先日来お届けしているブルキナファソの政情と選挙情報。昨日、ツイッターとFBでは、日本語ではたぶん最速（笑？）で暫定開票結果をツイートした。その概況を詳しくお知らせしよう。
投票は11月29日（日）に行われた。先日の記事でお知らせしたとおり、大統領選挙には14人の候補が立候補。これに対し、550万人の有権者が判断を下す。
本命候補は2人。一人は「前進のための国民運動（MPP）」のロッシュ・マルク・クリスチャン・カボレ候補。トマ・サンカラ革命を支え、コンパオレ政権でも高官や国民議会議長を務め、最後には旧体制を離れた。もう一人は、「変革と前進のための連合(UPC)）のゼファリン・ディアブレ候補。経済界出身でやはりコンパオレ政権に与した。この両者の一騎打ちとみられていた。
詳しくはこちら↓
ブルキナファソ大統領選挙がやってくる
投票は、アフリカ選挙事情おきまりの遅れ、不手際は織り込み済み。それなりに順調に進み、同日夜には開票オペレーションに移行した。
独立選挙委員会（CENI）は、選挙前から、投票翌日にの 暫定結果を発表すると公約。そしてそのとおり、11月30日（月）夜21時ころ、CENIは暫定選挙結果を公表した。
投票率は約60%。トップはロッシュ・マルク・クリスチャン・カボレ氏（58歳）。53.49％（1,668,669票）と過半数の得票を得て、ブルキナファソ国民が初めて民意で選んだ大統領に就任することとなった。
（RFIウェブサイトより）
第二位は、ゼファラン・ディアブレ党首で、得票率は21.65％であった。2人の候補で有効投票の80%を占めたことになる。ちなみに全体の投票率は約60％であった。
暫定結果発表ののち、この選挙結果を他の候補者、特にディアブレ候補とその支持者がどう受け止めるかに注目が集まった。
フランス国際ラジオ放送（RFI）のインタビューに答えた敗者・ディアブレ候補支持者は、「残念な結果だ。しかしこれが民主主義の民意だ。様々な経緯を経てきたブルキナファソ国民として、一抹の喜びをもって受け止めたい」。また他の支持者は「少なくとも決戦投票まで戦いたいと思っていただけに無念。しかしこれはフェアプレイの結果だ。受け入れなくてはならない」。
当のディアブレ候補は、公式選挙結果の発表を待たず、当選を確実にしたカボレ候補を直接訪問し、祝意を表した。勝利したカボレ候補は次のように述べた。「ブルキナファソの申し子たちがこぞって示した民意を通じ、我が国のガバナンスの改善、前進への強いコミットが示された。私はここにすべての大統領選挙立候補者に対してお礼と祝意を申し述べたい。彼らが示した祖国への愛に対して。そして寛容と受容の精神のもと、違いを乗り越え、シナジーを共に追い求めていかんとすることを。」
ブルキナファソ国民革命とその混乱から1年とちょっと。さしあたりは「ブルキナファソらしい」サバアレな結末をもって民主化プロセスが進んだ、と評価できるのではないか。
しかし真の国民和解と再統合はこれからだ。今回の選挙に、旧コンパオレ派の立候補は認められていなかった。
さらにブルキナファソのアキレス腱である政軍関係の問題もまだ未整理だ。大統領選挙の陰で、カファンド暫定大統領が、国軍出身で2014年の政変の首謀者たるジダ暫定首相を、中佐から「特別な地位にある」陸軍少将に昇進させることを発表した。
イサック・ジダ。もともとはコンパオレ派の大統領警護隊（RSP）出身、体制転覆のドタバタに軍事力で政権を奪取した。そして同じRSPが起こした2015年9月の謀反を首謀したディエンデレ将軍は囚われの身だ。民主主義的モラルからの疑問の他にも、軍のヒエラルキー、規律と綱紀に大きなヒビが入ることは間違えない。カボレ新大統領がどれほど軍の問題に介入できるのか。病状は風邪ほど軽くはない。
ブルキナファソの挑戦はこれからなのだ。
（CENI発表、暫定開票結果）
- Roch Marc Christian Kaboré, MPP - Mouvement du peuple pour le progrès, déclaré vainqueur dès le 1er tour avec 53,49 %
- Zéphirin Diabré, UPC - Union pour le progrès et le changement : 29,65 %
- Tahirou Barry - Paren : 3,09%
- Benewende Sankara - UNIR-PS : 2,77%
- Ablasse Ouedraogo - Faso Autrement : 1,93%
- Saran Sereme - PDC : 1,73%
- Victorien Tougouma - MAP : 1,63%
- Jean-Baptiste Natama - indépendant : 1,36%
- Issaka Zampaligre - indépendant : 1,22 %
- Adama Kanazoe - AJIR : 1,21%
- Ram Ouedraogo - RDEBF : 0,68%
- Salvador Maurice Yameogo - RDF : 0,49%
Boukaré Ouédraogo - indépendant : 0,48%
