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マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラムの2014年7か月間の新規参加者数を分析

2014年09月27日 | 参加者数の統計と解説

観光省翼下にあるマレーシアマイセカンドホーム当局はごく最近(2014年9月中旬だと推測される)、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2014年7か月間の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました。

しかし今回の発表ではたいへん奇妙な点が2つある:

  • a. 2014年6月の世界各国からの新規参加者数が全てゼロになっている。
  • b. 2014年7月の世界中からの新規参加者数が74人という今年の月別最低数であり、且つ前年同月の272人に比べると、そのわずか27%に激減している。

a.のようなことはこれまでなかったことです。単に統計が不備なので暫定的にゼロにしてあるのか、それとも何らかの理由でプログラム当局は6月だけは参加申請に対する審査を行わなかったのだろうか。こういう異常な発表についてはプログラム当局は説明を加えるべきです。
b. の現象が起きた背景はなんだろう? 統計が不備であり今後修正されるかもしれない、または実際に申請者数と承認数がこれほど少なかったのだろうか? それともマレーシアマイセカンドホームプログラム当局内で何らかの非公表審査基準の見直しでもあったのだろうか? 

注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホーム当局または観光省がそれぞれの公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員による口頭説明を基にしています(他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません)。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2014年7か月間の特徴 

・6月はゼロ、7月は中国を筆頭にどの国も激減、という奇妙な数字となっている。
・日本人の参加者数は対前年同期間比で 38%減少した。
・中国からの参加者数が全体のほぼ半数を占めている。

【2014年1月から7月までの、マレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことを言う。

A. 日本の新規参加者数 -月別統計
1月 49人、2月 52人、3月 35人、4月 26人、5月 57人、6月 0人
7月 16人、8月 人、9月 人、10月 人、11月 人、12月 人
7月までの計:235人

参考までに過去2年間の新規参加者数を月別に示します:
2013年:1月 78人、2月 42人、3月 59人、4月 59人、5月 48人、6月 47人
    7月 44人、8月 58人、9月 68人、10月 70人、11月 13人、12月 153人、

2012年:1月 42人、2月 83人、3月 99人、4月 49人、5月 47人、6月 69人、
    7月 65人、8月 104人、9月 69人、10月 84人、11月 70人、12月 35人、

従って2014年7か月間は、昨年同期間の合計 377人より142人も少なく、減少率 38%である。下記に示した2014年7か月間の全世界の新規参加者数は対前年同期間比で 18%の増加なので、日本の減少率はやはり目立つことになる。

B. 国別の7か月間の新規参加者数
1位:中国 961人、 2位:日本 235人、3位:バングラデシュ:168人、4位:韓国 67人、5位:英国 64人、
6位:台湾 56人、7位:シンガポール 55人、7位 パキスタン 38人、9位以下はごく少ない人数です。

C. 世界中からの新規参加者数合計
世界各国からの 2014年7か月間の新規参加者数の合計 1958人、 
比較として 2013年7か月間の合計は 1659人。従って2014年は対前年同期比で 299人増えており、増加率は18%です。
2014年は6月がゼロ計上であり、7月が74人という今年初の2桁数に減ったが、それでも前年同期より増えた。

【イントラアジアの分析とコメント】
当ブログにまだ馴染みのない方はあらかじめ、画面左に表示されているカテゴリー欄の 『参加者数の統計と解説』をクリックして、数編の記事にまず目を通されることをお勧めします。

1.日本の新規参加者数の7か月間小計をみると、2012年が454人、2013年が377人、2014年は235人ですから、2014年は過去2年のそれと比べると大幅に減少している。冒頭で言及した奇妙な2点を考慮しても、日本人の新規参加者数は疑いもなく減少傾向になっている。
というより、過去2年間は日本にとって異常に多い年であったと見なした方がいいでしょう。理由はよく知らないが、定年後の海外移住先として過去2年はマレーシアがもてはやされ申請者数激増のブームになった、そしてその一過性の高揚期が終わって本来の年間申請者数ペースに戻ったとみる方が自然ではないでしょうか。

6月だけはゼロという冒頭で指摘した奇妙点があるので修正される可能性はあるが、1か月平均の参加者数が 約34人であることを見れば、中国を除く他国より依然としてずっと多い。日本の過去2年の1か月平均参加者数との比較ではかなり減少していると言え、本来は今年2014年ぐらいの月平均参加者数が日本らしい数字かもしれない。

2. 中国は7か月間で961人、月平均137人もの参加者数です。前年同期間は532人だったので80%増と大幅に増えた。これは1月から5月までの月間平均が187人という驚異的な数字のおかげです。なお6月のゼロ計上、7月は23人というこれまでの中国の数字から納得いかないおかしな点があるので、統計が修正される可能性もなきにしもあらずと現時点では書いておきます。

3. 2012年、2013年の年間順位は、中国が1位、日本が2位、バングラデシュが3位なので、2014年7か月時点でも順位傾向は変わっていないが、その中身は大いに変化している。

4. 世界各国からの新規参加者数合計が昨年同時期比で18%増加したといっても、その中身は中国が上記のように80%も増えたからです。中国1か国で世界中からの新規参加者数の 49%も占めている。

5. この部分はまた書くことになります。2013年1年間の統計では中国が突出した1位であり、全体の36%も占める現象は際立つ、とイントラアジアは今年3月に掲載した記事の中で書いた。しかしもはや、中国からの新規参加者数は突出を超えてマレーシアマイセカンドホームプログラムを独占している。
中国だからということではなく(仮に日本が独占国の場合でも)、ある1か国からの参加者が全体の半分も占めるという状況は、プログラムにとって不健康な状況であり、プログラムが持つ理念を逸脱させてしまっている。
中国からの新規参加者がこれほどまでに他国を圧倒している状況は、中国人申請者を扱うプログラム代理業者と中国人参加者を主対象として不動産開発を進める不動産デベロッパーとその代理業者が喜ぶだけですね。

このように今回のマレーシアマイセカンドホームプログラム当局の参加者数統計発表には、軽視できない奇妙な点があり、その理由は部外者にはまったくわかりません。いつもながら、公式サイトにおける説明の不十分さを指摘せざるを得ません。


【マレーシアマイセカンドホームセンターで疑問点を尋ねた】

そこで2014年9月下旬に Putrajayaのマレーシアマイセカンドホームセンターを訪れて、担当職員に会い、この統計の奇妙さを含めて公式サイトにいくつもある不明瞭な文章や疑問点を尋ねました(会話は主としてマレーシア語です)。なお担当職員とはセンターの窓口で書類受付をしている女性たちのことではありません。

