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崖っぷちロー

チラ裏的ブログ。ここは「崖っぷち」シリーズ・あん○ーそん様とは関係ありません。レイアウト変更でいろいろ崩れ中

実況プレイ動画に適したゲーム?2

2008-12-11 01:28:24 | ニコニコ動画・ネットとか
つづきです。

4.権利者(制作者)との関係
 以前のエントリで言及したように、実況プレイ動画としてアップされることは、
 著作権者にとっては自己の権利利益を侵害される/されうるということである。
  実況プレイ動画と違法性
 
 ですから、基本的には実況プレイ動画として自社の権利をアップされることは、
 権利者(制作者)にとっては望ましくないはずである。

 しかし、ここでは、
 仮に権利者が実況プレイ動画の素材として自社のゲームを使用されることを認める場合、
 どのようなゲームソフトを実況されることが望ましいのか?ということを考えてみたい。

 そして、権利者=株式会社等の法人として念頭に置くのであれば、
 かかる権利者は営利性があり、利益を追及するのが基本的なスタンスであると考えられるから、
 どのようなゲームを実況プレイ動画の素材とされることが権利者の利益になるやすいか?
 具体的には、会社の利益の増加につながりやすいかどうか?
 という観点から考えるべきなんだろうかと思われます(=「親和性判断の観点」)

 これも、お決まりのように総合考慮ということになるのでしょうが、
 そこで考慮される要素を挙げてみますと……

 (1)ゲームの本質的な自由度の高低
  ゲームの自由度が高い場合は、他人のプレイとは異なるプレイの方法が多数存在するのであり、
  実況プレイ動画内のゲームの状態と同一の状況が再現されることはなくなる(=「一回性」)。

  そうしますと、他人(=実況者)がプレイしているのを見て、
  自分ならどのようにプレイするだろうか?ということを考えますし、
  自分でもやってみたいという気になりやすいように思われます。
  つまり、他人のプレイを見ただけでは満足しにくい。

  この意味では、ゲームのジャンルとしては、
  アクション・FPS、シミュレーション・RTS、シューティング、音げー、パズル、
  パーティーもの、レースゲームなどが、自由度が高く、一回性がある作品が多いように思われます。

   Ex.CIV・オブリ→戦略性に富み、自由度が高く、1回性がある。
      しかも、参入障壁を下げている。 (※参照 参入障壁について)
      参考として、プレイ動画が挙げられたCIVシリーズは、
      ニコニコ市場において2500本程度を売り上げている。

   Ex.囲炉裏組のマリオカート実況
     →1回性がある。しかも、遊び方のモデルを提示している。

  ※とはいえ、「自由度」とは何か?というのは極めてやっかいな問題のようです
   Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

 (2)作品内におけるネタバレのウエイト
  これは(1)とかなり近いというか、裏返し的な要素でして、
  シナリオや(推理上の)トリックなどが作品において重要な位置づけにある場合、
  それを他人がしているのを見ることで、そのゲームの美味しい部分を得ることができますし、
  それだけで満足してしまう。

  そうすると、わざわざ視聴者が購入する必要は無くなってしまうため、
  権利者・制作者としては利益を逃す(=損害)を受けることになる。
  ゲームのジャンルとしては、ノベル系ADVやシナリオ重視のRPGなどでしょうか?

 (3)ゲームの発売からの経過時間
  1)新作と自由度に関連して
   新作が発売された直後(あるいは発売前)に実況プレイ動画として挙げられてしまうと、
   特に自由度が低い作品の場合、新作の販売本数の減少につながりかねず、
   権利者・制作者にとっては不利益である。

   他面、自由度の高いゲームの場合、
   実況プレイ動画を通してその魅力をアピールできた場合には、
   広告として機能し、発売本数が増加する可能性もある。

   そうすると、権利者・制作者としては、発売直後の新作ゲームであっても、
   RPGについては実況プレイ動画のアップを許諾しないが、
   レースゲームであれば許諾するという様な戦略をとることも考え得る。

  2)発売後相当期間が経過した場合
   いわゆる「新作」ゲームではなくなり、
   新しく新品で購入する消費者が期待しにくい/できなくなった段階においては、
   実況プレイ動画をあっぷすることで売り上げが減少するということは考えにくくなる。
  
   もっとも、時間が経てば実況プレイ動画がアップされるという環境が整い、周知されると、
   消費者は実況プレイ動画によって代替することへの期待を高めてしまうため、
   新作の販売本数は減少する危険性がある。

   また、昨今の情報環境の変化、すなわち、
   amazonn等の大量の在庫を抱えたネット通販という業態の躍進を考えた場合、
   細く長く商品が売れ続ける(=ロングテール)という状況がかなり見られる。

   そうすると、新作の売り上げを期待できる期間を徒過したと評価する時期が
   かなり後ろにずれ込んでくる可能性はあるように思われる。

  つづく。>3)ダウンロード販売との関連-バーチャルコンソール

実況プレイ動画に適したゲーム?1

2008-12-11 00:29:23 | ニコニコ動画・ネットとか
世間では様々なゲームソフトが実況され、実況プレイ動画として配信・アップされていますが、
実況しやすいのはどういう属性のソフトなんでしょうね?
ということを少し疑問に思ったので、殴り書きします。
(最近、自転車に乗っている時はこういう事ばかり考えてしまうw)

1.考える視点
 おそらく、問題提起としてはもっと広く、
 <実況プレイ動画と親和性の高いゲームとは?>って感じになるんでしょう。
 実況プレイ動画を巡る人的関係としては、もちろん動画-実況者の関係だけでなく、
 動画-視聴者の関係や、動画-権利者(制作者)の関係もあるでしょうから。

