goo blog サービス終了のお知らせ 

仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

サン★ロレンツォの夜

2018年08月08日 | ムービー
『サン★ロレンツォの夜(原題A NOTTE DI SAN LORENZO)』(1982年/パオロ・タヴィアーニヴィットリオ・タヴィアーニ監督/イタリア)を見た。
物語は、「流れ星に願いをかける"聖ロレンツォの夜"。母親が語る6歳だった頃の思い出は、1944年の夏、トスカーナの小さな村サン・マルティーノの家々がドイツ軍に爆破を予告された時の出来事だった。近くのモンテリッキエーリまで来ているらしいアメリカ軍を探すため、村を出た数十人。危険な道だったが、6歳の少女には怖くもあり妙にワクワクする旅でもあった。やがて小麦畑の中で、元は同じ村人だったパルチザンとファシストが対峙し・・・」という内容。
ドイツ軍が出した"村人を一ヶ所に集合させろ"との通達に対し、司祭はここなら攻撃されないだろうからと聖堂への集合を村人に呼び掛けたが、ガルバーノ(オメロ・アントヌッティ)は「ドイツ人は信用できない。2日前にドイツ兵が殺されている。これは仕返しの罠かもしれない」と疑い、村からの脱出を皆に呼び掛ける。
この推測は不幸にも的中し、予告通り午前3時に家々は爆破され、ドイツ軍はさらに、外から鍵を掛けた聖堂を爆破した。
このエピソードで特に可哀想だったのは、新婚のコラード(クラウディオ・ビガリ)と、ペリンディア(ミリアム・グイデッリ)の二人。
出産が近い妊婦のペリンディアを心配した母親が「道端で出産するより聖堂のほうが安心だから」と途中で引き返していたのだ。
人生、どんな選択が良いのか。
ベストを選んだつもりではあっても、それは後になってみなければ分からない。
ドナーティは「このご時世に何が安全なのか、誰に言える!?」と憤っていたが、皆ギリギリの状況で究極の判断を迫られ続けていたのかもしれない。
「あれ!?」と思ったのは、ドイツもイタリアも(日本もだが)第二次世界大戦では連合国軍と戦争をした枢軸国陣営ではなかったか?という点だったが、1943年にイタリアが無条件降伏をした後は、ドイツ軍がイタリア北部に進行していたようであり、本作ではファシストの黒シャツ隊とパルチザンの激しい銃撃戦の場面が描かれていた。
これは、1982年の"第35回カンヌ国際映画祭"において、"審査員特別グランプリ"を受賞した作品らしく、なかなかに興味深い内容の面白い作品だった。

ギャンブラー

2018年08月06日 | ムービー
『ギャンブラー(原題McCabe & Mrs. Miller)』(1971年/ロバート・アルトマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「19世紀末のアメリカ。カナダ国境近くの小さな町にジョン・マッケイブ(ウォーレン・ベイティ)という男が現れ、スタッドポーカーのディーラーを始めた。酒場の主人シーハン(ルネ・オーベルジョノワ)は、札付きのワルだったビル・ラウンドトリーを撃ったのがマッケイブだと言うが、本人は"俺は商人だ"と否定する。ギャンブル好きの鉱夫達を相手に相当に儲けたマッケイブは自分の酒場を建て、娼婦を置き、ビジネスを広げようとするのだった。しばらくして、コンスタンス・ミラー(コニー/ジュリー・クリスティ)という女性が、蒸気自動車に揺られて町にやって来た。質の良い売春宿を作るための資金援助を彼に提案し、共同経営する契約を成立させるのだったが・・・」という内容。
新しい店は大繁盛で、噂を聞き付けた若いカウボーイが遠くから遊びにやって来る程にもなったのだが、それはほぼミラーの功績で、「俺を甘く見るな!!」が口癖のマッケイブは、この辺りで限界が見えてしまった。
(^_^;)
彼はビジネスマンではなく、やはりただのギャンブラーだったようだ。
マッケイブの事業を買い取りに来たH&S鉱業のユージーン・シアーズ(マイケル・マーフィー)とホランダーの彼に対する評価が、「頭の切れる男だな」から、数時間後に「奴はアホだ。手に負えない」と正反対になるのが面白い。
自信満々でブラフを仕掛けたものの、大事なところで見破られてしまったわけだ。
残念!!
(^。^)
ほぼ全編を通して雪が降っているような寒々しい小さな町を舞台にした珍しい感じの西部劇だった。

