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マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラムの2014年10か月間の新規参加者数を分析

2014年12月21日 | 参加者数の統計と解説

観光省翼下にあるマレーシアマイセカンドホーム当局はごく最近(2014年12月中旬だと推測される)、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2014年10か月間の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました。

注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホーム当局または観光省がそれぞれの公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員による口頭説明を基にしています。他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2014年10か月間の特徴 

  • 日本人の参加者数は対前年同期間比で 43%減少した。
  • 中国からの参加者数が全体の半数近くを占める寡占状態が続いている。

 【2014年1月から10月までの、マレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことをいう。

A. 日本の新規参加者数 -月別統計
1月 49人、2月 52人、3月 35人、4月 26人、5月 41人、6月 16人
7月 16人、8月 15人、9月 57人、10月 21人、11月 人、12月 人
10月までの計:328人

参考までに過去2年間の新規参加者数を月別に示します:
2013年:1月 78人、2月 42人、3月 59人、4月 59人、5月 48人、6月 47人
    7月 44人、8月 58人、9月 68人、10月 70人、11月 13人、12月 153人、年間合計 739人

2012年:1月 42人、2月 83人、3月 99人、4月 49人、5月 47人、6月 69人、
    7月 65人、8月 104人、9月 69人、10月 84人、11月 70人、12月 35人、年間合計 816人、

従って2014年10か月間は、昨年同期間の合計 573人より245人も少なく、減少率 43%である。下記に示した2014年10か月間の世界中からの新規参加者数は対前年同期間比で 1%の微増なので、日本の減少率は目立つことになる。

B. 国別の10か月間の新規参加者数
1位:中国 1,225人、 2位:日本 328人、3位:バングラデシュ:231人、4位:韓国 99人、5位:英国 86人、
6位:台湾 81人、7位:シンガポール 74人、8位 パキスタン 57人、9位 インドとオーストラリア 各45人、これ以下はごく少ない人数です。

C. 世界中からの新規参加者数合計
世界各国からの 2014年10か月間の新規参加者数の合計 2,669人、 
比較として 2013年10か月間の合計は 2,646人。従って2014年は対前年同期比で 23人増えており、1%の微増です。

注意:公式サイトに今回の更新直前まで掲載されていた統計では2014年6月は全ての国でゼロ計上されていたが、今回の更新統計でそれが修正された。そこで日本を含めて7か月間統計の時点での数字には変化がある。
マレーシアマイセカンドホーム当局の統計修正は初めてのことではないし、イントラアジアは以前の記事で修正の可能性を示唆しておきました。そこで今回の更新統計を最新データとみなせばよい。

【イントラアジアの分析とコメント】
当ブログにまだ馴染みのない方はあらかじめ、画面左に表示されているカテゴリー欄の『参加者数の統計と解説』をクリックして、数編の記事にまず目を通されることをお勧めします。

1.日本の新規参加者数の10か月間小計をみると、2012年が 711人、2013年が 573人、2014年は 328人ですから、2014年は去年に比べて大幅に減少、2012年に比べたら半減している。しかし2012年と2013年の2年間は、日本として異常に多人数の新規参加者を記録した年と言えるので、今年2014年は減少傾向にあるというよりも、むしろそれ以前である2011年のようなペースに戻ったと評せます。

そもそも過去2年間は、理由はよく知らないが、定年後の海外移住先としてマレーシアがもてはやされ申請者数激増のブームになった。そしてその一過性の高揚期が終わって本来の年間申請者数ペースに戻ったとみる方が自然ではないでしょうか。定年後の海外移住先にブームなど不要です。

2. 中国は10か月間で1,225人、月平均122人もの参加者数です。前年同期間は914人だったので34%増とかなりの増加率です。世界各国からの新規参加者数合計が昨年同時期比で1%の微増の中、中国の増加はやはり目立つ、中国のおかげで各国から合計が減少せず微増になったといえる。
従って今回中国が新規参加者全体に占める割合は7か月時点より数パーセント減ったとはいえ、46%も占める寡占状態に変わりはない。

