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元独裁者、国庫の金を持ち出した嫌疑で訴追へ〜その後のガンビア(6)

2017-05-23 06:30:53 | アフリカ情勢
その後のガンビア、第六話。

昨年末、2016年12月の大統領選挙でまさかの敗北。その後も権力の座にしがみつくも、ガンビア国民と国際社会の圧力の中、任期終了とともに辛くも赤道ギニアに逃れた独裁者、ヤヒヤ・ジャメ大統領。政権転覆当時は日本でもニュースとしてそれなりに取り上げられたが、最近はめっきり報道も影を潜めた。

逃亡劇の裏側では、国庫の金を持ち逃げした、新しいアダマ・バルー大統領が就任した時には国庫がからだった、との報道も話題を呼んだ。

あの時、週刊金曜日さんからお声がかかり、寄稿させていただいた。国庫持ち逃げ疑惑が話題を呼んだことにも、一端があった。しかしその当時、この疑惑については、あくまでそういう噂がある、という程度にとどまっていた。

『週刊金曜日』に寄稿しました~ガンビア・独裁体制崩壊と民主化


ところが当地西アフリカ時間の昨日、Jeune Afrique誌は、速報でフラッシュニュースを配信した。いわく。

ガンビア司法当局、ヤヒヤ・ジャメ国庫問題を追及
La justice gambienne décide de frapper Yahya Jammeh au portefeuille
(Jeune Afriqueウェブサイトより)


記事によれば、ガンビア司法当局は、ジャメ元大統領が約5千万ドル(50億円)を横領した嫌疑があることを明らかにした。

22日(月)のアブバカル・タンバドゥ司法大臣によれば、大統領は逃亡の前夜、少なくとも約5千万ドル(50億円)を不法に持ち出したとの嫌疑があるという。ジャメ氏は、中央銀行から個人の資格で、あるいは間接的に同額相当の財を引き出して逃亡した疑いが強いとしている。

本当なら、ジャメ前大統領逃亡劇当時に囁かれた「国庫のなけなしのカネは元独裁者によって持ち出された。新政権は一文なしのスタートとなる。」という情報は正しかったということになる。

人口わずか150万人、貧困に置かれた小国にとって、5千ドルはあまりに大きな財だ。元独裁者は、逃避先の赤道ギニアで何を思うのだろうか。そしてそのカネはどう使われているのだろうか。

(過去記事)
ガンビアという国
第1話 迷走国家
第4話 ヤヒヤ・ジャメ体制20年
第17話 独裁体制終焉へ

その後のガンビア
第4話 独立記念日に大統領就任式
第5話 初の外遊、行き先は?

(おわり)

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