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エールフランスが西アフリカに殴り込み?~アフリカの航空事情(13)

2015-12-03 07:30:31 | アフリカビジネス
世界的に最も航空需要が伸びているアフリカ大陸。しかしアフリカ諸国間での移動、いわゆる横飛びには不確実性、不定時制のリスクが残る。

昔を知るアフリカフリークには忘れもしない。アフリカの横飛び便といえば「エール・アフリック」。それこそ、「エール・プテートル」('Air Peut-être'、英語で'Air Perhaps'の意)の異名を持ち、バッドガバナンスとめちゃくちゃな運航で関係者をひたすら惑わし、2000年代の初頭までに倒産した。

その後、幾多のアフリカ・オリジンの航空会社がその後を継いだが、なかなか成功を見なかった。

しかし2000年代の半ばより、西アフリカ地域では'Réseaux Régionaux'(英語で'Régional network')となるアフリカ資本の奮闘が目立ってきた。

例えばブルキナ航空。アガカン財団の支援を受けるアフリカ資本、エチオピア航空グループ。ウガンダ航空、そしていにしえのマリ航空と同じアライアンスだ。ブルキナ航空は、これでもか、というくらい、無理くり定時性を実践の中で主張してきた。下手すると、定時に空港に行けば「もう出発した」とのジェスチャを受けたこともあった(実体験、汗)。

それからトーゴに本拠を置くAsky航空(アスカイ、とよむ)。早朝から中西部のアフリカ、津々浦々を駆け巡り、昼12時にトーゴの首都、ロメに飛行機を集める。そして、昼過ぎにまた各アフリカ地域にお客を再分配。貧弱なターミナルは大混乱、時には重大なミス(笑)が見られるが、総論としてはよく中西部のアフリカをがんばってつないでいる。


そんな中、12月2日、AFP通信はこんなニュースを伝えている。

「エールフランス、アビジャンをハブに西アフリカフライトのプラットフォームを構築」

記事の要旨はこうだ。

「5年から10年の間に、アビジャンをハブと考えると、我々にとって戦略的な就航先と言えよう。」エールフランス・KLMグループのアレクサンドル・ド・ジュニアック代表取締役が、就航75年の記念を迎えた訪問先のアビジャンで述べた。


エールフランスの戦略は、同社が20%の資本を投下するコートジボワールのナショナル・フラッグ、エール・コートジボワールを、西アフリカ地域航空旅客の要にしようとするもの。

(エール・コートジボワール機)


「ヨーロッパに比べ、5年から10年のスパンでも圧倒的な成長が見込める」とド・ジュニアック氏。東アフリカではスカイチームでエールフランスが26%の株式を有するケニア航空で同じアプローチをすでに実践する。

エールフランスの構想は長距離便を核に、資本提携するアフリカの航空会社を接続し、大陸全体の航空旅客需要を囲い込もうというもの。このような深い戦略的財務提携関係を結んでいる地域は他にはないという。


エールフランス・KLMグループは、今年の5月からアビジャンとパリを週7便、同社で4機目の機体となるA380で就航させている。仏語圏アフリカにおける唯一の「空飛ぶ大型客船」就航先だ。

(「空飛ぶ大型客船」エアバスA380型機)



エールフランス代表取締役によれば、2014年に20万人であった輸送航空旅客は、今年24万人に。乗客率も82%に達するという。
「在仏コートジボワール人コミュニティの旺盛な移動、パリ・アビジャンの適度な距離感、力強い経済成長が需要を支える」と、上機嫌なド・ジュニアック氏の評価で記事は締めくくられている。


エールフランスの新しいビジネスは、不確実、不安定なアフリカ横移動に新たな風を吹き込むことになるのか?また萌芽してきたアフリカ系航空会社のイニシアティブにどう影響していくのか?利便性、経済性の向上には競争も不可欠。西アフリカの航空事情に今後も注目だ。

(おわり)


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