普通の人々

2018年08月04日 | ムービー
『普通の人々(原題Ordinary People)』(1980年/ロバート・レッドフォード監督/アメリカ)を見た。
物語は、「高校生コンラッド・ジャレット(ティモシー・ハットン)は、気が弱い弁護士の父カルビン(ドナルド・サザーランド)と、妙にとげとげしい母ベス(メアリー・タイラー・ムーア)と共にシカゴで暮らしている。1年前の水難事故で兄バックを亡くし、自分を責め続けるコンラッドは自殺未遂をおこして入院。退院後に復学したものの誰にも不安を打ち明けることができず、心の不安定さは何も変わっていなかった。息子を心配したカルビンは、精神分析医タイロン・バーガー(ジャド・ハーシュ)の所へセラピーに通わせることとしたのだが・・・」という内容。
長男バックの死がこの一家の何もかもを変えてしまったようだ。
特に母親が酷いように描かれているが、ただ、その性格が事故以前からのものだったかもしれないと思えるフシもある。
食欲がないからと好物のフレンチトーストに手を付けようとしないコンラッドの前から皿を取り、腐るからと、さっさと流し台のディスポーザーに突っ込んでしまう。
心配する父親とは正反対に妙に冷徹で、「ちょっとどうなのこの人は」という感じだ。
(^_^;)
コンラッドが病院で一緒だったというカレン・アルドリッチ(ダイナ・マノフ)のエピソードは悲しかったが、次第にバーガー医師に心を開くようになったり、合唱で知り合ったジェニン・プラット(エリザベス・マクガヴァン)と打ち解け合えるようにもなったコンラッドの顔つきが、物語の終盤になって妙に大人に見えてくる演出は良かった。
これは俳優ロバート・レッドフォードが初めて監督をした作品らしいのだが、この作品で早速、第53回アカデミー賞(1980年)の作品賞、監督賞など4部門を獲得したとのこと。
12月のイリノイ州シカゴが物語の舞台で、プールのエピソードが寒々しくはあるものの、たくさんの冬の自然風景が映し出された冒頭の場面も良かった。

世界にひとつのプレイブック

2018年07月30日 | ムービー
『世界にひとつのプレイブック(原題Silver Linings Playbook)』(2012年/デヴィッド・O・ラッセル監督/アメリカ)を見た。
物語は、「体調不良で早退した高校の歴史教師パットリック・ソリターノ・ジュニア(パット/ブラッドレイ・クーパー)は、妻ニッキ(ブレア・ビー)と同僚教師の浮気の真っ最中に帰宅し、その男に激しい暴行を加えたことが原因で、元々患っていたそううつ病治療のため強制入院をさせられていたが、8ヶ月が経過し、母親ドロレス(ジャッキー・ウィーヴァー)が退院の手続きを取った。裁判所は元妻と勤務先への接近禁止命令を出し、自宅はすでに売却されてしまっていたことから、パットは実家へと戻らざるを得なかったが、父親パトリツィオ・ソリターノ・シニア(ロバート・デ・ニーロ)は何も知らされていないのだった。入院中から服薬をごまかしていたパットは退院したところで情緒は依然不安定。ニッキとの復縁を信じ、友人ロニー(ジョン・オーティス)の妻ヴェロニカ(ジュリア・スタイルズ)から、妹ティファニー・マクスウェル(ジェニファー・ローレンス)を紹介されても、まったく興味を示さず・・・」という内容。
薬を飲んでないので快方になど向かうはずもなく、深夜に騒動を起こして近所の住人にパトカーを呼ばれる始末。
それも一度だけではないのだから、「こんな所にいさせられないから」という理由で退院の手続きを取った母親の責任は重いだろう。
一方、ティファニーも警察官だった夫を突然に亡くし、心を病んでいる。
とにかく合理的に身勝手に生きてきた人達が、精神を病んでしまい、カウンセリングやセラピーに通うのだが、いい大人がまるでティーンエイジャーのように繊細で浅い感情しか表せず、しかもその振れ幅が大き過ぎて、周囲の人は着いていけない。
どうにも先行きが明るくは思えない展開なのだった。
調べてみると、この作品は、"第85回アカデミー賞"(2013年2月24日)の主要5部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞)すべてにノミネートされ、ティファニーを演じたジェニファー・ローレンス(当時22歳)が"主演女優賞"を受賞したとのこと。
また、"第70回ゴールデングローブ賞"(2013年1月13日)では、ミュージカル・コメディ部門作品賞、ミュージカル・コメディ部門主演男優賞、ミュージカル・コメディ部門主演女優賞、脚本賞にノミネートされ、やはりジェニファー・ローレンスが受賞している。
よく分からないが随分と評価が高い作品のようだ。
これってコメディー部門なのか・・・。

