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越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(14)

2015年06月11日 | サッカー部長日記

6月6日(土)  

きのうの夜から朝までずっと雨で、天候が気になったが、試合開始11:30がちかくになるにつれて、ときたま太陽も顔をだす。やや蒸し暑い。  

きょうは、決勝進出をかけて1部校の法政と争う。リーグ戦では、第2節に辛うじて2-1で勝っているが、いまの順位は法政のほうが上。チャレンジ精神で戦ってほしい。

栗田大輔監督からの指示は、いつものように的確そのもの。チームとしてやるべきことを徹底させるために、ホワイトボードに書き込まれたきょうのテーマ。「サイドの攻防二勝つ」「距離感」「守備のときの正しいポジショニング」「決定力」など。

さらに、小さな戦略(システム)ボードには、具体的にイメージし易いように、相手チームの選手の名前や背番号、簡単な特徴が記入してある。  

前半は、明大ペース。31分に室屋成(政経3)がゴール近くまで迫り、角度のないところからシュートを打とうとして、寄せてきた小谷光毅(政経4)にパス。小谷が難なく決めて先制点を奪う。  

後半は、法政も早めに選手を入れ替えて手を打ってくる。だが、試合は一進一退で、21分に和泉竜司(政経4)がヘッディングするもGKに弾かれて、惜しくもゴールならず。明治も30分前後に、選手の入れ替えをおこなう。DFの工藤将太郎(商4)に代わりにDFの小池裕平(経営4)が入り、MFの小谷光毅(政経4)に代わりにMFの岩武克弥(政経1)が初出場。それでも、最後の10分は、防戦一方。ボランチの差波優人(商4)も、いつになく前のほうでボールを追いかけ、またDF陣もシュートされそうになるとブロックに入り、なかなかゴールを割らせない。GK服部一輝(法3)のスーパーセーブも2本あり、ついに無失点で逃げ切った。  リーグ戦では、内容がよくても、勝負に勝てなかった。だが、きょうはそれほど調子がよくなくても、守備を徹底して勝利をもぎ取った。

チームとして、試合に負けない「しぶとさ/したたかさ/ずるさ」を覚えつつあるかもしれない。

きょうは、2つの特筆すべきことがあった。一つは、試合開始前に、応援組が肩を組み、胸のエンブレムに手をやりながら、体を右に左に揺らして 大きな声で校歌を歌い、選手を鼓舞していたこと。リーグ戦の国士舘との試合の前にも、しびれるような歌をうたっていた彼らだが、きょうはそれ以上に魂がこもっていた。

もう一つは、ハーフタイムの控え室でのこと。戻ってきた選手たちは、いつになく饒舌で、互いに活発に意見の交換をおこなっていた。いつもはおとなしい選手たちだが、きょうばかりはしばらく声がやまなかった。選手のあいだに、ようやく自主性が育ってきた証拠だろう。

監督やコーチにあれこれ言われる前に、学生たちがすすんで自分たちの意見を互いに述べあうことが大事だ。足らないところを補強してやるのが指導者の役目であり、学生たちは指導者が動かす将棋の駒ではない。これはピッチでも教室でも同じである。だから、きょうは、学生チームが一丸となる瞬間をかいま見た気がして、勝ったのはうれしいが、それ以上に、学生たちに一体感が出来てきたことがすばらしいと感じた。

準決勝の第2試合は、筑波大が格上の流経大(1部)を3-2で破った。筑波大は、下級生がよく走りまわり、流経大の守備陣を翻弄。終始試合をリード。2部校(今年、史上初めて2部に落ちた)とは思えない出来で、明日の決勝は、手強い相手になる。

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ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(13)

2015年06月11日 | サッカー部長日記

6月3日(水)  

アミノバイタルカップの3回戦(準々決勝)があった。  

明治高校での出張講義が入っていたので、応援にいけなかった。  

ちょうど授業が終わる頃に、主務の西原天童君(政経4)と栗田大輔監督から携帯にメールが入った。2-0で東洋大を下し、ベスト4入りを果たした、といううれしい知らせ。  

和泉竜司(政経4)と木戸皓貴(文2)の二人のフォワードが点を決めてくれたらしい。またもや無失点ゲーム。守備が格段に安定してきたようだ。  

その他、法政大は平成国際大を2-0で下し、筑波大は神奈川大を5-3で破り、流経大は専修大を2-0で退けた。こんどの土曜日(6月6日)におこなわれる準決勝の対戦カードは、明治Vs法政、筑波大Vs流経大となった。

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ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(12)

