リスクを恐れるな

新入社員研修のまとめの時期にきている。
新人の立場からなにが大切か考えたい。

まず、職業生活の質：ＱＷＬを確保する方法を身に付けること。
自分の配属先も決まらないうちに、ＱＷＬを考えるのは難しいかも知れないが、新しい環境にのまれ、自分を無くすことがないように、新しい環境に馴染んで、自分を活かすための段取りをしておくとよい。
これは、組織に迎合することでなく、組織を活用して自分を成長させることである。

成長するために、人は多くを学ばなければならないが、まず学ぶべきことは、自分の殻を破って外の世界に飛び出すことである。
いままで守られていた殻から外に飛び出すのは、リスクをともなう。
ただし、ハイリスク・ハイリターンというように、リスクがないところにリターンもない。

リスクという言葉は、「海図なき航海」を意味するスペインやポルトガル語が語源だそうである。海図がない航海をしなければ、新大陸は発見できなかった。リスクには危険がともなうから、考え付く限りの万全の準備が必要である。その準備で大部分の航海の成功は決まる。

なぜ危険を冒してまでしなければならないのか。
人間として成長するためである。
人生の航海で難破しない航海術は、真の教養であり、身に付いた教養としての文化である。

教養とは、スペインの哲学者オルテガによれば、「生の難破を防ぐもの、無意味な悲劇に陥ることなく、過度に品格を落とすことなく、生きていくようにさせるところのものである。」