ここで指摘した2014年6月と7月の数字の奇妙さに関しては、マレーシアマイセカンドホーム当局内で行われる審査委員会の1か月間の開催回数に関係しているとの説明でした。6月の承認者数がゼロになっているのは、6月の申請者数がゼロということではありません。なぜなら申請を受け付けた月と承認をした月は異なることが一般的だからでしょう。審査委員会の開催回数と承認統計の取り方によって、ある月の承認者数は何人であると統計に載るようです。

しかし、こういう統計をしている担当者はまた別の職員であり、イントラアジアはいわば間接的な説明を受けた形です。話を聞いた職員自身もこの奇妙さを納得いく形で理解していないことがわかりました。さらに公式サイトを作成しているのは別の部署であり、サイトの記述と掲載内容には現場の各担当者たちは関与していないことが、これまでの話からわかります。

これはマレーシアマイセカンドホームセンター内に以前からある組織的要因だろうとイントラアジアは推測しています。というのはこの3、4年イントラジアは何回もセンターを訪れて、その都度細かな疑問点などを尋ねているのですが、そのたびに応対してくれる担当職員が異なります。今年4月頃訪れた際説明してくれた職員(係官)も既にセンターを去っていました。

マレーシアマイセカンドホームプログラムの全ての条件・規定・統計などを統括するような人は現場の担当者にいないのは明らかです。そういう立場の人は高級官僚であり、規定・条件などに関して現場での問い合わせや説明に直接応対するようなことはないと言えます。


円安時代に月予算額として1人なら10万円、夫婦なら15万円で暮らす、マレーシアマイセカンドホーム生活

2014年09月09日 | 総論と分析と考察

円安時代ですね。外国為替市場ではしばらく前から1米ドルが100円を数円程度上回っており、外為チャートを見るとこの状態が既に1年前後続いている。
日本政府と日銀による円安政策の要因と、日本経済が持つファンダメンタルズの要因の2つがこの主たる理由のようですが、この先大きく円高に振れることは当分、いやこの先何年もなさそうです。

マレーシアリンギット(記号RM)の対日本円為替レートは米ドルに直接リンクしているわけではなく、円が対米ドルでいくらか円高になっても円対リンギットの為替レートが動かない、さらには幾分円安方向に移ることさえもある。しかしながら、大きな流れからみれば、円対リンギットの為替レートは円対米ドルの動きにかなり沿っているといえそうです。
例えば2014年9月上旬の外為レート
(マレーシア最大の銀行)Maybankで1万円を両替すると、日によって異なるが RM 296からRM 298.0 を入手する。

注:なおクアラルンプールの人気ある公認両替屋で両替すれば、銀行レートより幾分良いレートで両替できる、この場合では RM 300かまたはRM 300をかろうじて上回る。両替屋によってレートはかなり違うので、日本円に比較的良いレートをつける所を探すのがお勧めです。

【RM 4.0 の頃を期待するのでなくRM 3.0の時代を前提に暮らしを考える】

円が対米ドル為替レートで100円超になる前、つまり何年か前の一時期、対リンギットの為替レートで100円が RM 4.0にまでなったことがあった。この意味は10万円を両替してRM 4千を入手できたということです。そこまで円高ではなくても、対リンギットの為替レートで 3.5前後を移動していた時期がしばらく続いていた。

しかし今や対リンギットでも円安時代です。つまり100円=RM 3.0 の時代、10万円を両替してRM 3千しか入手できない時代です。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者と参加希望者は、この対リンギット円安時代を前提にマレーシア生活を考える、計画しなければなりません。
2014年下半期の平均的為替レートになるであろう 100円=RM 3.0 を基にして考え、計画していく。運よく対リンギットで円高に進めば、その増額分は臨時ボーナス的収入増と捉える。こういう生活プランが必要でしょう。

イントラアジアは以前の記事 『月額10万円に満たない年金でもマレーシアロングステイはできる』  -2011年07月28日付け(総論と分析と考察カテゴリー)で、「平均的厚生年金受給者の年金受給額つまり月額16万7千円の半分程度だという方の場合」を例にして、具体的に説明しました。あらかじめぜひ目を通してください。
その中でイントラアジアは次のように書きました:
「2011年7月の時点でマレーシアで1万円を両替するとRM 370前後入手できる」
「現時点で1万円を両替してRM 370を得られても、3年後にはそれがRM 300に目減りする可能性もあるし、・・・・」

まさに3年後の2014年中頃は1万円=RM 300になっている。まこと外為相場は人を悩まし、困らします、また時には喜ばします。

【1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500】

そこで今回の記事ではRM 300という為替相場を考慮して、きりの良い10万円の場合を例にしてみましょう。これは1人でマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加する場合ですから、夫婦で参加なら月額15万円の予算とします。

必要な費用面で、2人の場合は1人の費用の倍にはならないことは皆さんも同感されますよね。住居は2人の場合でも1人とほぼ同額またはやや上回る程度に抑えられるからであり、光熱費なども倍にはならない、さらに外食は別として、自宅で料理する場合でも倍にはならないでしょう。もっとも公共交通費のように倍になることもありますが。イントラアジアの推定で 1.4倍程度で済むかもしれませんが、ここではきりのよい1.5倍に設定します。

毎月の予算として10万円を両替する、するとRM 3000を得る。15万円の両替ではRM 4500となる。日本人にとって希望するまたは好ましい対リンギット為替レート時なら、RM 3500位またはRM 5250位は入手できました。RM 500/ 750 の差とはいえ、RM 3500/5250 とRM 3000/4500 場合ではこの差は結構大きいと言えます。なぜならRM 10万とRM 10万5百の差ではないからです。
従ってRM 500またはRM 750を節約する心構えが必要ですね。

さてここで当ブログは読者の皆さんにあらためて念を押しておきたいことがあります。そこでまず、『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』  -2012年06月23日付け( 総論と分析と考察)をクリックしてお読みください。 

その中で書いた一部を抜粋して再録:「こういう出版物に晒された読者すなわち旅行者は知らず知らずにその作られたイメージが本来の姿またはあるべき姿だと思い、また期待して旅行する。
ロングステイ希望者・関心者も似たような過程を経ていることだと推測できます。
マスコミや業者・団体の作り出すイメージに大いに従いたい、イメージどおりでなければならない、と考える方ももちろんいらっしゃいます。それは個人の自由ですから、これもイントラアジアの関知するところではありません。
一方当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログです。」以上

