
芥川賞受賞ご第一作と帯にある。1998年から2000年まで雑誌に連載したものらしい。先日の受賞作は読むのに苦労してなおかつ何がメインの筋なのか理解できなかった。しかし、町田が最近出した『俺の文章修行』を読み始めたら分かりやすくスッキリした文章だった。内容は独特ではあるが読み応えありそうだった。そこで一緒に借りてきた上掲の小説を先に読み始めた。著者が文筆家としてやっていこうとしているところへ持ち込まれるそれに関するオファーについて書いている。その中に如何に常識と懸け離れた要求や条件があるか。またその話を持ってくる人たちの異常さなどだ。さもありなんと思えるが、それにしても少し極端に過ぎるのではと感じた。また彼の小説を読んでみようと言う気になった。

孫たちはこの家が気に入ってくれているのか終始テンションが高いままだ。老人ばかりの静かな暮らしに浸っていたところへ、さらにパワーアップした男の子が出す声や動きは近くにいることさえしり込みしたくなるほどだ。そこで海に連れ出した。風もなく穏やかな天気で、少し離れたところに座って遠くから眺めているとあの騒乱が嘘のようだ。エリーは時々離れた私のところに駆けてきて、様子を見てまた孫たちのところへ戻ってゆく。孫たちも広々とした海岸は落ち着くようだ。