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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

血文字屋敷

2018年09月16日 | ムービー
『血文字屋敷』(1962年/工藤栄一監督)を見た。
物語は、「江戸城番士・神尾喬之助(大友柳太朗)は、江戸小町と評判の園絵(丘さとみ)との祝言も近かったが、神尾の上司で、女狂いと悪評の高い番士組頭・戸部近江之介(平幹二朗)は、園絵にふられた腹いせに、常日頃から喬之助を目の敵として苛めていた。しかも、同僚の荒木陽一郎(山本麟一)ら十七人の全番士までもが、戸部の尻馬に乗って喬之助を罵しるばかりで、誰一人として庇い立てする者はいないのだった。そして婚礼の日。同僚は一人も姿を現さなかったが、皆が寝静まった頃、女郎を引き連れて騒々しく神尾家の屋敷に押し掛けた。そのような事情を偶然耳にした町奉行の大岡越前守(大川橋蔵)は・・・」という内容。
婚礼が行われた日の深夜、まるで押し入るかのように屋敷に上がり、「そういえばお主、本日休んでおったな。どうしたのだ」などとぬけぬけと言ってのける同僚達。
これは酷すぎる仕打ちだ。
職場でも言いがかりをつけられっぱなしで、遂には頭までも踏みつけられるに至ってはもはや我慢も限界を超えてしまった。
江戸城内の畳の上に、戸部の生首がごろんと転がり、十七人への復讐を誓った喬之助は姿をくらましてしまったのだから、そんなことになるだなんて、まったく想像もしていなかっただろう十七人は、それからというもの生きた心地がしなかったことだろう。
面識はなかったが、評判を頼りに黒門町の壁辰(三島雅夫)を訪ねた喬之助は、彼ではなく、金山寺音松(多々良純)に助けられ、自分と瓜二つの浪人・茨右近(大友柳太朗/二役)と出会うのだが、二人は右近の女房・知らずのお弦(久保菜穂子)でさえも見間違うほど。
まぁ二役なので当たり前なのだが・・・。
(^_^;)
喬之助が復讐を果たしていく過程で、"逆さ屏風"が立て掛けられて不吉さを表現する場面があるのだが、これは、死者の亡骸の枕元に、逆さにした屏風を置くという風習があったのだそうで、これは知らなかった。
襟のあわせを反対にするというのは知っていたが、足袋を左右反対に履かせたりとか何でも反対にするだなんて、宗教的な意味合いは無いらしいのだが、考えてみれば妙な風習だ。

カイト

2018年09月14日 | ムービー
『カイト(原題Kite)』(2014年/ラルフ・ジマン監督/アメリカ・メキシコ)を見た。
物語は、「金融破綻により崩壊した近未来。子供はギャング集団ナンバーズに捕らえられ、奴隷として売買されていた。幼い頃、両親を人身売買組織のボス、エミールに殺されたサワ(インディア・アイズリー)は、父の相棒だった刑事カール・アカイ警部補(サミュエル・L・ジャクソン)と一緒にエミールへの復讐の機会を狙っていた。娼婦に成りすまし、エミールの情報を得ながら、男達を次々と殺害していくサワと、犯行現場の証拠隠滅を繰り返すアカイだったが・・・」という内容。
サワが使うのは警察の旧式の装備品で、弾丸も治安維持班という一部の部署でしか使用していなかったという特殊な体内破裂弾。
一連の殺人事件に警察官が関与しているのはほぼ明らかな状況で、いずれアカイにも疑いの目が向けられることになるという展開だが、復讐のためとはいえ、これはリスクが大き過ぎる。
また、サワの精神のバランスを保つためと言いながら、"アンプ"というドラッグを与え続けるアカイ。
これはサワを支配し、利用しているようにしか見えない。
対して、とても怪しい登場のしかただったオブリ(カラン・マッコーリフ)だが、この少年は、復讐のために周囲の真っ当な人達の犠牲もいとわない考え方のサワに苦言を呈してくれる良い奴のようだ。
"アンプ"の副作用で記憶が消えかかるサワは、誰を信じればいいのか、何を信じればいいのか、不安で仕方がないことだろう。
何ともヘビーな境遇だ。
"サワ"とか、"アカイ"とか、妙に日本っぽい名前だと思いながら見ていたのだが、『A KITE』(1998年/梅津泰臣監督)という日本のアダルトアニメが原作なのだそうだ。
それは知らなかった。
(^_^;)