月予算10万円または15万円ではとても十分な額とはいえない、20万円以上または30万円以上の予算を用意できるという方も当然いらっしゃいます。もちろん、そうであれば結構なことで、当ブログがそれをどうこう言うことはありません。

今回主として対象にしているのは、あくまでも月予算10万円または15万円程度の方たちです。もしくはこの金額より幾分少ない額でも、現実として暮らすことは十分可能です。

日本円を表示しましたが、それは両替の目安としてであり、マレーシア生活の際にいちいち円換算する必要はないし、そういう思考は止めるべきです。
以前にも説明したように、1万円とRM 300のそれぞれの国における価値は大いに異なるからです。できるだけリンギット(RM)で物事を捉えるようにしていってください。

【ある程度の妥協心を持って家賃を抑えることがまず鍵になる】

日本において、自家を所有しているため家賃や住宅ローンを払う必要のない方なら、この金額で暮らしていくことはできるでしょう、もちろん贅沢な暮らしは無理だとわかります。

マレーシアで考えます。現在の相場の下で住宅を購入するには、日本円で2千万円近くは必要なので、ここでは自家所有ということは考慮外とします。
学生や若年層向けのルーム賃貸ではなく、世帯向けとしてのユニット(1戸)の賃貸を当記事では想定しています。

そこでコンドミニアムであれ一般住宅であれ、いかに家賃を抑えるかが鍵になります。
家賃RM 1500前後の住居はいくらでもあります。マレーシアの相場でいえば、中の中くらいですから。 

当ブログでは既に皆さんご存知のように、 『クアラルンプール圏またはペナン島の住宅写真と地図の連載、 シリーズ』を掲載してきましたし、これからも続けていきます。それらの記事で載せている写真と地図が示しているように、実に多くの地区にコンドミニアムが数多く建っています。

要するに、例えば住むのはM地区でなければならない、B地区に限るといったこだわりをお持ちでない限り、選択は十分にあります。
「当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログ」ですから、読者の皆さんの中には、こういう特定地区に固執される方はいらっしゃらないことだと思っています。

1人で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1000から1500、夫婦で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1500から2000のクラスのコンドミニアムまたは中級以上のアパートは、誇張ではなく一杯あります。
いろいろと探してみることをしないで、誰々の話とか日本の雑誌や本に載っていたからといったごく限られた情報で全てを判断しないことです。

”1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500”という前提条件の下では、当然妥協心は必要です。予算がこの額の倍の人たちと同じ基準で住居探しができないことはいうまでもありませんね。

土地付き住宅の場合は、マレーシア国民が一般に求めるのと同程度の安全要件を満たしていることが必要です。多少賃貸料が安くても治安面で問題が起きやすい地区は避けるべきです。そういう情報は該当地区の住民や店の人に直接聞くのがお勧めです。もちろん不動産紹介の代理業者の話も参考になる。
仮にその程度の会話もできなければ、日本人だけが集まったコンドミニアムに住むしかないでしょう。あいにく、既に何回も言明していますように、当ブログではそういう範ちゅうは扱う対象にしていません。

コンドミニアムの場合は、一応壁に囲まれ守衛がいるので、住居への空き巣被害などが起きることは稀でしょう、反面コンドミニアム施設などの面がきちんと管理されているのかどうかが、判断の要因になります(もちろん賃貸料が最大要因です)。

とにかく、ご自分の予算内に収まり且つ自分がそれなりに気に入る住居を探しましょうということです、この意味は、代理業者に問い合わせて物件を見せてもらうことを大いに利用すべきです。物件を見るのは無料ですよ。

プログラム申請の際、下調べとして多くの物件を見てある程度決めておく、またはマレーシアに来て、短期滞在向けのコンドミニアムまたは中級以下のホテルに滞在しながら探して決める、という方法も取れます。こういったことは当ブログの以前の記事で詳しく書きました。
参考:『住居候補探しや下調べでマレーシアに短期滞在する方法とそのためのアドバイス』 -2013年1月5日の記事 -をクリックしてご覧ください。

【想定した予算における住居選びの主たる基準として何を考慮すべきか】

マレーシアでは、一般的に50平米以下の狭い住居はあまりありません。低所得層向け住宅でも50平米ぐらいはあるでしょう。もっとも低所得層向けの公共住宅は外国人は入居でない定めとなっている。

住居の広さについては、1人または2人で住む際に床面積100平米超は必要ないでしょう。いや広い所に住みたいからと100平米超の広い住居に憧れる方は、当然予算が少なくとも数割は余計にかかることになる。でもこういう点は妥協が必要ですね。

土地付き住宅の場合、非高級な1階建テラスハウスであれば、RM 600程度で賃借できる。2階建てテラスハウスならそれより数割賃貸料が上回る程度です。しかし賃貸料だけで住む場所は決められません。要はその住宅がある地区、場所が非常に重要です。

高架電車LRTまたは Komuter電車の路線が近くを通っているような場所ではなく、バス便しかない、それも主要バス通りから離れているため、ある1つのバス番号の路線だけしか通っていない、だから1時間に1本程度の頻度ということになる。

こういう地区・場所は自家用車を保有していないと相当不便です。バス便が1時間に1本と言ってもマレーシアの公共バスですから時間通りに運行はされないし、日曜は本数はより少ないし、夜間は早い時間に運行が終わる。ということで、賃貸料RM 500から700程度の非高級テラスハウスであっても、自家用車がないと生活自体がたいへん不便になってしまうことを、覚悟しなければなりません。
これはマレーシアマイセカンドホームプログラム滞在者にはまず選択外となることでしょう。

プログラム滞在者の生活スタイルを考慮すれば、賃貸料の比較的安さを求めて郊外のかなり不便な住宅地に住むというより、生活の便利さを考えて、都市部内かまたは都市部周辺の地を選んで公共交通の便利さを重要視されることになるではないでしょうか。

全く別の選択肢として、都会ではなく地方都市さらには地方の農村を選ぶという選択ももちろんある。そこでこの2つの選択を先に考えてみましょう。

【地方都市暮らしをされたい場合】

地方都市、ここでいう地方都市とは、ペナン州のジョージタウン、マラッカ州のマラッカ、ペラ州のイポー、ジョーホール州のジョーホールバルといった各州の中心都市を指すのではなく、州のある地方の主たる町を指す。市とか町というのは行政上の名称なのでここでは定義しません。 こういう地方都市であれば、複数の銀行があり、商店街がある、モダンとはいかないがスーパーマーケットもある。もちろん伝統的な市場(いちば)は必ずある。

