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アフリカ大統領が相次ぎフランス・マクロン大統領と会談

2017-06-14 07:30:46 | アフリカ情勢
6月12日(月)に同地で開催されるG20を前に、アフリカ大統領たちがフランスのマクロン・新大統領を訪問した。言ってみればマクロン「初詣出」。

11日(日)、コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は、エマニュエル・マクロン大統領を表敬した。

(RFIウェブサイトより)


ワタラ大統領は、マクロン大統領にエリゼ宮(大統領官邸)に招かれた最初のアフリカ大統領となった。関係筋は「それだけ重要な関係国」と述べている。

コートジボワールといえば6月2日、国連の安全保障理事会で、2018年、2019年の非常任理事国として選任されたところ。注目の一つは対テロ作戦においてどれだけ共同歩調がとれるかという点にある。

しかし両国、とりわけフランスにとっての関心は、二カ国間の経済関係強化だ。コートジボワールにとってフランスは、ナイジェリアに次ぐ第2位の貿易相手国。700社にのぼる仏系企業が進出し、アグロビジネス、インフラ、運輸交通、エネルギー、情報通信、金融、サービスなどをリードする。大いに語弊はあるが、リアルな経済構造を見ると、さながらフランスの海外領だ。

かつてウフェ・ボワニ大統領の時代には、フランスとの血の契りで結ばれた。市場の30%近くを仏系企業が支配した。しかしその後、権力闘争による開発の停滞や新興国の台頭の中で、フランス経済はかつての輝きを失い、市場占有率は18%にまで後退した。そんな中、社会党時代から続く政策は、フランス企業の復権だ。あの栄光よ再び。仏企業界の鼻息は荒い。

ワタラ・マクロン首脳会談も、もっぱら経済関係の強化が議題となった。カカオの国際市況低下と国内正常悪化による歳出圧力。この国を再び紛争に逆戻りさせることなく、gagnant-gagnant(win-win)の経済関係を構築すべく、財政的支援や債券発行などでの協力が話し合われた。

またコートジボワールにとって夢の計画、しかし一向に先に進まない幻の計画、「メトロ計画」。仏系ゼネコンのブイグが主導する計画の前進についても意見が交わされた。


次にエリゼ宮に招き入れられたのは、12日(月)セネガルのマッキー・サル大統領だ。ブリュッセル、ベルリンへの歴訪プログラクに、パリが加えられた。サル大統領は「(フランス大統領に)まずは関係構築を」。側近筋も「旧知の関係であり、至極自然な会談」と論評した。マクロン大統領は就任以来、サル大統領をアフリカで最も評価すべき大統領の一人と評価、外交筋は「(セネガルとは)特権的なパートナーシップ関係」と述べた。

すでに両大統領は5月に電話会談を行い、二国間関係強化を追求することで意見が一致したとされる。フランスはセネガルにとって第一の投資家。セネガル側は沖合で進む石油開発事業でも仏系のトータルグループにセネガル石油研究所を誘致したい考えだ。

もうひとつの話題は対テロ作戦。セネガルは国連マリ多次元安定化ミッション(MINUSMA)への最大の兵士派遣国となる。フランスはサヘル地域における対テロ、バルカン作戦を展開している。サル大統領は「サヘル地域における対テロ作戦でフランスの果たす絶対的な重要性ーを強調した。

最後のトピックは気候変動。2016年のCOP21を主導したフランス。「パリ合意の遵守は国際社会における極めて重要な約束事。両国がこれをレスペクトして共同に取り組んでいく。」ことをあえて表明した。


アフリカ大統領たちのマクロン初詣。典型的な二つの親仏国からスタートしたことは、アフリカでもマクロン政権の中庸路線が展開されることを暗示しているのか。今後のマクロン外交とアフリカの動きに引き続き注目である。


(おわり)

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