翁長知事が国連で「辺野古ノー」・・・

　２１日、スイスで開かれている国連人権理事会で、沖縄県の翁長知事は米軍基地が集中する現状を「人権侵害だ」と訴えたという（翁長知事が訴えた内容は右図のとおり）。
　翁長知事が人権理事会で基地問題を持ち出したのは、この問題を国際世論に訴えかけ、移設をめぐり対立する日本政府を牽制する狙いがあるとみられている。だが、産経新聞は、翁長知事が２人の日本人女性によるカウンタースピーチを食らってタジタジになっていたと報道している。
　１人は、駐ジュネーブの日本政府代表嘉治美佐子大使で、「日本の平和と安全を確保することが何より重要だ」と強調。長い時間をかけて辺野古移設を検討し沖縄県と合意した経緯を明らかにし、今後も県民に説明し、法に則して解決していくと語った。
　２人目の沖縄県名護市の我那覇真子さん（26）は、「人権侵害」発言は真実ではない。プロパガンダ（政治宣伝）を信じないでくださいと呼びかけた。沖縄生まれの我那覇さんは、沖縄が日本の他の地域と同様に人権が守られていると明言。「沖縄が先住民の土地だと主張することで沖縄を独立に導こうとする人たち、それを支持する中国こそが地域の平和と安定を脅かし、人権への脅威だ」と報告した。
　また、２３日の産経新聞には、『翁長雄志知事は、辺野古区の民意を無視している』という地元住民の主張が掲載されている。辺野古住民だって自分たちの生活を守りたいのである。普天間の基地利権を守りたい人たちの反対の声だけが民意ではない。
　
　９月６日放送の『なんでも言って委員会』に安倍首相が出演。「普天間基地の移設先は辺野古以外にない」という理由を次のように挙げていた。（一字一句発言どおり）
　【あの、今工事を一ヶ月間中断しながら交渉を誠実にしてるんですけど、危険な状況にある普天間を固定化してはならないということとですね、それと普天間に移設するというのが、そのまま機能を全部持って行くんではないんですね。これは意外と知られてないんですが、普天間基地は３つ大きな機能があって、オスプレイと緊急時の飛行機受け入れと、もう１つは空中給油機。空中給油機は全部山口県岩国基地に移って、緊急時の飛行機受け入れは本土で受け入れた。ですから残っているのはオスプレイだけ。それと普天間では各戸に対して防音の設備をしなければいけません。対象は約一万件、それが辺野古に移ればゼロになります。これはもう民家から遠く離れています。その意味においては大きく変わりますし、面積も全然ちっちゃく、３分の１になりますから。そういう意味では負担の減少には間違いなくなるんですが、ただ、残念ながらまだ了解を得るとうことにはなっていませんから、我々も誠実によく説明していきたいなと思います。】
　知られていないことがあるなら、丁寧に説明すればいいのに…。 

　それにしても、翁長知事はもう怖いものなしだ。対立している日米両政府を飛び越え、国際社会に「辺野古ノー」を直接アピールするなんて、安倍首相もこれほどコケにされては、もう一歩も引き下がることはできないだろうネ。彼の左翼まがいの強硬な反基地の姿勢を見ていると、これで何か得することがあるのか。これではまとまる話もまとまらなくなる、そうは考えないのか、と頭を傾げたくなるのである。
　そのせいでもあるまいが、２２日、政府は名護市の辺野古・豊原・久志の３区の地元振興支援に乗り出すことを決定。この３区は条件付きで移設を容認しており、特例として初めて基地周辺対策費を充て、市を通さず支援を行うという。名護市は平成２０、２１両年度に約１７億円の再編交付金を受け取ったが、移設に反対する稲嶺氏が市長に就任した２２年度以降、交付金を受け取っていない。今後、移設計画が進むと久辺３区の負担は増すこと等を考慮し、再編交付金（１３０億円）ではなく基地周辺対策費（２８億円）で久辺３区に直接支出するという。政府もやるネ、これは一種の意趣返しだろうか？　自分を無視して直接支援、名護市長は慌てただろうネ。