シンプル・プラン

2018年07月28日 | ムービー
『シンプル・プラン(原題A Simple Plan)』(1998年/サム・ライミ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「小さな田舎町の飼料店で働いているハンク・ミッチェル(ビル・パクストン)。妻のサラ(ブリジット・フォンダ)は妊娠中で、出産が間近い。大晦日の午後に兄のジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)と両親の墓に花を供えに出掛けたが、迎えのクルマには何故かルー・チェンバース(ブレント・ブリスコー)の姿が。ルーはジェイコブの友人なので家まで送って行くと言うが、家は逆方向だ。不満ながらも一緒に出掛けたその帰路で、飛び出してきたキツネを避け損ない、クルマは木立に突っ込んでしまうのだった。憤慨したジェイコブはライフル銃を取り出してキツネの足跡を追い掛けるが、三人は林の中で墜落したセスナ機を発見し、機内からは440万ドル(1ドル=109円とすると約4億8,000万円)の現金が入った鞄も見つけ出したのだった。これを三人で山分けしようと大喜びのルーとジェイコブだったのだが・・・」という内容。
二人は失業中らしく、昼間から酒を飲んで、ジェイコブは缶ビールを飲みながら運転している。
事故後は、ここは禁猟区だと止めるハンクの言葉には耳を貸さず、どんどん林の中に入り込んでも行く。
ルーが酒癖の悪い大酒飲みだということは町中の誰もが知っているということなので、二人ともどうしようもない酔っぱらいらしい。
初めのうちはカール・ジェンキンス保安官(チェルシー・ロス)に届け出ようと言っていたハンクだったものの、そんな二人に押しきられて、結局は大金をネコババすることに同意するのだが、誰にも話すなよと言いながらも、帰宅後には早速、サラの目の前に(預かった)400万ドルの札束を広げて話を始める。
結局は皆似たようなもので、秘密というのはこうやって秘密じゃなくなっていくのだろう。
これはエンターテインメントに仕上げられた物語だが、実際、"人生、一寸先は闇"というのは本当のところだ。

ブーメラン

2018年07月26日 | ムービー
『ブーメラン(原題Boomerang)』(1992年/レジナルド・ハドリン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「マーカス・グレアム(エディ・マーフィ)が広告担当副社長をしている化粧品販売会社シャントレス社が創業50年を迎える同業のレディ・エロイーズ社に買収され、ジャクリーン・ブロイア(ロビン・ギヴンズ)がマーケティング部の新責任者として赴任してきた。自分が就任すると信じて疑わなかったマーカスは、格下げともいえる待遇にショックを受け、退社しようとも考えたのだが・・・」という内容。
新体制を御披露目するレセプションパーティーの会場で同僚との恋愛はしないと宣言され、ダブルショックのマーカスは、それまでの豪快な仕事ぶりが影を潜めてしまう。
美術担当アンジェラ・ウィス(ハル・ベリー)が二人をうまくいかせようと気を効かせるのだが、どうみてもアンジェラのほうが女性としての魅力がありそうだし、彼女もマーカスも実はトレッキーで、とても話が合うというエピソードは面白かった。
(^_^)
また、会社にはマーカスの幼馴染みの二人も勤めているのだが、タイラー(マーティン・ローレンス)はセックスと黒人差別の話しかしない男で、「白い球がすべての球を支配している。これは差別だ」というビリヤードをしている時のタイラーの話は馬鹿馬鹿しくて楽しい。
ジェラード(アラン・グリアー)は生真面目で少しばかり退屈に思えるような男だが、彼の両親の強烈過ぎるキャラクターが彼の人格形成に相当影響を与えたのではないかと想像できて妙に面白かったのだった。
(^。^)
恋愛だったり、友情だったり、仕事だったり、なかなか欲張りな展開の物語で、テレビの連続ドラマを見ているような気もしてきた。
妙に懐かしさを感じる雰囲気のそこそこ楽しめる作品だった。