 そうすると、この問題を考える際には、これらの関係ごとに考える必要がありそうです。


2.視聴者の視点
 とはいえ、視聴者の視点から見た<実況プレイ動画と親和性の高いゲーム>について、
 一般論を展開するのは極めて難しいんでしょう。
 
 当該視聴者が実況プレイ動画に求めるもの(「要求」)を満たしやすいかどうかが、
 親和性の有無・高低に関わってくるんでしょうけど……。(=「親和性判断の観点」)

 人によって、実況プレイ動画に求めるものは異なりますし、
 例え類型的に同じ「要求」を持っていたとしても、
 それが満たされるかどうかの判断基準・要素は千差万別でしょうし。


3.実況者
 実況者から見た場合の<実況プレイ動画と親和性の高いゲーム>についても、
 やはり各実況者が実況プレイ動画を作成・アップする目的・動機や、
 実況・動画作成のスタイルによってかなり異なってくるのでしょう。

 あえて一般的にいうならば、
 当該実況者にとっての「実況プレイ動画の作りやすさ」「実況のしやすさ」によって決まる
 んでしょうか?=「親和性判断の観点」)

 これは、もちろんゲーム自体のプレイのしやすさ・難易度とは直結しないでしょう。
 結局は総合考慮でしかないのでしょうが、その考慮要素を思いつくままに挙げてみますと…

 1)既プレイ/未プレイという要素
   既プレイなら展開が読めるので、実況の進行を考えやすい。
   他方、未プレイなら、新鮮なリアクションをしやすい。
   (但し、既プレイでも新鮮なリアクションが出来る人、演じられる人もいる)

 2)良作/クソゲーという要素
   良作ならプレイしていて実況者自身がのめり込めるので、
   自然なリアクションができるし、「テンション(やる気)」を維持しやすい。

   他方、クソゲーなら、そのクソゲーっぷりを「笑い」に転化し得る。

 3)声優等によるアフレコの有無・多寡
   声優が声を当てている場合に、更にその上に音声を被せることは
   一般的には困難であるので、当該実況者が「実況」としてどれだけ喋りたいかによって、
   実況のしやすさが変わる。

 4)ゲームのジャンルという要素 ※かなりザックリしたジャンル分けです。
  ①RPG→スタンダートな実況、垂れ流しに向いている。
     また、ストーリーに力を入れたものであれば感情移入がしやすい。
      (適度な文章量なのでアテレコしやすい cf.フルボイス動画)

  ②アクション・パズル
   →プレイがうまい実況者であれば人に驚きや発見、尊敬の念を与えることができる。
    他方、下手な実況者であれば、人に「笑い」を与えることができるし、
    そのような人間が困難なゲームをクリアした場合には、
    達成感を得る/演出することができやすいでしょう。

  ③ホラー →リアクションを取りやすい。

  ④シミュレーション・RTS
   →うまさ実況者であれば、作品に対する解説やアドバイスを行うことができる。
    下手な実況者であれば、アクションゲームと同様の達成感の演出を行い得るし、
    コメントを通じて視聴者と共に乗り越えたという達成感も演出できる。

  ⑤シューテング・音ゲー
   →実況プレイ動画の素材としてはあまり選択されない傾向が有るように思われるが、
    理由はいまいちよく分かりませんw

 5)ゲームのシステム面・環境面
  ゲームのハードの種類や、取り込みやすさ、画質などの要素や、
  セーブ時間の長短や単純な作業量・エンカウトの多寡等の要素が、
  動画を編集・作成する上で影響してくるように思われます。

 6)違法/適法
  素材となるゲームの入手方法の適法性、
  当該ゲームを実況プレイ動画としてアップする場合の適法性については、
  あまり考慮されない傾向にあると思われます。

つづく

実況プレイ動画投稿状況・11月

2008-12-07 03:45:07 | ニコニコ動画・ネットとか
【ニコニコ】ゲーム実況プレイ動画総合スレpart94【動画】
にすごい人がいた。

94名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2008/12/07(日) 02:59:37 ID:CupCVHCR0 (PC)
試しに実況見ながら11月Part1リンクまとめつくったから暇だったら見といてくれ
12月?やるわけないじゃないですか・・・

11月実況まとめ(☆は一万再生以上)
http://www.geocities.jp/deiyaitakoi/11.txt

実況始めたいやつはマジでこれ見るとやる気失せるかも


というわけで、11月にアップされた実況プレイ動画のリストと
一万再生以上の動画の状況をまとめるという、
非常に骨がおれるであろう作業をなされたのである。
お疲れ様です。

それによると、
11月中に投稿された実況プレイ動画の新作数は、おそらく1190作品。
(wordにコピペし、無駄な行を削除。規定行数×ページ数+端数の行数)
で、そのうち一万再生を超えたものが15作品。

この一万再生をヒットの基準とするなら、
なんとヒット率は1.26%という低さ……

私はいままでのエントリで、
マイリスランキング制度が週単位になったから、再生数は伸びやすくなった
と書いてきましたが……

どうにかして最初の取っ掛かりを得ないことには、
なんとも厳しい状況のようですね。

***
こうなってくると、過去に遡っていろんな統計を作りたくなりますし、
見たくなりますね。
早くから統計のシステムが確立されたニコマスはすごいですね。
(アイマスのランキングも始まりは1人の偉大な方の登場からでした。
 恐ろしい作業量のようで、いまでは分業化・自動化がかなり進んでいるようです)