沈黙の鎮魂歌

2018年09月10日 | ムービー
『沈黙の鎮魂歌(原題DRIVEN TO KILL)』(2009年/ジェフ・F・キング監督/アメリカ・カナダ)を見た。
物語は、「20年前にニューヨークのロシアマフィアのボスだったルスラン(スティーヴン・セガール)は、今は犯罪小説家としてカリフォルニアに住んでいる。ある日、離婚した妻キャサリン(インナ・コロブキナ)から、一人娘レニー(ローラ・メネル)の結婚を知らせる電話を受けた。明日が結婚式だという。二人が住むニューヨークへと向かったルスランは娘との再会を喜んだが、彼女の結婚相手は、マフィア時代にルスランの敵だったミカエル(イゴール・ジジキン)の息子であるステファン(ドミトリー・チェポベツキー)。現在の彼はマフィアの一員ではないというが、ルスランはこの結婚に不安を抱くのだった。そして、その悪い予感は的中し、結婚式の直前に自宅が何者かの襲撃にあい、キャサリンは死亡。レニーも瀕死の重症を負ってしまい・・・」という内容。
キャサリンの今の夫はテリー・ゴールドステイン(ロバート・ウィスデン)という弁護士だが、キャサリンとの仲は険悪で、レニーも「最低の男よ」と言う。
犯人を捜し出し、復讐を果たそうとするルスランに足のつかない非合法の拳銃を扱っているチンピラを紹介するのが、このゴールドステインなので、まっとうな弁護士では無さそうだ。
主演のスティーヴン・セガールは、本作でロシア人ルスランを演じているが、調べてみると、その後2016年1月にはセルビアの国籍を取得し、同年11月にはロシアの国籍を取得しているようだ。
彼は日本に住んでいたこともあるので、日本語も堪能だし随分と日本通なようなのだが、ロシア人を演じるうちにロシアが大好きになったのだろうか。
(^_^)

2018年09月08日 | ムービー
『 道 (原題La Strada)』(1954年/フェデリコ・フェリーニ監督/イタリア)を見た。
物語は、「旅芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)と一緒に旅をしていたローザが死に、今度は姉妹のジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)が一緒に行くことになった。1万リラで母親に売られたのだ。何かと暴力的なザンパノと少し頭が弱いジェルソミーナのコンビはオート三輪で各地を転々とし、ザンパノはいつしか彼女を妻と呼ぶようになった。しかし、行く先々で深酒をしては他の女に手を出して遊ぶばかり。あまりの態度に嫌気がさし、逃げ出したジェルソミーナだったが・・・」という内容。
中盤のエピソードに、ワイン2本が4,200リラという台詞があっので、ジェルソミーナは随分と安く旅芸人に売られたようだ。
しかし彼女は、分かっているのかいないのか、妙に嬉しそうで、母親に背中を向けて笑っていた。
売られたとはいえ、裸足で生活するような現状から抜け出したくて仕方がなかったのかもしれない。
旅回りは、街道沿いにオート三輪を止めて焚き火をし、そこで料理をするという野宿が基本の様子。
ザンパノ本人だけならそれでもよいのだろうが、これは大変だ。
とても生活と呼べるものではない。
ザンパノから逃げた時に見掛けた綱渡り芸人イルマット(リチャード・ベイスハート)に好意を持ったジェルソミーナだったが、ザンパノとイルマットは犬猿の仲。
二人は長いつきあいのようではあったものの、ザンパノが怒る様子をよほど面白く感じているのか、イルマットはザンパノをからかい続ける。
あまりの酷さに、ジラッファ・サーカス団の団長がザンパノに理解を示すこともあったほどで、二人の間にはよほどの因縁があるのだろう。
悩み苦しむジェルソミーナに助言を与えたり慰めたり、イルマットは悪い人間には思えなかったが、ザンパノとはとにかくソリが合わなかったようだ。
残念な登場人物たちの残念な物語だった。

