鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

95点!

2010-10-05 21:18:25 | お知らせ

 昨日の続きですが、その前に、写真はイチジク(無花果)です。ようやく家のイチジクも実を結ぶようになりました。これは何回目の収穫か?全体にこじんまりしていますが、熟しているから甘くて美味いです。皮も薄くて、全部食べられます。実は私はイチジクが大好きです。勿論生のものも美味いですが、少し固めのものを甘く煮たもの、甘露煮にしたイチジクを冷やして食べるのが一番好きかな。

            

 午後5時30分過ぎから本番用の衣装に着替え始めました。蝶ネクタイは結びなれていないので、といっても買ったものは既に蝶の形に結ばれていて、紐を首の周りに巻きつけて、フックを止めるだけのものですが、これが自分ではなかなか上手く止まらない。仲間に止めてもらいました。

 2階に上がっていって全体での発声練習は6時15分から始まりました。女性も男性も全員黒と白の服装のため、普段の練習のときとはかなり雰囲気が異なります。異様とは行きませんが厳かな何か張りつめたような独特の雰囲気でした。もうすぐ本番だからでもあるでしょうが。

 例によって頭から足先まで動かして柔らかくします。入念に。二人一組になって、肩もみ、肩叩きまでしました(もしかしてこれはお昼のことかな?)。体中の関節を柔らかくし、全身で空気を吸い込んで音(声)を出すためでしょう。声は全身で出すものだとは、今回「せんくら」に参加するまで分かりませんでした。そういう意味ではいい勉強をさせてもらっています。発声は高音域を中心に練習しました。そして本番中は両手は両足の脇に揃えること、両手は体の前後に組んだりしないようにとの注意。

 その後合唱指導の先生から、ゲネプロのときの注意、いろいろ感じたことを指揮者の山下先生と話し合ったそうで、本番に向けての注意すべき点の説明がありました。各パートごとに、どこがいまいちだったか話され、その指摘事項の部分を実際に歌ってみて、修正や訂正をしましたが、ゲネプロの時の合唱の採点は”80点”とのこと。大学の採点にすれば、”優”であり、私としては凄い!いいじゃないか!と思ったのですが、先生にしてみればまだまだよくなるはずという期待があるからでしょうか、不満足の様子。全体にはよかった、よかったのだが、「一生懸命」に歌っているのは分かる、感じている、伝わってくる、しかしその分固い、余裕が感じられない、滑らかさが感じられない、そのようなことを言われたように記憶していますが、詳しいことはすっかり忘れてしまいましたが、まじめに一生懸命歌うだけでは聞く方にとっては面白くない、変化が感じられない、f , ff とp , pp とかを上手く表現するようにしてほしいということなのでしょうか。もっと歌う人本人が楽しんで歌ったらどうかということなのでしょうか。推察の域を出ません。

 午後7時30分からが本番ですので、いよいよ出陣です。しかし、夕方近くから外は暗くなり、いつ雨が降り出してもおかしくない天気となってきていました。そのため全員傘を持っての移動となりました。イズミティ21の正面なら近いのですが、大ホールの裏側に向かうため倍くらい歩きます。とうとうポツポツと細かい雨が落ちてきました。小雨の中、昼と同じように、上手と下手に分かれ、最上段の人から並び(でもすんなりとはいきません)、何とかステージの裏側の廊下(ホールと控え室との間の廊下)に入り、出番まで待ちます。待つのはなぜこうも長く感じるのでしょうか。

 ステージではモーツアルトのフルートとハープのための協奏曲を演奏しています。その音が廊下の天井のスピーカーから聞こえてきます。廊下を仙フィルの人たちが行き来します。ソロの人たちも部屋で発声練習をしたり、歌っています。いつ終わるのか、いつ終わるのか少しイライラしながら聞いていましたが、あと5分くらいという事務局の人の話し。もう少しです。間もなくです。そしていよいよ出番です。

 上手、下手から晴れの舞台へ向かいます。最上段から順番に並んでいきます。これは昼に1回やっているので順調に流れました。しかし、昼と大きく変わったこと、それは観客です。2,000円を支払って聞きに来てくれた観客のみなさん、ここのホールの席数は1,450席ですが、それが全部埋まっているのです。会場は満員、満席なのです。たくさんの市民が聞きに来てくれているのです。凄く眩しい光景、圧倒されるような熱気が伝わってくる場内でした。これが本番というものか、段の上を中央に歩きながらそう思いました、実感しました。幾分晴れやかな気持ちもありました。とうとうここに立ったという実感。とくに、上の段から埋まっていくので、各段の人たちは一度は最前列に並ぶ格好になります。前には誰もいません。直接観客と対峙しているという感じ。そのときには晴れやかな気持ちにもなったということです。正直なところ。