***追記
とはいえ、ここまで再生数の伸びにこだわる必要はないのかもしれません。

投稿している人とそれを見る人がいて、
そこに楽しみを見いだせるのであればそれだけで良いのだという意識が、
実況プレイ動画を楽しむ上ではベターなのだと思われます。

***12月8日追記
779名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2008/12/08(月) 01:10:26 ID:aQjemLA+0 (PC)
>>94に影響を受けて作ってみた
かなり重い
http://www9.atpages.jp/nicocast/


はんぱねぇ…
情報収集の環境が飛躍的に進化した。
お疲れ様です。

ニコニコ動画(ββ)

2008-12-07 01:44:49 | ニコニコ動画・ネットとか
ニコニコ動画の大型バージョンアップの発表から数日たち、
ようやくその内容というか、アウトラインを見てきました。
(ββ)で追加される新コンテンツ紹介
ニコニコ大会議2008冬 part1
>ニコニコ動画(ββ)のテーマは、CROWD(群集)MESSAGING。
>これまで"個人"に特化してきたネットの進化とは異なり、
>ニコニコ動画は、"集団での一体感の共有"の方向へ進化していきます。

らしいですが。
ネットの進化って、個人特化だったの??

どちらかというと、人とのコミュニケーション・つながりのツールとして発達してきた様に思えるし、
集団での一体感とか、まさに2ちゃんじゃないの?って思いますが。

まぁ、集団での一体感の共有を擬装してきた(疑似同期)という意味では、
「ニコニコ動画の」進化は個人特化だったのかもしれませんが。
 ※追記 アーキテクチャの生態系226頁以下参照

そういう意味で、ニコニコ生放送から続くこの流れは、
いわゆる「疑似同期で満足できるのか問題」(コミケ―ゼロアカ飲み会報告 その5)
に対する対応、真性同期欲求への手当の一つなんでしょうか??

そういうことを分からないなりに考えながら見ると、
長時間の大会議も楽しく見ることができますw

***
とはいえ、動画内で濱野さん達が言及していられる様に、
真性同期で面白いコメント・弾幕を作っても流れてしまい、疑似同期的魅力が生かされない。
真性同期のイベントをどう疑似同期化していくのか?

という問題はどうなんでしょうね?

残念ながら動画内ではカットされていますが、技術的な解決は難しい的なところでしょうか?

まぁ、真性同期イベントをリアルタイムで疑似同期化するのではなく、
真性同期イベントを後追いして疑似同期的魅力もプラスするというのなら簡単なんですけどね。
当たり前の話ですが。

(上で挙げた大会議の動画は、真性同期のコメントを込みで撮影されたものですので、
 それを見ながら、疑似同期的に愉しめる。
 コメントレイヤーの二重化という話も、文脈は違いますが-コミュニティの文脈-、
 後追いの場合には役立ちうるのでしょう。)

***
疑似同期は、本来、真性同期を実現できないがその楽しみを得るための代替方法だったのに、
いまや、疑似同期特有の面白さが出てきてしまった。
 
そのため、どちらかがどちらかに取って代わるという話ではなく、
その目的に応じて自由に選択できる環境を肯定する必要がある。

イメージ的には、
選択同期のアーキテクチャの肯定ではなく、
アーキテクチャの選択の肯定 ってかんじでしょうか?


***追記
ニコニコ広場など、「ニコニコ動画(ββ)」新機能に迫る!ASCII.jp
とか、分かりやすいですね。

実況プレイ動画の世代その3

2008-12-05 00:13:41 | ニコニコ動画・ネットとか
先の2つのエントリは、読み返してみると、我ながら酷いw

論旨が不明確で、七転八倒している感じがするし、文章がかなりきつい。
違う方向から、もっと端的に書いた方が良かったような気がします。

(1)一般的な世代論
 実況者・実況プレイ動画の世代を論じる場合、一般的には、
  ①歴史的意義に着目した基準や
  ②実況スタイルに着目した基準
 で、世代の区分を図ろうとすることが多いように思われる。
 これは、いわば実質的な基準を立てようとするものでしょう。
 
(2)環境に着目した基準
 しかし、実況プレイ動画の見られ方の環境に着目した基準、すなわち、
  ③マイリストの制度変更による基準(08年8月8日を基準日とする)
 によって世代を分けてみることもできるのではないか。

 これは、再生環境を巡る変化という、実況プレイ動画の内容とは関わらない、
 いわば形式的な要素で基準を立てようとするものである。

 ここで、「実況者」と「動画」の乖離問題が生じるが、
 最初に注目を集めることができた「動画」の登場をもって、
 その「実況者」の実質的な登場であるとすることで、両者を一致させることができる。

(3)環境に着目した基準を立てることの意味
 そして、上述のように、③の基準は形式的な基準であるが、
 実はかかる基準によって実況動画界を分析することで、
 実況プレイ動画の内容面(実質面)に踏み込んでいけるのではないか。

 つまり、基準日以前(前世代)であれば、基本的には、
 スタンダードだが良質な実況をした動画が、時間を掛けつつも、
 着実に伸びていくというのが一般的な現象である。
 (ただし、hacchiさんのような事例もある)

 しかし、基準日以後(現世代)においては、そのようなスタンダードなものでなくとも、
 伸びやすくなっている。
 つまり、動画をアップした後、瞬発的にマイリスト数を稼いでランク上位に載る動画であれば、
 ランキングに載っていることの恩恵を長期的に受けうるため、
 (前世代と比較するとかなり)再生数が伸びやすくなっている。
 言い過ぎかも知れないが、再生数の多寡の評価の次元が変わってしまったように見える。
 
