)」である。映画では演奏だけで歌詞はないが、若かりし頃、私も一生懸命この歌を覚えたものである。
この時のオードリー・ヘップバーンは27歳。でも、音楽院の学生という役そのままの初々しさがとてもチャーミングである。夢見る乙女が一目で恋したのがゲイリー・クーパー扮するアメリカの大富豪で、世界のいたるところに愛人がいるという、名うてのプレイボーイ役。この時、ゲイリー・クーパーは56歳、端正な顔立ちがすてきなおじさまである。
オードリー・ヘップバーンの父親役を演じているのがモーリス・シュヴァリエ。フランスの俳優で、このときすでに69歳。若かりし頃にはプレイボーイ役が多かったというだけあって、渋くてとってもすてきな俳優である。
ストーリーを簡単にいうと、パリの私立探偵シャヴァッスの娘アリアンヌは依頼人のファイルを盗み見るのを楽しみにしている。ある晩、妻の浮気調査を依頼していたX氏が訪れ、アメリカの億万長者フラナガンと妻の逢引きの写真を見て、怒りのあまり彼を殺すとピストルを持って出てゆく。マリアンヌは気になってホテルへ行き、ベランダから忍び込み、X夫人と入れ替わって彼を助ける。
危ういところを助かったフラナガンは、彼女と明日の午後を約束する。食事と美しいムードミュージック、フラナガンのお定まりの手に、アリアンヌはすっかり彼に恋をしてしまう。また、最初は単なる遊び気分だったフラナガンも、天真爛漫な彼女にすっかり参ってしまい、偶然再会したX氏の紹介で、彼女の父親とも知らず身元調査を依頼する。
父親はフラナガンの話を聞いただけでそれが自分の娘アリアンヌだと気づく。そして、フラナガンに、彼女は音楽院の学生で、当人の言ったことは全部作り話、あの娘を愛しいと思ったら、パリを離れることだと報告し、自分の娘であることを明かす。
フラナガンは彼女と別れる決心をし荷造りをする。約束の昼下がり、ホテルを訪れたアリアンヌは驚くが、それでも平気をよそおい、リオン駅ホームまで見送る。が、お互いに別れがたい。涙を浮かべながら動き出した列車を小走りに追うアリアンヌ、遂にフラナガンは彼女を列車に抱えあげるという、あのラストシーンは何度みても感動する。
この時代日本でも、1955年刊行の原田康子著『挽歌』、翌1956年刊行の石川達三著『48歳の抵抗』など、中年男性と若い女性の愛を描いた小説がベストセラーになり、相次いで映画化された。しかし、この2作はいわゆる男女の不倫を描いたもので、当然悲恋で終る湿っぽい映画である。当時、私は青春真っ盛り、ロマンチックな夢見る乙女というイメージには程遠かったが、これらの恋物語に魅せられたものである。この少し前に「ロマンスグレー」というすてきな中年男性を形容する言葉が生まれ流行語になったが、未だに使われているようである。
2人の似顔絵を描いてみた。オードリー・ヘップバーンの髪型はこの映画の中の彼女と同じなのに、なぜか写真はカラーである。
この映画は題名からすると大人向けのエッチな映画かと勘違いしそうだが、とんでもない。コミカルタッチのおしゃれなラブロマンスで、2人の洗練された会話がすてきだ。そして、観終わったあともしばらくロマンチックな余韻に浸っていたい気分にさせるような映画である。この年代はすでにカラーは珍しくない時代だが、不思議なことにこの映画はモノクロである。だが、モノクロであることが、この映画のよさを引き出しているようにも思う。
この動画サイトで名場面を見ていただければお分かりのように、フラナガンが愛人と逢瀬を楽しむ時には、必ず4人のジプシー楽団が現れ、ロマンチックな曲を演奏する。それが「魅惑のワルツ(FASCINATION)」である。映画では演奏だけで歌詞はないが、若かりし頃、私も一生懸命この歌を覚えたものである。
この時のオードリー・ヘップバーンは27歳。でも、音楽院の学生という役そのままの初々しさがとてもチャーミングである。夢見る乙女が一目で恋したのがゲイリー・クーパー扮するアメリカの大富豪で、世界のいたるところに愛人がいるという、名うてのプレイボーイ役。この時、ゲイリー・クーパーは56歳、端正な顔立ちがすてきなおじさまである。