プロミスト・ランド

2018年07月24日 | ムービー
『プロミスト・ランド(原題Promised Land)』(2012年/ガス・ヴァン・サント監督/アメリカ)を見た。
物語は、「大手エネルギー会社グローバル社の幹部候補スティーヴ・バトラー(マット・デイモン)は、田舎町マッキンリーを訪れた。その地下には良質のシェールガスが埋蔵されており、彼は近年の不況で大きな打撃を受けた農場主達から相場より安く採掘件を買い占めようとしていた。スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられるが、科学教師のフランク・イェーツ(ハル・ホルブルック)と環境活動家のダスティン・ノーブル(ジョン・クラシンスキー)が採掘に反対し、町の人々を説得し始める。賛否は3週間後の住民投票に委ねられることになったのだが・・・」という内容。
スティーヴはかなり優秀な社員らしく、町の入口にあるロブの店で地元の人達が着ていそうな服を買い揃える。
「今の季節でもフランネルのシャツ?」
「こういう町の制服よ」
との会話には笑ってしまったが、部下のスー・トマソン(フランシス・マクドーマンド)も慣れているようで、レンタカーをあえてマニュアル車にしているところなども凄い作戦だ。
ただ、スティーヴはマニュアル車の運転はできないようだし、服にはタグが付いたままになっていたのが残念なのだった。
(^。^)
シェールガスはクリーンだが、その採掘方法が実に汚いとして計画に反対するフランクは、工科大学(MIT)で工学修士、コーネル大学で物理学博士、ボーイング社で32年間研究開発していた人のようで、引退して趣味で高校教師をしているのだとか。
(^_^;)
そんなフランクの話だから、周囲の人達は真面目に取り合ってくれるし、彼が調べた鉱床の評価額1億5000万ドルのことを、スティーヴは町の取りまとめ役リチャーズには3000万ドルと伝えていたものだから、グローバル社とスティーヴの信用はガタ落ち。
せっかく良い出会いをしたアリス(ローズマリー・デウィット)との仲も進展しないし、まさかの住民投票になってしまったのは会社にとってもスティーヴにとっても大誤算だったようだ。
どんな仕事でも信用が一番大事なのだという話で、それを利用しようとする大企業のあざとさには、世の中の厳しさを思い知らされる。


パーフェクト・ガイ

2018年07月20日 | ムービー
『パーフェクト・ガイ(原題THE PERFECT GUY)』(2015年/デヴィッド・M・ローゼンタール監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロビイストをしているリア・ヴォーン(サナ・レイサン)は、友人の結婚10周年記念パーティーに参加した夜、2年間交際してきたデイヴ(モリス・チェスナット)と結婚や家族について激しい口論となり、別れてしまった。傷ついた彼女の前に現れたのはハンサムな上、知的で優しい男性カーター・ダンカン(マイケル・イーリー)。すぐに二人は恋に落ちるが、リアの両親にカーターを紹介した帰り道、喧嘩になった相手を執拗に殴り続ける彼の姿を目の当たりにしたリアはどうしよくもない恐怖を覚えた。そしてカーターの本性が明らかになるにつれて、リアは予想もしなかったトラブルに巻き込まれていくことになり・・・」という内容。
パーティーで子供とじゃれあう姿を見ていた仲間に「良い父親になれるわ」と言われたデイヴは、「子供は好きだ。少し遊んで親に返せるならね」と答えるのだが、そのデイヴを見つめるリアの目がとても冷めていて妙に怖かったのだが、帰宅後の大喧嘩は、実はこの時に水面下で始まっていたようだった。
(^_^;)
カーターを自宅に招待した夜、職場に玄関のキーを忘れてしまったリアは、隠してあるスペアキーを使って家に入ったのだが、初めて家に招き入れた男性にスペアキーの隠し場所を見られてしまったのはまずかった。
翌日にでも早速別の場所に移すべきだったのだが、それをしなかったのも大失敗だ。
また、スペアキーを取ろうとした時に、飼い猫のラスティが飛び出してきて、引っ掻かれそうになったのが何とも印象的だった。
世の中、信用するに値しない人間というのはいるものだ。
気をつけなくてはいけない。