 そして、この「瞬発性」を発揮できるかという問題が前面に出てくると、
 スタンダードな良質性というものは消極的要件に後退する。
  (現世代においては、スタンダードな良質性による伸びのレベルでは、
   評価の次元の移行により、「伸びている」と評価されなくなってしまう)
 
 ここでは、他の動画には見られないような、
 特殊性をアピール出来る動画が「瞬発性」を持っている・発揮できるということになる(なりやすい)。

 言い換えれば、企画・コンセプト、声質、ゲーム選択などで、
 より強い特殊性・個性が求められるのであり、
 そのような要請に応える動画を上げることの出来る実況者が、現世代を担っていくことになる。 

(4)図式化
 多く再生されるための条件を、③の基準からざっくりまとめると、次のような感じ??
 
 前世代
  積極的条件:1)スタンダードな良質性
        2)+αの個性

  消極的条件:視聴に耐えうるだけの音質・画質

  ↓
 現世代
  積極的条件:より強い特殊性・個性 =瞬発性
 
  消極的条件:1)視聴に耐えうるだけの音質・画質 
        2)スタンダードな良質性

***
端的に書くと言いましたが、
やはり強引で微妙な感じになりましたw

実況プレイ動画の世代その2

2008-12-04 08:50:54 | ニコニコ動画・ネットとか
前回の続きです。
(4)再生回数における、「動画」の世代と「実況者」の世代の違い
 「実況プレイpart1リンク 」のタグ検索で、再生が多い順に並べてみますと、
 上位25位の「実況者」の世代分布は、のべ人数で、
 第1世代3人、第2世代10人、第3世代9人(うちhacchiさんが6)、第4世代3人となる。

 しかし、「動画」自体の投稿時期でみた世代分布ですと、
 第1世代3つ、第2世代1つ、第3世代10つ(うちhacchiさんのが5)、第4世代11つ(うちhacchiさん1) となる。

 これを、hacchiさんはもはや別格だからというかなり恣意的な理由で除外しますと、
 第4世代の実況者としては、19人中3人しかランクに入っていないが、
 第4世代の動画としては、19作品中10作品がランクに入っていることになる。
 つまり、前世代の実況者の動画で、第4世代の時期に上げられたものが、7作品もランクに入っていることになる。

 これには、実況者の経験値や知名度のアップ、
 作品数の増加によるチャンス増加などが大きいと思われますが、
 やはり、ランキング変更の影響も見過ごせないような気がします。

 つまり、再生回数を専ら考える際には、「動画」の世代が重要になる。

 ランキング変更についての考察→ブログ執筆中:ニコニコ動画ランキング変更を考察してみる

 まぁ、統計的に信頼に足るデータを取ったらどうなるのかは分かりませんが。
 ただ、感覚的には、再生数1万~10万くらいの「ヒット」動画になる確率、
 なりやすさみたいなものも、第4世代の作品の方が高いような気がします。
 (それとも、投稿される実況プレイ動画の総数の増加のせいで錯覚しているだけでしょうか?)


(5)世代を語る目的・文脈に応じた基準
 前回、世代論をかたる目的・文脈に応じて、使用すべき基準が変わる的なことを書きました。

 例えば、
 1)再生回数の伸びの違いの文脈で世代論から論じる場合は、
  ①08年8月1日の前の世代と後の世代に大きく分けた上で、
  ②ニコニコ動画の利用者数の変動を考慮して、
   さらに細かく世代を分ければいい。
   
 2)更に踏み込んで、再生回数と動画の内容関連づけて世代論を論じる場合は、
  1)の世代を前提に、
  ③「動画」の傾向の分類から「動画」の世代を分けて論じる必要がありそう。

 3)実況者間の人的関係・動画への相互の影響を世代論から論じる場合は、
  ④実況者が有する(当初の)「実況動画の傾向」の違いから世代を区分した上で、
   世代相互間の関係・影響を論じれば良さそう。

 4)余り詳しくない人に対して「実況プレイ動画」界隈の大まかな流れを語るなら、
  ⑤「実況プレイ動画」業界のターニングポイントとなるような、「主要な実況者」の登場
  を世代を分けて、説明すれば十分な気がします。
   
 
 もちろん、それぞれの場合で、ここで書いたような一般論に留まることなく、
 それ以上に踏み込んだ具体的な事実の認定・評価に基づく、基準の定立と、
 きめ細かなあてはめが必要になるのだろうと思われます。
  (ザックリ調べてみただけの私には到底無理ですw)


***
前回・今回は、「変態スネーク」さんのラジオって、
クオリティ高いよね的な、短いエントリにするつもりだったのに、何故か……

***
全体的に、人の名称に敬称を付けたり付けなかったりがマチマチですが、
特に意図はありません。

実況プレイ動画の「世代」

2008-12-04 08:20:01 | ニコニコ動画・ネットとか
「実況プレイ動画」関連のことを更にだらだらと書いてしまおうかという気になりました。
「実況プレイ動画」を巡る<世代>について、なんとなく。

(1)再生数的観点からの基準?
 私の中で発端となった、ネット上で気になったレスを、改変して参照。
 226 名無しさん@お腹いっぱい。  sageDATE:2008/12/03(水) 01:40:06 ID:甲 (PC)さんのレスで
 まとめると、
 第1世代:ヒャドや蘭たん →07年3月、07年7月(?)
 第2世代:しんすけ達   →07年10月
 第3世代:イボーンhacchi →08年3月、08年4月・08年6月
 第4世代:最近伸びてるもの
 てな感じ

