観光省翼下にあるマレーシアマイセカンドホーム当局はごく最近(2014年9月中旬だと推測される)、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2014年7か月間の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました。
しかし今回の発表ではたいへん奇妙な点が2つある:
- a. 2014年6月の世界各国からの新規参加者数が全てゼロになっている。
- b. 2014年7月の世界中からの新規参加者数が74人という今年の月別最低数であり、且つ前年同月の272人に比べると、そのわずか27%に激減している。
a.のようなことはこれまでなかったことです。単に統計が不備なので暫定的にゼロにしてあるのか、それとも何らかの理由でプログラム当局は6月だけは参加申請に対する審査を行わなかったのだろうか。こういう異常な発表についてはプログラム当局は説明を加えるべきです。
b. の現象が起きた背景はなんだろう? 統計が不備であり今後修正されるかもしれない、または実際に申請者数と承認数がこれほど少なかったのだろうか? それともマレーシアマイセカンドホームプログラム当局内で何らかの非公表審査基準の見直しでもあったのだろうか?
注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホーム当局または観光省がそれぞれの公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員による口頭説明を基にしています(他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません)。
マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2014年7か月間の特徴
・6月はゼロ、7月は中国を筆頭にどの国も激減、という奇妙な数字となっている。
・日本人の参加者数は対前年同期間比で 38%減少した。
・中国からの参加者数が全体のほぼ半数を占めている。
【2014年1月から7月までの、マレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことを言う。
A. 日本の新規参加者数 -月別統計
1月 49人、2月 52人、3月 35人、4月 26人、5月 57人、6月 0人
7月 16人、8月 人、9月 人、10月 人、11月 人、12月 人
7月までの計:235人
参考までに過去2年間の新規参加者数を月別に示します:
2013年:1月 78人、2月 42人、3月 59人、4月 59人、5月 48人、6月 47人
7月 44人、8月 58人、9月 68人、10月 70人、11月 13人、12月 153人、
2012年:1月 42人、2月 83人、3月 99人、4月 49人、5月 47人、6月 69人、
7月 65人、8月 104人、9月 69人、10月 84人、11月 70人、12月 35人、
従って2014年7か月間は、昨年同期間の合計 377人より142人も少なく、減少率 38%である。下記に示した2014年7か月間の全世界の新規参加者数は対前年同期間比で 18%の増加なので、日本の減少率はやはり目立つことになる。
B. 国別の7か月間の新規参加者数
1位:中国 961人、 2位:日本 235人、3位:バングラデシュ:168人、4位:韓国 67人、5位:英国 64人、
6位:台湾 56人、7位:シンガポール 55人、7位 パキスタン 38人、9位以下はごく少ない人数です。
C. 世界中からの新規参加者数合計
世界各国からの 2014年7か月間の新規参加者数の合計 1958人、
比較として 2013年7か月間の合計は 1659人。従って2014年は対前年同期比で 299人増えており、増加率は18%です。
2014年は6月がゼロ計上であり、7月が74人という今年初の2桁数に減ったが、それでも前年同期より増えた。
【イントラアジアの分析とコメント】
当ブログにまだ馴染みのない方はあらかじめ、画面左に表示されているカテゴリー欄の 『参加者数の統計と解説』をクリックして、数編の記事にまず目を通されることをお勧めします。
1.日本の新規参加者数の7か月間小計をみると、2012年が454人、2013年が377人、2014年は235人ですから、2014年は過去2年のそれと比べると大幅に減少している。冒頭で言及した奇妙な2点を考慮しても、日本人の新規参加者数は疑いもなく減少傾向になっている。