マラヴィータ

2018年09月06日 | ムービー
『マラヴィータ(原題The Family/アメリカ、Malavita/フランス)』(2013年/リュック・ベッソン監督/アメリカ・フランス)を見た。
物語は、「フランスのノルマンディー地方にある小さな田舎町に、深夜、アメリカ人家族4人が引っ越してきた。到着早々クルマのトランクから死体を取り出し、庭に掘った穴に埋めたのは父親フレッド・ブレイク(ロバート・デ・ニーロ)。翌朝、スーパーマーケットに買い出しに出掛けた母親マギー(ミシェル・ファイファー)は、アメリカ人は味覚も教養もないなどと馬鹿にされた腹いせに店を爆破。姉のベル(ディアナ・アグロン)は、身体に触ってきた男子生徒をボコボコにし、弟ウォレン(ジョン・デレオ)は学校内の裏社会を取り仕切るようになる。実は彼等はアメリカFBIの証人保護プログラムにより守られている家族で、世界中の隠れ家を転々としているのだった。そんな彼等を狙っているのが、ニューヨークのアッティカ刑務所に収監されているドン・ルケーゼ(スタン・カープ)。彼は刑務所の中から部下に指示を出し・・・」という内容。
フレッドというのは偽名で、彼の正体はブルックリンを拠点としていた元マフィアのジョヴァンニ・マンゾーニ。
今はロバート・スタンスフィールドFBI捜査官(トミー・リー・ジョーンズ)の監視下にあるが、「目立たず地域に溶け込むように」と言われても、すぐにトラブルを起こしてしまい、数ヶ月で隠れ家を転々としているらしかった。
少しばかりの関わりを持ったがため、短気なフレッドに怪我をさせられたり殺されてしまうのも可哀想だが、まったくの無関係なのに、フレッドと間違われて殺されてしまう一般人が一番可哀想だ。
町の上映会で『グッド・フェローズ(原題Goodfellas)』(1990年/マーティン・スコセッシ監督/アメリカ)が上映されるが、それはロバート・デ・ニーロも出演していたマフィアを扱った映画。
そこのエピソードも妙に面白かった。
(^_^)

タイム・トゥ・ラン

2018年09月04日 | ムービー
『タイム・トゥ・ラン(原題HEIST)』(2015年/スコット・マン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「元軍人のヴォーン(ジェフリー・ディーン・モーガン)はポープ(ロバート・デ・ニーロ)が経営するカジノで働く古株のディーラー。重病に苦しむ娘の治療費に困り、ポープに借金を申し込んだが、手酷く断られ、さらにはクビを言い渡されてしまう。金を工面する手立てがなくなったヴォーンは、同じカジノの警備員コックス(デイヴ・バウティスタ)に持ち掛けられていた現金強奪計画に参加することを決めたのだった。決行は深夜3時30分。犯行を発見され、カジノ内での銃撃戦になった時、外で待機していたドライバーのミッキーは、銃撃の音に恐れをなし、一人逃げ出してしまう。金の強奪には成功したものの、予定の逃走手段を失ってしまったコックス達は・・・」という内容。
コックスが連れてきたダンテとミッキーという二人がどうにも酷く、この二人が加わったことによって計画の成功率はグンと低くなってしまったのではないだろうか。
おまけに、リーダーを自任するコックスの判断も間違ってばかりで、これもとてつもないマイナス要因。
どうせ覚悟を決めたのなら、ヴォーンが誰か3人を探してきたほうが良かったのではないかと思えるほどだった。
(^。^)
彼等の逃走中に何かと関わることになるバホス巡査(ジーナ・カラーノ)は、犯人グループの自称リーダーであるコックスではなく、ヴォーンと交渉することになるのだが、確かにヴォーンの判断は的確で、バホスだけではなく、巻き込んでしまった10人以上の一般市民達からの信頼も得たようだった。
この辺りの感じはもしかすると、
狼達の午後(原題Dog Day Afternoon)』(1975年/シドニー・ルメット監督/アメリカ)や、『とらわれて夏(原題Labor Day)』(2013年/ジェイソン・ライトマン監督/アメリカ)と同様、"ストックホルム症候群"に該当するものかもしれないと思った。

