ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

作業効率の決め手

2006-06-24 | ボトムアップ・マネジメント
作業効率や生産性というと時間当たりの生産数のように、分母と分子で判断するが、それで良いのか疑問である。

まず職場環境のこと。
働く職場の雰囲気がよいか。そこにいる人の動きを見れば解るような気がする。
明るくキビキビしているところと、重い雰囲気で仕事をしているところでは、測定するまでもなく、効率が異なる。

文化人類学の梅棹忠夫先生の著書に次のようなことが書かれていたのを覚えている。「生産性というと技術論では、分母と分子で判断するが、本当はいかにイライラをなくすかという問題である。」
いろいろな職場を見ていると、ペースメーカーとなる人がいて職場の雰囲気を楽しくし、活気に満ちたものにしている。注意深く観察していると、雰囲気を盛り上げる名人に気付く。どうしてあんなに場の雰囲気をコントロールできるのか不思議に思うが、当人は、いとも簡単にそれをやっている。
反対に場を作るのが苦手な人がいる。苦手なことが周りにわかっていればよいが、そのような人は自分の思いを人に伝えるのも苦手だから、周りから誤解されていることが多い。
このような人が集まって職場が成り立っているから、生産性という一言では解決できないことが多い。

現状把握が不十分のまま、効率を考えていることがある。
ある特殊鋼のプレス作業の生産性向上がテーマにあげられていた。現場の課長は品質管理を知っている人で、作業工数のばらつきを把握するため、過去のデータを使い管理図を書いていた。管理図は管理状態で安定していたが、工場長方針である生産性の向上に取り組みたいという。その課長は管理図を見せてここまで管理しているので、これ以上は無理ということをいいたかったらしい。「こんなときこれ以上生産性をあげるには、どうしたらいいのか」と聞くので、作業を見なければ何とも答えようがないので、「次回きたとき現場をじっくり見せてほしい。また作業している人の意見も聞きたいのでその時間を作ってほしいと依頼した」工場長も同行してもらうことになり、一週間後現場を見ることになった。
工場長が同行したこともあり、多少緊張した作業者の説明があり、作業を開始した。真っ赤に焼けた鋼材をクレーンのようなプレス機を使い大きな部品に仕上げる作業は、始めてみる作業であった。両手両足を使う熟練を要求される作業であった。
作業が終わったあとに課長は首を曲げおかしいと話す。今まで、こんな良い結果はなかった。これなら、目標を大幅に上回る結果だという。
工場長も久しぶりに見にくるというので、気合を入れて準備したに違いない。このようなことは良くあることである。しかし、これを見落としていたり、悪い状態の場合は再発防止をしても良い状態のときは放置することが多い。まことにもったいないことである。
改善よりいい状態の維持の方が難しいことがおおい。
この現場は3交代の現場だったので、3交代の作業のビデオを取りかく交代の意見を聞くために現場事務所に特性要因図を書き、意見を書き込んでもらうことにした。このことでまた少し作業の生産性があがり交代による差もなくなったという。
コメント
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