トップガン

2018年07月18日 | ムービー
『トップガン(原題Top Gun)』(1986年/トニー・スコット監督/アメリカ)を見た。
物語は、「インド洋上でソ連の戦闘機ミグ28と急接近したアメリカ海軍の艦上戦闘機F14のチーム"ゴースト・ライダー"。ピート・ミッチェル(マーベリック/トム・クルーズ)とニック・ブラッドショウ(グース/アンソニー・エドワーズ)の機は、ミグ28をロックオンするなどして撃退したが、クーガー(ジョン・ストックウェル)とサム・ウェルズ(マーリン/ティム・ロビンス)の機は反対にロックオンされた。戦闘には至らなかったものの、ナンバーワン・パイロットであるクーガーは襲われた死の恐怖に気力を無くし、除隊してしまう。おかげで、ナンバーツーのマーベリック&グースが、夢だったカリフォルニア州ミラマーにある戦闘兵器学校"トップガン"に配属されることになり・・・」という内容。
トップガンに所属できるのは、海軍飛行士の上位1%だということで、まさしくエリートだ。
5週間、そこで少なくとも1日2回の飛行訓練、合間の講義、結果の評価を繰り返し行い、飛行技術を学ぶことになるのだが、マーベリックは空母エンタープライズのトム・ジョーダン艦長(スティンガー/ジェームズ・トールカン)が天才だと認める戦闘技術をもちながら、協調性がない問題児だ。
分隊長の資格を3回失っているというのだから、彼の同僚や部下は大変なことだろう。
(^。^)
登場する戦闘機ミグ28というのは実在しない架空の型式らしいが、F14(トムキャット)は実際にアメリカ海軍に配備されていた艦上戦闘機で、劇中では機体価格3,000万ドルとされている。
調べてみると、3,800万ドルとしている情報もあるので、1ドル110円とすると、1機あたり33億円~41億8,000万円もする飛行機らしい。
ジョーダン艦長が「納税者の所有物だぞ。貴様のエゴは高くつきすぎる」と言う台詞があるのだが、本当に高いようだ。
(^_^;)
良い家庭人でもあるグースとは奥さんのキャロル(メグ・ライアン)とも付き合いがある仲の良さが描かれていたが、トップガンで一緒になったトム・カザンスキー(アイスマン/ヴァル・キルマー)やロン・カーナー(スライダー/リック・ロソヴィッチ)は、トロフィーを狙うライバルということもあってか、どうにもいただけない性格に描かれていた。
しかし、そんな彼等に絡まれても「楽しんでいこう」と言うマーベリックは、切り替えが早い。
どんな世界でも、そのようなメンタルの強さがトップの座へと導くのだろう。
シャーロット・ブラックウッド教官(チャーリー/ケリー・マクギリス)との関係など、イケイケの展開が基本なので、まぁ楽しめる作品だ。
(^_^)

