ガラガラに空いた電車のドアが開き ホームに並んでいた人たちと車内に乗り込んだ
すると みな一瞬 ギョッとした
座席に 長々とうつぶせに寝ている男の姿 高校生だろうか・・・?
一緒に乗り込んだ 中・高校生たちは クスクス笑いながら遠巻きにしている
どう見ても 具合が悪いとは思えない
部活で疲れて つい 空いていた車内で 体を伸ばして寝てしまった?
でも 朝7:30なんだけど・・
そのうち目を覚ますだろうと思いながら 彼のことは いつの間にか意識から消えてしまった
次に 目に入った時 その姿は床に転がっていた
うつ伏せのまま・・・
「 えっ! どうしたの? 」
次の駅で私は降りる そこで駅員に知らせなければと思った
誰もが退いてしまう その状況下で 傍に立っていた50代の男性が一言
「 大丈夫? 」と 声をかけた
高校1,2年生?の その男の子は やっと顔を上げ 起き上がり 座席に座った
ちょうど駅に着いたので その後のことは分からない
私が声をかけたら きっと 余計なことを言ってしまいそう・・
「 大丈夫?」という このシンプルな一言だけを言える人って素晴らしい