レッド・ムーン

2018年08月30日 | ムービー
『レッド・ムーン(原題The Stalking Moon)』(1968年/ロバート・マリガン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1881年、アリゾナ州。騎兵隊との間に偵察任務を契約しているサム・バーナー(グレゴリー・ペック)は、分隊が追跡中だったアパッチ族の集団を発見した。男達は食料の調達中らしく、老人、女、子供しかいなかったが、その中からアパッチ族の少年(ノーランド・クレイ)を連れたサラ・カーバー(エヴァ・マリー・セイント)という白人女性が片言の英語で名乗り出てきた。サムの記憶によると、カーバー分隊は10年前にレミントンでアパッチ族に襲われ、ほぼ全滅していて、彼女は隊長の身内らしかった。分隊は集団を本来の居留地に戻すべく本隊キャンプに向かったが、途中、惨殺された騎兵隊員3人を発見する。どうやらそれは凶暴なアパッチ族の酋長サルバヘの仕業と見られた。本隊への合流後、サラの護衛は5日後でなければ無理だと説明されたものの、彼女はどうしてもすぐに現地を離れたいと主張し、無理なら、明朝一人でここを離れるサムと同行したいと懇願するのだが・・・」という内容。
アパッチ族に拉致されたサラが白人社会への復帰を望むのは当然のことだろうが、アパッチ族と白人の混血である少年は、はたして、アパッチ族の集団から離れたいと思っていたのだろうか。
実はその少年は酋長サルバヘの子供。
父親が息子を取り返しにサラの前に現れるだろうことを彼女は予測できていたものだから、そこをすぐにでも離れたかったわけだ。
シルバートン行きの駅馬車を待っていたヘネシー駅では4人が殺され、鉄道のあるシルバートン駅も全滅、駅馬車もサルバヘに襲われた。
少年はサラが名乗り出た時にも、ヘネシー駅でも、アパッチ族の集団に戻ろうとしていたし、ニューメキシコに到着してからも、「晴れた日には北の尾根からアリゾナまで見渡せる」と聞き、高い所へ登ってはその方向を眺めていた。
話さないので何を考えているのかよく分からない少年だったが、話せるのにただ黙って見ているだけのサラには腹が立った。
事実を隠さず話していれば無関係の人達は死なずに済んだのだ。
少年の気持ちも尊重せず、サラは何人を死に至らしめたのだろうか。

オール・ユー・ニード・イズ・キル

2018年08月28日 | ムービー
『オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題Edge of Tomorrow)』(2014年/ダグ・リーマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「近未来。人類は地球外生命体・"ギタイ(Mimics)"の攻撃を受け、滅亡の危機に瀕していたが、"ヴェルダンの女神"と呼ばれる戦場の英雄リタ・ヴラタスキ軍曹(エミリー・ブラント)の活躍によって反撃の糸口を掴む。世界70か国から成る統合防衛軍は大規模な作戦を立案し、アメリカ軍所属の報道官ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は、ブリガム将軍(ブレンダン・グリーソン)からその最前線での取材任務を命じらた。臆病なケイジは命令を拒否したばかりか将軍を脅迫したことから、逮捕のうえ将校の地位を剥奪され、二等兵の身分で最前線に送られることになる。翌日開始した大規模作戦は司令部の目論見に反して圧倒的劣勢のまま、リタをはじめ作戦に参加した兵士は次々と戦死していく。ケイジは自爆用の地雷を使い、ギタイと相打ちになって死亡したのだが、次の瞬間、出撃前日のヒースロー基地で目が覚め、・・・」という内容。
「なんだ夢だったのか」と思ったのだが、それは夢ではなく、ケイジが死ぬと同時に地球の時間が過去に戻り、以前と同じ出来事が繰り返されるようだった。
ケイジだけは何故か死ぬ前の記憶がそのまま残っているので、同じミスは繰り返さない。
一度か二度経験している場面なことから、リセット毎にその難局を乗り切り、次のステージに進むことができるという、まるでビデオゲームのように便利な人生になったのだった。
ただ、目を覚ます時は必ず蹴飛ばされて目を覚ますのが苦痛ではあるようだ。
(^。^)
何とも不思議な能力を手に入れたおかげでどんどんと歴戦の兵士のようになっていくケイジだが、はじめは脱走兵の扱いだったので、「いくら薄汚い寄生虫野郎でも戦場では皆が同格だ」と上官・ファレウ曹長(ビル・パクストン)から言われつつも、同じJ分隊のグリフ(キック・ガリー)や
キンメル(トニー・ウェイ)からは武器の安全装置を解除する方法すら教えてもらえず、激戦地に放り込まれた。
現実社会においては、戦闘現場での敵前逃亡は裁判なしで上官により即決処分されることもあるらしいので、脱走兵というのは仲間内にあっても蔑みの対象なのだろう。
偶然に特殊な能力を身につけられたおかげで、ケイジは地獄から帰還できたわけだ。