3. 2012年、2013年の国別年間順位は、中国が1位、日本が2位、バングラデシュが3位でした、そして2014年10か月時点でも順位傾向は変わっていない。この3か国は他国より抜きん出て多く、3年連続この順位を占めることはほぼ間違いない。

4. この部分はまた書くことになります。もはや、中国からの新規参加者数は突出を超えてマレーシアマイセカンドホームプログラムを独占している。
中国だからということではなく(仮に日本が独占国の場合でも)、ある1か国からの参加者が全体の半分ほども占めるという状況は、プログラムにとって不健康な状況であり、プログラムが持つ理念を逸脱させてしまっている。
中国からの新規参加者がこれほどまでに他国を圧倒している状況は、中国人申請者を扱うプログラム代理業者と中国人参加者を主対象として不動産開発を進める不動産デベロッパーとその代理業者が喜ぶだけですね。


年末のごあいさつ

今年は円安が進み、従って日本円対リンギットの為替相場でもかなり円の価値が下がりました。2014年12月中旬時点で外為レートは 2.9を切っている。この意味は現金 1万円を両替すると、手にする金額が RM 290にも満たないということです。

円安時代にはそれに適応した滞在生活が必要となる。今年掲載した 『円安時代に月予算額として1人なら10万円、夫婦なら15万円で暮らす、マレーシアマイセカンドホーム生活』 記事をお読みになっていない方は、クリックして是非ご覧ください。 年金額月10万円でも工夫と意識の持ちようでマレーシアでちゃんと暮らせますよ。

当ブログは2009年3月に開設して以来、コツコツと地道に記事を増やしてきました。当初からなんら宣伝はしておらず、検索サイトと読者の口コミだけを頼りにしています。そんな中で読者数累計20万人目前となり、年末には達しそうです。これまで当ブログを訪問された皆さん、ありがとうございます。

以前書いた一節を繰り返しておきます:当ブログは、シニア世代の方々にマレーシアで住んでみるのはなかなか良いですよ、とずっとお勧めしています。しかし是非マレーシアを選んだ方がいいと説得することはありませんし、当ブログはそういう場ではありません。
”日本人の海外移住先 No1の人気国”といったような宣伝文句はしょせん泡沫(うたかた)の文句ですから、イントラアジアにはどうでもいいです。当ブログが時々強調しているように 「”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人”を応援します。」 なのです。

良いお年を、そして来年も当ブログをご愛読ください。


クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載、 シリーズ第8回

2014年12月04日 | マレーシアの住居知識と情報

これまで『クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載』を既に第1回から第7回まで掲載しました。

初めてご覧になる方は、まず始めに 2013年2月19日付け記事  『クアラルンプール圏及びペナン島の住宅写真と地図の連載を始めました』  をご覧ください。当ブログページ左側にあるカテゴリーの中から ”マレーシアの住居知識と情報”をクリックすると見つけやすいですよ。

【Picasa ウエブアルバムの閲覧にあたって】

閲覧のための説明です:

  • 当ブログの記事内にPicasa ウエブアルバムの都市写真シリーズへのリンクを示します。
  • そのタイトル(写真と地図、シリーズ何回)をクリックすると別ページで開きます。
  • Picasaのメンバーに登録していなくても、もちろん閲覧できる。
  • 写真を1枚づつクリックすると、その地理位置がGoogle 地図でわかる。
  • 地図は閲覧者が拡大したり位置を移動することができますので、読者の見やすい形でご覧になれます。
  • 写真をスライドショーにして連続してみることもできる。
  • 全ての写真には短い説明を付けました。
  • 詳しいことは、ウエブ上で Picasa のヘルプをクリックして知ることもできる。

『クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載シリーズ』は閲覧だけなら特に細かな Picasa操作知識は要りませんので、誰でも容易に閲覧できます。

注意点
1.Picasa ウエブアルバムでは閲覧者のOSまたはブラウザーの種類を判断して、自動的にカタカナが一部表示される仕組みになっている。これは非常におせっかいな機能です。カタカナ読みは間違いが多いので一切無視してください。(おそらく何語であれ一律に英語読みするプログラムになっていることから、マレーシアにおける発音とかけ離れている)