- Françoise Toe : 0,26%
（おわり）
投票は11月29日（日）に行われた。先日の記事でお知らせしたとおり、大統領選挙には14人の候補が立候補。これに対し、550万人の有権者が判断を下す。
本命候補は2人。一人は「前進のための国民運動（MPP）」のロッシュ・マルク・クリスチャン・カボレ候補。トマ・サンカラ革命を支え、コンパオレ政権でも高官や国民議会議長を務め、最後には旧体制を離れた。もう一人は、「変革と前進のための連合(UPC)）のゼファリン・ディアブレ候補。経済界出身でやはりコンパオレ政権に与した。この両者の一騎打ちとみられていた。
詳しくはこちら↓
ブルキナファソ大統領選挙がやってくる
投票は、アフリカ選挙事情おきまりの遅れ、不手際は織り込み済み。それなりに順調に進み、同日夜には開票オペレーションに移行した。
独立選挙委員会（CENI）は、選挙前から、投票翌日にの 暫定結果を発表すると公約。そしてそのとおり、11月30日（月）夜21時ころ、CENIは暫定選挙結果を公表した。
投票率は約60%。トップはロッシュ・マルク・クリスチャン・カボレ氏（58歳）。53.49％（1,668,669票）と過半数の得票を得て、ブルキナファソ国民が初めて民意で選んだ大統領に就任することとなった。
（RFIウェブサイトより）
第二位は、ゼファラン・ディアブレ党首で、得票率は21.65％であった。2人の候補で有効投票の80%を占めたことになる。ちなみに全体の投票率は約60％であった。
暫定結果発表ののち、この選挙結果を他の候補者、特にディアブレ候補とその支持者がどう受け止めるかに注目が集まった。
フランス国際ラジオ放送（RFI）のインタビューに答えた敗者・ディアブレ候補支持者は、「残念な結果だ。しかしこれが民主主義の民意だ。様々な経緯を経てきたブルキナファソ国民として、一抹の喜びをもって受け止めたい」。また他の支持者は「少なくとも決戦投票まで戦いたいと思っていただけに無念。しかしこれはフェアプレイの結果だ。受け入れなくてはならない」。
当のディアブレ候補は、公式選挙結果の発表を待たず、当選を確実にしたカボレ候補を直接訪問し、祝意を表した。勝利したカボレ候補は次のように述べた。「ブルキナファソの申し子たちがこぞって示した民意を通じ、我が国のガバナンスの改善、前進への強いコミットが示された。私はここにすべての大統領選挙立候補者に対してお礼と祝意を申し述べたい。彼らが示した祖国への愛に対して。そして寛容と受容の精神のもと、違いを乗り越え、シナジーを共に追い求めていかんとすることを。」
ブルキナファソ国民革命とその混乱から1年とちょっと。さしあたりは「ブルキナファソらしい」サバアレな結末をもって民主化プロセスが進んだ、と評価できるのではないか。
しかし真の国民和解と再統合はこれからだ。今回の選挙に、旧コンパオレ派の立候補は認められていなかった。
さらにブルキナファソのアキレス腱である政軍関係の問題もまだ未整理だ。大統領選挙の陰で、カファンド暫定大統領が、国軍出身で2014年の政変の首謀者たるジダ暫定首相を、中佐から「特別な地位にある」陸軍少将に昇進させることを発表した。
イサック・ジダ。もともとはコンパオレ派の大統領警護隊（RSP）出身、体制転覆のドタバタに軍事力で政権を奪取した。そして同じRSPが起こした2015年9月の謀反を首謀したディエンデレ将軍は囚われの身だ。民主主義的モラルからの疑問の他にも、軍のヒエラルキー、規律と綱紀に大きなヒビが入ることは間違えない。カボレ新大統領がどれほど軍の問題に介入できるのか。病状は風邪ほど軽くはない。
ブルキナファソの挑戦はこれからなのだ。
（CENI発表、暫定開票結果）
- Roch Marc Christian Kaboré, MPP - Mouvement du peuple pour le progrès, déclaré vainqueur dès le 1er tour avec 53,49 %
- Zéphirin Diabré, UPC - Union pour le progrès et le changement : 29,65 %
- Tahirou Barry - Paren : 3,09%
- Benewende Sankara - UNIR-PS : 2,77%
- Ablasse Ouedraogo - Faso Autrement : 1,93%
- Saran Sereme - PDC : 1,73%
- Victorien Tougouma - MAP : 1,63%
- Jean-Baptiste Natama - indépendant : 1,36%
- Issaka Zampaligre - indépendant : 1,22 %
- Adama Kanazoe - AJIR : 1,21%
- Ram Ouedraogo - RDEBF : 0,68%
- Salvador Maurice Yameogo - RDF : 0,49%
Boukaré Ouédraogo - indépendant : 0,48%
- Françoise Toe : 0,26%
（おわり）