猿の惑星

2018年08月26日 | ムービー
『猿の惑星(原題PLANET OF THE APES)』(1968年/フランクリン・J・シャフナー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「9ヶ月前にケネディ宇宙センターから打ち上げられた宇宙船。船内は1972年7月14日だが、ハスライン博士の準光速航行説に従えば、地球ではすでに700年の時間が過ぎ、2673年3月27日になっているはずだった。地球への帰路、ジョージ・テイラー大佐(チャールトン・ヘストン)は船を自動航行にセットして、他の3人と同様に冬眠に入ったのだが・・・」という内容。
目覚めた時、宇宙船は大きな湖に浮かんでいて、突然船内への浸水が始まった。
マリアン・スチュアート中尉(ダイアン・スタンレー)は死んでミイラ化しており、ジョン・ランドン中尉(ロバート・ガンナー)、トーマス・ドッジ中尉(ジェフ・バートン)、テイラーの3人は慌てて外気を調査し、船外へと脱出したのだが、脱出直前にテイラーが目にしたのは、"地球時間3978年11月25日"の表示だった。
地球への到着予定がいつだったのかは知らないが、とんでもない事故が起きてしまったようだ。
打ち上げから2000年も経っている。
テイラーはそこを"地球から320光年。オリオン座の恒星を太陽とする惑星だ"と説明するが、それを示すデータはどこにもないのだし、地球への帰路、自動操縦にして眠っていたのだから、事故があったとはいえ、地球に着いたと考えても良かったのではないだろうか。
数日間、砂漠地帯をさまよい歩いた3人がようやく見つけた人間はまるで原始人。
服を着て言葉を話すゴリラが馬に乗って、武器を使い、人間を捕獲しているのだから、これには驚いたことだろう。
捕らえられたテイラーは、チンパンジーのジーラ博士(キム・ハンター)と、その夫の考古学者コーネリアス博士(ロディ・マクドウォール)にそこそこ理解される存在になったが、それでも、他の惑星から来たという話は信じてもらえなかった。
紙飛行機を見て驚くくらいだから、他の惑星などと言っても理解されないのは当然のことだったかもしれない。
この猿の社会ではオランウータンが指導的立場にいるようで、ザイアス博士(モーリス・エバンス)が一番の権力を握っている存在。
何かとテイラーを排除する方に話を持っていこうとする姿勢はやはり怪しい。
本作品は公開当時に大ヒットし、1973年まで全5作品が作られたようだが、その後、2001年にはリメイク作品、2005年からはリブートシリーズとして3作品が制作されている。
本作品で、ジーラ博士が繁殖のためテイラーにあてがった人間に、テイラーはノバという名前を付けたが、彼女を演じた女優リンダ・ハリソンは、『PLANET OF THE APES/猿の惑星(原題Planet of the Apes)』(2001年/ティム・バートン監督/アメリカ)に再出演しているようだ。
とても綺麗な人だったが、人気のある女優さんだったのだろうか。