あわただしく常に喧騒に包まれた大都市の生活を好まない方には、地方都市の生活が気に入ることでしょう。地方都市ではコンドミニアムは建っていないことが多い、例えあってもごくごく少数なので選択はまずない。しかしリンクハウスやショップロットハウス、準一戸建てといった選択はかなりある。当然ながら大都市より物価は幾分安いので、住居費も割安となる。

町から遠くないところには田舎が広がる、または海岸や漁村や山などがある。都会の確かに便利で華やかなしかし全てにお金のかかる娯楽レジャー生活は望むべくはないが、結構身近な所に自然が広がり、いささかのんびりとした地方都市生活は、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者にもっと注目されてもいいかもしれません。

なお地方都市生活を考慮される方で持病などの健康問題を抱えた人は、医療サービス面をよく調べてから決定すべきです。
地方都市にももちろん、私立医院は複数あって医院にかかること自体に困ることはないでしょうが、こういう医院は一般内科(GPと呼ぶ)であり、専門医ではない。全国の町以上の規模の地方都市には、公立(国立)医院が必ずあるが、こちらも一般内科医だけです。

マレーシアではそもそも専門医が日本ほど多くない。大都市であっても、整形外科、耳鼻科、胃腸科といった専門医院としての開業はごく少ない。多くの有名な大中病院に専門医が集中している。そしてその医療費は相当なる高額である。

こうしたことから地方都市では専門医自体がごく少ない、故に専門医院は皆無でしょう。必然的にその地にある公立(国立)病院へ行くことになる。地方都市には私立病院がある所もあるしない所もある。当然ながら種々の専門科を揃えた大きな私立病院にはなりえない。
参考:この点は 『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』- 2013年05月19日付け記事 で論じましたので、クリックしてご覧ください。

そこでその対象となる地方都市の国立病院で、持病を抱えた方が納得できる程度に対応してもらえるかどうかをあらかじめ確認しておくことは大切なことです。人それぞれによって病気の程度と納得する基準は異なる。ある人にとって満足できてもある人には満足できないこともある。大都市であれば、仮にA有名私立病院での診療に不満であれば、B有名私立病院に替わるという選択ができる。
しかし地方都市では、全てではないが大体において、その地の国立病院しか選択はありません。

既に決めている意中の地方都市がありそこに住むつもりだ、地方都市暮らしの選択は考慮外だ、という方は別にして、全国に数ある地方都市から気に入った地を選ぶのは多少時間がかかるはずです。

そこで地方都市生活を希望される方には次のような方法があります:マレーシアマイセカンドホームプログラム参加の第1年目は大都市に住む、そして半年以上かけていくつもの地方都市を訪れて下調べし、気に入った地方都市を決める。日本からマレーシアの地方都市の具体的なことを知らべるのは不可能ですが、クアラルンプールまたはその郊外に住みながら、地方都市を訪れることは比較的容易ですからね。その上で、2年目に決めた地方都市へ転居する。この方法はずっと現実的ですよ。

【田舎暮らしをされたい場合】

次に田舎暮らしの場合はどうでしょうか。 日本では定年・引退後は田舎生活に憧れる方は少なくないそうですね。イントラアジアはたとえ趣味としてであれ、庭で作物を育てたり、畑を耕したり、漁をしたりの経験はないので、田舎生活を論じることはできません。イントラアジアにとって田舎はあくまでも旅の中で訪れる地となっている。

マレーシアで田舎暮らしを目指される方は、それなりの経験があるかまたは強い意欲をお持ちのことでしょうから、イントラアジアとしてアドバイスできる点は以下のことです:

・マレーシアは田舎と都会の差が非常に大きな国です。現代日本では田舎へ行こうとコンビニはあり、社会インフラは整備されているはずですが、マレーシアではそれは期待できません。

・医療面はほとんど期待できない、小さな公立医院があるぐらいでしょう。ですから多くの場合は、公立病院があるその地方の主たる地方都市へ通うことになる。

・農地は賃借できても、購入できません、外国人は農地を買えない法律上の規定がある。

・その町の市場で買える材料で、料理して食事することを意に介さない気持ちがある。

・暮らしの中で車、最低限バイクの保有は必須です。

以上の点を踏まえて田舎暮らしを選ばれる方には、きっと素晴らしい、満足のいく生活になることでしょう。

【都市生活はやはり便利だが物価は高くなりがち】

さて都市での生活に戻ります。
大都市で暮らす生活よりも、地方都市で暮らす生活は一般的に物価が安くなるのは上記で述べた通りです。しかしながら同じマレーシア国内ですから物価の上昇潮流は変わりません。

2014年8月16日付け『マレーシアの新聞の記事から』を引用します:
「2014年の国内での消費者物価指数を見ると、第1四半期は 3.4%、第2四半期は3.3%の上昇でした。中央銀行Bank Negara総裁は、今年の消費者物価上昇率は 3%-4% になるとみている、と語る。」

消費者物価上昇率が3%を超えるというのは、2014年だけのことではありません、マレーシアの近年の傾向です。3%超という率は、4、5年位の期間でみるとかなりの物価上昇を実感する。消費者物価は、所得が低い層になればなるほどその上昇の影響を直撃するのはどの国でも同じですから、1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で月15万円=RM 4500という、この記事における想定者の場合も、じわじわとその影響を必ずや感じてきます。

追記:政府は2015年4月から物品サービス税、いわゆる消費税、を導入します、その税率は6%です。生活に必需な食品とサービスには税は掛からないと政府指導者は言明していますが、詳細はまだ発表されていません。
物品サービス税のような包括的な税は、中流層から低所得階層まで広く実際の影響を感じることになるであろうことは、読者の皆さんも同感されるでしょう。 以上追記

外国為替レート変動に直接さらされている、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者ですから、物価上昇率がこれ以上高くならないことを願うしかありません。

具体的にマレーシアの消費物品の価格はどれくらいだろうか、という読者の皆さんの興味に答えたのが、2013年10月01日付けで掲載した 『スーパーの広告でみる一般消費商品の画像と価格 』 記事です。クリックして開き商品の写真と値段をじっくりご覧ください。上記で書いたように、換算せずにリンギットで捉えるようにしましょう。

1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で 月15万円=RM 4500という想定者の場合、1  に住居賃貸料を総予算額の50%以下にする、2 に娯楽レジャーは余裕が出た時に限る、3  に食費関係の出費を抑え気味にする、これがまず大切なことでしょう。

