「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

『 四度目の氷河期 』

2007-08-01 13:49:04 | 書籍・絵本


 『 四度目の氷河期 』 萩原 浩
                        新潮社

   ぼくは今日からトクベツな子どもになることにしたー
   何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは
   ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。
   その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。
   「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?(書籍の帯より)

   「明日の記憶」 「あの日にドライブ」の作者
   萩原作品としては 少し、物足りない・・・
   でも、青春小説は<明日>に繋がるからいいなあー。
 
         

   数日前 母は施設で 徘徊中 腕を骨折した。
   そんなわけで 毎日 施設へ通った。
  
   母の手を握り続けた。
   私より母の手が小さいことに驚く
   いつの間に こんな細い腕になったのか。
   私が幼い頃 手を引いてくれた母 
   その手は 大きくふっくらとしていた。
   今は カサカサで 枯れ枝みたいだ。

   この事態に 母は神経を昂ぶらせていた。
   ストレスなのか、ボケ状態とも違う
   普通の状態ではない。
   (認知症なので すでに普通ではなかったけど・・・)
   いったい、心の中で
   なにを感じて なにを望んでいるのか
   さっぱり見えてこない。

   認知症の閉ざされている棟
   暗証番号を押さなければドアは開かない。
       あぶないので、窓も開かない。
   ここ数日、何時間か「認知症棟」にいるだけで
   あきらかに苛立つ自分・・・。

  
     
  
   もう、大声で喚いている老人も
   徘徊している老人も よだれをながしている老人も
   見たくはなかった。
   そんな人達に笑顔で話しかけている「職員さん越し」に
   後ろめたい気持ちを隠しながら ただ、外を眺める。 
   風 木々の緑 すずめ  「すずめ」が来ている。
      無意識のうちに そればかり 眺めてしまう。
   人の世の無常 ・・・