というより、過去2年間は日本にとって異常に多い年であったと見なした方がいいでしょう。理由はよく知らないが、定年後の海外移住先として過去2年はマレーシアがもてはやされ申請者数激増のブームになった、そしてその一過性の高揚期が終わって本来の年間申請者数ペースに戻ったとみる方が自然ではないでしょうか。
6月だけはゼロという冒頭で指摘した奇妙点があるので修正される可能性はあるが、1か月平均の参加者数が 約34人であることを見れば、中国を除く他国より依然としてずっと多い。日本の過去2年の1か月平均参加者数との比較ではかなり減少していると言え、本来は今年2014年ぐらいの月平均参加者数が日本らしい数字かもしれない。
2. 中国は7か月間で961人、月平均137人もの参加者数です。前年同期間は532人だったので80%増と大幅に増えた。これは1月から5月までの月間平均が187人という驚異的な数字のおかげです。なお6月のゼロ計上、7月は23人というこれまでの中国の数字から納得いかないおかしな点があるので、統計が修正される可能性もなきにしもあらずと現時点では書いておきます。
3. 2012年、2013年の年間順位は、中国が1位、日本が2位、バングラデシュが3位なので、2014年7か月時点でも順位傾向は変わっていないが、その中身は大いに変化している。
4. 世界各国からの新規参加者数合計が昨年同時期比で18%増加したといっても、その中身は中国が上記のように80%も増えたからです。中国1か国で世界中からの新規参加者数の 49%も占めている。
5. この部分はまた書くことになります。2013年1年間の統計では中国が突出した1位であり、全体の36%も占める現象は際立つ、とイントラアジアは今年3月に掲載した記事の中で書いた。しかしもはや、中国からの新規参加者数は突出を超えてマレーシアマイセカンドホームプログラムを独占している。
中国だからということではなく(仮に日本が独占国の場合でも)、ある1か国からの参加者が全体の半分も占めるという状況は、プログラムにとって不健康な状況であり、プログラムが持つ理念を逸脱させてしまっている。
中国からの新規参加者がこれほどまでに他国を圧倒している状況は、中国人申請者を扱うプログラム代理業者と中国人参加者を主対象として不動産開発を進める不動産デベロッパーとその代理業者が喜ぶだけですね。
このように今回のマレーシアマイセカンドホームプログラム当局の参加者数統計発表には、軽視できない奇妙な点があり、その理由は部外者にはまったくわかりません。いつもながら、公式サイトにおける説明の不十分さを指摘せざるを得ません。
【マレーシアマイセカンドホームセンターで疑問点を尋ねた】
そこで2014年9月下旬に Putrajayaのマレーシアマイセカンドホームセンターを訪れて、担当職員に会い、この統計の奇妙さを含めて公式サイトにいくつもある不明瞭な文章や疑問点を尋ねました(会話は主としてマレーシア語です)。なお担当職員とはセンターの窓口で書類受付をしている女性たちのことではありません。
ここで指摘した2014年6月と7月の数字の奇妙さに関しては、マレーシアマイセカンドホーム当局内で行われる審査委員会の1か月間の開催回数に関係しているとの説明でした。6月の承認者数がゼロになっているのは、6月の申請者数がゼロということではありません。なぜなら申請を受け付けた月と承認をした月は異なることが一般的だからでしょう。審査委員会の開催回数と承認統計の取り方によって、ある月の承認者数は何人であると統計に載るようです。
しかし、こういう統計をしている担当者はまた別の職員であり、イントラアジアはいわば間接的な説明を受けた形です。話を聞いた職員自身もこの奇妙さを納得いく形で理解していないことがわかりました。さらに公式サイトを作成しているのは別の部署であり、サイトの記述と掲載内容には現場の各担当者たちは関与していないことが、これまでの話からわかります。
これはマレーシアマイセカンドホームセンター内に以前からある組織的要因だろうとイントラアジアは推測しています。というのはこの3、4年イントラジアは何回もセンターを訪れて、その都度細かな疑問点などを尋ねているのですが、そのたびに応対してくれる担当職員が異なります。今年4月頃訪れた際説明してくれた職員(係官)も既にセンターを去っていました。
マレーシアマイセカンドホームプログラムの全ての条件・規定・統計などを統括するような人は現場の担当者にいないのは明らかです。そういう立場の人は高級官僚であり、規定・条件などに関して現場での問い合わせや説明に直接応対するようなことはないと言えます。