 そうすると、「実況者」の世代区分としては
 第1世代:~07年9月
 第2世代:07年10月~08年2月
 第3世代:08年3月~
 という感じでしょうか?年月日だけの区切りを抽出すれば。荒っぽいですけど。

 ここで、第3世代と第4世代の区別は、「最近伸びてるもの」という言葉からは、
 <以前>に再生回数が多かったものと<最近>再生回数が多いものとの違いは何かという問題になる。
 これは、再生回数に関することだけを念頭に置いて考えるならば、
 再生回数の伸びやすさの違いが両者の違いになるということになりそうである。

 つまり、とりあえずは第4世代は08年8月1日を境界として第3世代と区別されるだろうと考えられます。
 これは、08年8月1日にランキング制度が変更され、週間ランキングがデフォルトになったためです
 ニコニコニュース:ランキングをリニューアル!
 
 端的に言うと、ランキングのスパンが長くなったことにより、
 一つの動画が長期間ランキングに載るようになり、それはより多くの人の目にふれるということを意味する。
 そのため、動画の再生数の水準の基礎が大きく変わってしまった。
 つまり、以前に比べて極めて伸びやすくなった。

 そうすると、再生数の基礎・環境が変わり、再生数が伸びやすくなった08年8月以降に登場し、
 (結果的に)再生数が延びた動画を投稿している「実況者」が、「最近伸びてるもの」=第4世代となりそう。


(2)再生数的観点からの基準のみであるとした場合の問題
 しかし、実は、環境の変化と実況者の世代区分を直結させて良いのかというのは問題です。
 ランキング変更前に登場した実況者でも、新しい環境の元で動画を上げれば、
 「伸びやすい」という環境の恩恵を受けることがでるからです。
  (次のエントリの数字を参照)

 そうすると、世代がもっぱら再生数の観点から年月日で区分されるとするならば、
 「実況者」の世代というよりも、むしろ「動画」の世代を考えた方が適切なのではないかと思われる。

 もっとも、それでは第1~第3世代それぞれについて、最初に提示されたような区分を導くことが翻って困難になる。
 第1~第3世代の区分については、
 「動画」ではなく「実況者」に着目して区分がされたはずであり、
 個々の動画の再生数に焦点をあてた区分ではなかったはずである。

(3)「実況者」に主眼を置いた実質的基準? 
 では、「実況者」の第1~第3世代の区分についてID:甲さんは何を実質的に考慮していたのかというと、
 推測するに、
 ①「主要な」実況者が(初めて)(重要な)動画を上げた年月日と共に、
 ②上げる動画から想像されるところの、実況者が有する(当初の)「実況動画の傾向」の違い
    (上げた「動画」の傾向から帰納的に想像される、「実況者」の傾向)
 を基準としていたものと考えられる。
 
 まず、①「主要な実況者」という部分については、
 上記のような個々の動画の再生数に焦点を当てていないとはいえ、
 「実況プレイ動画」業界全体の動向・潮流が読み込まれていることは否定できないように思われる。
 つまり、「実況プレイ動画」業界のターニングポイントとなるような、
「主要な実況者」の登場というのが世代を区別する基準になっているのかな…?と。

 そうすると、かかるターニングポイントの外部的要因として、
 上述した08年8月1日を世代区分の基準に取り込むことができるのかもしれない(①’)。

 また、②「傾向」の部分については、実況動画を<一昔前>と<最近>の2つに区分する見解ではあるが、
 下記の乙さんの指摘からも読み取ることができる。
 217 名無しさん@お腹いっぱい。  sageDATE:2008/12/03(水) 01:32:24 ID:乙 (PC)
 でもまぁ実際問題、最近一昔前の実況動画とは
 違うスタイルの実況動画がランキングを賑わせてるよな


 (当初の)とされるのは、
 実況者の方達も日々進化し続けられ、新しい世代に追いつき・追い越し得るからです。
 

 そうすると、①「主要な実況者」の登場という観点+①’からは、例えば
 第1世代:ニコニコへの「実況プレイ動画」の進出、
 第2世代:「実況プレイ動画」の認知度の拡大、
 第3世代:「実況プレイ動画」の新規視聴者の開拓
 第4世代:「実況プレイ動画」を巡る環境の変化に応じた更なる開拓・拡大
 という局面を生み出した人/適応した人の登場が世代の区分の基準になるのでしょうか?

 そして、②実況者の(当初の)「傾向」については、例えば
 第1世代:素朴な実況
 第2世代:娯楽性の高まり、方向性の試行錯誤
 第3世代:試行錯誤の到達点、(編集技術の高まり)
 第4世代:第3世代の到達点を超える/異なる新たな到達点
 といった感じで、それぞれの「傾向」に応じて世代が区別・分配される。

 で、これらの基準が総合的に選択・組み合わされて、世代区分の基準になる。……のかな?

 つまり、世代区分を語る目的・文脈に応じて使うべき基準が選択され、
 複数の基準を使うべき場合は、複数の基準のバランスを調整しつつ、
 結局は総合考慮ということになるんでしょう。

 
 かなり曖昧な結論ですが、
 そもそも、それぞれの基準を構成する要素自体がファジーですからねw
 文系的な線引き問題では、究極的には回避できないような気がします。
 (それにしても酷いかもしれませんが)

ルーツ実況動画は黒歴史?