2.Goole マップは決して最新地図情報を示していません。クアラルンプール圏だけを見ても比較的最近の情報と思える地域部分もあれば、5年以上前ではなかろうかと思えるような地域部分も一杯あります。ペナン島も同様です。最近の新興開発地・施設はほとんど表示されていないと考えておいた方が無難です。

この点を踏まえた上で、Googleマップは大いに有用な場所知識を与えてくれます。

【クアラルンプール圏の住宅写真と地図、 シリーズ第8回】

クアラルンプール圏の住宅写真と地図 - シリーズ第8回


【イントラアジアのひとこと】

クアラルンプール圏に限りませんが、住宅写真と地図 シリーズで掲載している写真は全て、イントラアジアが公共交通機関のバス、電車を使って移動し、徒歩で歩き回って撮影した写真です。
自家用車やタクシーに乗らないと行けないような撮影場所はありません。つまり一部の遠景ズーム写真を除いて、被写体になっている住居や目印のショッピングセンターなどは全て、徒歩、バス、電車で到達できます。

【 Intraasia から2016年8月末のお知らせ】
Google が Picasa ウェブ アルバム利用者に次のようなお知らせ(抜粋)を送ってきました。
2016 年 5 月 1 日をもって、Picasa ウェブ アルバムはサービスを終了します。
ご利用いただけなくなるリンク
・ウェブサイトに埋め込まれたスライドショー。
・ウェブサイトに埋め込まれた Picasa ウェブ アルバムのアルバムや写真

Picasa ウェブ アルバムのサービス終了後は、以下の機能をご利用ください。
・あらゆるアルバムやメタデータはアルバム アーカイブからご覧いただけます。

ということで、当ブログで掲載している『クアラルンプール圏/ ペナン島の住宅写真と地図の連載シリーズ』でリンクしている Picasa ウェブ アルバム は全て無効となりました。写真の説明、Googleマップ上への位置表示などのデータは全て抹消されたようで、もう見ることができません。

唯一残されたデータは、アルバム アーカイブに自動移行された住宅の写真だけです。つまり『住宅写真と地図の連載シリーズ』における情報は全ての住宅写真が閲覧できるが、説明もマップもありません。

 Picasa ウェブ アルバムは何年か前に、Googleが買収して翼下に収めました。その数年後 Googleは廃止を決めた。Web サービスの存廃や変更は頻繁であることが知られているように、提供元企業の恣意的判断下にあるということを示す一例ですね。


マレーシアマイセカンドホームプログラムの参加を終了する際に必要なこと

2014年11月17日 | 規定・条件及びその解説

マレーシアマイセカンドホーム公式サイトには、プログラム参加者が参加を終える場合のことも載っている。今回の記事ではこの件を扱います。
サイトに載っているのは、そのための手続き説明とダウンロードできる書式です。以下はその文書を訳したものであり、イントラアジアの注も加えました。

【プログラム参加の終了と定期預金の解約】
    -プログラム当局掲載文書の更新日 2014年4月30日付け-

マレーシアマイセカンドホームプログラム(略称 MM2H)への参加を終了し、定期預金を解約して預金額を引き出すための手順と必要書類を次に掲げます:

第1段階:定期預金を下ろす(解約する)ための書類を提出する

その際マレーシアマイセカンドホームセンターに提出する書類を次に示す:

  • マレーシアマイセカンドホームプログラムの参加を終了させることから、定期預金を下ろす意図を述べた書状、
  • 主たる参加者のパスポートのコピー(個人情報の載ったページとMM2H 社会訪問パスが捺されたページだけでよい)
  • 条件付き承認状のコピー
  • 定期預金証書のコピー
  • (出国するための)航空券のコピー