イージー・ライダー

2018年07月16日 | ムービー
『イージー・ライダー(原題Easy Rider)』(1969年/デニス・ホッパー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「コカインの密輸で大金を得たワイアット(キャプテン・アメリカ/ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)は、得た金をオートバイのタンク内に隠し、ニューオリンズを目指してカリフォルニアを出発した。気ままな旅を続ける二人だったが、無許可で祭りのパレードに参加したとして罪に問われ、留置場に入れられてしまい・・・」という内容。
ワイアットとビリーは、作品制作当時の若者文化を象徴するだろう存在、"ヒッピー"だったようだ。
ラビットハンドルのハーレーダビッドソンにまたがり、ヒッチハイカーを乗せる。
コミューンに立ち寄ったり、野宿を続けて旅をするのだが、彼等が思いもしなかった失敗は、開放的な地域から保守的な田舎に向かって疾走してしまったことだろう。
無許可でパレードに参加したとして勾留されたのは、もしそれが違法であったのならば仕方がないことだろうが、途中で知り合った弁護士ジョージ・ハンセン(ジャック・ニコルソン)と三人で入ったレストランでは、食事どころかメニュー表も水も出してもらえない。
店内に居合わせた若い女性客達は見たこともないヒッピー達に興味津々のようだったが、男性客達はまるで新しい獲物でも見つけたかのように、別な意味で興味津々の様子。
身の安全を考えれば、いかに自由気ままな彼等とはいえ、流石に逃げ出すようにして店を出るしかなかったわけだ。
これは、『俺たちに明日はない(原題Bonnie and Clyde)』(1967年/アーサー・ペン監督/アメリカ)、『マッシュ(原題M★A★S★H)』(1970年/ロバート・アルトマン監督/アメリカ)、『ハリーとトント(原題Harry and Tonto)』(1974年/ポール・マザースキー監督/アメリカ)等に代表されるアメリカン・ニューシネマとして分類される作品だが、これら作品の登場人物達に共通するのは、どうにも刹那的なこと。
また、アメリカン・ニューシネマではないし、物語の意味合いも随分と違うのだが、『ランボー(原題First Blood)』(1982年/テッド・コッチェフ監督/アメリカ)とは、"田舎町の住人が持つ排他性"について取り上げている所と、まったく爽やかさがない点が共通しているのではないかとも思う。
自由とはいっても、個々人が各々の自由を追求しているだけであって、集合体としての幸福を作ろうとしているわけではないアメリカという国を描いている作品だ。
集合体としての幸福を追求するがために個々人の自由をないがしろにしがちなどこかの国よりはマシなんだろうけど、これも何だか残酷。

臨場 劇場版

2018年07月14日 | ムービー
『臨場 劇場版』(2012年/橋本一監督)を見た。
物語は、「無差別通り魔事件の殺人犯・波多野進(柄本佑)は心神喪失が認められ、刑法第39条により無罪となった。事件から2年後、裁判を無罪判決へ導いた弁護士・高村則夫(菅原大吉)と精神鑑定を行った精神科医・加古川有三(デビット伊東)の2人が何者かに殺される。同一人物の犯行であると推測されたことから、警視庁と神奈川県警の合同捜査本部が立ち上がったが、高村を司法解剖した警視庁刑事部鑑識課・倉石義男検視官(内野聖陽)は、被害者の死亡推定時刻を断定できず、二通り考えられることを不思議に思い・・・」という内容。
まったく知らなかったのだが、これは2009年と2010年に計21話放送された同題名のテレビドラマを映画化したものらしい。
主要な登場人物の人間性や背景などについては特に詳しく描かれてはいなかったのだが、それほど複雑なものでは無いらしかった。
警察の捜査についての詳細を描いている少し狭い世界での物語なので、こじんまりとした展開になってしまうのは仕方がないところなのだろうが、主人公・倉石検視官の自由奔放な働きぶりは枠から外れ過ぎていて、違和感を覚えるほどだった。
時代劇に登場しがちな、気難しくて人当たりが悪いのだけれども、実は人間味が深く腕の良いお医者さん。
そのようなイメージを抱かせる主人公を現代の警察組織にはめ込んだ感じだ。
こういう人の部下・小坂留美検視官心得(松下由樹)は、無茶苦茶大変なことだろう。
(^_^;)
無差別通り魔事件の被害者・関本好美(前田希美)の母親・直子(若村麻由美)は、事件から2年が経っても依然ショックから立ち直れずにいたのだが、事件直後の遺体と対面する場面では、事実を受け止めることの難しさが描かれていて、この場面はどうにも切なすぎるエピソードだった。