1人滞在の場合、家賃をRM 2000にすれば、残りはRM 1000ですから、レジャー費などはまず捻出できない、RM 1000という額は食費関係と光熱費と外出に伴う公共交通費をまかなえるが、それ以上は苦しいでしょう。
ここは家賃をRM 1500位までに抑えて、いくらかの毎月の余裕を持たせる方がいいように思われる。 2人滞在の場合、RM 4500あれば1人予算よりも多少余裕があるでしょうが、家賃をRM 2千数百程度までに抑えないと、娯楽レジャー費などが捻出できなくなる。

【医療費の出費と保障の有無に気を付ける】

ここで注意しておかなければならないのは、医療費です。上記の『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』で説明しましたように、公立の医院へ行けば確かに安価に済むが、そのためにはかなりの忍耐と言語力がより必要です。

私立医院なら、軽い風邪や下痢でも1回の診察 RM 50を超える、医院や症状によってはRM 100近くになる場合もあるでしょう、さらに私立病院では専門医の診察は薬代を含めて1回の診察で数百リンギットは予期しておくべきです。

日本で加入した旅行者・滞在者保険でどこまで保障されるかです。手術後の事後通院は別にして、一般的通院治療はまず保障されないのではないでしょうか。さらに歯科の場合も保障されませんよね。
日本の国民健康保険が被保険者の全ての国外治療を保障してくれるようになっているとは思えません、自治体によっても適用の審査と基準に違いは出てくるのではないでしょうか。

入院手術というような場合は、日本で加入した旅行者・滞在者保険がカバーしてくれるが、こまごまとした必要経費は全てをまかなえない。そもそも手術というような場合は、日本へ戻って受けることを選択される方がほとんどでしょうし、イントラアジアもそれをお勧めしますので、ここでは問題とはなってきません。

問題は軽い病気や体調不良で医院や病院に時々かかる場合の医療費は、保障されないゆえに、俗な言葉で表現すれば”ばかにならない額になる”ということです。
そのためには毎月ある程度の額を手元に残しておくしかないでしょう。その額を娯楽レジャー費に使うか、医療費に使うかは、滞在者次第です。

【実際の可処分所得額を考慮すれば、想定額は低所得額とはならない】

統計面からいえば、月 RM 4500という額は、マレーシアの平均世帯月収入 RM 5900(2014年上半期の調査における仮発表値)よりも低い。なお州によって格差が大きいので、ある州ならこれぐらいが平均世帯収入となる。
しかし平均値よりも参考にすべき値は中央値ですね、それは収入のような統計では中央値のほうが平均値よりも優れているからです。
同じ調査・仮発表での世帯月収中央値は RM4258です。

この中央値を基に且つイントラアジアの経験を加えて評すれば、 1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500 という予算は、マレーシアの生活水準から言えば、特に悪くはない額です。

なぜなら、第1にマレーシアは平均世帯人員数が4人から5人の間にあること (約4.2人とのこと)、第2に日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者の間では子供の養育費や教育費を支出することはごく少数派のはずだからです。第3に一般国民(マレーシア人)と違って将来に備えて蓄える必要もない。つまり世帯人員数 4.2人よりずっと少ない1人のまたは2人の必要経費・費用に全てを回せるからです。

とはいえ、想定額は悠々自適で贅沢な暮らしを享受する額とは言い難い。高級な住宅に住み、高級車に乗り、しばしば高級レストランに足を運び、時には国内外のリゾートに滞在する、というような、画にかいたような優雅な引退生活が全く無理なことはおわかりですよね。

この予算額の暮らしは、(精神的贅沢ではなく)経済的贅沢とは無縁の、しかし経済的にはマレーシア国民の低所得階層の悩みとはかなり無縁の、生活になることでしょう。ただし病院にしばしば通うような状態となれば、それはまた別です。

【マレーシア暮らしで生ずるであろうメリットとデメリットをできるだけ認識しましょう】

では日本での地方都市暮らし、田舎暮らしと比べて、マレーシア暮らしはどういうメリットが感じられるのか、または何を期待されているのか、これが大いに重要な要因になります。
このブログをご覧になる皆さんの間でも、マレーシア生活に期待されること、イメージされることはそれぞれ異なるはずです。この予算額でできること、できないことをそれなりに理解されたうえで、この予算額でマレーシア暮らしするメリット、期待、目的をしっかりと認識されることが必要だと思います。

イントラアジアは前にも書いたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムに興味ある方にマレーシア暮らしをお勧めします、ですから2009年以来このブログで膨大な文章を書いてきました、しかしマレーシア暮らしをするようにと説得はしません。


マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で不動産を取得する

2014年08月20日 | 規定・条件及びその解説

マレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトには、「不動産を取得することは、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加するための必要条件ではありません」と強調して書いてある。

いうまでもなく、プログラム参加者の中で住宅不動産を購入される方は少数派でしょう。外国人が購入できる住宅不動産には制限があります。例えば価格1つをとってみても、1ユニット(住居1軒)あたり日本円換算で約1千万円を超える物件にほぼ限定される。下記の掲載で示していますように、2014年から多少条件が変わりました。

そこで今回の記事では、プログラム参加者が高層住宅であれ土地付き住宅であれ、マレーシアで住居を購入することに関する、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局の規定とお知らせを訳出し、説明を付けます。


外国投資委員会(略称 FIC)の指針に沿った、外国人による不動産の取得

1.マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する

a. マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加して住宅不動産を購入することは、外国投資委員会の承認を得る必要はありません、これは2014年3月1日から施行する。
Intraasia 注:外国投資委員会(略称 FIC)とは、外国企業や外国人によるマレーシアへの投資全般に関して審査し、承認する権限を付与された委員会です。

b. 購入できる住宅ユニットの範疇は次のものを除く全ての区分です;

  • 州当局が決めることになっている、低コスト区分及び中の下コスト区分の住宅
  • マレー保留地に建てられた全ての不動産
  • ブミプトラ割当て用となっている住宅
  • 入植の概念に基づいて開発された農地に建つ住宅

Intraasia 注:原文は冗長すぎて意味が取りづらいので、箇条書きにして訳してあります。

c. 州当局が、場所、ある一つの住宅開発プロジェクトにおけるユニット数、不動産の種類に基づいて、住宅取得を決める裁量権を有する。
Intraasia 注:わかりにくい表現で舌足らずの文です。要するに、プログラム参加者が購入できる住宅はその州当局が決めた範囲内の住宅に限られる。その範囲は、住宅のある場所、住宅ユニット数、不動産の種類を考慮して、州当局が決めるということですね。