2018年08月24日 | ムービー
『鳥(原題The Birds)』(1963年/アルフレッド・ヒッチコック監督/アメリカ)を見た。
物語は、「サンフランシスコのペットショップ。メラニー・ダニエルズ(ティッピ・ヘドレ)は、あとから来た男性客に店員と間違われ、いたずら心から接客を始めた。妹キャシー(ヴェロニカ・カートライト)の11歳の誕生日にラブバードというインコを贈りたいというその客は、実はメラニーが店員ではないことを知っていた。彼女はからかわれたのだ。面白くないメラニーは、父親が経営する新聞社デーリーニューズ社に電話をしてクルマのナンバーを伝え、持ち主を調べさせる。彼はミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)という弁護士で、週末はサンフランシスコから北へ100キロほどのボデガ・ベイという町に帰省中とのこと。少し考えたものの、クルマを走らせたメラニーは・・・」との内容。
ミッチの家に手紙とラブバードをこっそり置き、驚く様子を見て楽しむメラニー。
余裕あり過ぎのお嬢様だ。
(^。^)
しかし、ラブコメっぽいのもこの辺りまでで、メラニーは突然カモメに襲われて頭から血を流す。
ミッチの母親リディア(ジェシカ・タンディ)が訪ねた農場では主人のダンが目をくりぬかれて死んでいて、窓ガラスは割れ、部屋の中にはカラスやカモメの死骸が転がっている。
ラブコメが一転して何ともホラーな内容だ。
現代の日本でも、市街地で子育て中のカラスが人間を襲ったりすることはあるようだが、この作品では、一羽や二羽ではなく、数百羽が鋭いくちばしや爪で襲ってくる場面が描かれていた。
鳥は窓ガラスやドアに次々と体当たりして死ぬが、数に限りがなく、ひび割れ、穴がどんどんと広がっていく。
煙突に入り込み、暖炉から飛び出して部屋中を飛び交う沢山の鳥には、さすがに恐怖を覚え、パニックになってしまうかもしれない。
また、理由が分からないというのも、どうしようもなく怖い理由になるのかもしれない。
随分と古い作品だが、なかなかに面白かった。

コラテラル

2018年08月20日 | ムービー
『コラテラル(原題Collateral)』(2004年/マイケル・マン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロサンゼルス。リムジン使用のハイヤー業を起業したいと考えているタクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)。ある夜、最初の客アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)と目的地に着くまでの時間を賭けた。あれこれ道順の指示を出していたアニーだったが、賭けはマックスが勝ち、話もあったことから、検事局勤務の彼女から"何か困った時に"と名刺を貰う。次の客ヴィンセント(トム・クルーズ)は、マックスの生真面目さが気に入り、600ドルで数時間の貸切りを申込む。その後空港まで行ってくれればさらに100ドルを追加するとも言う。貸切りは規則違反だったのだが、その報酬欲しさに引き受けてしまうマックスだったが、最初に着いた目的地で一旦降りたヴィンセントを待っていると、タクシーの上に男の死体が落下してきて・・・」という内容。
起業するまでの一時的な仕事としてタクシードライバーをしているというマックスだが、勤続は12年だという。
12年はさすがに一時的とは言わないだろう。
(^_^;)
まぁそれだけ長いことタクシードライバーをしているだけあって、ロサンゼルス市内の交通事情にはとても詳しく、それがアニーとの賭けに発展したのだが、到着後、あれほど長く詳しくドライバーさんの話を聞かされてしまうと客としては疲れてしまうのではないだろうかとも思った。
事件に巻き込まれてしまい、ハンドルに両腕を固定され危機的な状況に陥ってしまったマックスは、何とかハザードランプを点滅させて助けを呼ぶのだが、気がついた男達は助けるどころか、マックスを拳銃で脅して財布を取り上げ、客の鞄も盗む。
もうどうしようもない犯罪社会アメリカだ。
地下鉄の隣の席で誰かが死んでいたとしても気が付かないとか、それはさすがに無いだろうとは思うが、他人に興味を持てない生活というのは誰もが実感している話なのだろう。

