2年前の春、ウオーキングの折り返し地点の駐車場に、ツツジやハナミズキ、桜の苗木など数十本を植えて、海沿いに細長い花壇が作られた。が、夏が過ぎるころ、その内の何本かは枯れてしまい、3本あった桜は1本に。ことしも花は咲きそうにない。
そして昨年秋、枯れた苗木の跡に桜の苗木13本が植えられた。まだ半年足らずだから花は期待していなかったが、なんと3本に花が、もう驚き桃の木山椒の木だ!
22日に見た時、芽がすこし膨らんでいるので、もしかしたら蕾かも? そのうちだんだんとピンク色になって、蕾だと分かったときは感動した。木の長さは2mほど、細い幹にひょろひょろの小枝、でも花はどこの桜にも負けないくらいあでやかで美しいよ!
毎朝、花の美しさに立ち去りがたく、しばらく見とれている。
マンションのはす向かいに無人になった家がある。そこの庭にある桜が今、満開だ。その家の主は生涯独身で、大きな家にずっと一人で暮らしていたとか。ある企業の経営者一族で、お金持ちだが偏屈で無愛想、変人だから親しく付き合う人はいなかったらしい。年がら年中、黒の背広を着たきりスズメ。どこに行くにも徒歩で、タクシーはめったに乗らなかったという。そういえば、真夏に汗びっしょりかいて歩いているのをよく見かけた。
その彼の家の隣が、私が親しくしている知人の家で、彼女にだけは気を許していたようで、何かあるたびに連絡してきたそうだ。一昨年の夏、大阪駅で倒れたときにも警察から連絡があったそうだ。とりあえずは警察が手配してくれて地元の駅まで電車で帰ってきた。そこからは友人が手配して地元のタクシーで無事に帰宅できたという。後日聞いた話だが、警察官が身元確認のため財布を開けたところ万札がぎっしり、ビックリしたという。
気難しい人なのでヘルパーにも愛想をつかされていたとかで、掃除する人もいないから大きな家はゴミ屋敷になっていたという。時々、救急車を呼ぶことがあったが、隊員が家に入ろうにも足の踏み場もないくらい、どの部屋も風呂場もゴミでいっぱい。おまけにひどい臭いに息ができないほどだったとか。親族が、地元にある有料老人ホームへ入居するよう説得したがウンと言わない。が、昨年の初めごろ、認知症らしいと分かって、とうとう有料老人ホームへ入居することになったようだ。その後の様子は分からない。
今は無人となって荒れ果てた庭に、桜花は主の運命とは関わりなく、ことしも美しく艶やかに咲いた。人の世は無情なり!
主の無いお屋敷に何だか切ないですね。
フィクションの1ページかと思わせるお話は
人生の原型を問うていますね。
持ち主はゴミ屋敷で一体何を思っていたのしょう。
散り際の潔さの代表格、櫻櫻櫻
随分考えさせられる今回のブログ記事でした
いくらお金があろうと大きな家があろうと、必ずしも幸せな最期が迎えられるとは限りません。が、お金持ちだから有料老人ホームに入居できて、まだ幸せですね。
食事はお弁当を買ってきたようですが、お風呂はまったく入っていなかったとか。汚い老人だけはイヤです。
一人が気楽でいい、とつっぱっていても、お金も人脈もない私はどうなるのかな? なんて考えさせられました。
無人の家の満開の桜、美しいだけに哀れを誘いますね。