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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

換気と「ministock」-新潟の狭小住宅、自然素材、高気密高断熱、高耐震ー

2011-04-15 11:30:48 | ministock-狭小住宅・小さい家-

ミニストックの設計過程でここをもう少し良くしたいとか、コスト面を考えるとここまではいいかなとか行ったり来たりの悩みは尽きませんでした。

その一つが換気。

ミニストックは第3種換気を標準としていますが、換気による熱損失は全体の25%を占めています。

単純に第1種換気に変更したら、簡単に熱損失を減らせる?

と思いたくなります。

第1種換気を用いた場合の熱損失係数は、

換気回数n’=0.5-em+((ΔF・ρE)/(0.35B・εH・ρH)・(τ/D)

を用います。

その結果、熱損失係数は1.62w/㎡kになりました。(採用する熱交換換気扇で数値が変わります。ネイティブディメンションズで採用する全熱交換型の換気扇で計算した数値です)

単純に第3種換気を用いた場合との熱損失係数の差は0.44w/㎡kです。

20%程の削減に成功しましたが、これをコスト比較しなければ意味がありません。

ランニングコストの比較は、暖房デグリーデーの考慮が必要で、この場合、私の脳内コンピューター(アナログ)はパンクしてしまうので簡易的な比較を行いました。

その結果、第1種換気にする事でランニングコストを下げる事は出来ますが、その差額でイニシャルコストを回収すると、おおよそトントンかな、と。(エアコンを10年で交換、換気扇は構造が単純なので、部品交換程度のメンテナンスを想定)

結局、「どっちでもいいか」となったので、初期投資の少ない第3種換気を標準としましたが、これから電気代が上がる可能性などを考えれば第1種換気はお勧めです。もちろんイニシャルコストが将来的に下がれば積極的に採用します。

尚、換気容量が増す通常の物件では第1種換気のご提案とさせていただきます。


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