サタデー・ナイト・フィーバー

2018年08月18日 | ムービー
『サタデー・ナイト・フィーバー(原題Saturday Night Fever)』(1977年/ジョン・バダム監督)/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーク。ブルックリンのペンキ屋で働いているトニー・マネロ(ジョン・トラボルタ)は19歳。楽しみは、土曜日の夜に仲間のジョーイ(ジョセフ・カリ)やダブルJ(ポール・ベイブ)、ボビー(バリー・ミラー)達とディスコで踊り、ナンパすることだが、20~30ドルかかるので週に2度は行けない。ある夜、ダンスが上手な年上の女性ステファニー(カレン・リン・ゴーニイ)と出会ったトニーは、マンハッタンで働いている彼女の前向きさにも惹かれ、ディスコの賞金付ダンスコンテストにペアを組んで出場することにしたのだが・・・」という内容。
トニーは真面目な青年のようで、その働きぶりを見ていた客の一人が「給料を2倍にするから俺の所で働かないか」と誘ってくる。
その様子を見て慌てた店主が週給を4ドルほどアップさせるのだが、トニーはたとえそれが2ドル50ドルでもうれしい。
トニーは今まで"駄目な弟"と言われ続けていたらしく、自分が認められたのはこの昇給とダンスだけだと素直に喜ぶのだが、しかし、父親は「4ドルか。クソだな」と言い放ち、トニーと一緒に喜んであげることはできないのだった。
信心深い両親の自慢は神父をしているトニーの兄、フランクJr.(マーティン・シェイカー)だったが、彼は突然に神父をやめてしまう。
「お前は自分が正しいと思うことをやれ。親のいいなりになるな」とトニーに助言する台詞があったが、彼は両親の期待に答えようとするあまり、選択肢を間違ってしまったのだろう。
トニーと一緒にディスコに出掛けたフランクはとても楽しそうだった。
仲間やアネット(ドナ・ペスコウ)と遊びに行ったり、ステファニーと話し込んだり、ブルックリン橋がとても象徴的な存在として登場した。
そこを渡ればマンハッタン。
早く渡ったのがステファニーだったわけだ。

最高殊勲夫人

2018年08月16日 | ムービー
『最高殊勲夫人』(1959年/増村保造監督)を見た。
物語は、「三原商事の営業部長・三原二郎(北原義郎)と社長秘書・野々宮梨子(近藤美恵子)の披露宴。そこは三年前、当時の営業部長で現社長の三原一郎(船越英二)と社長秘書・野々宮桃子(丹阿弥谷津子)の披露宴が開かれた会場だった。同じ家の同じ兄妹同士の結婚だったが、まだ三原家には大島商事勤務の三郎(川口浩)、野々宮家には短大を卒業した杏子(若尾文子)がいる。長女・桃子はこの二人を結ばせ、野球に例えてトリプルプレイを完成させようと狙っていたが、三郎は大島商事社長令嬢の大島富士子(金田一敦子)からプロポーズされていて・・・」という内容。
新婦の父・野々宮林太郎(宮口精二)は、「姉さんばかりか妹まで売りつけたんだから上手くやった。定年退職してもこれで再就職は三原商事の嘱託ってわけだ」と出席者に陰口を叩かれるが、絶対にそんなことはしないと意固地になるし、三郎と杏子を結婚させようという桃子にも大反対だ。
杏子はとりあえず桃子の願いを聞いて三原商事の社長秘書に就職したが、たちまち言い寄ってきた野村(野口啓二)という若い社員を札幌支社に転勤させるし、桃子はやりたい放題。
三原商事の規模は分からないが、社長夫人が会社の人事に口を出すだなんて、これはどうにも先が見えている会社のようで、三原商事よりも随分と規模が大きいらしい大島商事に勤務し、社長令嬢と婚約をした三郎は正解だったかもしれない。
(^_^)
ただ、富士子の稽古ごとはフェンシング、ギリシャ語教室、鉄や木でオブジェを作る前衛生花、巨大な筆で習字をする前衛書道など、お嬢様とあって大胆で自由奔放だ。
本筋と関係ないところでは、ラジオドラマの三分前だというのにしゃっくりが止まらない役者が出てきたり、大島商事の社員の
「ねぇ今夜付き合ってくれない?」
「悪いわね。十日前から予約済みなの。明日は営業の横山さん。あさっては経理の中山さん。やのあさってなら空いてるけど、リザーブしておく?」
「うん。よろしく」
という会話のあと、かかってきた電話に「はい。やのあさってです」と出てしまったのには笑ってしまった。
なかなか良い笑いのセンスだ。
(^。^)

