ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

自分に優しく……とは、どうすることなのでしょう?

2009-09-19 09:28:04 | 番外
前回の記事に次のようなコメントをいただきました。

二歳8ヶ月の息子と6ヶ月の息子を持つ母です。
私も、わからないさん同様混乱の中にいます。
私をなんとかしなきゃなぁ…と思いつつ、「自分に優しく」っていうのが、分かりません。
一歳半で発達障害の可能性を保健師に指摘されています。初めて会う子や、自分の勝手なテリトリーを乱す子に威嚇する息子(ウルトラマンなんかに変身して、格好つけてパンチしたりしてます)にイライラしてしまい、キツく叱りつけたり、怒鳴ったり、手をあげてしまいます。
本人は、きっと「カッコいいでしょ?」って思ってやってるんですけど、された方は怖がったり、泣き出したり…
関わりたい気持ちが、そうさせてるのは分かってるつもりなのに、なんで怖いのが分からないかなぁ…と悲しくなってしまいます。
自分に優しくとは、どうする事なんでしょう?
息子にどんな関わり方をしていったらいいのでしょう?



「自分に優しく」するひとつの方法は、さまざまな義務感や、緊張や、外野の声を
手放して、
自分を甘やかすこと、自分がうれしくなってリラックスできること
だけをしばらくしてみることです。

ご質問者さんは、子どもは公園に連れて行ってあげなくてはならないもの、
今から輪に入れておかないとお友達ができなくなる、
自分もママ友から置いてけぼりを食ってしまう……

といったさまざまな縛りから
無理してそんな辛い公園通いをしているのかもしれません。
でも、いったんそうした義務感を
捨ててしまうのです。
子どもと一緒に「人のいない自然の多い場」にピクニックに行くのもいいです。
そのとき、お弁当を作ろうなどと思わず、
ちょっと贅沢しておいしいパン屋さんでサンドイッチのセットを買っていくのも
楽しいです。
もともと子供というのは危険な遊びが好きで、攻撃的で暴力的な
一面があります。それがおかしいと思う気持ちも手放します。
VISIONのBBSの子どもが、思わず走って見に行くような興味深いもの書き込みも読んでみてくださいね。
そうした子どもの野性味を強さとしてたくましく感じられる
山登りなどに行くのもいいです。

そうして、混乱のもととなっているさまざまなノイズから遠ざかって
自分と子どもで楽しめることだけを
しばらくしてみるのです。

そうして子どもとのかかわりが良いものになってくると
子どもは、お友だちを欲するようになってきます。
社会性はゆっくり発達するでしょうが、
少しずつ我慢もできるようになってくるでしょう。

私は発達障害のお子さんを持つ多くのお母さん方に会ったことがありますが、
どの方もこの難しい子育てを通して精神的な成長を遂げて
凛としたところのある賢い方々です。

こうした先天的な困難を持って生まれてきた子たちは、
親御さんにたくさんの成長をプレゼントしてくれる存在でもあります。
また社会全体が精神的な成長していくための
問題を提起してくれる存在でもあります。
だれもが誇りを持って働いていける世界はどういうものなのか
模索していくチャンスをくれているのです。

そうした話の全てがむなしい言葉として響いたり、
全てを拒絶したい混乱した気持ちにあるときは、
自分で自分を責めていじめている場合がよくあります。
そうしたときには、やはりしばらくは
自分を喜ばせることと、気分がおちつくことだけをして、
それに罪悪感を持たないことが大事だと思います。
そうしてパニックがおさまれば、
個として懸命に生きている子どもの姿が
正確に見えてくるはずですから。

私が出会った
凛としたところのある賢いお母さん方というのは、
どの方も一度は混乱しパニックを起し、
子どもを攻撃してしまった辛い経験を通ってきている方々です。






web拍手を送る

わからないさんへ (罰として食事をぬきました)

2009-09-17 23:50:48 | 番外
前回の記事にハンドルネーム『わからない』さんから、次のようなコメントをいただきました。

私はもう どうしていいのかわかりません
何度言っても出来ない、同じ過ちをする子供
中①ですが、今まで何も変わらず
今日は食事を与えていません
もうどうして良いかわかりません
診断下してくれる病院は1月まで予約が一杯です