2008-12-02 00:40:53 | ニコニコ動画・ネットとか
ルーツ氏は、デビュー作で、自身の作ったゲームを黒歴史と表現していますが……
中二の頃作った黒歴史RPGを実況プレイするぜ Part1

それを実況し、ニコニコ動画上で配信したことは、むしろ歴史的なんじゃないかと。
なんかすごい気がするのですが、うまく言葉にならないというw

もちろん、小話・小芝居・茶番・トークのすごさを表現することは可能ですが、
そういう「実況」の仕方の話ではなく、もっと本質的なところで……
なんというか、作品を作るということの意味とか、「作家性」の話なんでしょうか?

従来の普通の作品(小説・ゲーム)ですと、作品をつくる過程で何度も何度も読み返したり、
プレイをしたりするわけですので、一番最初の消費者は一応作者自身である。
次は編集者や他の制作メンバーですかね?

しかし、それは表に消費者に見える形ではでてこない。
あくまでも、作られた完成形の作品について言えば、
消費者が一番最初に消費するといっても問題はない。

他方、ルーツ氏の場合は、自分で作り、表に見える形での一番最初の消費者が自分になる。
そして、(一般的な意味での)消費者は、作者自身による作品の受容(プレイ)を見るだけになる。

ここに、なんというか、大きな違いがあるような気がする。(気がするだけ?w)

東浩紀さんの流れをくんだ「しろうと」さんの議論だと、
「作家性」を「水源」と「貯水池」に喩えて説明されたりします。最終批評神話 / re=c
そこでは、むしろ貯水池に作家性が宿ることの代表として、ニコニコ動画が参照されている。

しかし、ルーツ氏がやっていることは、
いわば水源の「作家性」を、そのすぐ下の、「流出口」(水源から水が出て行く場所)のほとりで掬いだし、
それを水源に還元してしまう作業の様に見える。

もちろん、ルーツ氏の作ったゲーム自体にも2次創作はある。
が、貯水池に作家性があるということはなく、イラストが描かれたりする程度。
 (ただし、「ルーツ」という名称自体が、貯水池から出てきたことは大きい。
 また、ツクールの別バージョンでのリメイクには注意する必要がありそうですが。)

これは、ルーツ氏自身による2次創作的色彩を帯びた作品=Sight exciteの制作が中断され、動画が消されたこと、
その理由が「in those days!という完結した物語に影響を及ぼすことを危惧」したから
というものであることからも基礎付けられるのでしょうか?

これはルーツ氏によるN次創作の拒否、「オリジナル」や「作家性」に対する素朴な意思の表れとか?
(「密談」をちゃんと聞いていないのであれですがw)
 *09年9月18日追記:ルーツ氏の手による同人誌発売など、↑とは言えない状況にある。

ともあれ、
ルーツ氏の活動は、「作家性」を創出・維持する新しい方法なんだろうか?
という気がします。
その意味で、歴史的??

まぁ、批評拒否(「俺を分析するな、俺を批評するな、俺をいじるな、だが興味は持て。」)
なわけですし、文理解釈をする限り(クロノシリーズを見ていないので)、
こんなことをだらだらと書いても仕方ないのかもしれませんがw
というか、「そいつはすげぇや!」で終わりですねw

自分でもよく分からない状態ですし。

***
素朴な意味での「実況」・「実況プレイ動画」のすごさについては、まず、
それを因数分解する必要がありそうです。
まぁ、どんなにうまくやっても、完全に分析しつくすのは無理でしょうけど。
なんとなく羅列。

・ゲーム選択: 面白い/面白くない、実況しやすい/しにくい、次元の違うクソゲー
・プレイ: うまい/へた、面白い/面白くない

・声: 聴きやすい/聞きにくい、特徴がある(あにぃ、叔母さん)
・実況 →実況主の「キャラ」の形成に大きく寄与する
  リアクション(はるしげ。ホラー系の興隆)
  観察力、感受性、発想、表現力(しんすけ=スタンダート、しーな)
  小話、茶番などの雑談(ルーツ)

・編集  →近年の流行の変化。
      垂れ流しが受け入れられにくい。まっていられないという消費者の増加?
   うまい(hacchi)/へた 

・その他
  ものまね(変態スネーク)、アフレコ(あちゃぽ)、
  理解を超越したプログレッシブ実況(リティナ)

ゲーム実況プレイ動画の発展2

2008-11-27 02:51:48 | ニコニコ動画・ネットとか
前のエントリの続き。
「えどさん”&ふみいち」さんが、メーカー公認で「実況プレイ動画」を配信するという話。
ラジオの内容のメモを兼ねています。とはいえ、一回聞いただけなので、あやふやw
時間がある時に聞き直して、訂正するかもしれません。

5.メーカー公認「実況プレイ動画」の必要性・長所
 (1)従来型広告の「無駄」
  従来のゲームソフトの広告は、TVCM、雑誌広告などの、
  どちらかといえばマス向けの媒体によるものであった。
  そのため、広告のターゲットとなる人に届けるという点において、効率が非常に悪い。
  多数の消費者に向けて、一方的な広告を押しつけるが、無駄になるという状況。

 (2)従来型広告の「信頼性の低下」
  また、ゲーム雑誌での広告(紹介記事、レビュー記事)などは、
  歩いて程度ターゲットに集中した広告を展開することができるものの、
  製作会社=スパンサーのため、出版業界の不況の中では、
  レビュー記事もいわゆる「提灯記事」になってしまう。
  
  これでは、広告の受け手=潜在的顧客の購買意欲を喚起できなくなっている。
   (ファミ通等の「大きな物語」の衰退。というのは飛躍か?w)
  これは、欠点も積極的に掲載されるネット上の独立系レビューサイト・口コミが
  むしろ信頼されることからも伺える(?)