2.不動産の取得

a.住宅不動産以外の不動産を取得するには、外国投資委員会(FIC)の許可を得ることが条件となる。

b.どのような提示された購入もRM 50万を超えなければならない、ただし次の地を除く:

  • サラワク州のシブ、ミリ、クチンではRM 30万を超える
  • ペラ州のイポーではRM 35万を超える

Intraasia 注:原文の英語に間違いがあると言えそうです。提示された購入ではなく、購入する価格とすべきでしょう。要するに、販売価格がRM 50万以下の不動産は購入できない。下記の当局からの追加文書を忘れずに参照してください。

3.外国人による不動産の所有権譲渡

a. 外国人による不動産所有権の譲渡はその者の直系家族(に譲渡する場合)にだけ許される。
外国投資委員会(FIC)が定めた指針における家族の範囲:婚姻関係にある夫と妻、血族(祖父、祖母、兄弟姉妹)、継子、法律に基づいた養子

b. 遺言または裁判所の命令による不動産の譲渡の場合は、外国投資委員会(FIC)の承認は不要となる。

4.マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する際の手続き


 

上記のチャートに関して:マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する際の手続き

  • a プログラム参加者が購入するつもりの不動産を特定する
  • b ”不動産が使用に適していることを証明する書類”(通称 CFという)が発行された不動産を購入する
  • c 土地事務所や地方自治体といった関連官庁からその不動産の情報を求める
  • d 弁護士に依頼して、売買契約書に売り手側の署名をもらう

5. 不動産の売却

a. 該当不動産の購入に興味を示すマレーシア人購入者を特定する。もし購入希望者が外国人の場合は、外国投資委員会から事前に許可を得ること

b. 売買契約書に購入者が署名する(Intraasia注:もちろん売り手側も署名する)

c. 不動産の売却を関係する次の官庁に知らせる: 外国投資委員会、観光省、内国歳入庁、

【購入できる住宅不動産の最低価格 -2015年1月15日時点に改定】-マレーシアマイセカンドホーム当局発行の追加文書

マレーシアマイセカンドホームプログラムサイトでは次のように書いてある:「土地は各州の管轄下にあります。そこで購入すると決める前に、購入できる最低価格は州によって異なるので、その州の法律・規定を確認することが大切です。」

RM 100万の州:トレンガヌ州、ジョーホール州、パハン州、クアラルンプール、ヌグリスンビラン州、プトゥラジャヤ、ケダー州、クランタン州、スランゴール州の第3地区、
ただしスランゴール州の第1地区と第2地区はRM 200万

RM 50万の州:ペルリス州、サバ州、

マラッカ州:strata 所有権の場合 RM 50万、土地オーナーが所有権の場合 RM 100万

ペナン州:RM 50万(2ユニット)

ペラ州:RM 35万

サラワク州:RM 30万

Intraasia 注:ここでは当局文書の表記のまま、数字だけを書いておきました。マレーシアマイセカンドホーム当局の発表文書の常で、舌足らずで不明瞭な表現です。”購入できる最低価格” ということなので、その価格以上の物件が購入できるという意味ですね。なお本来あるべき”ユニットあたりの価格” という表現が失せている。
ペナン州の表記では、多くの人は惑うことになる、では1ユニットの最低価格はいくらなのか? なぜわざわざ2ユニットと書いてあるのだろう?
この疑問は、Malaysia Property Incorporated のサイトを見ると、購入は2ユニットまでに限られると書いてあるので、解決しました。

マレーシアマイセカンドホーム当局の公式サイトの文章と掲載している公式書式には、これまでも度々指摘したように、不明瞭、不十分、不正確な表現が目立ちます。

【不動産開発のデベロッパーとMalaysia Property Incorporated のこと】

プログラム当局は次のように書いています:我々は皆さんに、既に CF が発行されている住居を購入されるようにアドバイスします。住居をデベロッパーから購入するつもりの時は、それが評判の良いデベロッパーであることを確実にしましょう。
信頼のおける開発デベロッパーのリストは、Malaysia Property Incorporated (マレーシア不動産独立法人)と連絡を取って最新のリストを入手してください。

Malaysia Property Incorporated
Unit 6-03A & 6-05, Level 6, Menara UAC, No 12,
Jalan PJU 7/5, Mutiara Damansara,
47800 Petaling Jaya,
Selangor Darul Ehsan.

Intraasia 注:しかしながら Malaysia Property Incorporated のサイトにはデベロッパーリストは載っていません。そこでそのサイトをよく探すと、いろんな関連リンクサイトを載せたページがあるので、その中の ”Real Estate & Housing Developers’ Association Malaysia (REHDA)” が目的のサイトです。こうしてようやくデベロッパーリストが閲覧できる。

ところで Malaysia Property Incorporatedサイトにはかなりの多種多様な情報が載せてある。しかし普通のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者で住宅購入の希望者が、これら全ての情報を読んでおく必要はありません。関係するまたは興味ある部分だけを読めば、事足りるでしょう。



プログラム申請者が必ず記入する、申請書式の一部を翻訳して解説する -その1

2014年08月02日 | 規定・条件及びその解説

マレーシアマイセカンドホームプログラムに申請する、参加したい人たちが、皆一様な人たちばかりではないことは当然ですから、多様な層からなることは容易に推測できます。
そこで具体的にプログラムに申請しようとされる人たちの中で、当ブログが主対象としているのは、できればマレーシアマイセカンドホーム当局に直接申請しようとお考えの人たち、または代理業者を利用するつもりだが、申請者自身としてプログラム内容と申請条件・規定をよく知っておきたいとお考えの人たちです。

ですから、当ブログはこのブログを2009年に開設して以来、相当なる文量を費やして、規則と内容を徹底的に且つ正確に説明してきました。それに伴って多くの疑問点が現れたので、その答えを得るべく、何回もマレーシアマイセカンドホームセンターへ足を運んで、係官に疑問点を正しました。こういった疑問と返答及びいきさつも当ブログでは細かに載せてきました。

【プログラム申請には多種の書式を完成させることになる】

さてプログラム直接申請の際、申請者側が用意する書類及び記入する書式はかなり多種類になります。
記入しなければならない書式の多くはマレーシアマイセカンドホーム当局の公式サイトからダウンロードできるようになっている。その全てが PDF形式であり、英語文です。
PDFですから、印刷されたページは OSの違いに関係なく同じになる。さらに近年は提供されたPDFファイルに直接記入できるアプリも出回っていますので、PDFは便利ですね。