注記:処理に要する日数は、不備のない完全な書類が提出されてから3労働日です。

Intraasia注:マレーシアマイセカンドホームプログラムに限らず、昔から雇用パス返納などの場合でも同じように、出国用航空券の提示が求められる。つまり何らかのマレーシア滞在を認められるパス(許可証)を得てマレーシアに滞在した後、そのパスが終了する際には、出身国・自国へ帰国する証拠としての航空券の提示が条件となっている。シンガポールやタイなどマレーシアの隣国へ出国する航空券では認められないのが普通です(例外はあるかもしれないが)。
現在では、 AirAsia のようにチケットレス航空会社もある。その場合は購入した航空便の明細が示されている航空旅程書ということになるでしょう。
 
第2段階:マレーシアマイセカンドホームプログラム下での社会訪問パスを終了させる(打ち切る)
 Intraasia注:パス(滞在許可証)です、ビザ(入国査証)ではありませんよ。こういう基本単語を間違えないように。

(このパスを発行された、終了する)申請者とプログラム下での被扶養者がイミグレセン(Imigresen)の該当部署または各州のイミグレセン(Imigresen)に現れる必要がある。

Intraasia注:書状ではだめであり、本人たちが直接イミグレセンへ行かなければならない、ということです。

その際に次の書類を携帯すること:

  • 申請者による社会訪問パスを打ち切って欲しいとの意図を述べた書状
  • 観光と文化省が発行する、定期預金を下ろすことを認める承認状
  • パスポート(コピーではない)
  • 出国用航空券とそのコピー
  • (もし発行を受けて保有しておれば)I-Card

注記:処理に必要な日数は1労働日です。
 
第3段階:預けた銀行から定期預金の残高を引き出す
 
定期預金を下ろすためには、次の書類を銀行へ必ず持参すること:

  • マレーシアマイセカンドホームプログラム(MM2H)下の社会訪問パスが終了した(打ち切られた)パスポート
  • 観光と文化省が発行する、定期預金を下ろすことを認める承諾状
  • 定期預金証書

次のことに留意してください。終了を意図する書状に書かれたようではなく、マレーシアマイセカンドホームプログラム(MM2H)下の社会訪問パスを終了させずに定期預金を下ろして、マレーシアから出国しようとすれば、その社会訪問パスはイミグレセン(Imigresen)システム上で自動的に取り消されます。その結果、その人は許可なくマレーシアに滞在する滞在超過者とみなされ、法的対処を受けることを免れません。
Intraasia注:マレーシアマイセカンドホームサイトの文章に珍しいことではありませんが、この1節は原文の英語自体が一部間違っているので、補って訳しています。


【プログラム参加の終了に伴った保証金の返金】

[ダウンロード] プログラム参加の終了に伴う保証金返還の指針
[ダウンロード] プログラム参加の終了に伴う保証金返還の書式

Intraasia注:マレーシアマイセカンドホームサイトでダウンロードできる2つの文書の内、保証金返還の指針を以下に訳します。なお書式は1ページだけのごく簡単な記入内容です。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加を終了する際に保証金の返金を受けるための指針

マレーシアマイセカンドホームプログラムの参加を終えるつもりの参加者は、最初に承認を得る時点で預けた保証金の返金を請求することが認められています。

そのためには、次の手順に従ってください:
1. (上記の)書式をダウンロードする。

2.この書式に加えて次の書類を添えて、マレーシアマイセカンドホームセンター内にあるイミグレセン(Imigresen)部門に提出する:
a. 保証金の返金を請求する意図を述べた書状
b. 保証金を預けた時に渡された受領証(コピーは不可)
c. 主たる参加者本人のパスポートのコピー(個人情報とマレーシアマイセカンドホーム社会訪問パスが載っているページ)
d. 銀行の取引明細書
e. 条件付き承認状のコピー
f. 参加終了の書状のコピー
g. 自国へ帰る航空券のコピー

3. 必要書類が不備なく完全に揃っている申請だけを処理することに、留意してください。

4. 処理には 3から7労働日かかることをご承知おきください。

5. 保証金の返金は申請者の銀行口座に直接振り込みます。
Intraasia: もちろん、マレーシアの銀行口座です。銀行の普通預金口座を閉鎖したければ、マレーシアを離れる直前に閉鎖すればいいのです。