  そうすると、素人的実況者に、良いところも悪いところも「実況」させることが、
  かえって広告の信頼性を上げる

   (とはいえ、これは実況のやり方にかなり左右されるでしょう)

 (3)従来型広告の情報伝達の限界
  例えば、TVCMであれば数十秒でゲームソフトをピーアールする必要がある。
  これでは、イメージ戦略・ブランド戦略しかできず、消費者が本当に知りたい情報・
  購買意欲を刺激するコアな情報は伝わらない。

  もちろん、ゲーム雑誌であれば情報量は幾分ましにはなるが、紙面の制約上、
  大作・大手製作会社のゲームソフトに頁数が取られてしまい、
  実験作や中小の会社のソフトについては十分な情報が伝わらない。
  また、文字情報・写真情報と動画では、伝えられる情報の質・量が大きく異なる。

  これらの状況を踏まえ、ブロードバンドの普及にともないPV動画やムービー動画の配信
  などが広く行われるようになったが、それでも実際のゲームをプレイした動画とは
  伝えられる情報が異なるでしょう。

  なお、PCゲームであれば、ネットを解してプレイできる「体験版」が
  事前に配布されるケースが増加・一般化してきている。

  プレイできる時間や条件が限定されるなどの制約があるとはいえ、
  近年ではコンシューマー用のソフトでも「体験版」が配信されるようになってきており、
  これからもますます広がっていくものと考えられる。
  そのため、「体験版」を消費者にプレイさせるだけでは伝わりにくい当該ソフトの魅力
  などを如何に伝えるかを考える必要がある。  

  逆に言うと、実況を上手くやれば、
  十分な量の、消費者が本当に欲しい情報・購買意欲を刺激する情報を伝えることができる。

  ただし、メーカー公認「実況プレイ動画」に使用するソフトは、
  必ずしも最新の新作ソフトであるとは限らない。
  ラジオ内でも言及されているように、過去の旧作をプレイさせることで、
  そのソフトの知名度を上げ、ひいては制作会社の知名度・ブランド力を向上させる
  戦略も十分に成り立ちうる。というか、そっちの方が多そう。

 (4)実況によるゲームの魅力の向上 
  端的に言うと、クソゲーでも、実況者の腕によっては極めて面白い「実況プレイ動画」になりうる。
  ゲームの欠点も、つっこみ次第ではゲームの魅力有る長所に化ける。
  
  そもそも、人がゲームをやっているのを横からみて盛り上がるということは、
  リアルの世界でも行われることであり、有る程度普遍的な魅力があると考えられる。        

6.メーカー公認「実況プレイ動画」の短所
 (1)ネタバレ
  一番大きいのはストーリー上の重要な秘密のネタバレでしょう。
  一本道のRPGやノベルゲームでは、かなり痛い問題になる。
 
  他方、アクションゲームや自由度の高いシミュレーションゲーム等であれば、
  ネタバレの危険性・重要性は低くなると考えられる。
  これは、「実況プレイ動画」に向くゲーム/向かないゲームという観点からも問題になる。

   ※追記:実況プレイ動画に適したゲーム?1 を書きました。

 (2)プレイにかかる時間
   一般に、ゲームを一本クリアするためには、数時間~数十時間の時間がかかる。
  編集により大幅にカットをしても、30分番組にすることは極めて難しい。
  (但し、一場面・一部だけをピックアップして、そこを重点的にアピールする
   という形態は考えられる。)

  そのため、地上波で放送することは、時間という観点からも極めて難しい。
  ネット配信であれば、サーバー容量の問題になるので、物理的には克服しやすくなるが、
  なお、視聴者を拘束するという意味での問題は残る。

 (3)コメントの有無
  ピアキャストやなんでも実況での「実況プレイ動画」は、
  リアルタイムでの視聴者のレス(コメント)と、それに対する配信者の反応の積み重ねが、
  面白さの大きな構成要素となる。

  これは、非真性同期(疑似同期)のニコニコ動画においても同様であり、
  実況者の行動や発言に対するコメントでの「つっこみ」や「字幕」等が
  動画の魅力を増加させる大きな要素となる。

  したがって、コメントを付けることが出来ないor手軽に出来ない形態での配信であれば、
  「実況プレイ動画」の価値は減少し、ひいては宣伝効果も減少する。
       
 (4)いわゆる「嫌儲」問題
  某掲示板やニコニコ動画の利用者の中では、一定の無視できない割合で、
  これらのサービスを利用した(あるいはそこから発祥した)コンテンツで
  営利を追求することを極度に忌避・批判する傾向のユーザーが存在する。

  現に、今回の素材となっているラジオ内での商業的発言に対しても、
  「嫌儲」的反応が見られる。
  一歩間違えればブランドイメージが失墜しかねない、極めてデリケートな問題である。

 (5)アンダーグラウンド性の喪失
  「違法だけど隠れてやっている」ことが面白い・魅力であるという視聴者にとっては、
  企業と提携しておおっぴらに「実況プレイ動画」を配信されても、
  その魅力は低く感じられる。

  これは、(4)嫌儲問題と共に、メーカー公認「実況プレイ動画」が成功すればするほど、
  市場が大きくなればなるほど顕在化する問題である。

7.まとめ?
  以上のような長所・短所を持つメーカー公認「実況プレイ動画」であるが、
  私個人としては、「実況プレイ動画」業界が飛躍的に発展する契機になる気がする。
  法的問題という成長阻害要因をクリアできるだけでも十分な意味がありますしね。
  まぁ、今はその試みを見守ることしかできませんが。
  それに、メディアの全般的なパラダイムシフトの一環と言うことになる気もする。

