ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

品質、技術論と組織論

2006-06-20 | ボトムアップ・マネジメント
よい品質は技術が作る。良い技術は組織とシステムが作る。良い組織とシステムは人が作る。

先日、優れた設計者の集団に会った。
「設計の仕事は図面を出してから始まる」がその設計グループの管理者の方針である。
自動車会社には、以前、設計駐在員制度というのがあった。自分の書いた図面で品質が確保できるか、製造に駐在して品質の安定まで見届けるというものである。

その優れた設計の管理者は開発段階から設計者に品質意識を持ってもらうために、逆DRという考えを取り入れた。その始めての会議があるので立ち会って欲しいとの依頼を受けた。デザインレビュー:DRの逆をやるというので、興味もあって会議に出席させてもらった。
初めに設計管理者から「図面の不具合について製造部門から説明をうけ、設計者の今後の処置の内容を明確にしたい。」との挨拶があって会議が始められた。

その他、この会議にはいくつかのルールがあった。
製造は品質とその現状をできるだけ客観的データで説明すること。
設計者を傷つけるからという遠慮をせず、お客様の迷惑の予防を最優先に考えること。
設計者は問題の指摘に対して、専門技術で言い訳をせず、品質との関連での技術の説明を心掛けること、などである。
会議を逆DRとした設計管理者の気持ちが会議参加者に伝わって会議は大成功であった。

どこの組織でも、設計と営業、設計と製造という具合に部門感の情報伝達に問題がある。
一般に、技術者は技術的用語でないと話を聞こうとしない。このため顧客からの情報を聞き逃すことがある。末端の顧客は品質を評価はできるが、技術は知らない。製造は品質の不具合には敏感だが最先端技術には疎い、など自分が属している部門により、得意、不得意がある。大げさな言い方をすれば、部門により文化が異なる。
これを解決するのが部門間の連携である。

部門を結ぶ共通語に品質、環境、安全などがある。
組織の総合力を高める共通語の練習を心がけるべきである。
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