記入すべき書式中、直接申請する人は全員が記入することになるのが ”MALAYSIA MY SECOND HOME (MM2H) PROGRAMME、CHECKLIST FOR DIRECT APPLICATION & APPLICATION FORM FOR THE MALAYSIA MY SECOND HOME PROGRAMME & VISIT PASS APPLICATION FORM & MEDICAL REPORT & DECLARATION BY APPLICANT & AUTHORIZATION LETTER & SECURITY BOND " です。
この書式は全16ページから成り、最初の2ページがチェックリスト、13ページが記入用ページ、残り1ページが保証金額の一覧表です。

なお書式はこれですべてではなく他にもある。さらに、例えばペットの持ち込みのように、マレーシアマイセカンドホームセンターは指針を載せているだけで直接関与しない分野は、管轄する省庁のサイトへ行って規則と条件を再確認し、必要な書式をダウンロードすることになる。

【書式の英語に関して】

記入用ページの大部分は、きちんとした基本英語力をお持ちの方なら、特に理解に困ることはないでしょう。逆の言い方をすれば、そこに書かれている程度の英語がよく理解できなければ、基本英語力がないということです。
参考記事:『マレーシアで暮らすには World Englishes の英語力が必要です』- マレーシア生活の案内と知識カテゴリーに掲載しています。

しかしながら、記入用ページの一部では、多少ややこやしい表現・文章がある、または多少不明瞭・不正確な英語なので推量が必要な説明文が書かれている。さらにマレーシアにおける官庁手続きの仕組みの知識もいくらか必要です。


そこで今回の記事では、その典型的なページである "CHECKLIST FOR DIRECT APPLICATION" の第2ページ(全16ページ中の2ページ目)を訳して、イントラアジアの解説を付け加えます。なお 10.11.という数字は、そのページに元から載っている項目の番号です。

マレーシアマレーシアマイセカンドホームセンター(略称 MM2H)、
マレーシア観光と文化省

直接申請するための確認リスト

10.子供/ 養子/ 継子/ 親を被扶養者として帯同する場合は、出生証明書 / その関係を証明する法的書類の認証コピー;

Intraasia注:"/" は英語文では”または”という機能で使われている。手続きさえ踏めば、子供と親の両方を被扶養者として帯同しても構わない。

・身体障害を持った21歳以上の子供を被扶養者として帯同する場合は、専門医 / 一般医が発行する確認状(注:診断書の意味でしょう)

・プログラムの主たる申請者が、被扶養者のマレーシア滞在中のあらゆる出費と経済的要件を負担することをうたった、法定宣言書

・離婚した親が子供を被扶養者として帯同する場合は、養育権(その片方の親だけが持つ親権)を認める法的書類及びもう一方の親からそのことを認める旨の承認状

11.マレーシアに滞在できることを裏付けるための経済的能力を示す、直近3か月の銀行取引明細書の認証コピー / その他の関係ある財務書類の認証コピー

12. (主たる申請者が)雇用されているまたは年金受領者の場合は、直近3か月の給与明細書/ 収入証明書の認証コピー

・マレーシアマイセカンドホーム(MM2H)センターは次のことをお知らせします:2012年7月12日以降は、全てのマレーシアマイセカンドホームプログラムへの申請に伴って、銀行取引明細書を提出する必要がある。その取引明細書には、申請者の銀行口座に振り込まれた、給与、賃貸料、受取利息、株式、のどれかによる月収を示す、または政府認定の年金額を示す、直近3か月の預金(入金)が記されていること。

Intraasia 注:原文は文法的間違いのある且つ不明瞭な英語表現なので、意味を補って理解する必要がある。株式とだけ書かれているが、ここでは当然株配当金の意味ですね。利息や配当金を年1回しか受け取らないようでは、銀行取引明細書には現れてこないことになる。
また年金は毎月振り込まれるわけではないので、その振込が示されている取引明細書の月数が必要となるでしょう。MM2Hセンター係官のこれまでの口頭説明では、毎月振込とはならない収入や不定額収入の場合は数ヶ月間の平均を取って考慮するということです。

13.金融承諾状:提出された金融書類を確認するために、マレーシアマイセカンドホームセンターが関係する金融機関に問い合わせすることを、申請者が許可する承諾状です(この書式はマレーシアマイセカンドホームサイトからダウンロードできる)

Intraasia 注:原文は不十分且つ不明瞭な記述となっているので、その表現だけでは意味がよく取れない。そこで説明的訳文にしてあります。

重要な注記:

・全てのコピー(複写)は大使館またはマレーシアの公証人または(マレーシア)政府官吏によって原本の認証謄本であると認証される必要がある。

・原本が英語で書かれていない場合は、資格ある翻訳者による翻訳が必要であり且つ認証される必要がある。

被扶養者について:

  • ・配偶者
  • ・21歳未満で且つ未婚の子供(申請時点で、21歳に達するまで残すところ最大6か月);
  • ・主たる申請者の60歳以上である親

・親を被扶養者として含める申請は、主たる申請者の(プログラム参加への)申請が承認された後で提出すること。

・現申請に添付する全ての書類は、マレーシアマイセカンドホーム(MM2H)センターの所有物となりますので、返却はしません。

Intraasia注:奇妙な表現がある。21歳未満と書きながら、実際は20歳と6か月までということのようです。 だったら最初から20歳6か月以下と記述すべきです。
主たる申請者というのは、マレーシアマイセカンドホームプログラムに申請する本人ということです。ですからこの文章からは、主たる申請者の配偶者の親、つまり義父母、はこの範疇ではないということを意味している。
前にも書いたように、規定と条件に合致すれば主たる申請者は夫でも妻でも構わない。

承認を得た申請者に関して:

・保証金を納めなければならないのは主たる申請者分だけです

・しかしながら、申請に承認が下りて、被扶養者が新たに加わることになれば、各被扶養者分の保証金を納める必要がある。

注:原文はひどい英文なので、補って解釈します。 主たる申請者分だけと言いながら、被扶養者分も要ると、矛盾した記述です。本来なら、最初に収めるのは主たる申請者分だけであると書くべきですね。

・保証金の書式には、内国収入庁(Inland Revenue Board of Malaysia)の印紙税窓口でRM 10の印紙税を払った証明となる印章が押されていなければならない。

Intraasia 注:いわゆる税務署である内国収入庁の各支所には一般に、印紙税窓口がある。そこで規定料金を払うことで、書類に印章を押してもらう仕組みです。

・保証金は現金で支払うかまたは、受取人をKETUA PENGARAH IMIGRESEN MALAYSIAとした銀行為替手形(bank draft)で支払うこと。

