6月6日(土)
きのうの夜から朝までずっと雨で、天候が気になったが、試合開始11:30がちかくになるにつれて、ときたま太陽も顔をだす。やや蒸し暑い。
きょうは、決勝進出をかけて1部校の法政と争う。リーグ戦では、第2節に辛うじて2-1で勝っているが、いまの順位は法政のほうが上。チャレンジ精神で戦ってほしい。
栗田大輔監督からの指示は、いつものように的確そのもの。チームとしてやるべきことを徹底させるために、ホワイトボードに書き込まれたきょうのテーマ。「サイドの攻防二勝つ」「距離感」「守備のときの正しいポジショニング」「決定力」など。
さらに、小さな戦略(システム)ボードには、具体的にイメージし易いように、相手チームの選手の名前や背番号、簡単な特徴が記入してある。
前半は、明大ペース。31分に室屋成(政経3)がゴール近くまで迫り、角度のないところからシュートを打とうとして、寄せてきた小谷光毅(政経4)にパス。小谷が難なく決めて先制点を奪う。
後半は、法政も早めに選手を入れ替えて手を打ってくる。だが、試合は一進一退で、21分に和泉竜司(政経4)がヘッディングするもGKに弾かれて、惜しくもゴールならず。明治も30分前後に、選手の入れ替えをおこなう。DFの工藤将太郎(商4)に代わりにDFの小池裕平(経営4)が入り、MFの小谷光毅(政経4)に代わりにMFの岩武克弥(政経1)が初出場。それでも、最後の10分は、防戦一方。ボランチの差波優人(商4)も、いつになく前のほうでボールを追いかけ、またDF陣もシュートされそうになるとブロックに入り、なかなかゴールを割らせない。GK服部一輝(法3)のスーパーセーブも2本あり、ついに無失点で逃げ切った。 リーグ戦では、内容がよくても、勝負に勝てなかった。だが、きょうはそれほど調子がよくなくても、守備を徹底して勝利をもぎ取った。
チームとして、試合に負けない「しぶとさ/したたかさ/ずるさ」を覚えつつあるかもしれない。
きょうは、2つの特筆すべきことがあった。一つは、試合開始前に、応援組が肩を組み、胸のエンブレムに手をやりながら、体を右に左に揺らして 大きな声で校歌を歌い、選手を鼓舞していたこと。リーグ戦の国士舘との試合の前にも、しびれるような歌をうたっていた彼らだが、きょうはそれ以上に魂がこもっていた。
もう一つは、ハーフタイムの控え室でのこと。戻ってきた選手たちは、いつになく饒舌で、互いに活発に意見の交換をおこなっていた。いつもはおとなしい選手たちだが、きょうばかりはしばらく声がやまなかった。選手のあいだに、ようやく自主性が育ってきた証拠だろう。
監督やコーチにあれこれ言われる前に、学生たちがすすんで自分たちの意見を互いに述べあうことが大事だ。足らないところを補強してやるのが指導者の役目であり、学生たちは指導者が動かす将棋の駒ではない。これはピッチでも教室でも同じである。だから、きょうは、学生チームが一丸となる瞬間をかいま見た気がして、勝ったのはうれしいが、それ以上に、学生たちに一体感が出来てきたことがすばらしいと感じた。
準決勝の第2試合は、筑波大が格上の流経大(1部)を3-2で破った。筑波大は、下級生がよく走りまわり、流経大の守備陣を翻弄。終始試合をリード。2部校(今年、史上初めて2部に落ちた)とは思えない出来で、明日の決勝は、手強い相手になる。