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アフリカ、航空業界の戦い2019(後編)〜西アフリカをめぐる航空史

2019-01-21 16:20:26 | アフリカビジネス
成長たくましいアフリカの航空業界。中でも今年の注目はエチオピア航空の飛躍である。アフリカ初の資本、これまで大陸に確実に翼を広げ、飛躍を続けている。

アフリカ、航空業界の戦い2019(前編)〜急成長するエチオピア航空

しかしアフリカ大陸の制覇には、もう一つ重要な壁を乗り越えなければならない。東からは攻めにくい、西アフリカへの展開である。

先行のケニア航空や南アフリカ航空は、直営で限定的に路線を展開している。したがって西アフリカにハブ拠点をを設けることができず、就航都市も限られる。



これに対し、エチオピア航空はご承知のとおり、2010年に40%の資本金を出資して、トーゴのロメをハブとしたアスカイ航空(Asky Airlines)を設立。同時期に倒産したエール・セネガル国際航空の地位に取って代わろうとしていた、エール・ブルキナの地位を横から奪取した。



塗り変わるアフリカの航空絵図(2)〜トーゴ・ロメの台頭


これに対抗するのが201X年から展開するエール・コートジボワール。エールフランスから20%の資本金を受け、現在26就航都市に翼を伸ばす。



西アフリカ仏語圏では、現在アスカイ航空よりは信頼できる、というのが定評だ。2018年にはアフリカ開発銀行より253百万ユーロの融資を受け、ヌアクショット、バンギ、ルアンダ(アンゴラ)への新路線開設を目指す。他方、決算では大幅な赤字を記録し、大株主のエールフランスから、「それでも親子の契りは崩さない」とお墨付きをもらったところ。エール・コートジボワールについてはすでに『ぶら★アフ』でも重ねてお書きしているのでご参照いただければ。

そして新空港開港の機ににあわせて登場したのが、エール・セネガルだ。2018年11月に8つの都市向けに就航(アビジャン、バマコ、バンジュル、ビサウ、コナクリ、コトヌ、プライア、ジゲンショール)。マッキー・サル大統領は、現在エールフランスやエミレーツ航空にとられている長距離路線から旅客を奪い返したい、と意欲を述べている。2019年にはカタール航空がコートジボワールにも定期便を就航させる趨勢で、ますます競争は加熱しそうだ。

他方、セネガル航空も1人では戦えないとの慎重な構え。過去こちらの記事でご紹介のとおり、セネガルは過去2回にわたり、ナショナルフラッグを倒産させた苦い過去がある。

塗り変わるアフリカの航空絵図(1)〜ダカール新国際空港は地域のハブとなりうるか?

そこで、本来ならライバルとなるべきエール・コートジボワールとの間で、予備機材やパイロットの共有、部品の融通などを含むパートナー協定を締結した。


横飛びがつらいアフリカ、特にフランス語圏。そして英語圏←→仏語圏間。

アフリカの航空事情(1)~横とびが大変!

史上最悪のフライト(1)〜悪夢の序章


市場拡大とともに、利便性、定時運航、サービスなども向上していくことが、地域の持続的成長と、地域統合のために不可欠。利用者としては一層の健全な競争に期待したいところ。あ、ただし安全性が最優先であることだけはお忘れなく!

(おわり)

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