『わからない』さんは、今、食事抜きを言い渡したことで、
自分自身がとても傷ついているのですね。

そんな風に心が深く傷ついているときは、

何とか子どもを正しく諭そうと、子どもの方にフォーカスせずに、

まず自分が今、何でどれほど傷ついているのか、
それは子どもの起した事件によるものなのか、
がんばってもがんばっても成長しないわが子への怒りによるものなのか、

じっくり自分の心と向き合ってみるのが良いように思います。
『わからない』さんがこんなにも混乱しているのは、
非常に子どもを愛していて、
叱ったり、食事を抜いたりする子どもへの攻撃が
そのまま自分の痛みとして感じられているからだと思います。

まず、自分の心を癒して、
傷つくという悲しい気持ちを実感すると、
今度はがんばってもがんばっても周囲の期待に応えられない
子ども自身の深い悲しみが
しんみりと伝わってきて
きちんと受け止めてあげられるかもしれません。

混乱と悲しみの渦中にあるときは、
自分の本当の心を見失っています。

将来への不安や恐怖心、
周囲の人々の冷たい視線や心無い言葉

そうしたものにまどわされて、
子どもに対するイライラする心の底にある
深い愛情が、
見えなくなってしまうのです。

恐怖心でパニックになっている状態です。

ですから、パニックを沈めるために、
まず、自分自身にもっと優しくしてあげなければ
ならないのです。
そうして、恐怖が薄らげば、
何をすればよいのか
一番知っているのは自分だということに気づくはずですよ。







web拍手を送る

戦隊物~「買って!買って!」を減らす工夫 1

2009-08-20 20:23:48 | 番外
発達障がいのある子が、
一度、戦隊物などのアニメグッズにはまると
それがこだわりとなって、どこへ出かけても「買って!買って!」で困り果ててしまうときがありますよね。

買い物先でお母さんの足をける、ひっくり返って泣きつづける、
8000円を超えるような高価なおもちゃを誕生日でもないのに欲しがる

など、最初の一つを許したばかりにえらいことになってしまった~
という話をよく聞きます。

そうしたこだわりが強く出やすい3歳の発達障がいを持つ☆くん。

まずできあがった戦隊物のおもちゃは買わず、
雑誌の宣伝を見ながらブロックで見立て遊びをするようにしています。
☆くんはこうした遊びを通して、
発達検査で指摘された立体を把握する力の弱さを克服しています。
また推測する力が弱く、
見立てながらごっこ遊びをすることが苦手だったのに
上手に遊べるようになってきています。

最初はでたらめに積むばかりでしたが、
このごろさまざまな乗り物をあっという間に組み立てていきます。



web拍手を送る

集団の活動に参加しないアスペルガー症候群の子

2009-08-15 21:02:15 | アスペルガー症候群
昨日は5歳のアスペルガー症候群の☆くんが、お父さんとお母さんといっしょに
はるばる長野からいらしてくれました。
☆くんには今日のブロック教室にも参加してもらいました。

☆くんはおだやかな気質のかわいい男の子。
ブロックが好きで、遊園地や動物園をどんどん作ります。

☆くんに課題をしてもらおうと声をかけると、
強い拒絶があります。
また集団でのゲームのような遊びには頑として参加しようとしません。
またこちらから何かさせようとすると
聞こえていないように見えたり、理解していないように見えます。

いつまでも一人遊びに興じていたい~
という雰囲気を☆くんは放っています。

しかし、そんな☆くんが、意外な一面を見せるときが何度かありました。
自分に振られた課題には
無関心を決め込んでいる☆くんですが、弟の★くんに問題を出そうとすると、
「ちゃんとしないといけないよ~」と課題への取り組み方を注意したり、
問題の答えを次々言ったりしているのです。
弟くんが解いている間は、
課題にしっかり関心を寄せています。

また、集団でのブロック教室では、不参加を決め込んでいた☆くんですが、
みんなが帰ったあとで、ひとりで
他の子たちが作っていた作品を再現しているのです。

☆くんは課題をしようとしないし参加しないため、
外からはできないことが多いように見えるのですが、
さまざまな点で能力も理解力も高いものを持っているのがわかりました。
ソーシャルスキルの問題も、
行動としてはできないけれど
ペーパー上の問題としてはほとんどわかっているのです。

☆くんは来年の就学の際、どのようなことに気をつけたら良いのでしょう?