【Intraasia のコメント】

これから新たにマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加される方は、参加終了の際にどのような書類が必要になるかをある程度知っておきましょう。
条件付き承認状、保証金の受領証といった書類はなくしてはいけないことがおわかりですね。
プログラム参加を終えた翌日に社会訪問パスが打ち切られることはなく、イミグレセン(Imigresen)の係官は当然必要日数を見込んでいます。


マレーシアマイセカンドホーム当局が発した、定期預金に関する2つのお知らせの内容とその背景を推測する

2014年11月02日 | 規定・条件及びその解説

マレーシアマイセカンドホームプログラム当局は2014年9月15日付けで、定期預金に関するお知らせの第2弾を発表しました。
その具体的な内容を説明する前にまずプログラム参加条件の中で、定期預金に関係する規定をおさらいしておきます(これは既に当ブログで複数の記事に渡って詳細に説明していることです)。

50歳以上の者の承認に際しては次のどちらかを選択できる:
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 15万を預ける、
または
・政府認定の年金額が毎月 RM 1万あることを証明する

50歳未満の者の場合は、定期預金口座の額がRM 30万になる。いうまでもなく年金額の選択はありません。

プログラム当局は発表したお知らせの第1弾については、2014年6月末掲載の次の記事をクリックしてまずご覧ください: 『プログラム参加者が参加条件の1つとして開設する定期預金口座は移管できない、というお知らせを解説する』

その記事内でイントラアジアのコメントとして次のように書きました:「そもそもマレーシアマイセカンドホーム当局は、なぜ定期預金口座の移管を認めていたのであろうか?
中略
マレーシアマイセカンドホームセンターが参加者のこういった一連の行為を全て監視しているとは思えない。さらに各銀行が、参加者がその銀行に開設している定期預金口座に関してマレーシアマイセカンドホームセンターに毎年定期報告している、といったことはありえない。
要するに、口座移管を認めることは、不正行為が発生する可能性が生まれる芽を作っているといえそうです。」

今回発表された第2弾はイントラアジアのコメントで指摘したことに関係しているかのような推測を抱きます。
そこでプログラム当局が発表したお知らせを次に載せます。

【定期預金はプログラム当局が指定した銀行に預けること、というお知らせ -2014年9月15日付け】

全てのマレーシアマイセカンドホーム(MM2H)参加者は定期預金口座を開設する際は、マレーシアマイセカンドホームセンターが示した銀行リストに載っている銀行だけを選ばなければなりません。この規定は2014年10月1日から実施する。
この銀行リストは公式サイトの"Fixed Deposit Account" 項目内の"Panel of Banks"に載っています。
以上

その銀行リストをここに載せておきます:
AFFIN BANK BERHAD
ALLIANCE BANK MALAYSIA BERHAD
AMBANK BANK BERHAD
BANK OF CHINA (MALAYSIA) BERHAD
CIMB BANK BERHAD
HONG LEONG BANK BERHAD
HSBC BANK MALAYSIA BERHAD
INDUSTRIAL AND COMMERCIAL BANK OF CHINA (MALAYSIA) BERHAD
MAYBANK (MALAYSIA) BERHAD
PUBLIC BANK BERHAD

【イントラアジアのコメント】

現時点では10行の銀行名が載っている。なお マレーシア語単語である BERHAD とは、ブルハットと発音して、全てではないが一般的には上場会社を意味する。

お知らせには、既に以前からのプログラム参加者の場合はどうなるのかの説明がありません。常識的に捉えれば、そういう既参加者の場合はこの新規定の対象外となるでしょう。既参加者がプログラム参加後の10年更新の際に、銀行リストの銀行へ定期預金の預け直しを指示されるかもしれませんが、マレーシアマイセカンドホームプログラムサイトの文章の常で、舌足らずなお知らせです。

それよりもイントラアジアが指摘したいことがある。10行中の2行が中国の銀行だ、現地法人とはいえなぜわざわざ中国の外資銀行を2校も含めているのか、理解に苦しむ。
もちろん近年のプログラム参加者数で過半数を占める中国人参加者への便宜を図ってのことだろうが、あまりにも”中国人参加者への便宜”が過ぎる。