2015年06月11日 | サッカー部長日記

5月31日(日)

きょうは午後13時50分からの第2試合。相手は中大を破った朝鮮大。FW3人が迫力のある攻撃を見せ、そのうちの一人が中大戦で見せたボレーシュートは見事だった。  

明治は、システムをきのうの3-4-3 から4-3-3に変え、選手もDFに小池裕平(経営4)、工藤将太郎(商4)の代わりに、室屋成(政経3)と小出悠太(政経3)を入れ、FWには土居柊太(政経2)代えて瀬川祐輔(政経4)が今期初出場。FWががんがんくる相手に対して、足の速い瀬川の前からのディフェンスに期待がかかる。  

きょうの試合も、明治が試合をコントロール。前半、風上を利して、サイドよりにロングボールをいれると藤本佳希(文4)が裏にまわってよく走る。開始直後に右コーナーキックを得て、あっという間に先制ゴール。差波優人(商4)の蹴ったボールに、柴戸海(政経2)がニアでうまく反応した模様。  

それから、コンスタントに得点を積み重ねる。便秘みたいなこれまでの試合がウソのように、狙ったシュートは不思議とゴール内に吸い込まれていく。藤本佳希(文4)がDFを引き連れて、ドリブルしてゴールを決めれば、左からの放った差波のコーナーキックを鳥海晃司(商2)が相手DFと交錯しながら足で押し込む。前半は3-0で折り返す。後半も、差波からのボールを柴戸海(政経2)がヘッドしたボールを和泉が決める。足を蹴られて打撲した和泉に代わって後半29分に木戸皓貴(文2)が出る。直後にうまく裏に抜けでて、キーパーと一対一になり、手堅くゴールを決める。そして、極めつけは、瀬川祐輔(政経4)がこれもうまく裏に抜け出して、ほぼ正面からキーパーと一対一になり、初ゴールを決めたことだった。終了直前には、藤本に代わって出た副キャプテン小谷光毅(政経4)がペナルティエリアで倒されPKを得る。栗田監督が「小谷、お前打て」と言われ、小谷は立ち上がり、PKを打つも、キーパーに弾かれてしまったが、小谷をはじめ、交替した選手全員が得点シーンに絡み、監督の期待に応えた。  

後半、朝鮮大FW陣も果敢に裏に抜けでて攻撃しようとするが、ことごとく明治のオフサイド網にひっかかる。明治DF陣は大量リードで余裕もあり、危険なシーンはほとんどなかった。ただ前半一度だけ、1点を失うかもしれないシーンがあったが、高橋がボールを外に蹴り出して事なきを得た。結果は、6-0の快勝。守備が安定すれば、後でもったいないな、と感じるような変な負け方をすることはないだろう。小出悠太(政経3)や高橋諒(文4)や鳥海など、DF陣がこれまで以上にピッチで大きな声を出して、コミュニケーションを取っていたのが印象的だった。  

その他、2回戦でも波乱はあった。1部リーグ首位の国士舘大が東洋大(2部)にPK戦(1-3)で敗れ、同じく一部の早稲田は筑波大(2部)に1-2で逆転負け。  

また、桐蔭横浜大は、後半40分まで2-0で勝っていながら、そこから法政大に逆転され、2-3で敗れ去った。八城さん、悔しくて、きっと眠れない夜を過ごすことだろう。  

結局、1部校でベスト8に残ったのは、明治以外に、流経大、専修大、神奈川大、法政大の5校。残りは東洋大、筑波大(以上、2部校)、平成国際大(プレーオフ勝ち上がり)。  明治は東洋大とベスト4をかけて、中2日で、こんどの水曜日に戦う。その他は、流経大vs.専修大(これは面白い試合になりそう)、神奈川大vs.筑波大、法政大vs.平成国際大。これだけ波乱が起こっているのだから、どこにもチャンスはある。もちろん、明治にも。逆にいえば、簡単に足をすくわれることもある。

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ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(11)

2015年06月11日 | サッカー部長日記

5月30日(土)  

これから2週間は、リーグ戦がいったん休止になり、アミノバイタルカップ(夏の総理大臣杯関東予選を兼ねる)のトーナメント戦になる。  

土、日と2日連続で、1、2回戦を戦い、翌週の水曜日に準々決勝、週末に準決勝と決勝という、とんでもない超過密日程である。  

29日(金)の午後に新幹線で三島へ向かい、三島駅からバスで裾野市の高原ホテルに移動。途中、裾野駅前の停留所で、サッカーボールを持ち、リュクを背負った小学生がこれからサッカースクールでの練習です、といった感じでバスに乗り込んできた。さすが静岡は、日本少年サッカーの発祥の地である。*註(1)  