 ヤッター、ついにヤッタ、これがこれこそが初舞台にして晴舞台、この感激を味わうために5月16日以降練習を重ねてきたのかも・・・。

 160余名の合唱団が並んでから、仙フィルの楽団員の登場です。楽団員が揃ってから、4人のソリストと指揮者の山下先生のお出ましです。さあ、いよいよ本番の開始。ベートーベン作曲 交響曲第九番 第4楽章「合唱」

 216小節からバリトンのソロが入ります。 O Freunde, nicht  diese  Tone!  さすがバリトン、よく通る声で堂々と歌い始めます。そして238小節で初めて男性陣(バス・テノール)が歌います。 Ereude! 240小節も Freude! たったこれだけでも今まで何回も練習させられました。「歓喜」、喜びなのだからその表情が伝わるようにと。男性59名の第一声は無事終了、うまくできました。そこからまたバリトンのソロが続き、257小節から今度は合唱のアルト、テノール、バスの3つのパートが歌い出します。 Deine Zauber  binden  wieder,  was  die  Mode  streng  geteilt, ~ Zauber(魔力)、この発音は何度も直されたものです。bindenはwiederにかかるとかも。 269小節からソプラノ、アルト、テノールのソロも入ります。合唱の方のソプラノが入るのは、285小節からです。これで全パートが揃いました。全て順調な滑り出しです。

 何といっても頼もしいのは指揮者の山下先生です。先生の指揮、顔を見ていれば安心して歌える、そんなオーラを持っている指揮者です。個人的には何度も何度も山下先生にはお礼を言いたいです。

 そして543小節から”歓喜の歌”が始まります。 Freude  schoner  Gotterfunken ~ その後は762小節まで休みなく歌い続けます。その後ソロが入り、795小節から合唱が始まり、”Alle Menschen”が何度も出てきます。そしていよいよラスト、クライマックスです。テンポは132と、とても早くなります。

 Seid umschlungen , Millionen ! (抱きあえ、幾百万の人々よ!)

 Diesen Kuss der ganzen Welt !(この接吻を全世界に!)~・・・・・・・・

 ラスト、Freude schoner  Gotterfunken ! Gotterfunken !  (歓喜よ、美しい 神々の輝きよ!) この部分はどうしても、否が応でも盛り上がります。自然に曲の流れとして、一気に上昇します。高い”ラ”の音が続きますが、ここまでくればもう大丈夫、全ての人が160余人が声高らかに歌い上げます。まさに感動、喜び、FREUDE !!

 ああ、嗚呼、ヤッタアー、出来た!こんな全くの初心者でも努力の甲斐あって、ついに本番で、大観衆の前で歌い上げた、見よ!!この高揚感、達成感。160余人みんなの力が一つになって”Freude”を表現しきった。ホッとしたと同時に、拍手喝采を浴びている指揮者、楽団員、ソリスト、そしてせんくら合唱団、全員が喜びと感謝の気持ちで一杯となり、観客と一体化しているのを実感しました。鳥肌が立ちました。これぞ音楽!ともに喜び合う、喜び合えるのが音楽!合唱に無鉄砲にも挑戦してみてよかったあ~と本心から思いました。

 実は、上着を着て蝶ネクタイをしているために熱いこともあり、本番中汗が背中をツツーと流れ落ちるのを数回も体験してしまったのです。これは何でしょうか?冷や汗なのでしょうか??そうではないと思いたいのですが。

 ステージの段上に立っていて、眩しさを堪えながら晴れやかな気分に浸っていました。観客席の方を見回しながら、160分の1ではあっても、自分なりに精一杯歌い上げることができたという満足感に満たされていました。山下先生はソリスト達を何度も紹介したりして、会場は興奮の坩堝と化しました。

 でも、演奏は第九の第4楽章の演奏で終わりではありません。しばらくしてから最後の曲の演奏、エルガーの「威風堂々」第1番が始まります。この時観客席も明るくして一緒に歌おうということで、指揮者は観客席に向いて指揮をしたり。「夢をもって、まっすぐに希望の未来へ、みんなで手をつないで行こう」という趣旨の歌。

 前奏のあと、4つのパート全員で40小節を歌い、間奏が続き、その後ソプラノ・アルト・テノールとバスの3パートで41小節を歌って終了。これで本当に全て終了です。しかし、観客席の拍手が全く鳴り止まないので、アンコールをどうするのだろうと心配しながら見ていたが、結局アンコールの演奏はありませんでした。

 せんくら2010のフィナーレのコンサートも無事終了しました。大いに盛り上がっての終了。大きな歓声と拍手が鳴り響き、鳴り止まない中ステージに立っていて感動に浸っている自分自身。素晴らしいの一言に尽きる。この喜び、嬉しさ、充実感、達成感は何ものにも代え難い。

 やっと本番が終わったところまできました。もう11時27分。この辺で今日はお仕舞とします。悪しからず。ここまでお付き合いいただき感謝します。

コメント (3)
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