なぜならマレーシアマイセカンドホームプログラムは、マレーシアに益をもたらす狙いで国が定めた引退者・移住者対象の在住優遇プログラムのはずだからです。定期預金ぐらいはマレーシア資本の銀行に預けさせるべきであり、それは参加者にとってなんら難しいことではない。

外資銀行をあげるならばまず、マレーシアの地で100年前後も営業しており、国内に複数の支店網を持つ Standard Chartered Bank Malaysia と HSBC Malaysia という老舗の銀行です。HSBC は上記10行の1つに含まれていますね。
さらに中国の銀行2校がマレーシアに設立されるより前からマレーシアで外銀として営業しているはずのいくつもの外資銀行がある、例えばオランダ、英国、日本、複数の中東国家など。なおこれらの外資銀行は支店網がない。
だから外資銀行の中で、中国の銀行中の2行が銀行リストに加えてあるのは、かなり中国人向けに便宜を図った扱いという感じをぬぐえない。

マレーシアマイセカンドホームプログラムではこの数年中国からの参加者が過半数を占めるという独占状態になってしまった、加えて定期預金預けの指定銀行に中国の銀行2行まで加えている。
プログラムをある特定の1か国からだけの参加者が独占するような状態は良くない、1か国の参加者のためにより便宜を図るような方向性にすべきではない。マレーシアマイセカンドホームプログラムを2003年の開始時以来観察し解説している者として、残念に思います。

【マレーシアマイセカンドホームセンターで尋ねた】

2014年9月下旬に Putrajayaのマレーシアマイセカンドホームセンターを訪れて、担当職員に会い、この統計の奇妙さを含めて公式サイトにいくつもある不明瞭な文章や疑問点を尋ねました(会話は主としてマレーシア語です)。なお担当職員とはセンターの窓口で書類受付をしている女性たちのことではありません。

定期預金の件だけは、別の職員が現れて手短に説明してくれました。
その説明の中に、公式サイトの”Fixed Deposit Account(定期預金口座)”のページにも、ここで紹介している”お知らせ”にも書かれていないことがありました:それは指定銀行であってもプログラム参加者が定期預金口座の開設ができるのは、本店及び支店の場合はごく限られた支店に限られるということです。

サイトで該当ページを開き、10行載っているリストからある銀行名をクリックすると、本店の住所などが表示される。中には Public Bank のように限定数の支店名も表示される銀行もあるが、2014年9月時点では本店だけの銀行が過半数を占める。要するに、銀行リストに載っていない支店には定期預金口座を開設できないということです。
その職員の話では、定期預金口座開設ができる支店名は今後増えていくでしょう、とのことでした。従って最新の銀行名と支店名は公式サイトの該当ページで確認してください。
上記の『プログラム参加者が参加条件の1つとして開設する定期預金口座は移管できない、というお知らせを解説する』内でイントラアジアが指摘した、推測した点はほぼ正しかったようです。

要するに、プログラム参加者が、マレーシアに数多くある銀行の中で任意の銀行本店またはその支店に定期預金口座を開設しては、プログラム当局はとても把握できない。定期預金口座はプログラム参加当初は必ず開設することになるが、その後の推移全てをプログラム当局が管理するわけではない。 10年後のプログラム参加更新時に改めて定期預金口座保持の確認はします。

銀行または支店の中には、プログラム当局の承認なしには解約、預け直しなどはできないというマレーシアマイセカンドホームの規定をよく知らない窓口が出てきても不思議ではない。
そこでマレーシアマイセカンドホームプログラム当局は、前回のお知らせで定期預金口座の移管を禁止し、今回のお知らせで参加者が預けられる銀行と支店をごく限定した、ということでしょう。