選手もきょうのうちに、八幡山の合宿所からバスでホテルへ移動。夕食後に、ホテルの敷地内にある<気楽坊>という温泉場に行き、露天風呂や炭酸泉に入る。国士舘の選手たちがいて、信末君と名乗る1年生と少し会話をする。かれは福岡から清水桜が丘(旧清水商業)高校へいき、国士舘に進んだという。中学生のときに、群馬から国見(大分)に越境した高橋諒(文4)や大阪から青森に越境した室屋成(政経3)と同様、若いノマド(遊牧民)。1年生で今回の遠征メンバーに選ばれたのだから、きっと逸材に違いない。これを縁に、遠くから信末君の活躍を見守っていきたい。実は、明治も二人の1年生を帯同させている。右サイドバック岩武克弥(政経/大分西出身)とGKの長澤祐弥(政経/藤枝東出身)。かれらも明治で才能を大きく開花させてほしい。  

きょうは、30度を越える夏日。1回戦には関東の大学の32チームが参加し、8つの会場で2試合ずつおこなわれた。裾野市はサッカー場だらけ。  

ホテルから、メイン会場から離れたグラウンドHまで、栗田監督の車に平松トレーナーと便乗させていただく。まるで茶畑や里山を切り開いた感じで、手前に2面、奥に1面、それぞれ隣り合うようにサッカー場が作ってある。木の陰ならば、そよ風もあり快適。だが、ピッチやベンチは陽射しをモロに受ける。山梨でA級指導者ライセンスの研修を受けていたという三浦祐輔ヘッドコーチも、試合開始になんとか間に合う。  

初戦の相手は、城西大学(埼玉県リーグ1部)。予選(プレーオフ)から勝ち上がってきた。パンフレットによれば、「関東1部リーグという格上の相手に、今年こそはという強い気持ちで真っ向勝負を挑む」と、ある。負けてもともと、強い相手にいっぱい食わせてやる、といった気迫が十分。実は、こういう相手がいちばん怖いのだ。  

試合は終始明治がコントロール。シュートも23本打ったが(試合後のマッチコミショナーによる)、ことごとくバーやポスト、相手選手に当たり、まるで国士舘戦の再現である。しかも、後半30分には、キーパーと一対一のシーンを作られ、危うく先取点を奪われかけるが、相手のミスで事なきを得た。終了寸前に、ペナルティエリア内の左45度あたりから、キャプテン和泉竜司(政経4)が先制ゴールを決める。和泉は後半10分にもほぼ同じ位置からシュートを放ち、バーに当てていたので、2度目の正直。死にもの狂いにがんばった城西大の奮闘もあり、1-0と厳しい試合だった。だが、このチームで今季初の無失点ゲームは高く評価できる。

「トーナメント戦では、とにかく勝つことが大事」(栗田監督)。  

主務の西原天童(政経4)が、とたんに忙しくなる。宿の予約を再び入れなければならないからだ。けさは、全員ホテルをチェックアウトしていたのだった。  

夕食後に、ホテルのロビーでスタッフ(神川総監督、栗田監督、三浦コーチ)と酒を飲む。しばらくして、明治サッカー部のOB(栗田監督の1年後輩)で、現在、桐蔭横浜大で監督をしている八城修さんが合流。八城さんの率いる桐蔭大も拓殖大との一回戦をPK戦(5-4)の末に勝ち上がったために、舌は滑らか。  

トーナメント戦は、関東の1部も2部も、プレーオフ勝ち上がり組も出ており、1回戦から下克上の様相。関東1部の上位校が足をすくわれた。順天堂大は平成国際大(プレーオフ組)に0-1で敗れ、慶大は明学大(プレーオフ組)にPK戦(1-2)で敗れ、中大は朝鮮大(二部校)に1−2で敗れるという波乱があった。学生スポーツは、技術よりも気迫やメンタルが大事であることの証し。受け身にまわると、もろい。

(1)静岡は、日本の少年サッカーの発祥の地であるらしい。静岡市清水区の二つの神社、小芝八幡宮と魚町稲荷神社は「サッカー神社」と呼ばれている。とりわけ、後者は、境内に少年サッカー発祥の地の碑が建っている。<清水エスパルスのファンのHP>。また、魚町稲荷神社は、清水エスパルスにゆかりの神社で、チームは毎年、ここで「必勝祈願」(出陣式)をおこなう。<エスパルスのHP>

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