≪皆既食≫
シアターBURAV!
初めての劇場で 外から見ただけでもそんなに大きくないと思ったけど
中に入って
狭いというか こじんまりしてる
↑ 気を使ったんか?
席に行って
思ったよりずっと近い
どーしよー
↑ 大丈夫やって。舞台から岡田さんが見詰めたりしないから
これの原作
{太陽と月に背いて}
ランボー役が レオナルド・ディカプリオで
とても残念だった思いが
↑ 顔が好みじゃなくて
ランボーの大胆で繊細な感じが足りないように感じたんだよね
アルチュール・ランボーを知ったきっかけが
お酒会社のCM
そのCMの語りに惹かれて
図書館で彼の伝記と詩が載っている本を借りて
その生き方に衝撃を受けた
あんな生き方をする彼が
とても魅力的で
詩も刺激的で
魅了された
その中で
ヴェルレーヌとのことも書かれていて
ますます興味がわいて
だから
映画も見たんだけど
ところどころ
印象に残っている映像が
舞台を見ながら 蘇ったりして
面白い感覚だった
久々に舞台を見ようと思ったのは
もちろん
映画版{太陽と月に背いて}を観てたから
日本語で しかも舞台で
どんなことになるんだろうと思ったのと
アルチュール・ランボーを
これが初舞台になる岡田将生さんがするというので
見逃したら 後悔すると思って
結論
ほんとは外出を極力避けたい寒い時期だけど
観に行って 本当によかった
演出家の方が
キャストが揃わなければ 舞台化しないとおっしゃったそうだけど
すべてが 嵌っていたと思う
特に
アルチュール・ランボー役は 岡田将生さんしかいないわ
確かに
彼と同じ年くらいで 実力もある役者さんは 思いつくだけでもかなりいる
でも
ランボーは彼しかいない
実際は ヴェルレーヌが言うような美少年ではなかったらしいのだけど
ヴェルレーヌが ランボーを美少年だと褒めちぎったから
私の中では 本当に美少年のくくりになっていて
舞台に登場した彼は
金髪がとてもよく似合ってた
声もすんなりと耳に届く
彼が醸し出す雰囲気が
どんな下品な言葉を吐いても
品性が無くなりはしないし
粗野な言動も 愛嬌があるように見えたし
甘える時の無邪気な愛らしさも
鋭い言葉を投げつけてケンカをしながらも
愛してほしいと訴えるような感情の発露も
そして
一番 感情を揺さぶられたのが
ランボーと妻マチルダの間でどっちつかずに揺れ続けるヴェルレーヌに向かって
酒場で二人
アブサンを飲み干して移動
ナイフをテーブルに突き立ててから
ヴェルレーヌに
テーブルの上に両掌を上に向かせて置かせて
その手にナイフを一刺しずつ
その時の台詞が
ランボーの気持ちのすべてを語っているように感じた
胸が詰まって 涙が出そうになった
このままずっと
すくってもすくっても零れる水のような
乾いてしまえば
何もなかったように見える水なのに
カサカサに乾いた手に それは確かに存在したのだと知らされる
やるせなさと求め続けてしまう想い
ホテルで言い争いの後 笑いながら出ていくランボー
声をあげて笑っているのが 声をあげて泣いてるように見える
ヴェルレーヌが追憶の中で出会うランボーは
両掌にナイフを突き立てる代わりに
口づける
そうやって
ヴェルレーヌは永遠にランボーを愛しいものとして
記憶に刻み語っていく
マチルダ役の 中越典子さん
ドラマとかでは あんまりパっとしない感じだったけど
↑ 印象が薄いと言うか
↑ フォローするんか思ったら なんやねんそれ
舞台だと 声もよく通るし
すごくいい感じ
↑ そこが言いたかったんかい
初めから素直に褒めたらええやん
チケットが結構な値段だったので
一回しか観れなかったけど
できることなら
全日程を見たかった
場面が変わると舞台も変わるんだけど
その転換が また不思議な雰囲気を醸し出していて
何度も見たいと思わせる
DVDにならないのかな~
絶対買うのに
なんかランボーの岡田さん観てたら
久々に『重力ピエロ』観たくなったな