定期預金関連を担当する職員の説明とイントラアジアの返答から、以上のような推測がほぼ正しかったことがわかりました。


その後マレーシアマイセカンドホームサイトに、また新たに定期預金に関するお知らせ、2014年10月17日付け、が掲載されました。以下はそのお知らせ内容です。

【マレーシアマイセカンドホーム(MM2H) プログラム下における定期預金に関して】
 -2014年10月17日、 マレーシアマイセカンドホームセンター

定期預金はマレーシア国内のどの銀行にも預けられます。
その定期預金を引き出すためには、マレーシアマイセカンドホームセンターの事前承認を得なければなりません。この条件に従わなかった場合は、マレーシアマイセカンドホーム(で交付された)社会訪問パスと多重回数入国査証を直ちに取り消しすことになります。
注:次の最後の一行は英語自体が少し間違っているが次のような意味です、
マレーシアマイセカンドホーム専用窓口を備えた銀行は Bank of China と Public Bank です。

【イントラアジアのコメント】

この10月17日付けお知らせを掲載した頃でしょう、プログラム当局は上段で紹介した【定期預金はプログラム当局が指定した銀行に預けることというお知らせ -2014年9月15日付け】をマレーシアマイセカンドホームサイトから削除してしまいました。サイト内を探しても見つかりません。
プログラム当局が公式にお知らせとして掲載したものを後日削除するというのは本来あるべき行為ではありませんね。「何月何日付けお知らせを次のように変更/修正する」といった文言を入れて、新しいお知らせを出すべきです。

マレーシアマイセカンドホームサイトでは、過去に通知を出したお知らせを2014年、2013年、2012年、というように各年毎にまとめて掲載している。過去のお知らせを保存して載せている以上、一度掲載したお知らせを恣意的に削除するというのは、役所のプロトコルにも違反すると言える。

【外国人の長期居住者、移住者優遇プログラムは常に悪用される可能性を潜めている】

マレーシアマイセカンドホームプログラム当局がプログラム参加者に対して、「定期預金口座の移管を禁止する -2014年6月25日付け」、次いで「定期預金口座をプログラム当局の事前承認なく解約してはいけない」 というお知らせを続けざまに発表したことは、要するに次の事象が少なからず起きていたことを推測させるに十分足ります:

・参加者が、定期預金口座を移管するとの名目で預けていた銀行の定期預金口座を解約した後も、別の銀行に定期預金口座を開設しない。
・参加者がプログラム当局が知らないうちに勝手に定期預金口座を解約してしまう。

国内に何百とある銀行支店で、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者として必須の定期預金口座を開設する。しかし何百とある支店の窓口担当者全てが、マレーシアマイセカンドホームプログラムの規定をよく知っていることは期待できない。中にはほとんど知らないまたはうっかりして、参加者による定期預金口座の解約を認めてしまうことは十分考えられる。

マレーシアマイセカンドホームプログラム当局は、参加者の定期預金口座をオンラインで監視しているわけではない、そもそも他人の銀行口座を外部が監視することが許されないのは言うまでもない。従って参加者による勝手な口座解約や移管をプログラム当局はよく把握できないのは明らかです。

プログラムの規定上、参加者が銀行に定期預金口座を開設して預けなければならない額は RM 15万/ 30万です、この額はかなりの額になる。そこで、自分でその資金を工面できない参加者が誰かにまたはどこかの組織に一時的に金を都合してもらい、1年位経ってから解約してしまい、借りた相手に返却する。この種の手口が起きてきたことは単なる推測にすぎないとは思いません。

だからこそ、プログラム当局はいかに参加者に定期預金口座規定を確実に守らせるかに苦慮していることだろうと思われます。

外国籍の人が一度プログラムに参加を認められれば、10年間は無条件でマレーシアに滞在でき且つ自由に出入国できる。これはある種の良からぬ目的を持った人たちまたはある国の人たちにとっては、願ってもない好条件です。
プログラム参加者は一切のビジネス行為を禁止されているし、当局から許可を得たうえで規定時間以内しか働けない。しかし、隠れて商売・ビジネスをする、無許可で働く、偽装結婚しやすい、何らかの個人背景を隠す、などといった違法行為をしたい人が世の中にいるだろうことは、想像に難くない。

マレーシアマイセカンドホームプログラムのような、移住者優遇プログラムは常に悪用される可能性がある、これは世界共通のことでしょう。


クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載、 シリーズ第7回

2014年10月15日 | マレーシアの住居知識と情報

これまで『クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載』を既に第1回から第6回まで掲載しました。

