つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

改革を遅らせる高齢者と言われたくない・・・  

2011-12-03 | どう思いますか

 11月28日の産経新聞に「少子高齢時代 改革遅らせる有権者高齢化」という記事があった。有権者の高齢化が進み、昨今は、高齢者への配慮から先送りされる政策が多く、それが改革を遅らせているというのである。が、それは取りも直さず、選挙に関心が高いといわれる高齢者への政治家のおもねりが要因であるといえよう。

(記事から一部抜粋) 『社会保障と税の一体改革をめぐる年金や医療、介護の具体的な見直し案づくりが本格化してきた。しかし、民主党から大きく聞こえてくるのは、低所得者への年金加算などサービス拡充を求める声で、国民に痛みを求める案の多くは、反対や慎重意見に包まれている。とりわけ、高齢者向け政策への配慮が目立つ。が、世代間の支え合いである社会保障制度は、高齢者を含めた全国民が少しずつ我慢しなければ持続できないことは、国会議員にもよく分かっているはずである。

 しかし、有権者総数に占める65歳以上の割合は、かつて1割に満たなかったが、いまや4分の1を占める。しかも、一般的に高齢者のほうが、若い世代よりも投票率が高い傾向にある。政治家にしてみれば、有権者の多数を占める高齢者や“高齢者予備軍”の意向に反する意見は言いにくい。反感を買えば、次の選挙で「落選」という手痛い洗礼を受けかねないからだ。

 一方、有権者の意識にも問題はある。多くはないが、「わずかな負担増も許さない」という姿勢の人は少なくない。後期高齢者医療制度をめぐる反発などは典型例であろう。必然的に、与党内からは、負担増案が浮上するたびに「次の選挙で戦えない」という声が噴き出し、高齢者向けサービスを手厚くする政策判断へと傾いていく。が、高齢有権者に過度に配慮して改革を先送りし続ければ、社会全体がおかしくなる。』

 

 私も裕福とは言えない高齢者だが、この記事には納得できる。高齢者といえば弱者と思いがちだが、高齢者にもそれこそピンからキリまであり、私の周囲を見回しても、少ない掛け金で今の物価に見合う高額な年金をもらって悠々と暮らしている高齢者がたくさんいる。そういう人を見ていると、現役層の方がよほど厳しい生活を強いられているように思う。   

汗水たらして一生懸命頑張ってきたのに、老後は食べるのにやっとという高齢者への優遇は必要だが、今は高齢者だからといって安穏としてはいられない状況にあることを理解しなくてはならない。優遇され楽をさせてもらっても、国の屋台骨が揺らいでは生きた心地もしなくなる。

 

外来患者の窓口負担に一律100円(低所得者は50円)を上乗せする「受診時定額負担制度」は「治療が必要な患者の受診抑制につながる」との慎重意見が強いため見送られることになった。この制度が実施されれば、年間3700億円の財源が確保でき、これを、中・低所得者の高額療養費の負担軽減に回すとしていたという。

しかし、負担増を理由に苦しいのに我慢して病院に行かないという人がどれだけいるだろうか。毎日通院の必要がある人はそれなりの対策を考えればいいと思う。よほどの病気でない限り通院は2週間に1回、月に200円の負担増である。私個人としては、月々の負担増より入院時の高額医療費の自己負担額を引き下げてくれる方が、入院しても安心できるので有難い。 

また、70~74歳の医療費の窓口負担を1割から2割への引き上げも、高齢者への周知が間に合わないため実施を見送る方針だとか。私は70歳になって、これまで治療費が毎月6000円必要だったのが1割負担2000円になり、ありがたいと思っている。だが、1割負担は来年3月までで来年度から2割になるというのは承知しており、今更、周知が間に合わないというのは国の怠慢である。今や国民健康保険は大幅な赤字続きで破綻寸前だというに、いつまでいい格好をするのだろう。それこそ将来、国民皆保険制度が維持できなくなることの方がよほど恐ろしい。

 

 いよいよ来年度から年金支給額の引き下げが始まるようだが、今の日本を支えている若年層に思いを馳せると、高齢者も痛みを分かち合わなければと覚悟はしている。ただ、何事も公平にやってもらいたい。主婦年金の過払いについても払い戻し請求をするのは当然ではないか。また、特別な事情のある人はともかく、安易に生活保護に頼る人への支給額が基礎年金満額より多いというのも不公平だし、年金は減額しても生活保護は減額しないというのはおかしい。それに、公務員などの共済年金の引き下げは実施されるのか、議員年金はどうなるのか、それも知りたい。  

 何事も選挙ありきで決定するのではなく、たとえ国民に不評であっても、それが日本のためにやらなければならないことならやる、それが政治家の責任というものではないか。大阪新市長の橋下氏があれだけネガティブキャンペーンで叩かれても大差をつけて当選したのは、知事3年間の実績を誰もが認めたということだろう。当初は府民や議会の抵抗もあったようだが、「独裁」と言われながらも「有言実行」を貫いた強い信念、強いリーダーシップは、今の日本に最も必要な政治家の姿である。国民におもねる“能無し”政治家では日本再生はできない。

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2 コメント

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Unknown (亀の川登)
2011-12-03 11:58:42
頭の硬くなった老人層が有権者の中心になったら政治は変わっていけない。
頭の柔らかい若年層は政治に関心がない。
困ってしまいますね。
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Unknown (オールドレディー)
2011-12-03 16:23:17
♠亀の川登さま
要するに人心をひきつける魅力ある政治家がいないということでしょうね。
何かをしてくれそうな、何かが動きそうな、そういう期待感を野田首相にも期待したのですが、橋下氏のようにはいきませんね。

どこの党にも期待できませんけど、もう選挙しかないのでしょうか。
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