令和2年3月28日(土) 18:00~
安倍首相会見
新型コロナ「長期戦覚悟を」
事態悪化なら学校再開見直し
安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスについて「いつ急拡大してもおかしくない。
長期戦を覚悟する必要がある」と最大限の警戒を呼び掛けた。小中高校の休校については、来週中に開く専門家会議の判断次第で、春休み明けからの再開方針を見直すこともあり得ると表明。
打撃を受けた経済を下支えするため、「リーマン・ショック時の経済対策を上回るかつてない規模の対策を取りまとめる」と訴えた。
会見は2020年度予算の成立を受けて実施。
首相はこの後開かれた政府対策本部で、補正予算案を10日程度で取りまとめるよう指示した。
首相は会見で、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を出す状況には現時点で至っていないものの、「ぎりぎり持ちこたえている。
瀬戸際の状況が続いている」と指摘。
「医療崩壊は決して対岸の火事ではない。恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い抜かなければならない」と述べ、東京都の小池百合子知事らが要請した外出自粛に応じるよう求めた。
学校再開に関しては「子供たちの健康、命がかかっている。慎重な対応が必要だ」と指摘。
「前の決定にこだわってはならない。あくまで専門家(会議)の判断だが、当然変わることはあり得る」と述べ、感染が深刻な地域の休校継続をにじませた。
首相はまた、「有効な治療薬やワクチンの開発を世界の英知を結集して加速する」と述べ、富士フイルムのグループ会社が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」の増産と治験を始めるなどと説明した。
一方、首相は経済対策について「国税・地方税の減免、金融措置も含め、あらゆる政策を総動員し、かつてない強大な政策パッケージを練り上げる」と強調。その柱として、収入が減少した世帯などに対象を絞って現金給付を実施する考えを示した。
会見の中で、記者の質問に対する回答
10日以内に令和2年度の補正予算をまとめ、国会に提出する考えである。
安倍首相「拡大回避へ重要時期」
政府、新型コロナ対処方針決定
政府は28日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍晋三首相)の会合を首相官邸で開き、国内の感染爆発に備え、今後の対応の指針となる基本的対処方針を決定した。
首相は「今がまさに急速な感染拡大を回避するため極めて重要な時期だ」と強調。
対処方針に基づき、感染拡大阻止に全力を挙げるよう各閣僚に指示した。
首相は対処方針の内容として、
①各地域でクラスター(感染者の小規模集団)を封じ込めて感染拡大の速度を抑制する
②適切な医療提供で重症者と死亡者を最小限に抑える―などを示した。