初めてご覧になる方は、まず始めに 2013年2月19日付け記事- 『クアラルンプール圏及びペナン島の住宅写真と地図の連載を始めました』 をご覧ください。当ブログページ左側にあるカテゴリーの中から ”マレーシアの住居知識と情報” をクリックすると見つけやすいですよ。

【Picasa ウエブアルバムの閲覧にあたって】

閲覧のための説明です:

  • 当ブログの記事内にPicasa ウエブアルバムの都市写真シリーズへのリンクを示します。
  • そのタイトル(写真と地図、シリーズ何回)をクリックすると別ページで開きます。
  • Picasa のメンバーに登録していなくても、もちろん閲覧できる。
  • 写真を1枚づつクリックすると、その地理位置がGoogle 地図でわかる。
  • 地図は閲覧者が拡大したり位置を移動することができますので、読者の見やすい形でご覧になれます。
  • 写真をスライドショーにして連続してみることもできる。
  • 全ての写真には短い説明を付けました。
  • 詳しいことは、ウエブ上で Picasa のヘルプをクリックして知ることもできる。
  • 『クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載シリーズ』は閲覧だけなら特に細かな Picasa 操作知識は要りませんので、誰でも容易に閲覧できます。

注意点

1.Picasa ウエブアルバムでは閲覧者のOSまたはブラウザーの種類を判断して、自動的にカタカナが一部表示される仕組みになっている。これは非常におせっかいな機能です。カタカナ読みは間違いが多いので一切無視してください。(おそらく何語であれ一律に英語読みするプログラムになっていることから、マレーシアにおける発音とかけ離れている)

2.Goole マップは決して最新地図情報を示していません。クアラルンプール圏だけを見ても比較的最近の情報と思える地域部分もあれば、5年以上前ではなかろうかと思えるような地域部分も一杯あります。ペナン島も同様です。最近の新興開発地・施設はほとんど表示されていないと考えておいた方が無難です。

この点を踏まえた上で、Googleマップは大いに有用な場所知識を与えてくれます。

【クアラルンプール圏の住宅写真と地図、 シリーズ第7回】

クアラルンプール圏の住宅写真と地図 - シリーズ第7回


【イントラアジアのひとこと】

クアラルンプール圏に限りませんが、住宅写真と地図 シリーズで掲載している写真は全て、イントラアジアが公共交通機関のバス、電車を使って移動し、徒歩で歩き回って撮影した写真です。
自家用車やタクシーに乗らないと行けないような撮影場所はありません。つまり一部の遠景ズーム写真を除いて、被写体になっている住居や目印のショッピングセンターなどは全て、徒歩、バス、電車で到達できます。

【 Intraasia から2016年8月末のお知らせ】
Google が Picasa ウェブ アルバム利用者に次のようなお知らせ(抜粋)を送ってきました。
2016 年 5 月 1 日をもって、Picasa ウェブ アルバムはサービスを終了します。
ご利用いただけなくなるリンク
・ウェブサイトに埋め込まれたスライドショー。
・ウェブサイトに埋め込まれた Picasa ウェブ アルバムのアルバムや写真

Picasa ウェブ アルバムのサービス終了後は、以下の機能をご利用ください。
・あらゆるアルバムやメタデータはアルバム アーカイブからご覧いただけます。

ということで、当ブログで掲載している『クアラルンプール圏/ ペナン島の住宅写真と地図の連載シリーズ』でリンクしている Picasa ウェブ アルバム は全て無効となりました。写真の説明、Googleマップ上への位置表示などのデータは全て抹消されたようで、もう見ることができません。

唯一残されたデータは、アルバム アーカイブに自動移行された住宅の写真だけです。つまり『住宅写真と地図の連載シリーズ』における情報は全ての住宅写真が閲覧できるが、説明もマップもありません。

 Picasa ウェブ アルバムは何年か前に、Googleが買収して翼下に収めました。その数年後 Googleは廃止を決めた。Web サービスの存廃や変更は頻繁であることが知られているように、提供元企業の恣意的判断下にあるということを示す一例ですね。