・プログラム参加者 / 被扶養者がマレーシアマイセカンドホームプログラムから退出する場合は、その保証金の額を引き出すことができる。

保証金の額は、申請者/ 参加者の出身国によって異なる。出身国別保証金額一覧表を参照してください。

Intraasia 注:上段で言及したように、この書式の16ページ目に保証金額一覧表が載っている。

【イントラアジアのひとこと】
以上、このようにこの第2ページ(2ページ目)は、いささか理解が難しいページです。具体的にプログラム申請に進まれる予定の方は、ここで記述したことを踏まえてから、マレーシアマイセカンドホーム当局のサイトで対象書式をダウンロードして、原文を読んでみることをお勧めします。


マレーシアマイセカンドホームプログラムの2014年4か月間の新規参加者数を分析

2014年07月14日 | 参加者数の統計と解説

観光省翼下にあるマレーシアマイセカンドホーム当局はごく最近、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2014年4か月間の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました

注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホーム当局または観光省がそれぞれの公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員による口頭説明を基にしています(他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません)。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2014年4か月間の特徴 

  • 日本人の参加者数は対前年同期比で 32%減少した。
  • 中国からの参加者数が全体の過半数を占める傾向が年初から続いている。

【2014年1月から4月までの、マレーシアマイセカンドホームプログラムの新規参加者数】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことを言う。

A. 日本の新規参加者数 -月別統計
1月 49人、2月 52人、3月 35人、4月 26人、5月 人、6月 人
4月までの計:162人

参考までに過去2年間の新規参加者数を月別に示します:
2013年:1月 78人、2月 42人、3月 59人、4月 59人、5月 48人、6月 47人
    7月 44人、8月 58人、9月 68人、10月 70人、11月 13人、12月 153人、

2012年:1月 42人、2月 83人、3月 99人、4月 49人、5月 47人、6月 69人、
    7月 65人、8月 104人、9月 69人、10月 84人、11月 70人、12月 35人、

従って2014年4か月間は、昨年同期間の合計 238人より76人少なく、減少率 32%である。下記に示した2014年4か月間の全世界の新規参加者数は 40%増加しているので、日本は減少が目立つことになる。

B. 国別の4か月間の新規参加者数
1位:中国 734人、 2位:日本 162人、3位:バングラデシュ:119人、4位:韓国 44人、5位:英国 43人、 
6位:台湾 37人、7位:シンガポール 29人、7位 パキスタン 29人、9位以下はごく少ない人数です。

C. 世界中からの新規参加者数合計
世界各国からの 2014年4か月間の新規参加者数の合計 1401人、 
比較として 2013年4か月間の合計は 999人。従って2014年は対前年同期比で 402人多く、40%も増加している。


【イントラアジアの分析とコメント】
当ブログにまだ馴染みのない方はあらかじめ、2014年3月20日付け記事『改定:マレーシアマイセカンドホームプログラムの2013年の新規参加者数を分析 - 日本は 739人』に目を通されることをお勧めします。

1.日本の新規参加者数の小計は、過去2年のそれと比べると明らかに減少している。4か月間の小計をみると、2012年が273人、2013年が238人です。つまり対前年同期比で 32%減です。日本の今年2か月間の小計時点では16%減だったので、減少度が増えている。

1か月平均の参加者数が 40人であることを見れば、中国を除く他国より依然としてずっと多いが、日本の過去2年の1か月平均参加者数との比較ではかなり減少していると言える。
2012年と2013年の2年間は日本にとって参加者数が相当多い年であった、本来は今年2014年ぐらいのペースが自然なことかもしれない。
とはいえ、まだ1年の3分1が経過した数字です。今後参加者数ペースが増えるかもしれません、残り8か月間に期待したいところです。

2. 中国は月平均183人もの参加者数であり、対前年同期比で実に 2.4倍強と驚異的に増えている。2012年、2013年の年間順位は、中国が1位、日本が2位、バングラデシュが3位なので、2014年4か月時点でも順位傾向は変わっていないが、その中身は大いに変化している。

3. 世界各国からの新規参加者数合計が昨年同時期比で40%も増加したといっても、その中身は中国が上記のように2.4倍強も増えたからです。中国1か国で世界中からの新規参加者数の 52%も占めている。

4. 2013年1年間の統計では中国が突出した1位であり、全体の36%も占める現象は際立つ、とイントラアジアは今年3月に掲載した記事の中で書いた。しかしもはや、中国からの新規参加者数は突出を超えてマレーシアマイセカンドホームプログラムを独占している。

中国だからということではなく(仮に日本が独占国の場合でも)、ある1か国からの参加者が全体の過半数を占めるという状況は、プログラムにとって不健康な状況であり、プログラムが持つ理念を逸脱させてしまっている。
中国からの新規参加者がこれほどまでに他国を圧倒している状況は、中国人申請者を扱うプログラム代理業者と中国人参加者を主対象として不動産開発を進める不動産デベロッパーとその代理業者が喜ぶだけですね。

こういう見方と分析は、『マレーシアマイセカンドホームプログラムの2014年2か月間の新規参加者数を分析』-2014年5月26日付け記事で既に表明していますので、その記事をご覧ください。

【マレーシアをお勧めします、でも説得はしません】
最後に、プログラム全体を論じるという観点とは離れて述べましょう。

イントラアジアは1990年代初期以来20数年間マレーシアに強く関わってきました。といってマレーシア1国主義者ではなく、約40年に渡ってヨーロッパ、東南アジア、米国、アフリカ、オセアニアなど世界各地を訪れてきたまたは滞在してきた人間です。

こうしたことを背景にして、シニア世代の方々にマレーシアで住んでみるのはなかなか良いですよ、とずっとお勧めしています。しかし是非マレーシアを選んだ方がいいと説得することはありませんし、当ブログはそういう場ではありません。

”日本人の海外移住先 No1の人気国”といったような宣伝文句はしょせん泡沫(うたかた)の文句ですから、イントラアジアにはどうでもいいです。当ブログが時々強調しているように 「”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人” を応援します。」 なのです。

年金額月10万円でも工夫と意識の持ちようでマレーシアでちゃんと暮らせます。
参考: 『月額10万円に満たない年金でもマレーシアロングステイはできる』 - 画面左にあるカテゴリー ”総論と分析と考察から” に載せている。
泡沫の文句に捉われない、できるならばマレーシアに住んでみたい、そんな人たちに向けて、当ブログは発信しています。