オードリー・ヘップバーンの父親役を演じているのがモーリス・シュヴァリエ。フランスの俳優で、このときすでに69歳。若かりし頃にはプレイボーイ役が多かったというだけあって、渋くてとってもすてきな俳優である。
ストーリーを簡単にいうと、パリの私立探偵シャヴァッスの娘アリアンヌは依頼人のファイルを盗み見るのを楽しみにしている。ある晩、妻の浮気調査を依頼していたX氏が訪れ、アメリカの億万長者フラナガンと妻の逢引きの写真を見て、怒りのあまり彼を殺すとピストルを持って出てゆく。マリアンヌは気になってホテルへ行き、ベランダから忍び込み、X夫人と入れ替わって彼を助ける。
危ういところを助かったフラナガンは、彼女と明日の午後を約束する。食事と美しいムードミュージック、フラナガンのお定まりの手に、アリアンヌはすっかり彼に恋をしてしまう。また、最初は単なる遊び気分だったフラナガンも、天真爛漫な彼女にすっかり参ってしまい、偶然再会したX氏の紹介で、彼女の父親とも知らず身元調査を依頼する。
父親はフラナガンの話を聞いただけでそれが自分の娘アリアンヌだと気づく。そして、フラナガンに、彼女は音楽院の学生で、当人の言ったことは全部作り話、あの娘を愛しいと思ったら、パリを離れることだと報告し、自分の娘であることを明かす。
フラナガンは彼女と別れる決心をし荷造りをする。約束の昼下がり、ホテルを訪れたアリアンヌは驚くが、それでも平気をよそおい、リオン駅ホームまで見送る。が、お互いに別れがたい。涙を浮かべながら動き出した列車を小走りに追うアリアンヌ、遂にフラナガンは彼女を列車に抱えあげるという、あのラストシーンは何度みても感動する。
この時代日本でも、1955年刊行の原田康子著『挽歌』、翌1956年刊行の石川達三著『48歳の抵抗』など、中年男性と若い女性の愛を描いた小説がベストセラーになり、相次いで映画化された。しかし、この2作はいわゆる男女の不倫を描いたもので、当然悲恋で終る湿っぽい映画である。当時、私は青春真っ盛り、ロマンチックな夢見る乙女というイメージには程遠かったが、これらの恋物語に魅せられたものである。この少し前に「ロマンスグレー」というすてきな中年男性を形容する言葉が生まれ流行語になったが、未だに使われているようである。
2人の似顔絵を描いてみた。オードリー・ヘップバーンの髪型はこの映画の中の彼女と同じなのに、なぜか写真はカラーである。
西部劇はもう映画化されなくなりましたね。
アメリカの開拓時代 OK牧場の決闘や荒野の7人など面白かったですが今はもう流行らないのでしょうか。
日本でも時代劇が廃れたようにアメリカでも西部劇はもう見られなくなりました。
テレビで再放送されることがたまにありますね。最近ではBS2でジョン・ウェィンのものが何回か続けて放送されました。
ちなみに私の最初にみた洋画は「シェーン」でした。ラストシーンの「シェーン、カムバック!」と叫ぶ少年の姿は今でも思い描くことができます。
ジョン・ウェィンは父の大好きな俳優、そしてその父はオールドレディー様とはほぼ同じ年齢です。
父の一番大好きな映画が「シェーン」
薄給ながらもまだ普及していないころからビデオデッキを買っていろんな西部劇を観ていました。
ちょうどその頃、小学生だった私はマカロニウエスタンに興味を持ちました。
映画館のロードショーも行きましたがいわゆる名画座なんかもいっぱしに行ったりして。
親父が言うにはマカロニは邪道ってことですがそれでも子供心には勧善懲悪でしょうか、観たあともすごく清清しい思いがあったことを覚えています。
しかし最近は西部劇って観てないって今思いました。
オードリー、私の一番好きな女優です。
いつまでも若い頃のイメージだけを抱いているおやじなんですけどね。
