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塗り変わるアフリカの航空絵図(2)〜トーゴ・ロメの台頭

2017-12-13 14:50:30 | アフリカビジネス
セネガルに新しく開港したブレーズ・ジャーニュ国際空港(AIBD)。超最新鋭(ultramoderne)の施設と機材を揃え、西アフリカのハブ空港たる地位を狙う。しかしセネガルには肝心のあるものがない。それはナショナルフラッグとなる航空会社の欠如だ。

塗り変わるアフリカの航空絵図(1)〜ダカール新国際空港は地域のハブとなりうるか?

すでに三度の倒産・精算を重ねてきたセネガルのナショナルフラッグキャリア。その希望は尽きず、まもなく新会社「エール・セネガルSA」が、年内にも離陸する見通しだ。ブレーズ・ジャーニュ空港の開設とあわせ、セネガルを名実揃った「地域の航空ハブ」とするための重要で不可欠なキャリアとなる。


しかしセネガルの新空港が西アフリカにおける地域ハブとして君臨するためには、競合しなくてはならない先行するライバルたちがいる。1つはトーゴ、ロメ国際空港だ。

南北に長く、スライスチーズのようにうす〜く国土が広がるトーゴ。この国が生きる道は、天然の良港であるロメ港とそこにつながるロジスティク回廊、そしては 地域の航空網のハブを生かした運輸交通立国となることだ。

2007年、ロメにAsky(アスカイ)航空が創設された。エチオピア航空が40%を出資。実際の就航は2010年からだ。その後アスカイ航空は路線を拡大し、現在は20カ国23の就航先を8機の機体で結んでいる。またエチオピア航空との共同運航で、アジスアベバからロメをトランジットし、ニューヨーク/ニューアークを結ぶフライトも就航した。

(アスカイ航空とエチオピア航空のタンデムショット)


アスカイ航空の就航は、時折しも地域を結んでいたエール・セネガル国際航空の倒産の時期と符合する。地域航空網の空白が生じようとしていた当時、エール・ブルキナ航空が定時制と安定的運航で穴を埋める時期があった。しかしそれもつかの間、次第にその機能はアスカイ航空が担うようになった。

(エール・ブルキナ航空)


アスカイ航空のダイヤは、まず午前中に周辺国を周り、ロメ空港にトランジット客を集める。そして午後のフライトで、乗り継ぎ客たちを最終目的地に振り分けていくというもの。アスカイ航空は、リージョナルキャリアの不在を追い風に、堅調に成長。旅客は増加の一途を辿った。

しかしあまりにちっぽけなロメの空港は、これらの客をさばくのに十分な規模ではなかった。次のフライトが何番ゲートから、何時に出るのか。フライトインフォメーションなど基本的情報を伝えるボードすらなかった。ターミナルと航空機を結ぶバスの往来も滞り、また空港や地上係員の対応も育成も十分ではなかった。乗り継ぎ客の不満は絶えず、次第に大きくなっていた。


運輸交通を国家建設の基礎に据えたいトーゴ政府は、中国の支援により、新空港ターミナルを建設。2016年4月の独立記念日、超最新鋭(ultramoderne)のターミナル共用が開始された。



アスカイ航空と新空港ターミナルで、ロメの地域ハブの地位はレベルフライトに入った、かと思いきや。現実は順風満帆ではなかった。

アスカイ航空はわずか8機の機体で23の就航先を結ぶギリギリの運航を続けている。たとえ一機でも、機体不調により運行離脱となれば、フライトスケジュールには大きな結果をもたらす。ここ数年で、フライトの大幅な遅延、キャンセルが相次ぎがあり、アスカイ航空の定時性、運航安定性の評価を大きく下げることとなった。


そんな中、西アフリカでは本命の地域ハブであり、フラッグキャリアとなっていくライバルが急成長していく。

(つづく)

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