ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

セネガル・モーリタニア国境沖で天然ガス発見!

2016-02-22 07:30:22 | アフリカビジネス
月曜日の『ぶらぶら★アフリック』はLundi Business、ビジネス界の情報から。

少し前の話題。1月28日、Jeune Afrique誌はダカール発のニュースとして、セネガル、モーリタニア国境の沖合で、相当量の天然ガス鉱床が発見されたと報じている。

(Jeune Afrque誌より)


そのほかこの記事は複数のソースで伝えられている。これらの記事の内容を少しまとめてみた。

米国系資本コスモス・エナジー社は2014年以降、探査を続けてきたが、北部サン・ルイの沖合で、セネガル・モーリタニア両国にまたがるガス層を発見。埋蔵推定量は4,500億立米という。

これに対し、セネガルのマッキー・サル大統領は「来るべきガスの生産は、『セネガル新興化計画』(PSE : Plan Sénégal émergent)達成にもよい見通しを与えれくれるもの」と自らのツイッターで語った。

「セネガルにもたらされた最高のニュース。」とチエルノ・アラサン・サルエネルギー大臣。「エネルギー安全保障を可能とし、そして国際市場への輸出にも期待したい。

コスモス・エナジーは米国テキサス州のダラスに本拠を置く。セネガル石油会社(Société des pétroles du Sénégal : Petrosen)、モーリタニア炭化水素・鉱物会社(Société mauritanienne des hydrocarbures et du patrimoine minier : SMHPM)との契約に基づき、探査を開始。出資はコスモス社が60%、ティミス社が30%、Petrosenが10パーセント。鉱床の発見はセネガル側に位置するゲウンブル1探査区。

このニュースは2014年に英国のCairn Energy 社が、セネガル南西部海岸沖に石油鉱床を発見して以降、初めてのニュース。こちらの産出開始は2019年~20年と目され、国内総生産の10%によするとみられている。


問題はセネガル、モーリタニアの国境をどう扱うか、だ。29日、コスモス社は境界確定のための掘削を、モーリタニア側、セネガル側それぞれで開始する、と発表した。

セネガルのサルエネルジー大臣は「今回のガス鉱床発見により、『資源の呪い』に陥ってはならない。われわれは自らの技術者を信頼しているし、セネガルはしっかりとした政治システムを有している。」と述べている。

(記事まとめ、ここまで)



これまで、セネガルはリン、モーリタニアは鉄鉱石や少量の原油を産出してきたが、決して資源大国とはいえない両国。今回のニュースに将来への期待が膨らむ。

しかし資源がアフリカを成長から遠ざけ、あるいは不幸にしてきた、との指摘もある。セネガルのエネルギー大臣の談話に『資源の呪い』というコトバが出てくる。新たな地下資源は、その国やそこに暮らす人を豊かにし、成長させていくことができるのか。

ンボテがセネガルにいた頃、あるセネガル人が言った。「セネガルには石油も資源もなくていい。貧しくても平和さえあれば。」

かつて、この二つの国の間には衝突の歴史があった。一部難民が未だに母国に戻れず、強制退去が行われたり、また帰還が課題となってきたりもした。沖合では漁民間での摩擦もあり、ヌアクショットにいる漁民の多くがセネガルからの越境入漁だったりもした。しかし争うことのできない隣人関係。友好、融和の努力も重ねられてきた。

両国関係者の冷静な外交と懸命な政策、英知によって、今回のガス田発見が、二つの国と、そこに住む人々に大きな恩恵をもたらすことを期待したい。

(おわり)

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