  あと、別の筋になるので軽く触れただけですが、ルーツ氏が開拓した、
  <自作ゲームを自分で実況する>という形態も、
  「実況プレイ動画」史に残る重要性を持っている気がします。
   すでにさんざん指摘されているでしょうけどw  

ゲーム実況プレイ動画の発展

2008-11-27 01:43:01 | ニコニコ動画・ネットとか
ふと、何気なく目についたラジオを聞いてみたところ、
かなり興味深いことを喋っていらっしゃったので、ザックリ調べつつ、メモってみました。
ガチで整理しようとすると、ゼミ発表くらいの時間・労力がかかりそうなので、
数時間リサーチしただけのアブストラクト(以下)ですw
ですので、事実の認識が正確でない・間違っている可能性は多分にあります。
羅刹ラジオ part01 ゲスト:えどさん&ふみいち

1.定義
 「実況プレイ動画」とは、プレイヤー等が喋りながらゲームをプレイした様子を収めた動画である。
 (ニコニコ大百科)
 類似の動画としては、プレイヤーが喋らない「プレイ動画」がある(上位概念でもある)。 
 また、台詞を全てプレイヤーがアフレコ(?)する動画は「フルボイス動画」と呼ばれる。
 
2.沿革・伝達形態
 1)ゲームセンターCX
   お笑い芸人「よゐこ」の有野課長が昔のゲームをクリアするまでプレイするもの。
   2003年11月から放送を開始しており、<他人がゲームしている映像のコンテンツ化>
   という意味では、日本初に近い?商業的にも成功している。

 2)実況配信、ピアキャスト配信、ライブチューブ等
   永井先生や、VIP・何でも実況板での各配信。
   永井先生が配信を始めた時期は2006年頃(http://nagai.x0.com/profile.html)。
   視聴者の反応がリアルタイム(真性同期)で配信者に伝わるため、
   配信者・視聴者のコミュニケーションが大きな意味を持つ。

 3)録画映像配信(up)
  主にニコニコ動画を中心として、録画した「実況プレイ動画」を配信。
  ニコニコ動画においては、当初は「プレイ動画」が主流であったが、
  ジャック・オ・蘭たん、しんすけ(ゆとり4人組)、hacchi(ハッチ)らの活躍により、
  「実況プレイ動画」が興隆。 
  しんすけ(ゆとり4人組)のポータルサイト的動画「農地」は、320万再生以上。
  http://www.nicovideo.jp/watch/sm1619524

  なお、既存のゲームを利用せず、自作ゲームをプレイする形態の「実況プレイ動画」
  がルーツにより認知度が上がる。
  法的問題の少ない形態であると考えられる。

3.「実況プレイ動画」の違法性
 「プレイ動画」のニコニコ大百科にもあるように、違法性がある。
  この問題こそ、私はちゃんと調べて考えなければならない問題であるが、時間がないですw
  著作権法はまだ取っていないし……
 
  10条1項7号の「映画の著作物」に引きつけて、22条の2の上映権侵害とかにするんですかね?
  少なくとも、ゲーム内の音楽の著作権の問題はありますしね。

  ということで、「実況プレイ動画」は法的に問題のあるコンテンツであり、
  現状ではゲーム製作会社各社がおおむね黙認or無視している状態であるが、
  違法性が「実況プレイ動画」業界(?)の成長を阻害する要因となりうる。
  (もちろん、ゲームセンターCXでは権利関係が処理されているものと考えられる)

  なお、コーエーのネオロマンス系ゲームの「実況プレイ動画」及び、
  新作ソフト(MGS4?)の「実況プレイ動画」が権利者により削除されたこともある。

  ※実況プレイ動画と違法性 を後日作成しました。

4.「実況プレイ動画」を取り巻く新しい動き=合法化の動き
 (1)ニコニコモンズ
  2008年10月に、メジャータイトルである「ロックマン」シリーズのゲームが、<改変していない素材を、そのまま公開、再配布はしない>等を条件として、
  ニコニコモンズに登録された。
  ロックマン9(キャラクター、プレイ動画など)の二次創作物を公開、配布することを許諾します。
  http://www.niconicommons.jp/material/nc5641

  これにより、著作権者の公認による「実況プレイ動画」の配信を、
  素人がテレビ局等が介在しない形で行えるようになった。


 (2)企業との提携による公式の配信
   ここでようやく、冒頭で上げたラジオの話=「えどさん”&ふみいち」という
   実況者の話が出てくる。
   
   要は、役者・俳優ではあるが、極めて「素人」に近い実況者による「実況プレイ動画」が、
   ゲーム会社公認でネット配信されるというもの。
   その意味で、上記有野課長がメジャーな芸能人であることとは区別される。

以下、次のエントリに続く。


***
なお、他に「実況プレイ動画」業界の成長を阻害する要因としては、
①実況対象となるゲームの枯渇問題
②視聴者・実況者双方のマンネリ・飽きの問題
③実況・配信を継続するインセンティブの問題

とかがあるんですかね?

***
所々断定的な表現になっていますが、語尾の統一をちゃんとしていないだけですw
この分野に関して断定的な評価・記述をする能力は私にはありません。

***追記
「他人ツクールシリーズ」も重要ですが、
ルーツ氏が「自作」ゲームをしているという構造との差異は大きいように思われます。