バファロー大隊

2018年07月10日 | ムービー
『バファロー大隊(原題Sergeant Rutledge)』(1960年/ジョン・フォード監督/アメリカ)を見た。
物語は、「第9騎兵隊所属のトム・カントレル中尉(ジェフリー・ハンター)は、かつて部下だった黒人兵ブラックストン・ラトレッジ1等曹長(ウッディ・ストロード)の弁護を志願し、アリゾナ州にある陸軍南西地区本部に赴いた。陸軍特別指令に基づく高等軍法会議においてラトレッジにかけられた嫌疑は、"リントン砦で16歳になるルーシー・ダブニーを強姦、絞殺した上、彼女の父であり砦の指揮官であるダブニー少佐を射殺した"というもの。合意のもとで起訴状の朗読を省略した検察官のシャタック大尉(カールトン・ヤング)は、弁護側証人として召喚されたはずのメアリー・ビーチャー(コンスタンス・タワーズ)を検察側証人として尋問し・・・」という内容。
事件の夜、砦から脱走したラトレッジ曹長が大事に持っていたのは、「私ことP・エドワード郡のティルマン大佐は1861年4月12日をもってB・ラトレッジを奴隷の身分から解放したことを証明します」と書かれた書類だった。
舞台は南北戦争(1861年~1865年)の直後らしかったが、当時の黒人はこのような証明書類を肌身離さず持っていたものなのだろう。
同じ北軍所属とはいえ、シャタック検察官は黒人に対する偏見を持っているようだったし、脱走した理由を聞く仲間に、身の潔白を主張しながらも、「白人の女が殺された。俺達に勝ち目はない」と言うラトレッジは完全に諦めの境地にあったのだろう。
脱走は不本意だが、自分の身を守るためには仕方がないことだったのかもしれない。
また、検察側証人のマシュー・スキッドモア軍曹(ファノ・フェルナンデス)が、年齢を聞かれ、「分かりません。奴隷だったもので」と答えていたが、奴隷には戸籍などもなかったのだろう。
面白かったのは、軍法会議の議長を務めるオーティス・フォスゲート大佐(ウィリス・ボーシェイ)にまつわる様々なエピソード。
彼の奥さん・コーディーリア(ビリー・バーク)によると、アトランタを焼き払った時に時計を盗んできたとか、この軍法会議で使っている軍規集もその際に南軍から盗んできたものだとか、戦争ではやりたい放題だったようだし、軍法会議中、「水をくれ。いや、別の水を」とウイスキーをごくごく飲むなど、やたらにワイルドなおじさんだった。
(^。^)
騎兵隊とアパッチの戦いも描かれてはいたのだが、人種差別をテーマにした法廷劇という作品であり、これはナカナカに面白かった。

バレッツ

2018年07月08日 | ムービー
『バレッツ(原題Limmortel)』(2010年/リシャール・ベリ監督/フランス)を見た。
物語は、「57歳になるシャルリ・マッテイ(ジャン・レノ)は、3年前にクラブやホテルの経営を仲間のトニ・ザッキア(カド・メラッド)と、オレリオ・ランポリ(リシャール・ベリ)に譲り、マルセイユのマフィアを引退した。現在は2番目の妻クリステル(ファニ・コラローヴァ)との間にもうけた男の子アナトール(マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ)、自分の弁護士マーティン(ジャン=ピエール・ダルッサン)と再婚した前妻クロチルド(ジェシカ・フォルド)との子エヴァ(ジョセフィーヌ・ベリ)らと穏やかに暮らしていたが、ある日、何者かに襲撃されて全身に22発もの銃弾を撃ち込まれ、生死の境を彷徨った。奇跡的に一命をとりとめたマッテイは、捜査担当のマリー・ゴールドマン刑事(マリナ・フォイス)には協力を拒む。しかし、引退後も彼を慕うカリム(ムサ・マースクリ)ら仲間たちが犯人を突き止め・・・」という内容。
こんな世界から早く抜け出せと助言をしてくれたM・パドヴァノ(アンティーク/ヴェナンチーノ・ヴェナンチーニ)は、85歳の時に、対立していた組織のボスに殺された。
マッテイがいつまでもマフィアのボスとして君臨することを選ばなかったのは、若い頃に獄中で知り合ったこの(当時の)マルセイユ・マフィアの大物の影響が大きかったようだ。
ゴールドマン刑事の自宅には、棺桶のイラストが描かれた手紙が届くなど、マルセイユという都市の治安は良くなさそうだ。
警察署長(デヴィッド・コービ)が「慌てて片付けなくてもゴミ同士が殺し合えば手間が省ける。務めは市民を守ることで悪党の制圧ではない」と、マフィアの抗争を容認するようなことを言うのだから、治安の改善は見込めなさそうだ。
まぁ、ルイ14世の哲学を語るくらいだから、まともな署長ではないのだろうが。
(-_-;)
襲撃された時、地下駐車場に止めたクルマの中で、♪僕は絶望の中で死んでゆく♪絶望のうちに果てるのだ♪今ほど自分の命が愛しかったことはない♪命よ♪などと、気持ちよさそうにオペラを歌っていたマッテイ。
思考は現実化するというが、こういう歌に浸っていた生活が、悲劇を呼び込んだのではないだろうか。
日常的に良いことをイメージするというのは大事なのかもしれない。