私は行動として☆くんができることより
かなりレベルが高いこともどんどん見せていくことや
体験させていくことの大切さを感じました。

また学校の宿題等も、☆くんに向かって説明するのが難しいときは、
弟くんに楽しく取り組ませるようなシチュエーションを作って
☆くんが間接的に参加できるようにする方法も良いかと思いました。

またお友だちに興味がないように見えても、
ゲームの駒だけ参加させていると、
最後のほうにはゲームに笑顔で参加できたり、
呼びかけても知らんふりしていたのに、
私が用事をしていると、つついて関心をひこうとしていたりしました。

こうした姿から、大人がお友だちとのかかわりを
少しでも良いものになるよう支援してあげる必要を感じました。
お家にひとりだけおとなしいお友だちを呼ぶくらいなら抵抗がないなら
そうした時間を定期的に作ってあげるの良いですよね。

参加していなくても
見ているだけでさまざまなことを吸収している
しっかり理解できる力を持っている
無関心を決めているときも、もう一歩で参加できるところまで近づいてきている
直接自分に向けられた課題でなければ解こうという意欲を持っている
実際、行動に現われている以上の社会性を持っている

ということを、いつも頭に置いて、
☆くんに接していくことが大事ではないでしょうか?

☆くんは、書き順がでたらめな文字を書いて
注意を受けても直そうとしないところがありました。

きちんとした書き順を教える方法は次回に書きますね。


web拍手を送る

絵カードと文字のマッチング 上手に教えるコツ

2009-08-13 10:26:04 | 昆虫博士からの研究発表
親しくさせていただいているブロガーの『ごゆっくりさん』で、☆絵カードとひらがなのマッチングの記事を読みました。
そこで、私が赤ちゃんや障がいのある子たちに
文字を教えるときに,
はじめにすることをご紹介します。

まだ文字が意味を表している記号だと
わかっていない子に
文字と絵のマッチングをおこなうとき、次のポイントに気をつけるとうまくいきます。

絵カード、文字の組み合わせを教えるときは、

まず漢字からはじめます。
漢字は組み合わせによって 
ひらがなのように(しか いか など……)と絵が変わらないので
マッチングしやすいのです。

虹色教室では、
まず、猫、犬、鳥のボタンを押すと、泣き声が聞こえる音の絵本と
表に漢字、裏に絵がついている大きめのカード(大学ノートの半分くらいのサイズ)を用意しています。
猫の漢字の毛をなでるようなしぐさをする 猫の鳴き声を聞かせる 絵を見せる
と、感触、しぐさ、聴覚、視覚など、
いろんな面から印象が残るようにします。
鳥は、くちばしでつんつんするしぐさを子どもの手にも
鳥の漢字の先の部分でもし、
バサバサバサとはばたくまねをして、漢字の見た目を印象づけます。

そして、繰り返し間違えさせます。
何度も間違うと、
文字とは何なのか子どもが自分で気づくときがくるからです。

ひらがなを教えるときは、
漢字より大きなカードに

「ん」や「つ」を書いて

ん~ときばるような音と、字の形がつながるように
字を手でなぞる、身体で表現するなどします。
音そのものと、字をイメージづけるのです。

つのときは、つんつんつんとつつくことと字のイメージを印象づけます。
漢字がイラストと、
ひらがなは音そのものと
つなげた方がはじめての子には理解しやすいように思っています。

文字を教えるとき、与える量、与え方はとても大切と思っています。
いつももっと見たい!という気持ちを引き出して
「また今度、お勉強しようね」と楽しみを次につなげるようにしています。



web拍手を送る