つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

あなたは、将来だれに介護してもらいますか?・・・

2009-04-15 | やりきれません
 少し前の話。3月12日の参院予算委員会で、民主党の下田敦子氏の「将来だれに介護してもらう予定か」という質問に答え、麻生さんと閣僚4人がそれぞれの「介護観」を語ったそうである。
 『認知症の母を介護、その経験について著書もある舛添厚労相は「母親の介護でたいへん苦労した。介護はプロに、家族は愛情のみを。私はプロに任せたい」。首相は「家内より私のほうが健康。こっちが介護する番かな」と自らの若さを強調しつつ、「4世代同居していた時代があり、介護の大変さは知らないわけではない。舛添大臣が言われたのは方向としては正しい」と舛添氏に同調した。
 喉頭がんで闘病経験をした与謝野財務相は「子どもに面倒をみてもらえるとも思ってないし、女房にも迷惑をかけられない。入れる施設があったら入りたい」。鳩山総務相も「認知症の傾向が出た場合は、自宅よりもグループホームのほうが幸せ感があるのではないか」と述べた。一方、還暦前の塩谷文科相は「母も元気で、自分の介護をどうしようなんて今まで考えたことはない。まだ若いつもり」と、まだ現実感がない様子だった。』(読売新聞より)
 富裕層にあるこの人たちは介護の問題など大して興味があるわけではなく、国民に向けての建前、一般的な回答であろう。が、誰にも必ず老いはやってくるのであり、その末路は貧富の差で大きく明暗が分かれる。これはどうしようもない現実で、今の世の中、“地獄の沙汰も金次第”、金さえあればいかようにも生き方は変えられる。「お金がすべて…」という考え方は間違っていると言えるのはお金がある人の言葉、昔からよくいわれように、“金のないのは首のないのも同じ”というのも、あながち間違ってはいないと思っている。

 この4月から65歳以上の介護保険料が3%値上がりした。この改正は介護報酬をアップするためだというが、現場を知らない政治家が考える介護保険制度にはいろいろと矛盾点があるといわれる。
 介護の現場ではきつい仕事のわりに賃金が低く、離職する人が後を絶たない。この改正で介護職員の月収が平均2万円アップすると期待されていたが、それも一定条件を満たした事業所のみで、職員全員の賃金が一律に上がるわけではない。一定条件とは、夜勤など負担の大きい業務に対し必要な職員数を確保したり、専門職員を多数雇用することであるが、この条件を満たしていない中小事業所では報酬アップ分が必ずしも職員の賃金増にはつながらないという。
 また、利用者は質の高いサービスが受けられる半面、サービス単価が上がるので自己負担も増える。利用額が限度額内ならば1割負担で済むが、限度額を超えると全額自己負担になるので、利用を控える人も出てくるだろうといわれている。さらに、介護サービスを受ける前提となる要介護度の認定基準が変わるので、現在より軽く判定されることもある。が、これには不安の声が高いことから、見直し運用されることになったと聞く。

 マスコミなどでも度々取り上げられているが、福祉士の資格をもっている職員でも報酬は20万円ちょっと、専門の資格を持たない人だと16、7万円だという。人さまの介護は気持ちだけでできることではない。自分の生活さえままならぬ状態で、人にやさしくできるだろうか。昔から、“衣食足りて礼節を知る”というが、物質的に不自由がなくなって、初めて礼儀に心を向ける余裕ができてくるように、心身ともに余裕ができてこそ優しい気持ちにもなれ、人さまの世話ができるのである。高齢化社会が進む中、介護の仕事に携わる人たちは貴重な存在である。この人たちが安心して働けるように、国は現場の声を聞き、介護報酬の問題をもっと重要視すべきではないだろうか。
 それでもようやく7日、厚労省は新経済対策として、介護職員の賃金を1人(常勤換算)当たり月額1万5千円引き上げるため、事業者に人件費として3年間で総額4千億円を交付する方針を固めたという。有難い話だが、必ず最前線で働く人たちに行き渡るよう、監督を怠らないようにしてもらいたい。
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4 コメント

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介護について (北斗 裕二)
2009-04-16 01:23:48
こんばんは
こちらではお久しぶりです。
将来の介護について、特に考えてなかったですね。
多分、今以上に高齢化してそうですが。
これから考えて行こうと思っています。

介護職は人手不足と言っているのに、賃金が安すぎます。
こう言う事に、もっとお金を出して欲しいですね。
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Unknown (オールドレディー)
2009-04-16 08:51:08
♠北斗裕二さま
だれも若いうちは考えませんが、自分が老いてきたら切実に身に迫ってきます。
でも、若い人も長い将来を見つめ、基盤をしっかり築いておくことは大事だと思います。
特に、賃金の問題は働く若い世代の問題ですからね。
返信する
介護 (おくだっち)
2009-04-16 12:49:00
こんにちは。コメントありがとうございます。
文才なんてとんでもない、文法も間違いだらけで赤面ものです。
私の日記には書き込みの制限は全くかけていないのですがライブドアは相性の悪いブログがあるようで、他の方からも同様のコメントを頂いたことがあります。

さて、今日のテーマですが
私の両親は、健在で病院の世話にもならずありがたいことです。
でも、二人とも八十を越え 耳や目がかなり衰えてきてから気持ちも弱くなっているようで、私が休みの日も忙しい分 子供たちがよく遊びに行ってくれて助かっています。
まだ、介護の必要はありませんし、両親とも下の世話まで子供にさせたくないというか威厳は保ちたいようで、もし必要になったら介護士に見ていただくのが良いのはよく理解できます。
羞恥があるから頭も呆けないという面もあると思います。
今後、ますます高齢化していく中で、介護に携わる方をもっと優遇すべきで、ボランティアではなく就きたい職業にできればいいですね。
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Unknown (オールドレディー)
2009-04-16 13:09:36
♠おくだっちさま
ご両親そもお元気だそうでなによりです。
私の父親は35年前、母は5年前に亡くなりました。母は半年余り老健でお世話になりましたが、子どもの手をとることもなく、子孝行をしてくれたと感謝の気持ちでいます。

誰も若いときには考えもしなかった老後、親が老いていざ世話をという時に始めて気づきます。でも介護の問題は老人だけの問題ではなく、若い人たちの職業選択にも大きく関わることです。
志高く福祉を目指しても、今のような状況では誰もが進んで選ぶ仕事ではありません。高齢化が進むこれからを考えると、若者をつなぎとめる、あるいは引き寄せるだけの魅力ある職業にしなければならないと思います。
空港や新幹線を走らせ、形だけ近代的になっても決して一流国とはいえません。社会福祉が充実して人が人らしく生きてゆける、それが一番大事だと思いませんか。

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