スコーピオン 反逆のボクサー

2018年07月06日 | ムービー
『スコーピオン 反逆のボクサー(原題ALACRAN ENAMORADO)』(2013年/サンティアゴ・A・ザノウ監督/スペイン)を見た。
物語は、「自分達の生活や価値観を揺るがす脅威だとして、移民排斥を訴える弁護士ソリス(ハビエル・バルデム)。彼が率いるネオナチ集団に参加する27歳のジュリアン・ロペス(アレックス・ゴンサレス)は、ルイス(ミゲル・アンヘル・シルベストル)やセルフィといった仲間と共に、暴力行為を日常的に繰り返していた。しかしある日、トレーニングをしていたジムでボクシングに興味をもったジュリアン。そこでフェアプレー精神を学び、ネオナチ集団や差別に対して疑問を持ち始める。やがて、ジムで働いているアリッサ(ジュディス・ディアカテ)と心を通わせ、また、初めての試合にも挑むことになったジュリアンの様子を苦々しく思っていたルイスは・・・」という内容。
突然リングに上げられたジュリアンは、黒人ボクサーのフランキーとスパーリングをさせられるが、腕っぷしが強いとはいえ、まったくの素人であるジュリアンでは、トレーニングを積んでいるフランキーの相手にならない。
フランキーはパンチが気持ちよく当たるものだから、ジャブさえも打たずどんどんストレートを決めてくる。
リングの下で観戦していたルイスは腹を立てて物を投げ込む始末で、ネオナチの連中はジムから追い出されるのだが、ジュリアンはジムのオーナーであるペドロとコーチのカルモンテ(カルロス・バルデム)を訪ねて謝罪する。
まだフェアプレー精神というものに気づいていない様子ではあったものの、その有り余るエネルギーの使い道を幾分有効に使おうという気持ちがあったようだ。
(^_^)
リング上で戦うフランキーの姿を見つめるジュリアンの目が輝いていて、とても良い表情。
ここは短かい場面だったけれど、印象に残るエピソードだった。

フィフス・ウェイブ

2018年07月04日 | ムービー
『フィフス・ウェイブ(原題THE 5TH WAVE)』(2016年/J・ブレイクソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ある日、巨大で不気味な円盤状の未確認飛行物体が現れ、地球を周回し始めた。その謎の地球外知的生命体の出現の日を境として世界の様相は一変する。圧倒的な知能をもつ生命体はアザーズと名付けられ、第一の波=暗黒、第二の波=崩壊、第三の波=感染、第四の波=侵略という四度にわたる攻撃により、人類の99%が死滅。アザーズは人類に紛れ込み、もはや誰が敵か味方か分らないという状況だった。楽しい高校生活を送っていたキャシー・サリヴァン(クロエ・グレース・モレッツ)は両親を失い、生き別れた弟を必死で探し出そうとするのだが・・・」という内容。
電子パルス攻撃により精密機器はすべて操作不能になり、クルマはそこらで事故を起こしているし、飛んでいる飛行機も落ちてくる。
世界中のあちこちで大惨事の続発だ。
当然スマートフォンも使えなくなり、交通・通信共に産業革命以前の姿に戻ってしまったようで、現代社会は完全に機能停止だ。
と思ったところにアメリカ軍が登場。
子供達を安全な基地内に避難させるというが、大人達を皆殺しにしてしまう。
この時点で「こいつら地球人じゃないだろうな」との想像が働いてしまうので、その展開には少しばかりがっかりする部分がないわけではなかった。
さらに、避難しようとする時になって「ぬいぐるみを忘れてきた」とか言う小さい子供がさっきの場所に戻ろうとすると、その子の代わりに主人公が戻り、そこから次々とトラブルに巻き込まれていくというのもよくあるパターンだが、この物語もそれは例外ではなくて、大体予想の通り。
想像を裏切られるような展開にならなかったのは残念だった。
まぁ、想像の域を超えるような、ひねりのある面白い物語なら大ヒットしてたか。
(^_^;)