ジョン・ウェィン、ゲイリー・クーパー、アラン・ラッド、バート・ランカスター、チャールトン・ヘストン、カーク・ダグラスなどなど主演のおもしろい西部劇がたくさんありましたね。
最近はBS2でジョン・ウェィンの名作が続いて放送されました。
西部劇はもうテレビでもあまり放送されることがありませんね。
オードリーの「おしゃれ泥棒」、「麗しのサブリナ」も録画しました。
最近はこうした古い字幕スーパーの再放送を録画して観るのが楽しみです。
なんとなく眺めながらレディーサンの学生時代もお上手に絵を描かれて居られたのだろうな~と感じてしまいました
私最近字幕スーパーの文字を追えなくなり、もっぱら吹き替え版を好みますが、比べようもない事は分かっています、洋画のスターは格好よすぎ。
最近娘に付き合って“はげたか”邦画を見ましたが内容は兎も角、胸ときめく俳優はいなかった・・・
私、小学校の校内写生大会で一度入選したことがあるだけで、それ以来この歳になるまで描いたことはないのです。
似顔絵は全くの我流で、1年前から描き始めて、まあまあの出来に自分でも驚いています。
水彩画はNHK学園の通信講座を1期受講しましたが、どうも人の言うことを聞かない性質なのでダメでした。
お金の掛からない趣味なのでこれほどありがたいことはありません。
洋画はやはり字幕スーパーですね。私は老眼はないのですが遠くは見えにくいのです。だから眼をこらしてみるものだから疲れますね。
でも、DVDを借りるでもなく、映画館へ行くでもなし、私のケチ流の楽しみです。
「ハゲタカ」はNHKで大森何とかが主演で放送されましたが、これは原作よりよほどよかったと思いました。
いつまでも心をときめかせていたいですね。
相変わらず正確なデッサンですね。2人共、そっくりです!
ご両親様も映画がお好きだったとは、良い家庭環境だと羨ましく思いました。
ヘップバーンは大好きなので、私もほとんどの映画は観ましたが、衣装も素敵ですよね!
この頃の映画で、西部劇はあまり観たことがないので、今度・何かしら観てみたいものです。
お勧め作品などありますでしょうか??
ありがとうございます。
貧乏でしたが、映画はよく見させてくれました。多感な頃、洋画をみては夢見る夢子さんになっていました。未だに続いていますが…。
西部劇はやはりジョン・ウェインでしょうね。この時代は西部劇の最盛期だったようで色々ありましたが、ゲーリー・クーパーの西部劇もありましたね。
日本と同じで時代劇は少なくなりましね。
最近のアクション映画は見たいと思いません。もっぱら映画劇場の古い映画を録画してゆっくり見るのが楽しみです。
②ー父親のシェヴァスが証拠の写真を撮るのに使ったカメラはどこのメーカーのカメラでしょうか?映画公開の1957年以前だと最新型だと思います、フイルムは35mmでパトローネに入ってるタイプです 蓋はスライド式ではなく蝶番タイプです、巻き上げはレバー式ではなく手でネジを回すように巻くタイプげす、旭光学のペンタックスらしいのですが…、レンズは200mmぐらいだと思うのですが、レンズフードの先がかなり傷つぃていて使い込まれている感じがリアルでとてもいいです、でもあの暗さではいくら感度の良いフイルムを使ってもシャッター速度は相当に遅いはずです、あのシャッターの押し方ではブレは相当にあるはずです、
③ーシェヴァスの事務所兼自宅の中の壁に掛かっている2枚の婦人の絵がモネの絵のようなのですが もしモネだとしたら絵の題名を教えて下さい。私は1965年に観ました、いつまで色あせずに心に残る名画ですね。
まず古いブログを読んでいただいたことにびっくりしています。ありがとうございました。
ご質問にお答えできるような知識がないのが残念です。
細かいところまでよく見ていらっしゃるのに感心いたしました。
あなたのような観方をされると、映画鑑賞もより楽しく、別の良さを発見できるでしょうね。
1965年にご覧になったとは、年齢的に私とさほど変わらぬ年代のお方とお見受けします。
あの頃の洋画は本当にすばらしい映画ばかりでしたね。