必殺仕掛人 梅安蟻地獄

2018年08月14日 | ムービー
『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』(1973年/渡邊祐介監督)を見た。
物語は、「ある夜。品川台町の鍼医者・藤枝梅安(緒形拳)は、料理屋・井筒から出たあと、一人の浪人に襲われた。しかし、それは人違い。店のおもん(ひろみどり)によると、その夜に店でろうそく問屋の伊豆屋長兵衛(佐藤慶)と会うことになっている医者・山崎宗伯(小池朝雄)が梅安によく似ているのだという。翌日、岬の千蔵(津坂匡章)が音羽屋半右衛門(山村聡)の使いで梅安の所へやって来た。いつもの倍の仕掛料を出すというその仕掛の相手は伊豆屋長兵衛。遅ければ遅いほど泣かされる人が増えるというのだが・・・」という内容。
世間の評判が良さそうな伊豆屋だが、「ろうそく問屋というのはそれほど儲かる商売ではないが、伊豆屋さんは別ですよ」と言う同業者。
やはり何かがありそうだ。
(^。^)
これは人気を博したテレビドラマ『必殺仕掛人』(1972年9月~1973年4月)の映画化第二段。
第一作目の『必殺仕掛人』(1973年/渡邊祐介監督)では田宮次郎が梅安を演じていたようだが、この第二作ではテレビドラマと同じく緒形拳が梅安を演じている。
「私はうどん屋の釜と同じでねぇ。ゆぅばっかりってね」という梅安の台詞も、何となく、緒形拳のほうがしっくりくるような気もする。
「はらせぬ恨みを晴らし 許せぬ人でなしを消す いずれも仕掛けて仕損じなし 人よんで 仕掛人 ただしこの稼業 江戸職業づくしにはのっていない」というナレーションも、トランペットで始まる、まるでウェスタンのようなテーマ曲もテレビドラマと同じなので、そこも良いのだった。
(^_^)

あの頃ペニー・レインと

2018年08月10日 | ムービー
『あの頃ペニー・レインと(原題Almost Famous)』(2000年/キャメロン・クロウ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「バター、砂糖、白い小麦粉、ベーコン、卵を禁止し、12月は商業的だからと9月にクリスマスを祝い、ドラッグとセックスの歌だと言ってサイモン&ガーファンクルの歌も聞かせない。そんな大学教授の母エレイン(フランシス・マクドーマンド)にうんざりしていた姉アニタ(ズーイー・デシャネル)が18歳になって遂に家を出ていった。別れ際に、"ベッドの下を見て。自由になれるから"と言われた弟ウィリアム・ミラー(マイケル・アンガラノ/幼少期)が見つけたものは、"ザ・ビーチ・ボーイズ"、"レッド・ツェッペリン"、"クリーム"など沢山のLPレコードだった。ロックに魅了され、やがて15歳に成長したウィリアム(パトリック・フュジット)は・・・」という内容。
1年飛び級をしている12歳なので、同級生より少し幼いのは仕方がないと思っていたウィリアムだったが、5歳の時にも飛び級をしているので実はまだ11歳なのだった。
それを知らなかった本人は大ショックで、アニタは「少年期を奪った」と弟に同情し、母に心底あきれる。
しかし母親は、「全国最年少の弁護士になれるわ。パパも誇りに思う」とまったく意に介さない。
この後のウィリアムがグレなかったのは奇跡だとも思うが、それはアニタが残してくれたロックのLPレコードのおかげだったのかもしれない。
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学校新聞や地域のミニコミ誌などにロック記事を書くようになったウィリアムは、クリーム誌の編集長レスター・バングス(フィリップ・シーモア・ホフマン)と知り合え、スティルウォーターのツアーに同行取材をして、ギタリストのラッセル・ハモンド(ビリー・クラダップ)の信頼を得られた。
そして、バンドのグルーピー(自称バンドエイド)、ペニー・レイン(ケイト・ハドソン)に恋をする。
これは、16歳で雑誌"ローリングストーン"の記者となったキャメロン・クロウ監督の実体験を元にした物語なのだそうだが、「気をつけろよ。ローリングストーン誌は記者の記事を変える。好き勝手に直してクズにしてしまう」という台詞は面白かった。
それも実体験なのだろう。
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