EARTH WIND & FIREの96年のオリジナルアルバム"AVATAR"です。
AVATARとは今や誰もが知ってるあのアバターのことですが、このアルバムが出た当時はインターネットなんぞ誰もがやっていませんでしたので、アバターなわけなく、アヴェタという邦題でした。ネイティブな読み方はさらに違う発音(そもそもインド)。
ちなみに96年と言えば私が初めてパフォーマ5440を買ってパソコンを始めた懐かしい年です。
恐らくEWFのアルバム中、最もレアな存在かもしれません。もはやアマゾンでも売ってないんじゃない?
エイベックスだもん(笑)。一時期EWFはエイベックスだったんだよ!
そして、EWFのアルバム中、最も異色でもあります。
なぜならとことんゆったりしているから。
全曲、テンポが馬鹿みたいに遅い。
スロー~せいぜいミディアムスローな曲ばっかり。
これは当時モーリスが流行していた音楽に影響を受けたから。
私が思うに当時のベビーフェイス、JODECI、Rケリーや晩年のジョニーギルあたりじゃないかなと。JODECIのデビューアルバムが前半6曲どスロー&後半6曲どアップだったでしょ。あの前半には若い頃の私自身もびびって2滴ちびりそうになった思い出があります(皿田きのこ談)。ちょうど同時期のEWFは"HERITAGE"を売っていた頃で、明らかに流行を追うことに必死になっていた時期ですもん。
やがてJODECIらが疾うに下火になった後、流行というより普及飽和状態のスローテンポばっかりの時代がちょっとありまして、そこから遅ればせながらスローで固めてリリースされたアルバムがこの"AVATAR"だと私は思うんですね。出た時はテンポだけが遅かったわけではなかったのでした。
というわけで、私はファンですから出てすぐ買ったはいいものの、一聴目からしばらくの間このアルバムは低評価でしたね。
のろいのばっかりだとつまらないですからね。
だってあのEARTH WIND & FIREがこれかぁ?!だもんな。
長年ハイテンションだった連中の固定観念からすればぐだぐたに感じてしまいます。
で、今宵何が言いたいかというと、ですね、
この秋、"AVATAR"にはまっております(爆)。
個人的にもけちょんけちょんにけなしてきたんくせに、今ごろやっと、聴けるようになってきました。
きっかけは音。
最近オーディオ用スピーカーのセッティングをちょこっと調節したら真空管アンプの音がぐっと良くなりまして、それで改めて聴いたら気がついたのです。
イイよこれ。音がとてもいい。
アーバンチャート
(※)専門局でかかりそうな今聴ける音。
思えばあの頃モーリスはラムゼイ・ルイスとURBAN KNIGHTSというユニットをやってたでしょ、あの音に近いんだなやっぱり。
まさにね。
EWFはこれの前のアルバムもこの後もずっと打ち込み中心なんだけど、このAVATARだけぽつんと違って、今はなき(死んだ訳じゃないw)
ソニー・エモリーの生ドラム録り中心なんですよ。そこがいいんだよね。
ソニー・エモリー好きだったもんね(笑)。真空管で聴くとまた一層気持ちいいわ。
やっぱり生楽器演奏って魅力あるんです。ちゃんと録ってたら古くならないもん。高音質ってのは結局、再評価につながる要素だよ。
というわけで、太鼓一つ一つの響きを堪能する2008年の秋の夜長なのでした。
(※ 今の時代、昔のブラコンばっかりかけて、おっさんにウケてる放送のこと)